33 / 68
第二部 復興編
13.井戸掘り
しおりを挟む
捗ってた~!
ってかもう、ほぼ完成って言ってもいい。
大きめに囲った貯水槽と、横に大きめに作った簡易シャワー場。
やっぱり兵士の数が多いと、作るのも早いな。
しかも貯水槽の壁は3重くらいに厚く頑丈に作られている。
いいねぇ、これなら掘る時に安心だわ。
ん?でもまだ水路が全然無い。
「ライド王子、貯水槽はいいけど水路は?町まで伸ばす形に準備しないとさ……」
領主の横にいた王子をコッソリと呼んで聞いてみると、王子がにっこりと笑って紙を渡してくる。
開いてみると、これは設計図?
「アキラ、この場を確認している時に、領主殿から案を頂いたんだ」
簡易地図には、貯水槽とシャワー施設があり、その横にプールみたいなものと水車が描かれていた。
「ほら、槽の横が大きな窪地になっているだろう?一旦ここに水を溜めて、そこから水車で汲み上げて町まで運ぶ形にしたらどうかと」
貯水槽の裏手を覗いてみると、なるほど大きな窪地になっていた。
「しばらくはある程度沁み込んでしまうだろうけど、ゆくゆくは防水シートを下に敷いて巨大な風呂のようにすればしっかりと溜められるだろう?」
巨大な風呂?
はあ~そうか、来る途中で入った風呂をヒントに考えた訳か。
「やるなあ、ライド王子」
感心したわ~、どんな情報もしっかりと憶えておいて活用できるとは。
絶対に賢王になるよ、コイツは。
更に、レンガで水路を作っていないのは、ここが柔らかい砂地という理由からだった。
水が砂に吸い込まれないように一からレンガを町まで敷設するのはかなり大変なので、木の板をU字に組んで水路にした方が良いと。
離宮は元々町中に貯水槽を作った為、回りは既にレンガ敷きだったけど、ここは町から外れた砂地。
なるほどね、この場所に合った方法だ。
じゃあ後で材料として使えるように、リルの木をバンバン生やしておこう。
そう、俺達はここでずっと作業を手伝える訳じゃないからな。
水と作物の確保が出来たら、すぐにつぎの土地に移動しなくちゃいけない。
臨時の対策と、恒久対策は別にして考えないとだ。
「じゃあ、早速井戸を掘ろうか」
スザールに指揮をとってもらって、全員を離れた場所まで退避させる。
俺は少し離れた所で貯水槽のレンガを乾燥加速して固めてから、リルの枝を中央に刺して離れる。
「聖女様の奇蹟が起きるぞ!みんな祈りを捧げよ」
スザール、ナイス!
スザールの号令に、領主を始め筆頭にみんながひれ伏して祈りを捧げだす。
ちょっと異様な光景だけど、今は有り難い。
では、その隙にリルの木の成長を加速!
離宮の兵士達は、この後何が起こるのか分かっているので顔だけ持ち上げて身構えている。
そのポーズが変で、吹き出しそう。
メキメキという音と共に育つリルの木。
深さが10メートルくらいだから、マックス近くまで成長させれば水源に届く筈だ。
そろそろか?
スポーン!という音と共にリルの木が吹っ飛ぶ。
シャンパンの栓を開けたみたいだ。
水柱と共に舞い上がった巨木は、後ろの窪地にドドンという地響きと共に落下した。
「ひいっ」
「ひええっっ」
みんなが悲鳴を上げて腰を抜かす中、ライド王子達ただけは歓声を上げている。
うん、慣れてきたよな。
良いか悪いかは別としてね。
俺も今回は、余裕の目で眺めていた。
実はリルの枝を刺すと時に、少し窪地の方に傾けて刺しておいたんだよね。
そっちにすっ飛ぶように計算したのさ。
水の勢いが噴水から湧き水に変わるくらいまで、領主と兵士達はポカンと眺めていたが、だんだんと実感が湧いてくるとワアワアと騒ぎだした。
「……嬉しいのは分かるんだが、水が出る時は変な踊りを踊る決まりとかあるのかね?」
ザウスが、喜ぶ領主達を苦笑しながら眺めている。
「………さあな……」
阿波踊りの変形みたいな踊りを舞っている領主以下ガルデーンの兵士達を、微妙な目で見つめる離宮チームという図。
俺らもあんな踊りしてたんか?
