25 / 30
最強の武人(4)
しおりを挟む
グランドレイガーは今、バラカス兄弟の強さを痛感させられていた。
咄嗟に思いついたであろう今のトリッキーな作戦もさることながら、ハルバードを遠くにぶん投げた判断も素晴らしいものだ。
常人ならば、奪い取ったハルバードで斬りかかって来ただろう。挙げ句、グランドレイガーに再び奪い返されていたはずだ。
しかし、兄弟は違っていた。使い慣れない武器を無理に使うより、遠くに放り投げた。グランドレイガーの攻撃力を、確実に減らすという選択をしたのだ。
今の状況では、その選択こそが正解であった。
「俺は、お前たちの力を見誤っていた。よくぞ、そこまで練り上げたものだ。お前たちは、本当に強い。極限に近いレベルまで鍛え抜かれた肉体と、瞬時に奇手を思いつき行動に移せる度胸。俺も、今まで数々の戦場を巡って来たが、お前たちほどの強者と相まみえたのは初めてだ」
グランドレイガーは、静かな口調で語った。どのような表情をしているのかは、兜のせいで見えない。だが声を聞く限り、嘘ではなさそうだ。
「お前たちほどの戦士が、街の貧民窟に埋もれていようとはな。実に惜しい。俺の部下にいれば、どれだけの手柄を立てたのだろうな。お前たちのような部下と肩を並べて、戦場を駆け抜けてみたかった」
「おう、そうか」
「そうか」
兄弟は、とぼけた顔つきで答えた。一方、グランドレイガーはさらに語っていく。
「これまで会った中でも、最強といっていい相手だ。実に惜しい。こんな強者を、自らの手で仕留めねばならんとはな。さあ、ふたりまとめて来るがいい」
その言葉を待っていたかのように、バラカス兄弟が動き出す。
ふたり同時に襲いかかっていった──
バラカス強大は、恐ろしい勢いで殴りかかっていく。ふたりで拳を振るい、グランドレイガーを殴りつける。さらには、足での蹴りも食らわす。凄まじい連撃だ。
大木すらへし折れるほどの連撃であったが、グランドレイガーはビクともしていない。ふたりのダース単位の打撃を、避ける素振りもなく受け続けている。
しかし、この男はその場からピクリとも動いていないのだ。たとえ甲冑を着ていようが、殴られれば衝撃が内部まで浸透してくるはずだった。にもかかわらず、グランドレイガーにダメージはないらしい。これもまた、鎧に宿る力なのか。
「悪くはない。だが、その程度の攻撃では、この鎧には効かんぞ。次は、こちらの番だ」
呟いた直後、今度はグランドレイガーが動く。
左右の拳を、二回振っただけだった。兄弟は、力任せのパンチを、それぞれ一発ずつもらっただけである。
そのたった一発のパンチで、バラカス兄弟は呆気なく飛んでいったのだ。百キロを超える頑丈な体が、ハリケーンにでも遭ったかのような勢いでぶっ飛び、床に倒れたのだ。
「どうした? もう終わりか? 俺を相手に、ここまで戦ったのは大したものだ。久しぶりに、本気で戦えたぞ。その腕に免じ、降伏するならば部下にしてやってもいい。だがな、あくまで戦うというなら殺すだけだ」
グランドレイガーの提案に、バラカス兄弟は立ち上がる。
兄弟そろって、拳を顔の位置にあげ構える。その瞳から、戦意は消えていない。どうやら、降伏する気はないらしい。圧倒的な差を知りながらも、なおも戦おうというのだ。
「そうか。まだ戦うのだな。だが、それこそ望むところよ。もっと、俺を楽しませろ!」
吠えたグランドレイガーに、まず突進していったのが兄だ。拳を振り上げ、先ほどと同じく何やら喚きながら突っ込んでいく。
だが、途中で動きが変わった。パッとしゃがみ込むと、腰の辺りに強烈なタックルを食らわしたのだ。スピード、タイミング共にこれ以上ないくらいの見事なものである。野生のゴリラでも、このタックルをくらえば立ってはいられないだろう。
グランドレイガーはというと、そのタックルを正面から受け止めたのだ。しかし、ピクリともしない。微動だにせず、まっすぐ立っている。
「同じ攻撃を、二度もくらうと思ったか。愚かな奴め」
組み付いている兄を見下ろし、グランドレイガーはせせら笑った。兄は懸命に引き倒そうとしているが、両者の力と体格は違いすぎた。しかも、グランドレイガーとて武人だ。組み合っての格闘で、倒されないためのコツは知っている。
