入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第二部

ポチタロウ、一周回る(前)

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「3つめが、一番大事。・・・だから。授業は、続けても、いい? ポチにぃ?」



 2時間目が終わった後で、スーがそう言った。



「うん。いいよ」



 僕はいつものごとく「いいよ」と答えた。



「もう少し、練り直して、くる。ポチにぃは、ちょっと、休憩、してて」
「うん、わかった。・・・ありがとね、スー」



 僕とこんなやり取りをした後で、スーは「黒板の裏側」にいたエクに近づいて声をかけた。



「エクは、それを、続けてて、くれる?」
「わかったでヤンス!」



「ありがと、エク」
「はいでヤンス!」



 スーに返答するエクの声が、少しくぐもって部屋に反響した。



「ポチにぃは、エクを、そっと、しておいて、ね?」
「うん・・・わかった」



 スーは追加で僕にそう告げた。これにも僕は肯定の意を返した。



 スーは、教壇の右手側の隅に設置してあった木の椅子に腰掛けた。そうして、目を閉じた。どうやら頭の中のシルの空間で授業内容を見直すらしい。



 スーになんとか返事を返したけれども、この時、僕は、自分自身に危機感を覚えていた。



■■■■■■
□□□□□□


ポチタロウ、一周回る(前)


■■■■■■
□□□□□□



 スーがエクに声をかけた時、エクは、黒板の裏側にいた。なにやら立ったままで、少しだけモゾモゾと動いていた。



 僕はスーが声をかけるまで、エクがそこにいたのを「気づいていなかった」ことに気づいた。



(・・・!)



 振り返ると、そこには椅子が倒れていた。ネオリスが不思議そうに、部屋の隅っこから僕を眺めていた。



(あの頃の僕なら、こんな失敗・・・しなかった、よな?)



 そんなことに思い当たった。
 


 魔王討伐の旅の間、僕は、いつ魔物が来てもいいようにと警戒していた。特訓中に教えてもらった「気配察知」をほとんど無意識でやっていた。それをしながら「みんなに心配をかけないように」と、笑顔でいることも心がけていた。



(よくもまあ、あんなことしてたよな・・・)


 
 それを思いだして、改めてそんなことを思った。僕は映像の中の僕のことを考えた。



 もしあの頃の僕がここにいたならば、今、エクがどの位置にいるか? をちゃんと把握していただろう。仮に椅子を倒しかけるようなヘマがあったとしても、倒しきる前に支えていただろう。(僕にしては珍しく)ほとんど確信的にそう思った。



(あの頃よりも・・・今の僕は、劣化・・・してる?)



 そんな思いが頭をよぎった。



 そうして僕は、今の自分自身に危機感を覚えることとなった。


 
ー 自身の劣化 ー



 これを僕は、どうやら心の奥底では、すでに感じていたようだった。なんだかそんな「感覚」があった。



 それと同時に気づいた。僕が自己肯定を、あまりうまくできなかったのには、もう一つ理由があったことに。



 確かに「戦闘時」の僕はすごかった。でも、あくまでそれは「戦闘時」の話だったのだ。



 僕は「恋愛関連、レベルが1だ」・・・なんて思ったことがある。



 確かにすごいところがあったのは事実だけど、そんな風に「レベル1」だと思ってしまうような「すごくない自分」のことも、僕は知っている。それも「自己肯定感の低さ」に繋がっていたのだ・・・。

 

 ここまでを一気に、なんとなく「感覚」で理解した。



・・・
・・・
・・・。



ー もっと、感覚を研ぎ澄ませ! ー



 思い返してみると、危機感を覚えたと同時に、最初にこんな「ひらめき」があった。



 これは「言葉」ってよりは「直観」って感じだった。



 この「直観」っていうのも、旅の間に僕が(やっぱりほとんど無意識で)感じていたことだった。戦闘中の僕は、その直観を大事にして、行動していた。



 昔の「自分の映像を見た」ことがきっかけで僕は、その当時のことを思い出し始めていた。



(左脳が過ぎてんだ! 今の僕は、いろんなことを「言葉」で考えすぎてる!)



 そうして、ここに思い至った。



 左脳は主に「言語や論理」的なことを司る脳だ。右脳は「感覚や直観」を司る脳だ。



 魔王討伐の頃の僕は「感覚や直観」を信じて、行動していた。(要するに右脳メインだった)今の僕は「言語や理論」に基づいて行動している。(要するに左脳メインだ)



 その違いに気づいた。



(もっと、右脳に寄せろ!)



