【完結】悪役令嬢はゲームに巻き込まれない為に攻略対象者の弟を連れて隣国に逃げます

kana

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ウインティア王国編

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父上と母上の登場に慌てることなくエリー、アラン、レイが同時に立ち上がり綺麗な礼で挨拶をした。

「アランには毎年お茶会で会っていたけれど、エリザベートちゃんとは久しぶりね」

「ご無沙汰しております」

「本当に綺麗になって、ルフランがメロメロになるのも分かるわ~」

メロメロって・・・

「で、そちらがアランの婚約者のアトラニア王国のレイチェルちゃんね。よろしくね」

「よろしくお願い致します」

エリーもレイも緊張しているようだが、娘が欲しかった母上は2人を気に入ったようだ。

「父上、母上紹介します。俺の婚約者となるウォルシュ侯爵家のエリザベート嬢です」

「ええ、エリザベートちゃんルフランを選んでくれてありがとう。わたくしもエリーちゃん、レイちゃんと呼んでもいいかしら?」

「「はい、光栄でございます」」

エリーとレイがハモっている。
まるでグレイとザックだな。

「執拗い息子だがよろしく頼む」

執拗いのではない!俺は一途なんだ!

「いえ、こちらこそよろしくお願い致します」

綺麗なカーテシーだ。

「正式に婚約を結ぶのはウォルシュ夫妻が帰国してからになるけれど、先に王太子妃教育を始めてもいいかしら?」

「はい、第一王子殿下の妃として相応しくなれるよう努力致します」

エリーの口から俺の妃って・・・

「日程や内容はウォルシュ家に送るわね」

それだけ言って両親は去って行った。 

「緊張した~」

「お二人ともさすがの貫禄だったわね」

あの両親相手にエリーもレイも緊張した素振りも見せなかったお前たちの方がすごいぞ。

「ルフィ私認めてもらえたかしら?」

不安そうに俺を見上げるエリーが可愛い。
思わずエリーの額にキスを落とす。
俺のエリーは完璧だ。

「当たり前だろ」
俺の言葉に嬉しそうに笑うエリー。

王太子妃教育にエリーが通うなら、今よりも長く一緒にいられる。
無理はしてほしくないが、厳しいと聞く授業の合間には俺がエリーを癒してやろう。




それから4人で話し合って明日から学園に登校すると決めた。


また俺のエリーの出迎えから始まり、エリーの手作り弁当を食べ、俺たちの会話にガル、グレイ、ザックも加わるようになり、 今まで以上に賑やかになった。


そしてエリーの王太子妃教育が始まった。

俺はエリーと過ごす時間が増えると密かに喜んでいたんだ。
それなのに優秀過ぎるエリーは通い出して1週間程で教師から教えることは何も無いと、太鼓判を押されて教育を終了させてしまった。

そうだった。
エリーは近隣諸国の言葉も歴史も文化も作法まで身につけていたのだっだ。

もちろんマナーも礼儀作法も完璧だ。

ダンスすらも高度な技術で踊れるそうだ。
この1週間俺の出番はまったくなかった。

それでもこの1週間は毎日エリーと手を繋いで王宮の庭園を散歩した。

「ルフィの暖かい手が好き。私が歳をとってシワシワのおばあちゃんになっても手を繋いでね」

なんて可愛いお願いなんだ!

「当たり前だろ。何歳になってもエリーの隣には俺がいる」








父上の執務室から兄上とエリー嬢の様子が見える。

「本当に仲がいい2人ね。見かける度に手を繋いでいるわ」

「令嬢には見向きもしなかったルフランがな~」

「ね、エリー嬢は優秀だって言ったでしょう」

「ええ、想像以上だったわ。ウォルシュ家の商会があるすべての国の言語に歴史、文化、作法を身に付けているなんてね。淑女の嗜みの刺繍は苦手みたいだけれど完璧過ぎなくて反対に安心したわ」

「ルフランには勿体ないぐらいだな」

「でも結婚したらあの可愛いエリーちゃんが義娘になるのよ!ずっと娘が欲しかったの知っているでしょ!着飾って遊ぶのだから邪魔しないでね」

「兄上が邪魔しますよ。ああ見えてヤキモチやきなんですからね。父上、アランもエリー嬢と同じ知識がありますよ」

「ルフランの側近もいけるが、外交も任せられるか」

「レイ嬢も王子妃教育を済ませていますからね、かなり優秀ですよ」

「ウォルシュ家は代々優秀な人間が揃うが、野心が無い者ばかりで何度誘っても国の中枢で働かないんだよな。命令したら平気でこの国を捨てることを選ぶような奴らだから無理強いが出来ないんだ」

「大丈夫ですよ。私がアランを誘いますからね」

「ウォルシュ夫妻が帰国するのは来週だったか?」

「ええすぐに婚約の手続きを済ませましょう。早くエリーちゃんをルフランの婚約者にしないと、また馬鹿が現れるかもしれないもの」

「レックスのような輩でしょうか」

「ああ、レックスの罪の責任を取ってイエガー宰相は引き継ぎが終わり次第領地で隠居するそうだ。爵位の返上も申し出てきたが今回のことは箝口令を敷いている為大事には出来ない。爵位はそのままだ。養子を取る事になるだろう」

「レックスの刑はあれでよかったのでしょうか?」

「レックス本人が希望したんだ。もう死ぬまであそこからは出ることはない」



表向きはイエガー公爵はレックスの病気療養のため辞職して領地で付き添うこととなっているが、1年ほど経過した後にレックスは病死したと発表される。

実際はレックス本人の希望で生涯出ることの出来ない監獄に送られた。

護送馬車に乗り込むレックスは憑き物が落ちたような、以前の私が知っている落ち着いた彼に見えた。
レックスに相談できるような友人がいれば、違った結果になっていたかもしれない。・・・本当に残念だよ。




マイがレイ嬢のことを調べていることは掴んでいる。
レイ嬢の弱みでも見つけるつもりなのだろうが気をつけてね?

攻略対象者の中でアランが一番怒らせたらダメな人間だと早く気づかないと、レイ嬢に手を出した時点で・・・君の人生そこで終わるよ。


物理的にね。



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