その時、弟も動いた。兄と同じく、喚きながら拳を振り上げ突進してくる。
だが、こちらも途中で動きが変わった。飛び上がったかと思うと、高く跳躍してのドロップキックを放ったのだ。
トリッキーな攻撃ではあったが、グランドレイガーにとっては何ということもないらしい。ぶんと腕を振り、簡単に払い落としてしまったのだ。
そこで、再び動いたのが兄である。その振り回した右腕に、一瞬にして飛びついたのだ。
グランドレイガーの二の腕に、両足を巻きつけた。同時に、相手の前腕を己の両手でがっちりと掴みロックする。一連の動きには、一切の無駄がなく流れるように進んでいる。その様は、一流の踊り手の舞踊を見ているかのようであった。
直後、グランドレイガーの肘関節を逆方向に捻った──
飛びつき腕ひしぎ十字固め……相手の腕に飛びつき、肘関節を極め破壊する関節技だ。
グランドレイガーの鎧は、魔法を無効化する特殊能力を備えている。また、物理的な攻撃に対しても強い防御力を持っている。剣で斬ろうが槍で突き刺そうが、傷ひとつ付かない。
その上、着用した者の動きを阻害することなく自在に動けるように作られている。したがって、柔軟さもある。
しかし、鎧がどんなに頑丈であろうとも、関節技に対しては無力であった。いや、なまじ着用者の動きを阻害しないような構造だったのが災いしたのだ。
バラカス兄は関節技をかけ、一瞬にして武人の右腕をへし折ってしまった──
「き、貴様!」
グランドレイガーは吠えた。右の肘関節を襲う激痛に耐え、反射的に左腕を振り回した。
その左腕に飛びついたのは、バラカス弟てあった。兄と同じく、飛びつき腕ひしぎ十字固めを極める。
グランドレイガーの左肘もまた、一瞬にして砕かれた──
「ぐおぉぉぉ!」
獣の咆哮のごとき叫び声をあげ、グランドレイガーは崩れ落ちた。ガバナス帝国最強と謳われた武人が、名もなき貧民街の用心棒風情に両腕をへし折られてしまったのである。
当の双子は、涼しい表情で倒れた巨人を見下ろしている。
「お前強い。でも、その鎧に頼り過ぎ。技の防御が出来てない」
「頼り過ぎ。技の防御が出来てない」
その言葉に、グランドレイガーは痛みをこらえ顔を上げた。
「そうか。この魔法の鎧に頼りすぎていた性根が、己の技を曇らせていたか……何たることだ。武人失格だな」
言った後、仰向けに寝転がった。両腕が使えなくなった今、戦いにはならない。敗北を認めたのだ。
その体勢のまま、さらに言葉を続ける。
「もういい。俺は敗れたのだ。さっさと殺すがいい。何もかも失った身、もはや生きる理由もない。最後に、貴様らのような最高の戦士と戦えた……それだけで満足だ」
言われたふたりは、またしても目を合わせた。
同時に頷くと、まず兄が動いた。グランドレイガーの顔を覆っていた兜を、力任せに引き剥がす。
いかつい顔が、あらわになった。だが、兄はグランドレイガーの顔など見てもいない。その太い首に、背後から腕を巻き付けた。
直後、キュッと絞め上げる。グランドレイガーは抵抗すら出来なかった。あっという間に絞め落とされ、意識を失う。
「兄ちゃん、やったか?」
「おう、やった」
ふたりは、グランドレイガーの巨体を担ぎ上げる。
そのまま、城から慎重に運び出していった。
咄嗟に思いついたであろう今のトリッキーな作戦もさることながら、ハルバードを遠くにぶん投げた判断も素晴らしいものだ。
常人ならば、奪い取ったハルバードで斬りかかって来ただろう。挙げ句、グランドレイガーに再び奪い返されていたはずだ。
しかし、兄弟は違っていた。使い慣れない武器を無理に使うより、遠くに放り投げた。グランドレイガーの攻撃力を、確実に減らすという選択をしたのだ。
今の状況では、その選択こそが正解であった。
「俺は、お前たちの力を見誤っていた。よくぞ、そこまで練り上げたものだ。お前たちは、本当に強い。極限に近いレベルまで鍛え抜かれた肉体と、瞬時に奇手を思いつき行動に移せる度胸。俺も、今まで数々の戦場を巡って来たが、お前たちほどの強者と相まみえたのは初めてだ」
グランドレイガーは、静かな口調で語った。どのような表情をしているのかは、兜のせいで見えない。だが声を聞く限り、嘘ではなさそうだ。
