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第49話 エルナス王国
しおりを挟む「え?魔王領に入る前に、エルナス王国へ行く必要があるのか!?」
「うんそだよー、魔王領っていうのは厳密にはエルナス王国の領内なんだって、だから入るにはエルナス王国の許可が必要なんだってさー」
「そ、そうなんだぁ」
そういえば昔、先生も国とは違う括りで世界を支配している奴らがいるっていってたっけ。
そうなるとつまり魔王領がエルナス王国領内にあるんじゃなくて、魔王領の中にエルナス王国があるってことになるのかな。
うーむ、よくわからんなぁ。
「あそこで簡単な手続きをして王国領へ入るんだよー」
そう言ってミリオンの指差す方向の遠くに結構大きい村が見えた。
「へぇ結構大きな村じゃないか」
「あの村はね、ゲネアっていう村で色々あって楽しいんだよー、月に一度武闘大会もやってるらしいし!」
「武闘大会かぁ」
だいたい小一時間ほど歩くと村がだいぶ近くに見えてきた。
「オルクス様、少しよろしいですか?」
「スザクどうした?」
「我々は以前この国軍とぶつかっております、ここは少し変装したほうがいいかもしれません」
「それもそうだな、よし俺に任せとけ、アビリティ発動ー変装」
アビリティー変装、消費魔力100で効果は対象者の衣服や髭、体格を自在に変えるというものであり、対象者が魔法や異能を発動させない限り効果は3日ほど続く。
「おお!オルクス様が貴族みたいにになったぞ!」
「貴族か……一応商人に似せてみたんだけどね、よし他の奴らもどんどんやっていくから並んでくれ」
ーー30分後
「むっ見ない顔だな、貴様らはどこから来たんだ?」
村の門へ着くとそこにいた門兵2人が俺達に話しかけてきた。
「どうもー、我々は隣国のアンカレオン王国から来ました商人でございます」
「アンカレオンの商人だと、目的は何だ?」
「いえいえ、大したことはないんですが、王都にいる友人に会いに来ただけです」
「友人訪問か、何か身分書はあるか?」
なっ身分証だと!しまったそこまで考えてなかった。
えーい仕方ないここは催眠術でーー
「あ!ロシツキーさんだ!」
「へ?」
俺が門兵に詰められていると、村の中から1人の子供が出てきた。
「知り合いですか?」
「いやいや知らん!つかロシツキーって誰だ?」
メイド姿に変装したスザクが耳打ちで俺にそう尋ねてきたが、当然俺はあんな子供を知らない。
もしかして、今の俺の格好によく似た人がどこかにいてそれと勘違いしてたりするのか。
「なんだテン、こいつはテンの知り合いか?」
「うん!そうだよ」
「そ、そうか、おいそこのロシツキーとか言うやつ入っていいぞ、あとその他の連れのやつも入れ」
「わ、わかりました」
そうして俺達は村の中へ入ることに成功した。
うーん、このテンという子供は一体誰なんだろう?
「おい、あんたら村へ何しに来たんだ?」
村へ入るとテンと呼ばれてる子供が俺に話しかけてきた。
「え?あー、それは……」
「王都にいる友人に会いに来ただけです」
「スザク!」
俺が答えようとするとスザクが割って入ってきた。
「あんたらいったいなんの集まりなんだ?商人にメイド、それと護衛みたい男と女、それに遊女っぽい女、本当に王都に友達なんているのか?」
ぐっ、この子結構痛いところをついてくるな……。
でもこの子には助けられた手前、あんまし手荒な真似をしたくはないんだよなぁ。
「友とは言ったが会うのは初めてでな、道中何があるかわからないから護衛をこの2人にお願いした次第だ」
「なるほどな、ずっと手紙でやりとりをしていたみたいな感じか、護衛は納得したけど遊女は必要なのか?」
スザクの返答に対してまたもテンは痛いところついてきた。
でもそうだよな遊女は違うよな。
こうなるのわかってたらムーファにも遊女じゃなくて、スザクと同じくメイドっぽい格好をさせとくべきだった。
「オルクス様も男だ、夜の相手をできる者がいた方が長旅の苦労と和らぐ、そのために遊女を連れているのだ」
「な、なるほど」
スザクがそう言うとテンは頬を赤らめて納得してしまった。
いやいや待て待て何が夜の相手だ、誤解を生むような事を言うんじゃない。
ムーファを見てみろ、すっかりその気になっちゃったみたいな目で俺の事見てきてるし。
それにテンとかいう子もなんでそれで納得できるんだよ!
「ま、まぁあんたらが何者かは後でゆっくり聞くとして、とりあえず俺の家に来いよ!」
「え、いいのか?こんな得体の知れない俺達が行っても」
「別にいいよ、それにもとから入れるつもりだったし」
そう言ってテンは俺の腕を引っ張った。
どういうことだ?テンとは本当に初対面なんだが、なんでここまで良くしてくれるんだ。
罠か?いやでも俺たちをはめる意味がわからない。
とりあえずここはついて行ってみるか。
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