入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第二部

ポチタロウ、一周回る(中)

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 気づくと僕は、椅子の後ろを行ったり来たりしながら、考えにふけっていた。



 早歩きになっている気がしたので、歩く速度は少し遅くした。
 


 ゆっくり歩きだすと同時に、ふっと思いついて、ただ、往復するんじゃなくて、机と椅子の周りを1周回ってみることにした。



 そうしてみたら、いくつかの気づきがあった。



 この時、僕は椅子の後ろ側を、左隅から右隅まで移動しているところだった。一周回ることを思いついて、直角に左に曲がって、そのまま灰色の壁沿いを黒板側へと進んだ。



 椅子と机を追い越して、また直角に曲がって、今度は部屋の右隅から、左隅まで移動した。



 そこからさらに直角に曲がって、今度はネオリス側(後ろ側)へと向かって、壁沿いを机、椅子の順に追い越した。そうして机と椅子の周りを、ひとまわりし終わった。



(線ではなくて、面。いや・・・円の方がいい?)



 一周回った後で、こんなことを思った。



 同じところを行ったり来たりしていても「線」にしかならない。


 
 今回歩いたみたいに「考え方自体」も、もう少し多面的にする方がいいんじゃないか? そう思いついた。



 真四角に歩いた自分がいたので、なんだか「四角四面な人間だな」・・・なんてことも思った。そこからさらに、こんな連想をした。



(僕はまじめすぎるのかもしれない・・・。もう少し丸くなるべきかな?)



(円は丸だな・・・。円になるのがマル(正解)なのかな?)



(丸がマル(正解)ってなんだか、シンプルだけどわかりやすくていいな・・・)



 こんな思考を経て、線よりも、面、それよりも円・・・なんて考えに到った。



 スーの授業の2時間目が終わってから、僕には明らかな変化があった。



 魔王討伐時の自分の映像を見てからは、前みたいに、少し直観で物事を考えられるようになっていた。



 ここで僕は、もう一つの変化にも気づいた。



 僕の心は少し軽くなっていた。歩きながらそう感じた。その理由も、すぐにわかった。



 僕がなんとかスーの授業を聞こうと、尻尾を握っているのを見て、スーはこう言ってくれた。



ー ボクは、それを、とっても、優しく、感じるし・・・。とっても・・・カッコいいと、思う。 ー



 この言葉が、僕の気持ちを軽くしてくれたのだ。スーは「今の僕」を肯定してくれた。それが嬉しかったのだ。



 思い返してみると、サラも良くわからないタイミングで僕を「かっこいい」と褒めてくれたことがある。



 どうやら、僕が思う「かっこよさ」とスーやサラが思う「かっこよさ」には違いがあるらしい。



(それにだ・・・)



 魔王討伐の頃の僕は確かに頑張ってはいた。でも、到らない点はあった。逆に、魔王討伐後の僕は、自分をふがいなく思うことが多かった。



 それでもそんな風にサラやスーが僕を肯定してくれるというのならば、今の僕にもいいところがあるのかもしれない・・・。
 


 あんまり人目を気にせずに、一生懸命がんばっていたら、それはそれで、かっこよく映るのかもしれない・・・。なんだかそんな風にも思えた。



ー 完全に昔の僕に戻る。 ー



 少なくとも「これが答え」ではない気がした。



 自身を「劣化」したと感じてはいたけれども、昔の自分に戻るのは、それはそれで「退化」な気がした。



 僕は、前の自分の映像をもう少し確認してみたいと思った。特に魔王討伐後の僕を見てみたかった。



 思い返してみると、頑張れなくなった中でも、僕は頑張ろうとはしてきたように思った。もう一度、自分で客観的にそれを見て、判断がしたかった。



 頑張っているところのついでに、かっこ悪いところ、かっこいいところ、全部含めて、見てみようって気持ちにもなった。



 そうすることで、今の僕の良い点、悪い点を洗い出せる気がした。



 映像を見る方法についても当てがあった。



 スーが見せてくれた映像は、スーもしくは(スーの頭の中にいる)シル視点だった。



 あの映像は、キュウロクに用意してもらったものじゃなくて、スーがシルに何かアプリ的なものを用意してもらって、準備したものなんじゃないか? シルが見た過去の映像を、映し出すようなものがあったんじゃないか? なんだか、そんな予感があった。



 シルにそれが出来るのであれば、同じ大精霊(見習い)である、サラにもそれができるだろう。



 僕はサラにそれを聞きに行くことにした。逸る気持ちを抑えながら、その前に、シルに呼びかけてみた。



(ねぇ、シル?)



 呼びかけてはみたものの、話しかけるのは久々だった。ちゃんとシルに聞こえているのか? 心配になった。でも、すぐにシルから返答があった。



(ぽちたおう? しぅシルだぉだよ?)



(!)


 
 シルの声を聞いた途端、僕はまた、ゴビの海原に放り込まれた気分になった。心が濁流に飲み込まれかけた。シルの幼女幼女した、舌っ足らずな語尾はやっぱり可愛すぎた><。



ー ギュムッ! ー



 僕は尻尾を握って、心を平静に保った。「平静な時の尻尾の位置」を、僕は感覚で覚え始めていた。



(ねぇ、シル?)
(ぽちたおう、どうした?)



(もし、スーの次の授業の準備が終わったら、僕に教えてくれる?)
(わかったぉ!)



(ありがとね、シル)
(いいぉ)



 平静を保ちつつ(若干顔をキリリとさせつつ)なんとかシルと、こんなやり取りをした。僕はシルに用件を伝えた。



 スーが戻ってきた時に、僕もサラの空間からすぐに戻れるようにと、シルに合図を送ってもらうことをお願いした。



 僕のお願いを素直に聞き入れてくれたシルのことを、やっぱり良い子だな、なんて思った。



 シルもスーを手伝っているかもしれない。そう思いついたので、用件はその一つだけに留めておいた。



 あとは、サラのところで話を聞いたり、映像を見せてもらったりすればいい。そんな段取りを頭の中で整えた。



(・・・っと、その前に・・・)



 僕はサラのところに行く前に、サラにお願いして、強力ボンドを取り出した。



 部屋の隅っこにいた、ネオリスの椅子を、ボンドで床とくっつけた。



 ロープで固定されているとはいえ、用心にこしたことはないだろう・・・。



 創造主としてのネオリスへの恐怖が3割くらい。ファンとしてのネオリスへの恐怖が7割くらいでそう思った。



 ロープでグルグル巻きになってはいたものの、見た感じ、キャスター付きの椅子で、ネオリスが足を使って少しずつ移動することはできそうに思えた。



 (僕のファンな)ネオリスが「移動できる状態」で、サラの空間に入って、自分の身を無防備にするのは危険だと思った。ネオリスの今までの所業を思い出しながら、とっても危険だと思った。



 でもそんな僕の思考とは裏腹に、ネオリスは、なんだかおとなしくなっていた。ボンドで椅子を固定される時も、されるがままだった。少し呆然とした表情をしていた。



 そんなネオリスを見ながら、僕はやっぱり少しだけ、哀れみと申し訳なさを覚えた。



■■■■■■
□□□□□□


ポチタロウ、一周回る(中)


■■■■■■
□□□□□□



「そういうアプリも・・・あるな・・・」



 ベッドに腰掛けながら、タブレットを操りながら、サラがそう言った。



「こんな便利なもん、なんで俺様は使い倒そうとしなかった!?」



 サラはタブレットを両手で握りしめながら、プルプルと震えていた。



「おそらく・・・にはなるけど、さ・・・」



 (タンスに手を当てて落ち着いた後で)そう言いながらサラは、一つの推測をした。



 僕と同じように、サラ自身にも何か、制約がかけられていたんじゃないか? そんな推測をした。



 僕がインタビューをした時、サラは「大精霊になること」に対して、「漠然と」なりたいとしか思っていなかったと言った。そこに明確な目的はなかった。(これがサラが「キュウロクに聞いてみる」って言っていたことなのも、僕はここで思い出した)



 これについて僕とサラはしばらく話し合った。(でも、その詳しくについては、今回の話とは関係がないので、割愛したいと思う)



・・・
・・・
・・・。



 とにもかくにも・・・。



 僕が推測したとおり、サラが今までに「僕を通して見た映像」を視聴できるアプリは存在していた。サラがそのアプリを自分のタブレットにインストールしてくれた。そのままデータごと、僕に貸してくれたタブレットの方にも送ってくれた。



 データを転送してもらっている間に、一つ思いついたことがあったので、これもサラに試してもらった。



 僕はふと、タブレット自身に「言語設定機能」があるんじゃないか? と思ったのだ。
 
 
 
 僕が元いた世界のタブレットにもそんな設定はあった。高次のタブレットに、その機能がない・・・なんてことはなかった。



 サラが、歯車型の設定アイコンを押して、その中から言語設定を見つけてくれた。



「これもあんのかよ!」



 サラは(僕のツッコミよりも)鋭くツッコんだ。(僕はキレがいいな、と思った)



「・・・にしてもさぁ・・・。自動で翻訳されちまうから、見づれぇわ」



 サラは(可愛くてクセになる幼女声で)そんな悪態もいた。(続けて僕は「こんなサラも可愛いな」なんてことを、思った)



 悪態を吐きながらもサラは、言語一覧から「XXXX語(僕が魔王を倒した世界の言語)」を見つけてタップしてくれた。(さすがに日本語はなかった)こうしてサラに貸してもらったタブレットの文字が、僕にも理解できるようになった。



 タブレットのディスプレイには「20:32」と(こっちの世界の数字で)時刻が表示されていた。僕は、現在時刻も把握できるようになった。少しずつまた、いろんなことが捗りだした。



(もうそんな時間なんだ・・・)



 時刻がわかったところで、そんなことを思って、少しだけ現実世界に戻った。(サラに出してもらった)毛布を、スーとネオリスの体にかけた。



 ガラスの板の内部温度は、一定に保たれているようだったけれども、なんとなく時間的にそうするべきな気がした。幼女とお年寄りは、やっぱり敬うべきだと思った。(この時もネオリスはなんだか、おとなしかった)



 エクについては「そっとしておいてね」とスーに言われていたので、そのままそれを遵守した。



 黒板の裏でモゾモゾ動いているエクが、「鶴」になってはたを織ってやしないかな? なんてことを思って、ちょっとだけ気にはなった。



ーーーーーー



 再びサラの空間へ戻って、僕は床に腰掛けて、アプリを起動した。



 僕の目を通して、サラが見た映像を視聴できるアプリは「アルティメット・エレメンツ・ビューア」って名前だった。(起動時にそう表示された。なんだかちょっと中二っぽさを感じた)



 そのアプリは、タブレットを横持ちにして使うものだった。



 左側がメニューになっていた。日付が一覧表示されていて、それを上下にスライド出来た。右側の大きい方の(おそらくメイン)画面には何も表示されていなくて真っ黒だった。



 それぞれの日付の横に、右向きの三角ボタンがついていた。それをタップしてみたら、右側のメイン画面にその日の映像が映し出された。(音量が大きかったので、ちょっとボリュームを下げた)



 再生が始まると右側の画面には、映像と共に、早送り、巻き戻し、録画用のボタンが表示された。



 僕は、記憶を呼び覚ましながら、いろんな映像を確認していった。



 いくつか再生しているうちに、僕がいつ頃、どんなことをしていたか? これも、少しずつ把握できるようになっていった。



・・・
・・・
・・・。



(うん・・・速い・・・。速いな・・・)



 まず僕は、ブランコの横棒が折れて、ワフルが吹っ飛んでしまった時の映像を探し出して見てみた。



 あの時僕は、ワフルを全速力で飛んで追いかけた。僕はその飛行速度を映像で確認したのだ。



 なんだかそんな気がして僕は、その映像を再生してみたんだけれども、魔王を倒した時に飛んでいた時よりも、僕の飛行速度はさらに速かった。(魔王を倒した時の映像と比較してみてそう思った)