「お前たちほどの戦士が、街の貧民窟に埋もれていようとはな。実に惜しい。俺の部下にいれば、どれだけの手柄を立てたのだろうな。お前たちのような部下と肩を並べて、戦場を駆け抜けてみたかった」
「おう、そうか」
「そうか」
兄弟は、とぼけた顔つきで答えた。一方、グランドレイガーはさらに語っていく。
「これまで会った中でも、最強といっていい相手だ。実に惜しい。こんな強者を、自らの手で仕留めねばならんとはな。さあ、ふたりまとめて来るがいい」
その言葉を待っていたかのように、バラカス兄弟が動き出す。
ふたり同時に襲いかかっていった──
バラカス強大は、恐ろしい勢いで殴りかかっていく。ふたりで拳を振るい、グランドレイガーを殴りつける。さらには、足での蹴りも食らわす。凄まじい連撃だ。
大木すらへし折れるほどの連撃であったが、グランドレイガーはビクともしていない。ふたりのダース単位の打撃を、避ける素振りもなく受け続けている。
しかし、この男はその場からピクリとも動いていないのだ。たとえ甲冑を着ていようが、殴られれば衝撃が内部まで浸透してくるはずだった。にもかかわらず、グランドレイガーにダメージはないらしい。これもまた、鎧に宿る力なのか。
「悪くはない。だが、その程度の攻撃では、この鎧には効かんぞ。次は、こちらの番だ」
呟いた直後、今度はグランドレイガーが動く。
左右の拳を、二回振っただけだった。兄弟は、力任せのパンチを、それぞれ一発ずつもらっただけである。
そのたった一発のパンチで、バラカス兄弟は呆気なく飛んでいったのだ。百キロを超える頑丈な体が、ハリケーンにでも遭ったかのような勢いでぶっ飛び、床に倒れたのだ。
「どうした? もう終わりか? 俺を相手に、ここまで戦ったのは大したものだ。久しぶりに、本気で戦えたぞ。その腕に免じ、降伏するならば部下にしてやってもいい。だがな、あくまで戦うというなら殺すだけだ」
グランドレイガーの提案に、バラカス兄弟は立ち上がる。
兄弟そろって、拳を顔の位置にあげ構える。その瞳から、戦意は消えていない。どうやら、降伏する気はないらしい。圧倒的な差を知りながらも、なおも戦おうというのだ。
「そうか。まだ戦うのだな。だが、それこそ望むところよ。もっと、俺を楽しませろ!」
吠えたグランドレイガーに、まず突進していったのが兄だ。拳を振り上げ、先ほどと同じく何やら喚きながら突っ込んでいく。
だが、途中で動きが変わった。パッとしゃがみ込むと、腰の辺りに強烈なタックルを食らわしたのだ。スピード、タイミング共にこれ以上ないくらいの見事なものである。野生のゴリラでも、このタックルをくらえば立ってはいられないだろう。
グランドレイガーはというと、そのタックルを正面から受け止めたのだ。しかし、ピクリともしない。微動だにせず、まっすぐ立っている。
「同じ攻撃を、二度もくらうと思ったか。愚かな奴め」
組み付いている兄を見下ろし、グランドレイガーはせせら笑った。兄は懸命に引き倒そうとしているが、両者の力と体格は違いすぎた。しかも、グランドレイガーとて武人だ。組み合っての格闘で、倒されないためのコツは知っている。
その時、弟も動いた。兄と同じく、喚きながら拳を振り上げ突進してくる。
だが、こちらも途中で動きが変わった。飛び上がったかと思うと、高く跳躍してのドロップキックを放ったのだ。
トリッキーな攻撃ではあったが、グランドレイガーにとっては何ということもないらしい。ぶんと腕を振り、簡単に払い落としてしまったのだ。
そこで、再び動いたのが兄である。その振り回した右腕に、一瞬にして飛びついたのだ。
グランドレイガーの二の腕に、両足を巻きつけた。同時に、相手の前腕を己の両手でがっちりと掴みロックする。一連の動きには、一切の無駄がなく流れるように進んでいる。その様は、一流の踊り手の舞踊を見ているかのようであった。
直後、グランドレイガーの肘関節を逆方向に捻った──
飛びつき腕ひしぎ十字固め……相手の腕に飛びつき、肘関節を極め破壊する関節技だ。
グランドレイガーの鎧は、魔法を無効化する特殊能力を備えている。また、物理的な攻撃に対しても強い防御力を持っている。剣で斬ろうが槍で突き刺そうが、傷ひとつ付かない。
その上、着用した者の動きを阻害することなく自在に動けるように作られている。したがって、柔軟さもある。
しかし、鎧がどんなに頑丈であろうとも、関節技に対しては無力であった。いや、なまじ着用者の動きを阻害しないような構造だったのが災いしたのだ。
バラカス兄は関節技をかけ、一瞬にして武人の右腕をへし折ってしまった──
「き、貴様!」
グランドレイガーは吠えた。右の肘関節を襲う激痛に耐え、反射的に左腕を振り回した。
その左腕に飛びついたのは、バラカス弟てあった。兄と同じく、飛びつき腕ひしぎ十字固めを極める。
グランドレイガーの左肘もまた、一瞬にして砕かれた──
「ぐおぉぉぉ!」
獣の咆哮のごとき叫び声をあげ、グランドレイガーは崩れ落ちた。ガバナス帝国最強と謳われた武人が、名もなき貧民街の用心棒風情に両腕をへし折られてしまったのである。
当の双子は、涼しい表情で倒れた巨人を見下ろしている。
「お前強い。でも、その鎧に頼り過ぎ。技の防御が出来てない」
「頼り過ぎ。技の防御が出来てない」
その言葉に、グランドレイガーは痛みをこらえ顔を上げた。
「そうか。この魔法の鎧に頼りすぎていた性根が、己の技を曇らせていたか……何たることだ。武人失格だな」
言った後、仰向けに寝転がった。両腕が使えなくなった今、戦いにはならない。敗北を認めたのだ。
その体勢のまま、さらに言葉を続ける。
「もういい。俺は敗れたのだ。さっさと殺すがいい。何もかも失った身、もはや生きる理由もない。最後に、貴様らのような最高の戦士と戦えた……それだけで満足だ」
言われたふたりは、またしても目を合わせた。
同時に頷くと、まず兄が動いた。グランドレイガーの顔を覆っていた兜を、力任せに引き剥がす。
いかつい顔が、あらわになった。だが、兄はグランドレイガーの顔など見てもいない。その太い首に、背後から腕を巻き付けた。
直後、キュッと絞め上げる。グランドレイガーは抵抗すら出来なかった。あっという間に絞め落とされ、意識を失う。
「兄ちゃん、やったか?」
「おう、やった」
ふたりは、グランドレイガーの巨体を担ぎ上げる。
そのまま、城から慎重に運び出していった。
0
あなたにおすすめの小説
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
村から追い出された変わり者の僕は、なぜかみんなの人気者になりました~異種族わちゃわちゃ冒険ものがたり~
楓乃めーぷる
児童書・童話
グラム村で変わり者扱いされていた少年フィロは村長の家で小間使いとして、生まれてから10年間馬小屋で暮らしてきた。フィロには生き物たちの言葉が分かるという不思議な力があった。そのせいで同年代の子どもたちにも仲良くしてもらえず、友達は森で助けた赤い鳥のポイと馬小屋の馬と村で飼われている鶏くらいだ。
いつもと変わらない日々を送っていたフィロだったが、ある日村に黒くて大きなドラゴンがやってくる。ドラゴンは怒り村人たちでは歯が立たない。石を投げつけて何とか追い返そうとするが、必死に何かを訴えている.
気になったフィロが村長に申し出てドラゴンの話を聞くと、ドラゴンの巣を荒らした者が村にいることが分かる。ドラゴンは知らぬふりをする村人たちの態度に怒り、炎を噴いて暴れまわる。フィロの必死の説得に漸く耳を傾けて大人しくなるドラゴンだったが、フィロとドラゴンを見た村人たちは、フィロこそドラゴンを招き入れた張本人であり実は魔物の生まれ変わりだったのだと決めつけてフィロを村を追い出してしまう。
途方に暮れるフィロを見たドラゴンは、フィロに謝ってくるのだがその姿がみるみる美しい黒髪の女性へと変化して……。
「ドラゴンがお姉さんになった?」
「フィロ、これから私と一緒に旅をしよう」
変わり者の少年フィロと異種族の仲間たちが繰り広げる、自分探しと人助けの冒険ものがたり。
・毎日7時投稿予定です。間に合わない場合は別の時間や次の日になる場合もあります。
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる