91 / 122
ウインティア王国編
91
しおりを挟む
ウォルシュ家のメイドが俺たちを呼びに来た。
マイが到着したようだ。
俺たちが階段を降りているとエリーとライベルン嬢が先に迎えに出ていたようだ。
マイはエリーを見つけるなり睨みつけた。
エリーに何かするつもりか?
俺は慌てて走って間に入ろうとしたが、ガルの方が早かった。
「マイ、お前のその目はなんだ?」
ガルが俺たちが見たこともない鋭い目でマイを見下ろしている。
「あらガルザークもお呼ばれしていたの?私も楽しみにして来たの」
ガルの質問には答えず、俺たちを確認すると甘えた声で「今日は呼んでくれてありがとうございます~」なんて甘えた声で言っているが、エリーに向けたあんな目を見たあとでは誰も返事をしようとはしない。
「マイさん案内するわね。みんなも着いてきてね」
エリーはマイに優しく声をかけたが、俺の方をちらりと見て冷たく笑って見せた。
こんなエリー初めてだ。
いつも呑気なエリーだが、さすがにマイの悪意には気付いたようだ。
エリーに何かすれば俺は女だろうが加減なしで手をあげる自信がある。
通された部屋はテラスに直接出られるようになっていた。
そこにはバーベキューの用意がされていたが乗せているのは網ではなく鉄板だった。
それも同じ物が2つ・・・。
横のテーブルには混ぜ合わせた何か・・・
他にも肉や卵も用意されている。
「「エリー嬢何ができるのですか!」」
お好み焼きに興味津々なグレイとザックだが、マイの動き一つにも警戒している。
「それは出来てからのお楽しみ」
「あの何か私に手伝えることはありませんか」
「マイさんはお客様ですもの座って待っててね」
間違いない!エリーは怒っている。
「私は出来るまでランと遊んでいていいかな」
「お願い!ランも喜ぶわ」
ランを呼ぶなり真っ直ぐゾルティーに向かって走ってくるラン。
「なにあれデカすぎ奇形じゃないの」
マイは小さな声で言ったつもりかもしれないが、この部屋の全員に聞こえた。
エリーとゾルティーのこめかみに青筋が・・・
ガル、グレイ、ザックの顔からは表情が消えた。
アランとレイは・・・いつもの黒い笑顔だ。
ランはこのメンバーのマスコット的存在だ。
そんなランを馬鹿にするなんて、お前は本当にバカだな。
「か、かわいい!なんてかわいい子なの?この子はエリー様のワンちゃんですの?嫁ぐ時も王宮に連れて行きますよね?ランちゃんのお世話も私が致しますわ!」
いつも冷静なライベルン嬢が興奮している。
ゾルティーと気が合いそうだな。
「そ、そうね、かわいいわ」
お前は何も話すな!
これ以上皆をイラつかせるな!
いつもなら誰にでも(俺以外)愛想を振りまくランがマイに唸って威嚇している。
本能で危ないヤツだと分かるんだな。
賢いぞラン!
皆もそんなランを見て殺気立った雰囲気も落ち着いてきた。
その間もエリーはお好み焼きとやらを焼いている。
「さあ、出来たわよ」
ん?これはなんだ?
エリーが黒い?茶色い?ソースを塗って上からパラパラと何かを振っている。
皆も目が点になっているが、エリーの作ったものだ味に不安は無い。
エリーが切り分けてそれぞれの皿に盛っていく。
「まあ食べてから感想を聞かせて」
皿の横にはエリー特製のマヨネーズも付いているから、これに付けて食べるんだな。
「美味い!」
「「美味しいです!」」
「・・・マジ、お好み焼きじゃん」
凄い勢いで食べるガル、グレイ、ザック。
そりゃあ鉄板が2枚いるわ。
次々焼いていきながらも、"とんぺい焼き"なる物も出てきた。
これも美味しい。
「・・・やっぱりね」
何やらマイがブツブツ独り言を言っているが誰も相手にしない。
「ねえ、エリザベートさん。あとで2人で話がしたいんだけど」
何偉そうに言ってるんだ!
「おい!名前で呼ぶことを許してないぞ!」
「いいのよルフィ。これっきりだから、ね」
「じゃあ、わたしも話したいことがあるから一緒に話しましょう」
レイもいるなら安心か?
