32 / 122
32
しおりを挟む
今日は珍しく早く帰ってきた伯父様から、ラティオス殿下やミーシャ嬢それから一緒に私を断罪しようとした子息たちの処分を聞いた。
当たり前のように夕食も一緒に食べて私の隣で話しを聞いていたルフランも黙って頷いている。
ラティオス殿下の処分は重すぎるのでは、と思ってしまうが、これが王族としての責任の取り方だと言われたら何も言えなくなる。
これからヒロインではなくなったミーシャ嬢はどうなるのだろうか?
そんな事を考えていたらアランがレイのところから帰ってきたと執事から報告があった。
サロンで待ち構える私、伯父様、伯母様、そしてルフラン。
アランもサロンに入って私たちの顔を見ると「ただいま帰りました。ご報告します。」
早く!早く!わくわくが止まらない!
「ビジョップ侯爵家のレイチェル嬢へ婚約を申し込んでいい返事を頂きました。」
そう笑ったアランに伯母様と一緒に抱きついてしまった。
「良くやったわアラン!おめでとう」
「おめでとうアラン。レイが私の義妹になるのね!嬉しい~」
伯父様もアランにおめでとうと言いながら頭をクシャクシャに撫でている。
ルフランの口の端も上がっている。
屋敷の使用人たちも喜んでくれている。
そこからはビジョップ家での婚約の申し込みから何から何まで根掘り葉掘り質問攻めにされるアランは困った顔をしながらも嬉しそうに答えてくれた。
私もブラコン卒業かと思うと寂しくなるけど、アランが幸せならそれでいい。
明日は学院も休みだということで、ルフランも泊まっていくことになった。
夜通しルフランと話し明かすと言ってアランがルフランを連れて行ってしまった。
これって男同士の男子会?
私も今度レイと女子会をしよう!
嬉しい報告にワクワクと落ち着かないままベッドに入った。
~アラン視点~
エリーがやってくれた。
そのお陰でレイを僕の婚約者にする事が出来る。
まだ、両親の許可は出ていないが反対されることはないだろう。
レイのご両親に婚約のお願いをする時はさすがに緊張したが、ご両親も『アラン殿ありがとう。レイをお願いします』とあっさりと許してくれた。
まだ会ったことのなかったレイの兄、クラウド殿には『レイを泣かせるようなことをしたらウインティア王国まで迎えに行くからな』
と笑って握手をしながら激励の言葉をくれた。
結局、僕が動かなくてもエリーのお陰でレイはゲームの断罪から逃れることができた。
あとは僕がレイを幸せにするだけだ。
僕の目の前のソファには分厚いメガネを外し、赤い髪をオールバックにしたルフランが長い足を組んでいる。
ただそこにいるだけで王者の風格を纏った彼には威厳がある。
もうエリーは気づいているだろう。
伯父夫婦にも正体がバレていると思う。
それなのにルフランだけがまだバレていないと思って、まだ平民のフリをしているところが痛い。
優秀な人なのに、そんな鈍いところはエリーと同じだ。
夏季休暇でウインティア王国に帰る前に学園の現状を話すべきだと思った。
ビジョップ家を出る前にレイとも相談して、もう話す方がいいと決めた。
もちろんゾルティー殿下との手紙のやり取りで話す許可は得ている。
信じるだろうか?
信じて欲しい。
それでも断罪後のエリーの事は話さない方がいいと、レイとゾルティー殿下の意見は一致している。
特に継承権放棄のことは話せない。
「ルフラン殿下。今から信じられない話しをしますが最後まで黙って聞いていただけますか?」
僕の殿下呼びに眉を寄せながら、「それがエリーにとって大事なことなら俺は信じる」
その顔を見てゲームの僕がエリーを彼に任せたことは間違いなかったと嬉しなった。
この人は本当にエリーを思ってくれている。
さて、どこから話そうか。
ゆっくり深呼吸をしてから話し始めた。
まず、エリーとレイには前世の記憶があることから話した。
そして今、ウインティア王国の学園で起こっていることを話し、レイから聞いたゲームの内容、エリーが何故アトラニア王国まで逃げてきたのか、ずっと黙って聞いてくれてはいたが、話が進むにつれルフラン殿下の眉間のシワも深くなり、爪がくい込むほど拳には力が入っていた。
最後はエリーが断罪されたところで話しを終わらせた。
「こんな話しを信じていただけますか?」
「ああ、信じられない話ではあるが辻褄は合う。エリーとレイには前世の記憶があるんだな?短い付き合いだがレイは信じられる人間だ。・・・だからエリーはここまで逃げてきたのか・・」
「信じていただけてありがとうございます」
「確認だが、俺はあの時の女に本当に恋をしたわけではないんだな?フリだったんだよな?」
気になるのはそこ?
「はい、殿下には一途に想う人がいましたから。」
「ではゲームの世界の俺も、現実の俺も想い人は同じだな」
って、口の端が上がった。
「エリーが俺の婚約者候補・・・なぜ候補なんだ?婚約者でいいだろ・・・」
心の声が漏れていますよ。
今のルフラン殿下にもゾルティー殿下にも婚約者はいない。
ルフラン殿下の方は候補すらいない。
ここもゲームとは違う。
「エリーと僕の行動で少しずつゲームの内容と現実が変わってきています。この先どんな結果になるのかは僕たちにも分かりません。」
まだエリーのその後の事も、養子の話しもしていない。
もう、ゲームと同じ結末にはならないだろう。
当たり前のように夕食も一緒に食べて私の隣で話しを聞いていたルフランも黙って頷いている。
ラティオス殿下の処分は重すぎるのでは、と思ってしまうが、これが王族としての責任の取り方だと言われたら何も言えなくなる。
これからヒロインではなくなったミーシャ嬢はどうなるのだろうか?
そんな事を考えていたらアランがレイのところから帰ってきたと執事から報告があった。
サロンで待ち構える私、伯父様、伯母様、そしてルフラン。
アランもサロンに入って私たちの顔を見ると「ただいま帰りました。ご報告します。」
早く!早く!わくわくが止まらない!
「ビジョップ侯爵家のレイチェル嬢へ婚約を申し込んでいい返事を頂きました。」
そう笑ったアランに伯母様と一緒に抱きついてしまった。
「良くやったわアラン!おめでとう」
「おめでとうアラン。レイが私の義妹になるのね!嬉しい~」
伯父様もアランにおめでとうと言いながら頭をクシャクシャに撫でている。
ルフランの口の端も上がっている。
屋敷の使用人たちも喜んでくれている。
そこからはビジョップ家での婚約の申し込みから何から何まで根掘り葉掘り質問攻めにされるアランは困った顔をしながらも嬉しそうに答えてくれた。
私もブラコン卒業かと思うと寂しくなるけど、アランが幸せならそれでいい。
明日は学院も休みだということで、ルフランも泊まっていくことになった。
夜通しルフランと話し明かすと言ってアランがルフランを連れて行ってしまった。
これって男同士の男子会?
私も今度レイと女子会をしよう!
嬉しい報告にワクワクと落ち着かないままベッドに入った。
~アラン視点~
エリーがやってくれた。
そのお陰でレイを僕の婚約者にする事が出来る。
まだ、両親の許可は出ていないが反対されることはないだろう。
レイのご両親に婚約のお願いをする時はさすがに緊張したが、ご両親も『アラン殿ありがとう。レイをお願いします』とあっさりと許してくれた。
まだ会ったことのなかったレイの兄、クラウド殿には『レイを泣かせるようなことをしたらウインティア王国まで迎えに行くからな』
と笑って握手をしながら激励の言葉をくれた。
結局、僕が動かなくてもエリーのお陰でレイはゲームの断罪から逃れることができた。
あとは僕がレイを幸せにするだけだ。
僕の目の前のソファには分厚いメガネを外し、赤い髪をオールバックにしたルフランが長い足を組んでいる。
ただそこにいるだけで王者の風格を纏った彼には威厳がある。
もうエリーは気づいているだろう。
伯父夫婦にも正体がバレていると思う。
それなのにルフランだけがまだバレていないと思って、まだ平民のフリをしているところが痛い。
優秀な人なのに、そんな鈍いところはエリーと同じだ。
夏季休暇でウインティア王国に帰る前に学園の現状を話すべきだと思った。
ビジョップ家を出る前にレイとも相談して、もう話す方がいいと決めた。
もちろんゾルティー殿下との手紙のやり取りで話す許可は得ている。
信じるだろうか?
信じて欲しい。
それでも断罪後のエリーの事は話さない方がいいと、レイとゾルティー殿下の意見は一致している。
特に継承権放棄のことは話せない。
「ルフラン殿下。今から信じられない話しをしますが最後まで黙って聞いていただけますか?」
僕の殿下呼びに眉を寄せながら、「それがエリーにとって大事なことなら俺は信じる」
その顔を見てゲームの僕がエリーを彼に任せたことは間違いなかったと嬉しなった。
この人は本当にエリーを思ってくれている。
さて、どこから話そうか。
ゆっくり深呼吸をしてから話し始めた。
まず、エリーとレイには前世の記憶があることから話した。
そして今、ウインティア王国の学園で起こっていることを話し、レイから聞いたゲームの内容、エリーが何故アトラニア王国まで逃げてきたのか、ずっと黙って聞いてくれてはいたが、話が進むにつれルフラン殿下の眉間のシワも深くなり、爪がくい込むほど拳には力が入っていた。
最後はエリーが断罪されたところで話しを終わらせた。
「こんな話しを信じていただけますか?」
「ああ、信じられない話ではあるが辻褄は合う。エリーとレイには前世の記憶があるんだな?短い付き合いだがレイは信じられる人間だ。・・・だからエリーはここまで逃げてきたのか・・」
「信じていただけてありがとうございます」
「確認だが、俺はあの時の女に本当に恋をしたわけではないんだな?フリだったんだよな?」
気になるのはそこ?
「はい、殿下には一途に想う人がいましたから。」
「ではゲームの世界の俺も、現実の俺も想い人は同じだな」
って、口の端が上がった。
「エリーが俺の婚約者候補・・・なぜ候補なんだ?婚約者でいいだろ・・・」
心の声が漏れていますよ。
今のルフラン殿下にもゾルティー殿下にも婚約者はいない。
ルフラン殿下の方は候補すらいない。
ここもゲームとは違う。
「エリーと僕の行動で少しずつゲームの内容と現実が変わってきています。この先どんな結果になるのかは僕たちにも分かりません。」
まだエリーのその後の事も、養子の話しもしていない。
もう、ゲームと同じ結末にはならないだろう。
556
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
婚約破棄で、おひとり様になれるはずだったのに!?
パリパリかぷちーの
恋愛
主人公ルシアン・ヴァイオレットは、「悪役令嬢」として振る舞う孤独愛好家の公爵令嬢。念願だった第一王子アランとの婚約破棄を言い渡されると、内心では歓喜し、大都会の喧騒から逃れて森の奥の廃墟同然の別荘へと引きこもる。ルシアンの目的は、誰にも邪魔されない至高の静寂ライフを満喫することだった。
しかし、彼女の理想郷にはすでに先客がいた。それは、無口で無愛想だがハイスペックな謎の男、キース。実は彼は、王国の裏社会を統べる『影の英雄』と呼ばれる辺境伯であり、ルシアンの孤高の姿に心奪われた重度の隠れファンだった。
全てを捨てて消え去ろうとしたのですが…なぜか殿下に執着されています
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のセーラは、1人崖から海を見つめていた。大好きだった父は、2ヶ月前に事故死。愛していた婚約者、ワイアームは、公爵令嬢のレイリスに夢中。
さらにレイリスに酷い事をしたという噂まで流されたセーラは、貴族世界で完全に孤立していた。独りぼっちになってしまった彼女は、絶望の中海を見つめる。
“私さえいなくなれば、皆幸せになれる”
そう強く思ったセーラは、子供の頃から大好きだった歌を口ずさみながら、海に身を投げたのだった。
一方、婚約者でもあるワイアームもまた、一人孤独な戦いをしていた。それもこれも、愛するセーラを守るため。
そんなワイアームの気持ちなど全く知らないセーラは…
龍の血を受け継いだワイアームと、海神の娘の血を受け継いだセーラの恋の物語です。
ご都合主義全開、ファンタジー要素が強め?な作品です。
よろしくお願いいたします。
※カクヨム、小説家になろうでも同時配信しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる