入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第一部

スー=スレイプニル(幼女エルフ:5)

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「行ってくる。フリイ、ちゃんと宿題」
「ん。やっとくって」



スーがサクノソトで暮らすようになってから、1年が過ぎた。あいかわらずサクノソトをグルリと一周、回る生活をしていたスーだったが、少し変化もあった。いつものルーティンに「単語の書き取りを3つだけ教えること」が加わった。



 「文字を教える」とミドウに伝えた後、スーはさっそく有言を実行に移した。フリイの家での最初の授業で、スーは、意気揚々「むふん」と、単語を紙にズラリと羅列した。たちまちフリイとミドウの頭から「ぶしゅーーーっ!」っと湯気が上がった。



「スー・・・あたい達、スーほど、頭良くないからさ。小さい子どもに教えるみたいに、やってくれると、その、助かる」



 フリイは少し恥ずかしそうにスーにそう告げた。スーは「自分が頭がいいこと」を初めてちゃんと認識した。自分に簡単に「わかる」ことでも、相手には「わからない」こともあるのだと知った。



 ただ「小さい子どもに教えるみたいに」と言われても、それをしたことのないスーには、どうすればいいのか、わからなかった。ある程度文字の書けるオネイロとタクローもいれば、基礎的な単語数個しか書けないフリイとミドウがいて、どこらへんに焦点を当てて教えればいいのかも、わからなかった。



 スーは、知恵熱が出そうなくらい、いっぱい考えて「個別の授業を少しずつやる」ことを毎日のルーティンに加えた。それぞれが次に必要そうな単語を3つずつ教えて、100回ずつ書く宿題を出した。



「この言葉が、書けると、こんな時に、役に、立つ」



 スーは、たどたどしくも、ちゃんとそれを添えた。一番最初にフリイに教えてもらった時の応用をしたのだ。こちらのモチベーションまで上げようと頑張っている、その成長した姿に、ミドウ達は、ホロリとしながら、書き取りを続けた。



 それぞれのペースでだが、門番達は少しずつ、書ける単語が増えていった。



ーーーーーー



 門番達の暮らしにも、大なり小なり変化があった。



 フリイの部屋の足の踏み場は、大分増えた。オネイロに習うようになり、フリイの料理のレパートリーも増えた。スーを暖かく見守るスタンスは変わらなかったが、ほんの少し、距離はまた近くなった。その弊害か、フリイはたまに書き取りをサボり、スーがそれをたしなめる形が出来た。



ーーーーーー



 オネイロは門番小屋の前で「子どもキッチン」を始めた。夕方、小屋の外に簡易的なキッチンと、テーブルや椅子を並べ、一緒に(ほんの少しでも)料理した子達に無料で食事を取らせた。



 門番達は、柵の中に魔物素材の「毛皮や肉」を安価で卸していたが「ツノやキバ」は行商人に相場で売りさばき、それなりの財産を蓄えていた。なので子どもキッチンは儲けるためではなく「子ども達がその日、食べられるように」と「ちょっとでも手に職をつけられるように」との、想いで運営された。



「ボク、文字、教えるから、オネイロ、料理、教えて、あげて」
 オネイロの行動は、スーの、この一言がきっかけになっていた。



 サクノソトの子ども達がオネイロの元へワラワラ集まるようになり、家族の為に、料理を持って帰りたがる子も増えたが、オネイロは、ニコニコと、それを受け入れた。ハリティ副頭のスザンヌは、そこに予算を回すように取り計らった。



 意外なことに、タクローのところにも幼女(と幼児)が集まるようになっていた。彼がスーの為に作った遊具達の物珍しさが、タクローの怪しい風体からの近寄りがたさに、とうとう上回ったのだ。遊具はゆうに1ダースを超えていた。遊園地化したそこを、幼児達がいつまでもほっておく訳がなかった。