それにしても、この2人の顔・・・エリーいつからそんな黒い笑顔が出来るようになったんだ?
腹いっぱい食べたあとは、いつものようにレイがお茶を淹れて一息ついたところで、エリーから切り出した。
「マイさんお待たせしました。部屋を移動しましょうか」
「ええ、その方がエリザベートさんにも都合がいいでしょう」
生意気な口をきかれても全く動じないエリーはさすがだが、俺も着いて行こうと腰を上げるとアランに動かないよう目配せされた。
「じゃあ行きましょうかマイさん」
部屋から退室する3人の後ろ姿を見送るとアランが「何を聞いても絶対に声を出さないで下さい」と念を押おして俺とゾルティーだけが案内された部屋の窓からはエリーとレイそしてマイの姿が見えた。
「このガラスは特殊加工されているので向こうからこちらは見えません。でも声は聞こえるので気を付けて下さい」
頷く前にマイの声が聞こえた。
「もう分かっているのよ!あんた転生者でしょ?」
「・・・・・・だから何?」
無表情のエリーと、レイの冷めた目に一瞬怯んだマイだがエリーを睨みながら叫んだ。
マイが到着したようだ。
俺たちが階段を降りているとエリーとライベルン嬢が先に迎えに出ていたようだ。
マイはエリーを見つけるなり睨みつけた。
エリーに何かするつもりか?
俺は慌てて走って間に入ろうとしたが、ガルの方が早かった。
「マイ、お前のその目はなんだ?」
ガルが俺たちが見たこともない鋭い目でマイを見下ろしている。
「あらガルザークもお呼ばれしていたの?私も楽しみにして来たの」
ガルの質問には答えず、俺たちを確認すると甘えた声で「今日は呼んでくれてありがとうございます~」なんて甘えた声で言っているが、エリーに向けたあんな目を見たあとでは誰も返事をしようとはしない。
「マイさん案内するわね。みんなも着いてきてね」
エリーはマイに優しく声をかけたが、俺の方をちらりと見て冷たく笑って見せた。
こんなエリー初めてだ。
いつも呑気なエリーだが、さすがにマイの悪意には気付いたようだ。
エリーに何かすれば俺は女だろうが加減なしで手をあげる自信がある。
通された部屋はテラスに直接出られるようになっていた。
そこにはバーベキューの用意がされていたが乗せているのは網ではなく鉄板だった。
それも同じ物が2つ・・・。
横のテーブルには混ぜ合わせた何か・・・
他にも肉や卵も用意されている。
「「エリー嬢何ができるのですか!」」
お好み焼きに興味津々なグレイとザックだが、マイの動き一つにも警戒している。
「それは出来てからのお楽しみ」
「あの何か私に手伝えることはありませんか」
「マイさんはお客様ですもの座って待っててね」
間違いない!エリーは怒っている。
「私は出来るまでランと遊んでいていいかな」
「お願い!ランも喜ぶわ」
ランを呼ぶなり真っ直ぐゾルティーに向かって走ってくるラン。
「なにあれデカすぎ奇形じゃないの」
マイは小さな声で言ったつもりかもしれないが、この部屋の全員に聞こえた。
エリーとゾルティーのこめかみに青筋が・・・
ガル、グレイ、ザックの顔からは表情が消えた。
アランとレイは・・・いつもの黒い笑顔だ。
ランはこのメンバーのマスコット的存在だ。
そんなランを馬鹿にするなんて、お前は本当にバカだな。
「か、かわいい!なんてかわいい子なの?この子はエリー様のワンちゃんですの?嫁ぐ時も王宮に連れて行きますよね?ランちゃんのお世話も私が致しますわ!」
いつも冷静なライベルン嬢が興奮している。
ゾルティーと気が合いそうだな。
「そ、そうね、かわいいわ」
お前は何も話すな!
これ以上皆をイラつかせるな!
いつもなら誰にでも(俺以外)愛想を振りまくランがマイに唸って威嚇している。
本能で危ないヤツだと分かるんだな。
賢いぞラン!
皆もそんなランを見て殺気立った雰囲気も落ち着いてきた。
その間もエリーはお好み焼きとやらを焼いている。
「さあ、出来たわよ」
ん?これはなんだ?
エリーが黒い?茶色い?ソースを塗って上からパラパラと何かを振っている。
皆も目が点になっているが、エリーの作ったものだ味に不安は無い。
エリーが切り分けてそれぞれの皿に盛っていく。
「まあ食べてから感想を聞かせて」
皿の横にはエリー特製のマヨネーズも付いているから、これに付けて食べるんだな。
「美味い!」
「「美味しいです!」」
「・・・マジ、お好み焼きじゃん」
凄い勢いで食べるガル、グレイ、ザック。
そりゃあ鉄板が2枚いるわ。
次々焼いていきながらも、"とんぺい焼き"なる物も出てきた。
これも美味しい。
「・・・やっぱりね」
何やらマイがブツブツ独り言を言っているが誰も相手にしない。
「ねえ、エリザベートさん。あとで2人で話がしたいんだけど」
何偉そうに言ってるんだ!
「おい!名前で呼ぶことを許してないぞ!」
「いいのよルフィ。これっきりだから、ね」
「じゃあ、わたしも話したいことがあるから一緒に話しましょう」
レイもいるなら安心か?
それにしても、この2人の顔・・・エリーいつからそんな黒い笑顔が出来るようになったんだ?
腹いっぱい食べたあとは、いつものようにレイがお茶を淹れて一息ついたところで、エリーから切り出した。
「マイさんお待たせしました。部屋を移動しましょうか」
「ええ、その方がエリザベートさんにも都合がいいでしょう」
生意気な口をきかれても全く動じないエリーはさすがだが、俺も着いて行こうと腰を上げるとアランに動かないよう目配せされた。
「じゃあ行きましょうかマイさん」
部屋から退室する3人の後ろ姿を見送るとアランが「何を聞いても絶対に声を出さないで下さい」と念を押おして俺とゾルティーだけが案内された部屋の窓からはエリーとレイそしてマイの姿が見えた。
「このガラスは特殊加工されているので向こうからこちらは見えません。でも声は聞こえるので気を付けて下さい」
頷く前にマイの声が聞こえた。
「もう分かっているのよ!あんた転生者でしょ?」
「・・・・・・だから何?」
無表情のエリーと、レイの冷めた目に一瞬怯んだマイだがエリーを睨みながら叫んだ。
445
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
婚約破棄で、おひとり様になれるはずだったのに!?
パリパリかぷちーの
恋愛
主人公ルシアン・ヴァイオレットは、「悪役令嬢」として振る舞う孤独愛好家の公爵令嬢。念願だった第一王子アランとの婚約破棄を言い渡されると、内心では歓喜し、大都会の喧騒から逃れて森の奥の廃墟同然の別荘へと引きこもる。ルシアンの目的は、誰にも邪魔されない至高の静寂ライフを満喫することだった。
しかし、彼女の理想郷にはすでに先客がいた。それは、無口で無愛想だがハイスペックな謎の男、キース。実は彼は、王国の裏社会を統べる『影の英雄』と呼ばれる辺境伯であり、ルシアンの孤高の姿に心奪われた重度の隠れファンだった。
全てを捨てて消え去ろうとしたのですが…なぜか殿下に執着されています
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のセーラは、1人崖から海を見つめていた。大好きだった父は、2ヶ月前に事故死。愛していた婚約者、ワイアームは、公爵令嬢のレイリスに夢中。
さらにレイリスに酷い事をしたという噂まで流されたセーラは、貴族世界で完全に孤立していた。独りぼっちになってしまった彼女は、絶望の中海を見つめる。
“私さえいなくなれば、皆幸せになれる”
そう強く思ったセーラは、子供の頃から大好きだった歌を口ずさみながら、海に身を投げたのだった。
一方、婚約者でもあるワイアームもまた、一人孤独な戦いをしていた。それもこれも、愛するセーラを守るため。
そんなワイアームの気持ちなど全く知らないセーラは…
龍の血を受け継いだワイアームと、海神の娘の血を受け継いだセーラの恋の物語です。
ご都合主義全開、ファンタジー要素が強め?な作品です。
よろしくお願いいたします。
※カクヨム、小説家になろうでも同時配信しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる