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~アラン視点~
僕とレイの婚約はウォルシュ侯爵家の皆んなに祝福された。
日に日にウォルシュ家に馴染んでいくレイ。
素直で可愛いレイに母上もお祖母様もメロメロだ。
母上はすぐにレイを連れ去ろうとする。
僕のレイなのに。
レイの横ではエリーが笑っている。
あの日エリーの泣き腫らした目を見た時は、胸が痛くなった。
それでもエリーが僕たちに心配かけないように普段通りにしようとするなら、僕たちも気付かないフリをするしかない。
僕たち家族は愛するエリーの幸せを誰よりも願っているんだよ。
エリーは独りなんかじゃない。
王城に着くとそのままゾルティー殿下の執務室に通された。
簡単に挨拶を済ませて、僕がアトラニア王国の第三王子ラティオス王子の婚約者だったレイチェル・ビジョップ侯爵令嬢と婚約する事を伝えた。
もちろん祝福してくれたが、ゾルティー殿下の優しそうな顔が黒い笑顔に変わり本題に入った。
ヒロインの『マイ・ツルギ』が深い関係になった子息の数は増え続けているらしい。
その中でも騎士団長の嫡男ガルザーク・タイロン伯爵令息とは余程身体の相性がいいのか、度々関係をもっているそうだ。
宰相の嫡男レックス・イエガー公爵令息も身体の関係を一度は持ったが、彼女に固執すること無く適度な距離を置いているらしい。
侍る男たちのタイプも3つに分かれるようだ。
本気でヒロインのことが好きで侍るタイプ。
ヒロインと関係してハマるタイプ。
関係してしまえばあっさりと離れるタイプだ。
それまではプレゼントを送ったり、媚びたりするのはみんな同じようだがな。
今ではヒロインを天真爛漫だとか純真無垢だと言う男たちは真実を知らないバカな男だけだ。
知っていて侍っているのは欲求不満の解消や、童貞を捨てる都合のいい相手として見ているそうだ。
まともな貴族なら、そんな危険な人物に近づく事はしない。
ヒロイン終わっているな。
ヒロインのような誰とでも関係する女をヤリマン?ビッチ?前世の世界ではそんな言い方をすると、レイとエリーに教えてもらった。
もちろん褒め言葉ではない。
ヒロインがエリーの変わりに悪役令嬢に選んだアルマ・セルティ公爵令嬢には今のところ手を出していないそうだ。
ヒロインを囲む子息たちの目が異様で彼女に近づいてまで何かを言う令嬢もいない。
苦言を零した令嬢に暴力を振るったことも原因だろう。
そりゃあ暴力とは無縁の令嬢たちだ、怖くて近寄れないだろう。
ルフラン殿下が学園に通いだしたらヒロインはどんな手を使って近づこうとするのだろうか?
これからもゾルティー殿下に報告してもらおう。
学園の報告が終わるとルフラン殿下の話しに切り替わった。
「ありがとうアラン」
ん?
「エリザベート嬢とアトラニア王国に逃げてくれて・・・私は兄上の背中を押しだけだったんだよ」
そうだったのか。
「兄上はずっと会えなかったエリザベート嬢とも友達になれた」
そうだね。
「もうゲームは破綻している」
分かっている。
「ゲームと同じ結末になる事は無い」
そうだろうね。
「兄上は王族としての義務や責任を見つめ直せたようだよ」
責任感のある方ですからね。
「兄上なら大丈夫だよ。アランは残りの学院生活を楽しんで、お嫁さんを連れて帰っておいで」
そう言って優しく微笑んだ。
~ゾルティー殿下視点~
アランが退席したあと私はこの城に帰ってきた時の兄上の顔を思い出した。
馬車から降りた兄上は威風堂々としていて、迎え出た臣下の者たちも畏怖と尊敬の眼差しで見ていた。
それでも私には分かってしまった。
兄上がエリザベート嬢に思いを寄せながらも諦めたのだと・・・
国と国民のことを一番に考える。
王族なら当たり前のことだが、その決意が顔に現れていた。
アランからゲームの内容を兄上に教えたと聞いた。
夏季休暇が終われば兄上も学園に通いだす。だとしてもヤリマンだったか、ビッチだかのヒロインに目を向けることはないだろう。
帰ってきた次の日には、目元を隠していた前髪をバッサリと切り、兄上の端正な顔が見られるようになった。
人の気持ちなんてゲームの決められた筋書き通りにはいかない。
そんなのは当たり前だ。
現実に生きているんだ、誰にだって感情はある。
喜怒哀楽も、好き嫌いもあるんだ。
ここをゲームの世界だと勘違いして、自分が世界の中心だと思い込んで、好き勝手にしているヒロインは痛い目に合うだろうね。
本当にバカな子だよ。
アランがレイチェル嬢を見つけたように、エリザベート嬢だってアトラニア王国で最愛の人を、将来の伴侶を見つけるかもしれない。
いや、見つけるのだろう。
アトラニア王国、筆頭公爵家の跡取りになるエリザベート嬢には婚姻は必須だ。
アランごめんね。
最初から調べて知っていたんだよ。
エリザベート嬢が養子になることをね。
私に秘密にしてまでエリザベート嬢を守ろうとしたんだよね。
ゲームの結末と同じにはならないことを知っていたからこそ、兄上の背中を押せたんだ。
だから兄上にも教えないよ。
帰ってきてから兄上の表情が以前以上に動かなくなっていたとしても・・・
僕とレイの婚約はウォルシュ侯爵家の皆んなに祝福された。
日に日にウォルシュ家に馴染んでいくレイ。
素直で可愛いレイに母上もお祖母様もメロメロだ。
母上はすぐにレイを連れ去ろうとする。
僕のレイなのに。
レイの横ではエリーが笑っている。
あの日エリーの泣き腫らした目を見た時は、胸が痛くなった。
それでもエリーが僕たちに心配かけないように普段通りにしようとするなら、僕たちも気付かないフリをするしかない。
僕たち家族は愛するエリーの幸せを誰よりも願っているんだよ。
エリーは独りなんかじゃない。
王城に着くとそのままゾルティー殿下の執務室に通された。
簡単に挨拶を済ませて、僕がアトラニア王国の第三王子ラティオス王子の婚約者だったレイチェル・ビジョップ侯爵令嬢と婚約する事を伝えた。
もちろん祝福してくれたが、ゾルティー殿下の優しそうな顔が黒い笑顔に変わり本題に入った。
ヒロインの『マイ・ツルギ』が深い関係になった子息の数は増え続けているらしい。
その中でも騎士団長の嫡男ガルザーク・タイロン伯爵令息とは余程身体の相性がいいのか、度々関係をもっているそうだ。
宰相の嫡男レックス・イエガー公爵令息も身体の関係を一度は持ったが、彼女に固執すること無く適度な距離を置いているらしい。
侍る男たちのタイプも3つに分かれるようだ。
本気でヒロインのことが好きで侍るタイプ。
ヒロインと関係してハマるタイプ。
関係してしまえばあっさりと離れるタイプだ。
それまではプレゼントを送ったり、媚びたりするのはみんな同じようだがな。
今ではヒロインを天真爛漫だとか純真無垢だと言う男たちは真実を知らないバカな男だけだ。
知っていて侍っているのは欲求不満の解消や、童貞を捨てる都合のいい相手として見ているそうだ。
まともな貴族なら、そんな危険な人物に近づく事はしない。
ヒロイン終わっているな。
ヒロインのような誰とでも関係する女をヤリマン?ビッチ?前世の世界ではそんな言い方をすると、レイとエリーに教えてもらった。
もちろん褒め言葉ではない。
ヒロインがエリーの変わりに悪役令嬢に選んだアルマ・セルティ公爵令嬢には今のところ手を出していないそうだ。
ヒロインを囲む子息たちの目が異様で彼女に近づいてまで何かを言う令嬢もいない。
苦言を零した令嬢に暴力を振るったことも原因だろう。
そりゃあ暴力とは無縁の令嬢たちだ、怖くて近寄れないだろう。
ルフラン殿下が学園に通いだしたらヒロインはどんな手を使って近づこうとするのだろうか?
これからもゾルティー殿下に報告してもらおう。
学園の報告が終わるとルフラン殿下の話しに切り替わった。
「ありがとうアラン」
ん?
「エリザベート嬢とアトラニア王国に逃げてくれて・・・私は兄上の背中を押しだけだったんだよ」
そうだったのか。
「兄上はずっと会えなかったエリザベート嬢とも友達になれた」
そうだね。
「もうゲームは破綻している」
分かっている。
「ゲームと同じ結末になる事は無い」
そうだろうね。
「兄上は王族としての義務や責任を見つめ直せたようだよ」
責任感のある方ですからね。
「兄上なら大丈夫だよ。アランは残りの学院生活を楽しんで、お嫁さんを連れて帰っておいで」
そう言って優しく微笑んだ。
~ゾルティー殿下視点~
アランが退席したあと私はこの城に帰ってきた時の兄上の顔を思い出した。
馬車から降りた兄上は威風堂々としていて、迎え出た臣下の者たちも畏怖と尊敬の眼差しで見ていた。
それでも私には分かってしまった。
兄上がエリザベート嬢に思いを寄せながらも諦めたのだと・・・
国と国民のことを一番に考える。
王族なら当たり前のことだが、その決意が顔に現れていた。
アランからゲームの内容を兄上に教えたと聞いた。
夏季休暇が終われば兄上も学園に通いだす。だとしてもヤリマンだったか、ビッチだかのヒロインに目を向けることはないだろう。
帰ってきた次の日には、目元を隠していた前髪をバッサリと切り、兄上の端正な顔が見られるようになった。
人の気持ちなんてゲームの決められた筋書き通りにはいかない。
そんなのは当たり前だ。
現実に生きているんだ、誰にだって感情はある。
喜怒哀楽も、好き嫌いもあるんだ。
ここをゲームの世界だと勘違いして、自分が世界の中心だと思い込んで、好き勝手にしているヒロインは痛い目に合うだろうね。
本当にバカな子だよ。
アランがレイチェル嬢を見つけたように、エリザベート嬢だってアトラニア王国で最愛の人を、将来の伴侶を見つけるかもしれない。
いや、見つけるのだろう。
アトラニア王国、筆頭公爵家の跡取りになるエリザベート嬢には婚姻は必須だ。
アランごめんね。
最初から調べて知っていたんだよ。
エリザベート嬢が養子になることをね。
私に秘密にしてまでエリザベート嬢を守ろうとしたんだよね。
ゲームの結末と同じにはならないことを知っていたからこそ、兄上の背中を押せたんだ。
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