 どうやら僕は、日常生活においても、仲間が危機的状況にあったら、力を発揮できるらしい・・・。それを確認できた。



 次に、スーと二人っきりで空を飛んでいた時に、ドラゴン達に襲われた映像も見てみた。



 僕もスーも余裕をもって、魔物達を排除していた。僕の動きも、スーの動きも、最適化された感じで、力もいい感じに抜けていた。



 でも、飛行ユニット(ブランコ)に戻る頃には、僕の集中力は切れていた><。ブランコの「乗る部分」を何度も追い越して、行ったり来たりしていた><。



 少しずつまた、何かがわかりだした感じがした。



・・・
・・・
・・・。



(早い・・・早いよ><)



 「はやい」から連想して、僕は、サファと初めてエッチなことをした時の映像も見てみた。



「あふっ・・・」



 映像の中の僕は、サファの普段聞いたことのないような、そんなあえぎ声を聞くと同時に「ピュルっ」と発射していた><。



(無理だ>< ・・・さすがにこれ以上、見るのは無理だ><!)



 そう思って、さすがにそれ以上「自分の早漏映像」を見ることはやめておくことにした。



 サファの裸を見て、エッチな気持ちになりかけたし、自身の早漏っぷりに、あまりにも精神的ダメージがひどかった><。(サラの空間でそれを見るのもどうかと思った)



(めげるなポチタロウ! それでも自分の格好悪いところは、せめてもうちょっとだけでも見ておけ><!)



 そんな風に自分を発憤させながら、僕はさらに踏み込むことにした。



 早漏映像はダメージが大きかったけれども、それでも、他の格好悪いところも直視しておくべきだと思った。



 今度は、魔王討伐中にワフルにだだ甘えしていた時の映像を見てみた。



 その映像では、ただ、ワフルの顔が逆さまに映っているだけだった。(サラが「僕の視点から見た映像」だったので、もちろん僕視点だった)



 僕は「ワフルに抱きついていた、かっこ悪い自分」が見たかったのだ。それを直視することで、魔王討伐の頃の自分にもカッコ悪いところがあったことを確認したかったのだ。(そんな自分自身に「ドMなの!?」なんて、小ツッコミも入れた)でも、あくまで僕視点だったので、その映像は残っていなかった。



 逆さまに映ったワフルの顔を見ながら僕は、やっぱり「会いたいな」・・・なんて思った。少し感慨深い気持ちになった。



 そんな気持ちで、タブレットをひっくり返して、ワフルの顔を良く見ようと思ったら、タブレットの画面までひっくりかえった><。



 画面の向きを固定するボタンを探し出して、僕は画面を固定した。(若干タブレットに対して、サラ風に悪態を吐きたくなった。でも僕にはその能力はなかった)



 画面を固定して改めて、上からのぞき込んでいるニコニコしたワフルを見て、やっぱり会いたいと思った。ちょっと寂しくもなった。



 僕はこれ以上、自分のカッコ悪いところを探すのは、やめておこうと思った。ワフルの顔を見て、それも今の僕がすることではないと思った。



・・・
・・・
・・・。



 サファとワフルの顔を見た後で、僕はリリの顔も見てみたくなった。そうしてリリの映像も探し出した。



 でも、探しだせたその映像は、ちょくちょく、リリのパンチラを映し出していた><。



 それを映し出す度に、画面がフルフルと揺れた。



ーーーーーー



 何かの答えを見つけようと、それでも僕は、過去を見つめ直す作業を続けることにした。



ー 理屈で考えるな、感覚で感じろ ー

 

 サラとエッチなことをした時に、なんだか、こんな感覚があったのも僕は思い出した。



 その考え方というか感覚は「右脳」と「左脳」的な思考に近かった。僕はあの時、両方のバランスをとろうとしていた。それも何かのヒントな気がした。



 あの時の僕は、ほんのわずかな時間だけれども、感覚と理屈の間で、何か綱渡りみたいなことをしながら、集中状態に入れていた。



ー エッチなことの最中に、なんでそんな感覚になれたのか? ー



 これが知りたくて、その時の映像も探してみた。でも、この映像も、残っていなかった。



 頭の中のサラの空間に僕がいる時は、サラの視点は、通常状態に戻るらしい。(たしかサラはそのようなことを言っていた)どうやらそのせいで、映像は残っていないようだった。



 この映像についても、よくよく考えたら、サラの目の前で「サラとエッチなことをした映像」を見ることになるわけで・・・。それはそれでどうかと思った><。



(見れなくて良かったんだ・・・)



 そんな風に思い直した。



(・・・サラとのエッチな映像は見れなかったけど。・・・その分、サラにまたエッチなことをさせてもらおう・・・)



 それでもすぐさま、そんなことは思ってしまった><。



 ここから僕の頭の中でまた、思考が展開していった。



(スーは今の僕を肯定してくれたけどさ!? かといって、僕の「節操なし」な部分はまるで変わってないよね? ><)



(6.5パーセント、頑張れなくなっていたのが解除された今なら・・・少しは自重できるんだろうか・・・?)



(リリのパンチラを見て、すぐに画面がフルフル揺れてたのは、そこで僕が見るのをやめて、首を振ってたからだよな?)



(魔王討伐時の僕も、たしかにリリのパンチラに目が行きがちだったけど、それでも今よりはたぶんずっと、見る時間は少なかった・・・よな?)



(少なかったからといって、僕がエッチなのは変わらないし・・・。せめてそれでもみんなが受け入れてくれるくらいに・・・。やっぱりもう少し、すごい奴になりたいな・・・)



(逃げ出しちゃう選択よりは、そっちの方がまだ・・・いいよね?)



(次のスーの授業は「僕が悪くないこと」・・・について、だったよな?)



(ダメなところはいっぱいあったと思うんだけど・・・たぶん、スーはそれ以外の何かを僕に伝えようとしてくれてるんだろうな・・・)



(せめて、それを否定せずに、ちゃんと聞けるようにしておきたいな・・・)



(せめて、尻尾を握らないでいいくらいまでは、心を整えておきたいな・・・)



(もう一度、ビッグな男になることを、頑張ってみても・・・いいんだろうか?)



(6.5パーセント、頑張れるようになった今、それでも失敗したら、どうする?)



(心がペキッとへし折れちゃうかもしれない・・・それは怖いな・・・)



(すごく怖い。・・・でも・・・それでも)



(また逃げちゃうよりは、また一から、頑張ってみようか・・・?)



(「転けてもすぐに立ち上がる」・・・この言葉だって思い出せただろ、ポチタロウ?)



(頑張って・・・。でも、何事もやり過ぎは良くないよな? 頑張りすぎると僕は、すぐに、いっぱいいっぱいになるよな!?><)



(またワフルのポワンポワンなイカ腹に頼ることに・・・なるぞ?)



(今はこれは考えるな、ポチタロウ! また「幼女のイカ腹が最高だ!」なんて結論に陥るぞ!? そんなオチが見えるぞ!?)



(一旦、落ち着け・・・)



 僕はそこで足を止めて、一旦深呼吸をした。それからまた、歩き始めた。



ーーーーーー



(途中までは、悪くなかったハズだ・・・)



(もう一度頑張ってみる・・・)



(でも、あんまり頑張りすぎない・・・)



(うん。ここまでは悪くないはずだ・・・)



(頑張りすぎずに・・・それでも・・・。それでも、みんなを包み込めるような、そんな僕をまた、めざしてみよう・・・)



(きっとでも、やり方は変えるべきだ・・・)



(そもそも「俺についてこい!」なんて方向でやろうとしたのが、たぶん、間違ってたんだ・・・)



(僕はキャラ的に、そんなキャラじゃないよね!? 誰にでも向き不向きってあるよね?)



(「僕がみんなを守るよ♪」僕は気軽にそう言えてた。なんでそれができた? 今ならわかるよね?)



(もちろん、本当に僕がそれをするつもりだったからだ。みんなを守ることだけは、全力でやろうって・・・ちゃんと思ってたからだ!)



(僕にはきっと、その方向で、ビッグな男になることの方が向いてるんだ・・・)



(「俺についてこい!」なんてことは、いつまでたっても、うまく言えそうにはないけど・・・。「みんなを守る」・・・こっちなら、今だって言える気がする・・・)



(・・・とは言っても、そもそも、魔王は倒しちゃったし、企画屋な糸目は排除したし、創造主まで、呼び出しちゃったんだよな・・・。これからも「みんなを守る」シチュエーションなんて、あるのかな?)



(あるかもしれないな・・・。そう思っちゃったからには、それがフラグになりうるよな・・・?)



(そういや僕は、サラに会いに大精霊の世界にたどりつく・・・って約束してた><!)



(それに、スーの為に1000年生きる・・・これも約束した><!)



(それをする為には、またなんかしらの困難はあるだろうな・・・)



(・・・ってぇ! たぶん、これだ! そんな約束をしたのに、逃げ出しちゃった僕がいたから・・・)



(だから僕はあんな感じになっちゃったんだ・・・><。これも自己肯定が、できなかった理由だ。・・・ってより、これが大きな理由だ><!)



(約束は守れ! サラやスーの為にも・・・僕自身の為にも・・・ちゃんと守れ!)



(これだ! これが重要だったんだ! 二度と忘れんな!)



・・・
・・・
・・・。



 ここまでを考えて、僕はメモ帳を取り出して、真ん中あたりの真っ白なページを開いた。



 左側のページに、でっかい文字で「約束を守れ!」と書き殴った。



 忘れないようにと、右側のページには、小さな文字で「千年生きる。サラに会いに行く。約束を守れ」と、いっぱい書いた。



ー 約束をした僕がいた。それを忘れていた僕がいた。 ー



 どうやらこれが僕の中に、ずっと何かしらのモヤモヤとして残っていたらしい。文字をいっぱい書きながら、そんなことに気づいた。



ー (大切な人との)約束を守る。 ー



 たぶんこれも、僕の大事なアイデンティティーだったのだ。



 そこまで考えた後で、僕はまた、歩き出そうとした。



 そこで自分がいつの間にか(今度はサラの部屋の中で)行ったりきたりしていたことに気づいた。



(また線の動きだよ><!)



 僕はまた「線」で、動いていた><。



 サラは、ベッドに腰かけて、肘をついた姿勢で、そんな僕をただ見ていた。



・・・
・・・
・・・。



(僕はやっぱり全然まだまだだな・・・)



(でも・・・。あんまりあせらずに・・・ゆっくり、やろうか)



 でも今回は、こんな感じで思考の展開は短く済んだ。



 これまでの僕なら、ここでまた自分を卑下していたようなタイミングだった。



 でも昔の映像を見ながら、いろんなことを考えながら、僕はこの言葉も、思い出していた。



(ゆっくりでいいんだよ)



 スーとサラが言ってくれたこの言葉が、やっと僕の中に浸透し始めていた。



 ワフルに飛び込んでいって、一緒に泥だらけになったり。



 スーの向き不向きを考えたり。



 サファに何度も「頑張りすぎです」って教えてもらったり。



 リリのパンチラを、チラチラと見たり・・・。



 いろんなことがあった。いろんな失敗もした。でもその中からでも、僕は何かしら学んでいた。いろいろ思考をしていった中で、それらがちゃんと役に立ってくれた。



 少なくとも、大きな問題点を一つ見つけ出せた。これはきっと、大きな進歩だ・・・。そう自分に言い聞かせた。



ー もう少し、多面的にいろいろと考えるクセもつけよう・・・ ー



 追加でそんなことを思いながら、僕は思考を続けることにした。


 
 考える要素がいっぱいあって・・・。頭は少し疲れていた。



 それでも・・・。もう少しで何かがわかりそうな・・・。そんな感覚があった。



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