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その部屋は確かにアイリーンとギルバートが会う時にがよく使っていた部屋であった為、アイリーンの私物も沢山置かれていたが、同時にそこは、未来の王太子妃の居室でもあった。
故に、今となってはギルバートの婚約者の立場に収まったクラリスによって、アイリーンの私物は撤去されているものとばかり思っていたが、意外な事に彼女が最後に訪れた時から物の位置は変わっていなかった。
「君の妹は一度もこの部屋に入れていないよ。」
部屋を見回していると、不意に後ろから声をかけられた。「座って」と促されるままに彼の向かいの席に腰を下ろす。
即座に先程の国王夫妻の会話を思い出し、再び顔色を悪くしたアイリーンだったが、彼女がなにかするより一足早くギルバートが起こした行動に呆気に取られてしまった。
「すまなかった。」
彼はそう言うと、アイリーンに向かって深深と頭を下げた。
「こちらとしても完全に不測の事態だったとはいえ、不快にさせたと思う。君も知っての通り、婚約式では式が始まって暫くして漸く相手の顔が見れる。君と、君の妹が入れ替わっていることに気がついた時には式は中盤になっていた。直ぐに取りやめようと一瞬思ったのだが、参列者が国内貴族だけならまだしも、他国の王族も一部出席していた。中止すれば彼らの面子を潰しかねなかった。だからとりあえず婚約式だけは挙げたが、その後彼女を僕の婚約者とは正式に認めていないし、その後の采配は両親が一度差止めしている現状だ。」
「……え……?知らなかった……?両親から、私が意識を失ってからひと月ほど経ったと聞きました。殿下に知らせは行ってなかったのですか……?まさかそんな……。」
「来ていなかった。……いや、正確には侯爵夫妻か王家に虚偽の申告をしていた、が正しいな。婚約式が終われば結婚まで秒読みだと言っても過言ではない。君は、結婚が現実となってきて塞ぎ込んでいる、と聞かされていた。婚約式には帰ってくるからと、領地に帰ったと聞かされていた。何度か侯爵領に赴き接触を試みたが全部失敗した。今考えれば当たり前だな、君は意識を失ったまま、王都にある侯爵家に、居たのだから。」
その部屋は確かにアイリーンとギルバートが会う時にがよく使っていた部屋であった為、アイリーンの私物も沢山置かれていたが、同時にそこは、未来の王太子妃の居室でもあった。
故に、今となってはギルバートの婚約者の立場に収まったクラリスによって、アイリーンの私物は撤去されているものとばかり思っていたが、意外な事に彼女が最後に訪れた時から物の位置は変わっていなかった。
「君の妹は一度もこの部屋に入れていないよ。」
部屋を見回していると、不意に後ろから声をかけられた。「座って」と促されるままに彼の向かいの席に腰を下ろす。
即座に先程の国王夫妻の会話を思い出し、再び顔色を悪くしたアイリーンだったが、彼女がなにかするより一足早くギルバートが起こした行動に呆気に取られてしまった。
「すまなかった。」
彼はそう言うと、アイリーンに向かって深深と頭を下げた。
「こちらとしても完全に不測の事態だったとはいえ、不快にさせたと思う。君も知っての通り、婚約式では式が始まって暫くして漸く相手の顔が見れる。君と、君の妹が入れ替わっていることに気がついた時には式は中盤になっていた。直ぐに取りやめようと一瞬思ったのだが、参列者が国内貴族だけならまだしも、他国の王族も一部出席していた。中止すれば彼らの面子を潰しかねなかった。だからとりあえず婚約式だけは挙げたが、その後彼女を僕の婚約者とは正式に認めていないし、その後の采配は両親が一度差止めしている現状だ。」
「……え……?知らなかった……?両親から、私が意識を失ってからひと月ほど経ったと聞きました。殿下に知らせは行ってなかったのですか……?まさかそんな……。」
「来ていなかった。……いや、正確には侯爵夫妻か王家に虚偽の申告をしていた、が正しいな。婚約式が終われば結婚まで秒読みだと言っても過言ではない。君は、結婚が現実となってきて塞ぎ込んでいる、と聞かされていた。婚約式には帰ってくるからと、領地に帰ったと聞かされていた。何度か侯爵領に赴き接触を試みたが全部失敗した。今考えれば当たり前だな、君は意識を失ったまま、王都にある侯爵家に、居たのだから。」
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