 気づいてすぐさま、そんな風に自分に言い聞かせたんだけれども、今度のそれは「言葉」に過ぎなかった。



 すぐに「感覚」に身を委ねることはできなかった。それでも、思考速度はいつもよりも、早くなっていた。



 この時、僕の思考はこんな感じで展開していった。



(あの頃みたいに、すぐに感覚に身を委ねられないのはなんでだろう?)



(魔物とかが、近くにいないから、あの時みたいな危機感がない?)



(今の僕には危機感が・・・足りてない? だからこんな状態になってる?)



(また「こんな」なんて考えてる・・・ってそうじゃなくて! 確かに今の僕には自分のことを「こんな」なんて思ってしまう部分がある! それは事実だから、受け入れろ!)



(受け入れた上で、これからどうするべきか? ちゃんと考えろ!)



(受け入れる為に「こんな」なんて思ってしまう自分自身を、むしろあぶり出せ!)



(スーは僕の為に、授業の練り直しに行ってくれたんだぞ! それをもっと自覚しろ! 僕は僕で、できることをしろ!)



(心のパンツなんて、全部脱いじまえ!)



(僕は前世で誰とも付き合ったこともないし、童貞のままだった。やっぱりこれは、まだ僕の心の中に残ってる。・・・それは事実だ)



(僕だけ前世の記憶があるのに、僕は全然、浅いままだ。特に恋愛関連、ほとんど何にも変わってない)



(だから僕はみんなに「異世界転生者」だって打ち明けられなかった・・・のか? たぶんこれも事実だ・・・)



(僕は怖かったんだ。みんなに失望されるのが・・・。僕はネオリスと同じだ・・・)



(恋愛レベル1だって思ってしまうような僕がいるから「すごい」って思われるのも怖かった)



(すごいと思われてるのに、その期待に沿えない僕を、僕はみんなに見せたくなかったんだ・・・)



(それを踏まえた上で・・・今の僕に何ができる?)



(少しでもあの頃の感覚を取り戻す、べきなのかな?)



(その為には、危機感が足りてない・・・ってより、むしろ危機感が、必要だったりする!?)



(僕は、危機的状況じゃないと、あんまり役に立たない? 集中力も、もたないし・・・)



(僕ってひょっとして、日常生活に向いてない? 常に自分を危機的状況に追い込んでおく方がいい・・・のか!?)



(この際、ネオリスに本当に、大魔王を用意してもらって、それを倒しに行く?)



(そうすれば、危機的状況に自分を置いておけるよな・・・)



(いやいや。それじゃあ、やっぱりマッチポンプだし、倒した後、どうすんのさ!? てか、そんなことしても、スーにはバレバレだし!)



(仮にスーがそれを受け入れてくれたとして、その後、どうすんの? また次の相手を用意してもらったりするの!? それにみんなを巻き込むの!? ずっとそれを続けるの!?)



(いっそ発想を逆転して、日常生活においても、魔王を倒した時みたいに、常に気を張って生きて・・・いく?)



(いやいやいや。常に気を張ってたら、持たない・・・よな? 魔物がいなくちゃ、生命の危機なんて感じないだろうし・・・)



(そもそも、魔王討伐が仕組まれたものだったってわかった今、何をしたところで、危機感なんて感じられないかもしれない。それで常に気を張るのは、さすがに厳しいよな・・・)



(そういや、あの頃の僕も、なんだかんだで、ワフルに甘えさせてもらえるようになったことで、保ってた部分ってあったよね? てか、滅茶苦茶あったよ><!)



(そんなことをしたら、また、ワフルに甘えさせてもらうことに、なっちゃうよな・・・?)



(危機的状況じゃない、僕の集中力なんて、あんまり期待できないから・・・。そうなると、24時間のうち、23時間くらい、ワフルにだだ甘えすることもありえるぞ!?)



(そもそも、今の僕がそれを望んでいいの!? もう僕は、自治区に戻ることを前提で考えてるぞ!?)



(せめてもう一度、ちゃんとみんなの顔を見たいし、ちゃんと話は聞いてみたい・・・)



(それに・・・)



(ワフルのポヨンポヨンのお腹・・・。最高、だったよな・・・)



(絶妙のあのゆるい曲線。柔らかさ・・・。安心できるあったかさ・・・)



(幼女のイカ腹って最高だよな・・・ってぇ! そうじゃなくて><!)



(・・・なんで、そうなる? とりあえず、落ち着け・・・ポチタロウ)



・・・
・・・
・・・。



ー 幼女のイカ腹は最高だ。 ー



 なんてところに脱線してしまった後で、僕はひとまず自分に、落ち着くようにと言い聞かせた。



ー グイッ・・・。コトッ。 ー



 ひとまず倒れていた椅子を、後ろに回って、ゆっくりと引き起こした。



 大きく息を吸って、吐いた。



ーーーーーー



 あんまり落ち着いた感じには思えなかったけど、それでも一つ、思い出したことがあった。


ー 人は誰だって転ぶものだ。転ぶのを恐れるよりも、転んだらすぐに立ち上がれ ー



 僕はなんだかこのような言葉があったのを思い出した。(倒れていた椅子を元に戻しながら思い出した)それを実践していたのも思い出した。



 魔王討伐中の僕も、頑張ってはいたけれども(スーの統計どおり)実際に、何度か仲間にケガを負わせてしまったことがある。



 でもあの頃の僕は「失敗から学んで次につなげろ!」って自分に言い聞かせてやっていた。失敗してもすぐ立ち上がった。



 魔王討伐から帰ってきてからもそうだった。



 (ガラリと下ネタにはなっちゃうんだけれども)僕はみんなにおちんちんを挿れることができずに、かっこ悪いところを見せてきた。



 それでも、僕は何度もそれに挑戦してきた。(こっちについては「僕がエッチだから」って部分があるのは否めないけど)帰ってきてからも、「諦めずに立ち上がる」これは続けていたはずなのだ。



ー いつから僕は、そう思えなくなってしまったんだろう? ー



 思ったと同時に直観した。



 結局のところ「エクとエッチなことをしたこと」あそこが分岐点だった。



 そう感じた。



 あの時僕は「ビッグな男」になろうとして、その一歩目を踏み出そうとしたところだった。


 ちゃんとエクの誘惑を断るつもりでいた。



 でも、おちんちんを握られて僕の理性は吹き飛んでしまった><。エクとエッチをしまくった。そうして自身の節操のなさに、すっかり自信をなくしてしまった。



 エクやスーによると、ネオリスのAI(GPTZ-94)は、僕の「心を折る」ことで、僕を頑張らなくさせようとしていたらしい。



ー あの状況に追い込んだのは、ネオリスのAIだったんじゃないか? ー



 なんだかやっぱり、そんな風に感じた。



 エクとエッチなことをすることになったきっかけは、エクが転んだことだった。あの時のエクを転ばせたのが、ネオリスのAIだったんじゃないか? そんな気がした。



 エクはあの時、ラジ○体操第二をしている最中に不自然な感じで転んだ。



 それを助けようとした僕の手は、気づけばエクのおっぱいを揉んでいた。指と指の間には、乳首まであった。



 あんなラッキースケベ展開は、今まで僕に起こったことなんてなかったのだ。



ー ネオリスのAIは、あの瞬間、スナイパーが標的を狙い澄まして撃ち抜くみたいに、エクを転ばせたんじゃないだろうか? ー



 そう感じた。・・・というよりこれを「言葉」じゃなくて「直観」として、感じたから、そこからの逆算的な推測で、ここに至れた。



 その真偽を確かめる方法はあった。ノムのキュウロクはあと1回残っていた。



 でも、それを使う気にはなれなかった。ネオリスの今後についてをちゃんと決めるまでは、念のためにそれを残しておきたかった。



 どれだけ「とぼけたおっさん」に思えても、ネオリスはこの世界の創造主なのだ。



・・・
・・・
・・・。



 直観的に出てきたこの答えは、そんなに間違ってないように思えた。



 でも僕は、その真偽についてを、キュウロクに尋ねることはしないでおくことにした。逆にネオリスのAIの仕業だったと仮定して、そこから先の推測を進めるのもやめておこうと思った。



 あれは、もう過去の話なのだ。今の僕は「今の僕」と「これからの僕」についてを考えるべきだろう。



 ・・・そう思った。



 自分で意図して、うまくは操れなかったけれども、何か、ひらめき的なものが復活し始めていた。ここまで思考を続けた中に、何かヒントがあったような気もした。



・・・
・・・
・・・。



 気づけば僕は、自分の机と椅子の後ろを行ったり来たりしながら、思考していた。(ネオリスの目の前も、何度も行ったり来たりしていた。それも無意識に、把握できていた)



(この方が、考えがまとまるなら、これでいいや)



 人目を気にするよりも、今は思考を続けたかった。



 早歩きになっている気がしたので、歩く速度は少し遅くした。


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