 遊びに来る幼女達に、手出しこそしなかった彼だが、自分の作った遊具で、楽しそうに笑う幼女の顔や、時折見えるパンチラなどに彼の心は揺らいだ。



 「オナニーはスー専」と心に誓っていたタクローだったが、射精の瞬間にその光景がちらつき、発射してしまうことも増え、心の中でスー神に懺悔した。



 彼の中でスーはある種の神になっていた。



 一番大きな変化があったのは、ミドウだろう。彼は、取り巻きだった女の子の内、すでに4人の子を孕ませていた。



 先述のとおり、彼の性的対象年齢は元々3~9歳だった。スーの面倒を見るようになってからはそれが9~12歳に上がった。集まる子の年齢は「年上に憧れる12~15歳」から「父性を求める9~12歳」へ下がった。



 要するに「ミドウの対象年齢」が「集まってくる子達の年齢」とマッチングしたのである。


 彼は、スーの帰った午後に、気に入った子に、もう初潮が来ているのか? と、おまたを触ってもいいか? を尋ね、肯定の返事があると小屋へ招き入れて、優しく抱いていった。



 「初めてなのに気持ちよかった」という、抱かれた子の感想を聞いて、他の子達も、嫉妬するよりは「とにかく抱かれたい」と思う子が多かった。



 中には抱いて欲しいが為に、初潮がきたと嘘をつく子までいた。それが嘘だと分かっても、ミドウは自分が気に入った子なら、気にせず抱いた。彼はエロゲハーレム主人公ムーブをごく自然にかましていた。



「導きのペンダントをもらったら、門番みんなでいろんなとこ、見に行きたいなって思ってるんだよ」
 取り巻きの子達にミドウはあけすけとそう語った。



 子が生まれると、子を成したカップルには青と赤の対のペンダントが渡される。青いペンダントを手に持って進むと、森の外までの道を、植物や風や地面が教えてくれた。赤いペンダントを持つと、村まで帰る道のりを同じように示してくれた。



 導きのペンダント1対を、複数人で、使用することも可能だったが、ミドウはペンダントをいくつか保持しておきたかった。スーに何かがあった時や、これから生まれてくる子ども達の為に、備えておいて損はないだろうと思っていた。彼は森の外での暮らしも、少し視野に入れ始めていた。



(俺たちのこの村での役割も、そろそろ終わりそうだし・・・)



 ペンダント欲しさもあって、ミドウは子作りを始めた訳だが、彼も男である。初潮の来たばかりで9歳のミリィとのセックスは、背徳感で溜まらなく興奮したし、自分を慕う子達が喘いでイクのを見ながら、最奥で放出するのが大好きだった。イケメンでモテまくっても、彼が幼女好きな変態なのは変わっていなかった。



 身ごもったことがわかった女の子達は「出産準備室」で保護されるのがスレイプニルでの通例だった。これだけは、柵の中も外も関係なかった。妊婦は、ハリティ達の世話と指示を受け、軽い運動や散歩をしながら、出産の時を待つのだ。



 門番達の「育児施設関連への出禁」は、すでにスザンヌによって解かれていたので、ミドウはちょくちょくそこを訪れて、自分の子を身ごもってくれた女の子達と同じ時を過ごした。


ーーーーーー



 門番全員で変わったこともある。門番の仕事に「指南役」が加わったのだ。「個の力」に頼るよりも「集団での連携」で、門の防衛をする方向に舵切りがされた。これもスザンヌの方針である。肩書きこそ「ハリティ副頭」のままだったが、スザンヌの支配力は、長老を凌駕するようになっていた。



 各門番の元には12人ずつ、サクノソトのエルフ達が付けられて、訓練が行われた。ゆくゆくは3人ずつの4交代制で、門番職が回されるようになり、給金も出される手はずになっていた。ろくな仕事のないサクノソトの雇用促進対策でもあった。



 4人の現行門番は門番職を辞め、指南役兼、遊撃部隊になるよう打診されていた。給与は良くなり仕事は減る、とのことで、4人ともそれに異論はなかったが「小屋を出て、柵の中で暮らさないか?」というスザンヌの誘いは固辞した。



 慣れ親しんだ小屋だったし、何よりスーが毎日のように小屋から小屋へと回っているのだ。彼らにとって自分の小屋以上の住処はどこにもなかった。結局、新しい門番達の詰め所が、柵の中に作られることとなり、彼らはサクノソトの小屋に留まることになった。



「あの子達の手綱だけは、なかなかうまく握れないわね~・・・」



 彼らを対長老側の切り札として、自分のそばに抱えておきたかったスザンヌは、そう独りごちた。



ーーーーーー



 ハリティ副頭スザンヌによる改革は、うまく進んでいるかに思えた。実際、概ねうまく進んでいた。だが、彼女は見誤っていた。追い詰められた人間の恐ろしさと、長老が彼女の想像を超えるほどに、愚かだったことを。



 この後、村は一晩にして、滅びることになる。



■■■■■■
□□□□□□


スー=スレイプニル(幼女エルフ:5)


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□□□□□□



 長老のアヌパムはいよいよ、自分の地位が危ういことに気づいた。彼はそれまで、日和見主義で、事なかれ主義が過ぎた。そのツケが今、回ってきたのだ。



 だが彼は、潔くなかった。スザンヌの改革を目の当たりにして、ハリティ頭のメリエムは勇退を決意したというのに。



(スザンヌさえいなければ、後はどうとでもなるわい)



 彼は、ダークエルフの砦「キンザ」へ、スザンヌ暗殺を依頼する使者を出した。スレイプニルから北へ約50キロ。木と石で造られた大きな砦があり、ダークエルフ達は、少数精鋭でそこに暮らしていた。



 名目上は、さらに北にあるダークエルフの村を守る為に滞在している、と言われていたが、その村へたどりついた者は、少なくともスレイプニルにはいなかった。



 長い間、ダークエルフとの交流はなかったので、アヌパムは使者に多めの金を持たせた。スレイプニルより質素な暮らしをしていた彼らなら、この金で二つ返事で引き受けてくれるだろう。彼はそう高をくくっていた。



・・・
・・・
・・・。



 それから十数日が経ち、北の門、オネイロの元に、使者が帰ってきた。「山菜を採りに出る」と偽って出かけた彼だったが、帰ってきた時には、手に何も持ってなかったどころか、服はどす黒く乾き、目は虚ろで焦点が合っていなかった。



「ちょっと、ちょっと、どうしたの?」
 オネイロはそう言いながら、駆け寄った。



「わ、わ、わ私は、・・・と、と、と、とんでもない、ものを、ま、ね、き、いれて・・・しまった・・・」



 オネイロに支えられた使者は、そこまで言うと、事切れた。「ねぇ、しっかり!」オネイロが体を揺すると、そのまま彼の首がもげた。彼の首は切断され、その時に出た血を糊にして、雑にくっつけてあっただけだった。



「ちょっと! モヘイロ! モヘイロ! こっち来て!」
 オネイロは、その時ちょうど小屋へ来ていた、徒弟の一人に、大声で呼びかけた。



ーーーーーー



「・・・これは、ネクロマンシーじゃろのぅ・・・殺されてから命令を与えられ、ここに戻って来た・・・といったところか・・・」



 最古参の一人、ハリティ頭のメリエムは、そう推察した。人間なら18歳程度に見える彼女だったが、その口調は年齢相応に、古めかしいものだった。



「一体、誰が・・・」
 スザンヌの顔はいつものようには笑っていなかった。むしろ蒼白で引きつっている。



「ダークエルフ、か? ・・・はたまた魔の者のたぐいか・・・」
 メリエムは推測を続けた。



「殺されたのは、アグニムで間違いないな?」
「は、はい。」
 血が抜けて、顔の判別が難しくなった首から上を見ながら、メリエムはスザンヌに尋ねた。


「こ奴は長老の側近じゃったのぉ・・・大方、長老の悪巧みでも託されて、キンザに行った結果がこれ・・・といったところか・・・アヌパムの奴は、長老になっても、若い頃と、ちぃーーーっとも変わっとらんな・・・」



 メリエムは一つ、ため息を吐いた。



 メリエムもハリティ頭にまで上り詰めた女である。その推察力には並外れたものがあった。古い慣習に慣れすぎて、そのままそれを踏襲してきたきらいはあるが、決して道理のわからない人間でもなかった。スザンヌからの要望に応え、検死に付き合ったのだ。



「これはちょっと、アヌパムのアホゥを問いただす必要が・・・ありそうじゃの・・・」
 メリエムの切れ長の目がさらに細くなった。



「お供しますわ・・・メリエム様」
 スザンヌは真剣な面持ちでメリエムの後ろを付いていった。



(早めに勇退を決めてもらえて、よかったわ~。 こんな化け物と真正面からやり合わずに済んだもの♪)



 内心でそう思い、ニコニコしそうになったスザンヌだったが、状況を思い出して、気を引き締め直した。



「ス、スザンヌ様ぁー! これを!」



 長老の元へ向かったメリエムとスザンヌを、追いかけてきたカトリーヌが引き留めた。彼女は検死が終わったアグニムの身体検査を行っていたのだ。



「これ、どうしたの~?」
 スザンヌは血まみれの封筒を受け取りながら、尋ねた。



「アグニムのカツラの内ポケットに入ってました!」
「そんなとこに、内ポケットがあったのねぇ~・・・って、アグニムカツラだったの!? ぶふーーーっ!」
 今度はスザンヌも笑いを堪えられなかった。



「ふ~・・・どれどれ」
 スザンヌは気を取り直すと、封筒をビリビリと手で破り、中身をあらためた。



ーーーーーー

我はキンザの王、アポストル


こたびは、お招きいただき感謝するぞ、長老殿。
我らに暗殺を頼むには、いささか額が足りてないが、まあよかろう。
足りない分は、貴殿の村から勝手に徴収させてもらうのでな。


喜ぶがいい! 住民の命は、全て我が糧となる。


そしてこの手紙をもって、己の浅はかさを思い知るがいい。
近日中に会えることを、楽しみにしているぞ。

ーーーーーー



・・・
・・・
・・・。



「これは、大変なことになったのぅ・・・」
 手紙を読んだメリエムは、眉をひそめた。



「取り急ぎ、できるだけの準備はしますわ」
 スザンヌはカトリーヌに、急いで側近達を集めるように手配した。



 そして長老は、問いただされるまでもなく「柵の中」から「牢の中」の住人にクラスチェンジすることとなった。



ーーーーーー



ー ところ変わって、敵陣営 ー



「アポストルさまぁ、なんであんな手紙を持たせたんです?」
「ふむ。奇襲で勝っても、我が力を示せんからな」
「なるほどぉ。でも。やっと招待がしてもらえて、よかったですねぇ。おかしら、強いのに招待がないと村に入れませんからねぇ・・・」
「そ、そこは、ほんとに・・・よかった」



 森の夕暮れ、大きい影と小さい影が1つずつ見えた。大きい方は今回の総大将アポストル。小さい方は、付き人のニア。使者アグニムによる依頼(招待)と、その時、手渡されたペンダントのおかげで、彼らはもうすでに、スレイプニルにあと少しというところまで進軍していた。



「攻め入ります? おかしらぁ?」
「1日待つ。その方が、準備も整おう」
「おかしらなら、そう言うと思ってましたぁ」



 ニアは気にするでもなく、干し肉を取り出し、かじりついた。彼の後ろには、いくつもの人影が見えた。それは目の虚ろなダークエルフ達で、全員揃ってキバが生えていた。



ダークエルフの砦は、すでに100年以上前に、闇の魔物の代表格、ヴァンパイアのアポストルの手に落ちていたのだ。ダークエルフ達が、うかつにもアポストルを砦に迎え入れてしまったが為に、彼らは全員、アポストルの眷属になっていた。



 不死で最強とも言えるヴァンパイアのアポストルだが、招かれないと、家の中どころか、村や町にすら入れないという欠点があった。長老の情報不足故に、今、そのヴァンパイアが、スレイプニルへの招待状を手に入れたのだ。



 決戦の火蓋は、まもなく、切って落とされようとしていた。


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