傍から見ると、ドン引きだなぁ。
とにかく、ここにも水源が確保され、復興の希望が灯った。
ってかもう、ほぼ完成って言ってもいい。
大きめに囲った貯水槽と、横に大きめに作った簡易シャワー場。
やっぱり兵士の数が多いと、作るのも早いな。
しかも貯水槽の壁は3重くらいに厚く頑丈に作られている。
いいねぇ、これなら掘る時に安心だわ。
ん?でもまだ水路が全然無い。
「ライド王子、貯水槽はいいけど水路は?町まで伸ばす形に準備しないとさ……」
領主の横にいた王子をコッソリと呼んで聞いてみると、王子がにっこりと笑って紙を渡してくる。
開いてみると、これは設計図?
「アキラ、この場を確認している時に、領主殿から案を頂いたんだ」
簡易地図には、貯水槽とシャワー施設があり、その横にプールみたいなものと水車が描かれていた。
「ほら、槽の横が大きな窪地になっているだろう?一旦ここに水を溜めて、そこから水車で汲み上げて町まで運ぶ形にしたらどうかと」
貯水槽の裏手を覗いてみると、なるほど大きな窪地になっていた。
「しばらくはある程度沁み込んでしまうだろうけど、ゆくゆくは防水シートを下に敷いて巨大な風呂のようにすればしっかりと溜められるだろう?」
巨大な風呂?
はあ~そうか、来る途中で入った風呂をヒントに考えた訳か。
「やるなあ、ライド王子」
感心したわ~、どんな情報もしっかりと憶えておいて活用できるとは。
絶対に賢王になるよ、コイツは。
更に、レンガで水路を作っていないのは、ここが柔らかい砂地という理由からだった。
水が砂に吸い込まれないように一からレンガを町まで敷設するのはかなり大変なので、木の板をU字に組んで水路にした方が良いと。
離宮は元々町中に貯水槽を作った為、回りは既にレンガ敷きだったけど、ここは町から外れた砂地。
なるほどね、この場所に合った方法だ。
じゃあ後で材料として使えるように、リルの木をバンバン生やしておこう。
そう、俺達はここでずっと作業を手伝える訳じゃないからな。
水と作物の確保が出来たら、すぐにつぎの土地に移動しなくちゃいけない。
臨時の対策と、恒久対策は別にして考えないとだ。
「じゃあ、早速井戸を掘ろうか」
スザールに指揮をとってもらって、全員を離れた場所まで退避させる。
俺は少し離れた所で貯水槽のレンガを乾燥加速して固めてから、リルの枝を中央に刺して離れる。
「聖女様の奇蹟が起きるぞ!みんな祈りを捧げよ」
スザール、ナイス!
スザールの号令に、領主を始め筆頭にみんながひれ伏して祈りを捧げだす。
ちょっと異様な光景だけど、今は有り難い。
では、その隙にリルの木の成長を加速!
離宮の兵士達は、この後何が起こるのか分かっているので顔だけ持ち上げて身構えている。
そのポーズが変で、吹き出しそう。
メキメキという音と共に育つリルの木。
深さが10メートルくらいだから、マックス近くまで成長させれば水源に届く筈だ。
そろそろか?
スポーン!という音と共にリルの木が吹っ飛ぶ。
シャンパンの栓を開けたみたいだ。
水柱と共に舞い上がった巨木は、後ろの窪地にドドンという地響きと共に落下した。
「ひいっ」
「ひええっっ」
みんなが悲鳴を上げて腰を抜かす中、ライド王子達ただけは歓声を上げている。
うん、慣れてきたよな。
良いか悪いかは別としてね。
俺も今回は、余裕の目で眺めていた。
実はリルの枝を刺すと時に、少し窪地の方に傾けて刺しておいたんだよね。
そっちにすっ飛ぶように計算したのさ。
水の勢いが噴水から湧き水に変わるくらいまで、領主と兵士達はポカンと眺めていたが、だんだんと実感が湧いてくるとワアワアと騒ぎだした。
「……嬉しいのは分かるんだが、水が出る時は変な踊りを踊る決まりとかあるのかね?」
ザウスが、喜ぶ領主達を苦笑しながら眺めている。
「………さあな……」
阿波踊りの変形みたいな踊りを舞っている領主以下ガルデーンの兵士達を、微妙な目で見つめる離宮チームという図。
俺らもあんな踊りしてたんか?
傍から見ると、ドン引きだなぁ。
とにかく、ここにも水源が確保され、復興の希望が灯った。
40
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる