【完結】悪役令嬢はゲームに巻き込まれない為に攻略対象者の弟を連れて隣国に逃げます

kana

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ウインティア王国編

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~ガルザーク視点~

ウォルシュ嬢とアラン殿とビジョップ嬢が登校しなかった日、朝見かけたルフラン殿下までが教室にいないことに気付き嫌な予感がした。
気付けば俺はゾルティー殿下の教室まで走っていた。

俺の話にゾルティー殿下の顔色も変わり護衛騎士を動かしてくれた。

何が起こったのか分かったのはウォルシュ家を訪問してからだった。

レックスがウォルシュ嬢の隣にいるルフラン殿下を睨んでいる姿を一度は見かけたが、レックスがウォルシュ嬢に好意を寄せていることを知っていたからこそ、妬いているのだとそれも仕方がないことだと軽く考えてしまった。

無事でいてくれて本当によかった。

謝る俺に名前を呼んでくれて、友達だと言ってくれた。
いつの間にか俺も友人だと認められていんだな。
しかも友達だからと愛称で呼ばれているし、エリーと呼んでくれとも言われるし、嬉し過ぎて目が熱くなった。

側近候補の2人"グレイとザック"も同じようにエリーと呼ぶように言われたがルフラン殿下の凍るような視線で睨まれた俺たちは"エリー嬢"と呼ばせてもらうことにした。

ビジョップ嬢までレイと愛称で呼ぶように言ってくれたがアラン殿のいつもと違う笑顔を見た俺たちは"レイ嬢"と呼ばせてもらうことにした。

それでも今までよりもずっと軽い口調で話せるようになった。
グレイとザックも1つ年下だが俺のこともエリー嬢が付けた愛称"ガル"と呼ぶようになった。
ルフラン殿下とアランまでがそう呼ぶ。

それと発表前でまだ極秘だがエリー嬢とルフラン殿下が婚約者することも教えてくれた。
信頼されていると実感する。
胸が温かくなる。こんな喜び知らなかった。

俺はずっと調子に乗って勘違いして生きてきたが、もう間違えない。
この友人たちと知り合えたのも、心を入れ替えられる切っ掛けも、エリー嬢と出会えたからだと思っている。

次があっては困るが、今度こそ友人の盾になってでも守ると誓う。



ルフラン殿下とエリー嬢の婚約が発表された。
少し離れた場所から生徒たちの様子を観察していたが、ほとんどの生徒たちが2人に祝福の言葉を伝えているなか、予想通りエリー嬢を睨む令嬢が何人もいた。

ここからは気が抜けない。
常に周りに目を光らせる。

教室に入った途端射抜くような視線をエリー嬢に向けてきたのはセルティ嬢だった。

彼女が動いたと同時に前に出る。
王家の発表をただの噂だと思っているようだが、そこはルフラン殿下がはっきりと婚約したことを伝えた。

セルティ嬢のエリー嬢を見る目が、エリー嬢を見下しているのが誰の目にも分かっただろう。

きっとセルティ嬢は人を認めることが出来ない人間なのだろう。

セルティ嬢も早く間違いに気付いてほしい。
取り返しのつかない所にいく前に・・・





~アルマ・セルティ公爵令嬢視点~

ルフラン殿下とウォルシュ嬢が婚約したと。
お父様から王家の発表を聞かされましたの。
婚姻も学園卒業後すぐに行われると。

王家の発表が間違えているとは思いませんが、内容を聞く限り信じられません。

ルフラン殿下がわたくし以外の女性と婚約するなど有り得ませんもの。

何度お父様にもう一度確認するようにお願いしても「王家の決定は覆らない。もうルフラン殿下のことは諦めろ」と言われるばかりでお話になりませんの。

それならば学園で直接ルフラン殿下にお聞きすれば本当のことを教えてくださるはずです。

わたくしが学園に到着すると、ルフラン殿下とウォルシュ嬢との婚約の噂話を生徒たちがしていましたの。

皆さん騙されていますわ。
王家の発表だと言われていること自体が間違いなのです。

ルフラン殿下の婚約者と発表されるのは、わたくしですわ。
そのわたくしにまだ王家から打診さえ来ていませんもの。
婚約の発表はまだ先ですわ。

学園内でルフラン殿下とウォルシュ嬢が手を繋いで歩いている姿を見た人が、勝手に嘘の噂を流したに違いありません。

クラスメートがルフラン殿下が教室に入ってくるなり祝福の言葉で出迎えましたが、彼は無表情で何も応えませんでした。
それが答えなのです。
やはり婚約話などデマカセですわ。

ルフラン殿下の隣でウォルシュ嬢が照れくさそうにお礼を述べていましたが、何を勘違いしているのでしょうか。

もうウォルシュ嬢を付け上がらせるのは止めましょう。
わたくしがはっきりと言わなければ彼女は理解出来ないのでしょう。
たかが侯爵家の令嬢ですもの、わたくしのような高度な教育も受けさせてもらえなかったのでしょう。

高位貴族の常識を次期王妃としてわたくしが教えて差し上げますわ。

ルフラン殿下に間違った噂のことを教えて差し上げようと席を立つと、タイロン伯爵令息がわたくしの前にウォルシュ嬢を庇うように立ち塞がりましたの。
貴方に話すことなどありませんわよ。

ルフラン殿下はその後ろでウォルシュ嬢の腰に手を回していますわ。

我が国はたとえ王族と言えども一夫一婦制ですのに、ルフラン殿下は彼女を側室か妾にするおつもりなのでしょうか?

どんな手を使ってルフラン殿下を落としたのか知りませんが、わたくしは側室や妾の存在など許しませんわよ?

次期国王となるルフラン殿下の寵愛は次期王妃であるわたくしに全て向けられるものですもの。

わたくしのルフラン殿下に手を出すなんてウォルシュ嬢もマイ・ツルギと同じ卑しい人間なのですね。





ルフラン殿下がウォルシュ嬢との婚約を認めましたわ。
婚約届けも提出済みだと仰いました。

なぜですの?
わたくしがルフラン殿下と婚姻し王妃になるのではなかったのですか?

ルフラン殿下がおかしくなったのはウォルシュ嬢のせいなのですね?
わたくしの愛するルフラン殿下は人前で女性と手を繋ぐような方ではありませんでした。
触れるだけで容赦なく振りほどいていた方が大勢の見ている前でキスまでするなんて・・・

・・・分かりました。

それならばウォルシュ嬢には消えていただきましょう。
わたくしの場所を返してもらいますわ。

そして、わたくしアルマがルフラン殿下を正常な元のルフラン殿下に戻して差し上げますわね。


もう暫くお待ちくださいませ。
ルフラン殿下。
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