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第十八章 VS傀儡君主
第209話 チュートリアル:ドール
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それは全世界でほぼ同時に起きた。
巨大ゲートを開きモンスターを投下させ侵攻してきた人類の敵――ルーラーズ。その一体である傀儡君主《マリオネットルーラー》カルーディが一斉に頭蓋を粉砕され、自由落下で地に伏した。
それと当時に傀儡の使徒であるハンプティダンプティ、グリーンエッグ、レッグハンドールが一斉に活動を停止。攻略者たちの攻撃を抵抗する事無く甘んじて受けた。
「――動かなくなった?」
「な、何が起こったんだ?」
「……分からないけど、数を減らす事に越した事ないわ」
一体一体はそれほど脅威では無いが数に物を言わせた戦いに悪戦苦闘した攻略者たちと免許持ち。動かなくなったのをいいことに一つ一つ丁寧かつ確実に潰していった。
その作業を止めたのはルーラーズであるカルーディが倒れたとの一報が波及してからだった。
――うおおおおおおおお!!!!
勝った。勝利を示した。
手を挙げて達成感を感じる者。共に戦った名も知らぬ攻略者に肩を抱き喜ぶ者たち。緊張の糸が切れ座りこむ者等々。
剣で薙ぎ払い、魔法で爆ぜさせ、呪術や法術といった術で戦い、血と汗が滲む努力の末、人類の敵であるルーラーズを倒したんだと歓喜に震えた。
しかし。
――ピク
誰かが気づいた。
――ピクピクン
モンスターが微かに動いたと。
そして。
――ビクビクビクビク!!
突如痙攣した大量のモンスター。
「おい動いてるぞ!!」
「まだ終わってない!!」
「君が悪いわ……」
あまりにも異常な光景にたじろしながらも剣を抜く攻略者たち。
「――なんだこれ」
剣で斬ろうとした瞬間、モンスターに青白い糸が付いているのを確認。それは一体、また一体と数珠つなぎの様に巨大ゲートへと延びていた。
それに気づいた瞬間。
――ドゴオオオオオ!!
重低音を響かせて吸い込まれる様に一斉にモンスターがゲートへと集約、否、糸を巻き上げられて大きな大きな束にされた。
ひしめき合う力なく項垂れるモンスターたち。ハンプティダンプティの腕がピクリと動くとレッグハンドールの丸い関節に手が結合。グリーンエッグの足がハンドールの手に結合し、さらには脚をダンプティの口に突っ込む始末。
カチカチ、カタカタと一斉に結合していくと、徐々に形を成していった。
「――なんかヤバいぞ」
「臨戦態勢を取れ!!」
陸で、海岸で、誰しもがその光景を見上げた。
徐々に徐々に形を成し、やがて奇妙であり、そして巨大な物へと変貌。
アメリカ。
ニューヨークで見たそれは馬と言う他ない。
大量の球の関節を密集させた胴体。それに連なる様人型の胴体が脚の役割を担い、文字通り人形の足が足として形成。
牛の頭蓋を思わせる手足の無い人型の胴体。それが顔だと言わんばかりに幾つも不規則に胴体に付いていた。
「――ヒ●●ギ●!!!!」
『傀儡の使徒 キメラドール』
中国。
上海の空には巨大なハンプティダンプティの顔が地上を見ていた。
キメラドールと同じく大量の球の関節が密集した胴体。腕が残っていたり脚が残っていたりと様々な人型の胴体が繋がれ、それがハンプティダンプティの脚と腕、さらにはマッシブな体を形成。手首から命を刈り奪る形をしてる大きな鎌、鋏。
首は無くハンプティダンプティの赤い顔が胸部に挟まれる形で現れ、首には筒状の大砲が搭載せれていた。
「……ギギィイ●●イ!!!!」
『傀儡の使徒 ギガンテスドール』
フランス。
パリのエッフェル塔は吾輩の物だと言わんばかり。
黄金を装飾された白い玉座に座るのは、金色の人形の胴体でできた鬣《たてがみ》を持つ獅子顔の王。
完全なる人型で、連なる胴体で形成された鎧を身に纏い、腕で形成されたマントを靡かせる。
夜の光を反射する大きく太い両手剣。それを地面に突き刺し両手で柄頭を握りこんでいた。
「――ガア●オ●●オオオ!!!!」
『傀儡の使徒 レオドール』
日本。
燦々と降り注ぐ太陽の熱を東京の空から感じた巨人。
手足と関節が繋ぎ合わせた細かな無機質な黒色の鉄肌。赤色のハンプティダンプティの顔を耳とし、一切の感情が無い鉄の顔を人々に見せた。
『傀儡の使徒 ジャイアントドール』
――ッドオオオオオオンン!!
コンクリートを砕いて重々しく着地。
「おっきいのが来た……」
「フー!」
「んぱ!」
――ッザバアアアアアンン!!
海に着地し海水が飛沫を四散。
「先輩……」
「ああ。あのデカいのはザコモンスターたちとは違う!!」
ロシア・モスクワ。
ナイジュリア・ラゴス。
特別行政区・マカオ。
グリーンランド・ヌーク。
モナコ公国・モナコ。
シンガポール共和国。
全世界同様に傀儡の使徒である、キメラドール、ギガンテスドール、レオドール、ジャイアントドールが出現。
圧倒的物量に物を言わせた第一幕は幕を引き。
第二幕の幕開けとなった。
巨大ゲートを開きモンスターを投下させ侵攻してきた人類の敵――ルーラーズ。その一体である傀儡君主《マリオネットルーラー》カルーディが一斉に頭蓋を粉砕され、自由落下で地に伏した。
それと当時に傀儡の使徒であるハンプティダンプティ、グリーンエッグ、レッグハンドールが一斉に活動を停止。攻略者たちの攻撃を抵抗する事無く甘んじて受けた。
「――動かなくなった?」
「な、何が起こったんだ?」
「……分からないけど、数を減らす事に越した事ないわ」
一体一体はそれほど脅威では無いが数に物を言わせた戦いに悪戦苦闘した攻略者たちと免許持ち。動かなくなったのをいいことに一つ一つ丁寧かつ確実に潰していった。
その作業を止めたのはルーラーズであるカルーディが倒れたとの一報が波及してからだった。
――うおおおおおおおお!!!!
勝った。勝利を示した。
手を挙げて達成感を感じる者。共に戦った名も知らぬ攻略者に肩を抱き喜ぶ者たち。緊張の糸が切れ座りこむ者等々。
剣で薙ぎ払い、魔法で爆ぜさせ、呪術や法術といった術で戦い、血と汗が滲む努力の末、人類の敵であるルーラーズを倒したんだと歓喜に震えた。
しかし。
――ピク
誰かが気づいた。
――ピクピクン
モンスターが微かに動いたと。
そして。
――ビクビクビクビク!!
突如痙攣した大量のモンスター。
「おい動いてるぞ!!」
「まだ終わってない!!」
「君が悪いわ……」
あまりにも異常な光景にたじろしながらも剣を抜く攻略者たち。
「――なんだこれ」
剣で斬ろうとした瞬間、モンスターに青白い糸が付いているのを確認。それは一体、また一体と数珠つなぎの様に巨大ゲートへと延びていた。
それに気づいた瞬間。
――ドゴオオオオオ!!
重低音を響かせて吸い込まれる様に一斉にモンスターがゲートへと集約、否、糸を巻き上げられて大きな大きな束にされた。
ひしめき合う力なく項垂れるモンスターたち。ハンプティダンプティの腕がピクリと動くとレッグハンドールの丸い関節に手が結合。グリーンエッグの足がハンドールの手に結合し、さらには脚をダンプティの口に突っ込む始末。
カチカチ、カタカタと一斉に結合していくと、徐々に形を成していった。
「――なんかヤバいぞ」
「臨戦態勢を取れ!!」
陸で、海岸で、誰しもがその光景を見上げた。
徐々に徐々に形を成し、やがて奇妙であり、そして巨大な物へと変貌。
アメリカ。
ニューヨークで見たそれは馬と言う他ない。
大量の球の関節を密集させた胴体。それに連なる様人型の胴体が脚の役割を担い、文字通り人形の足が足として形成。
牛の頭蓋を思わせる手足の無い人型の胴体。それが顔だと言わんばかりに幾つも不規則に胴体に付いていた。
「――ヒ●●ギ●!!!!」
『傀儡の使徒 キメラドール』
中国。
上海の空には巨大なハンプティダンプティの顔が地上を見ていた。
キメラドールと同じく大量の球の関節が密集した胴体。腕が残っていたり脚が残っていたりと様々な人型の胴体が繋がれ、それがハンプティダンプティの脚と腕、さらにはマッシブな体を形成。手首から命を刈り奪る形をしてる大きな鎌、鋏。
首は無くハンプティダンプティの赤い顔が胸部に挟まれる形で現れ、首には筒状の大砲が搭載せれていた。
「……ギギィイ●●イ!!!!」
『傀儡の使徒 ギガンテスドール』
フランス。
パリのエッフェル塔は吾輩の物だと言わんばかり。
黄金を装飾された白い玉座に座るのは、金色の人形の胴体でできた鬣《たてがみ》を持つ獅子顔の王。
完全なる人型で、連なる胴体で形成された鎧を身に纏い、腕で形成されたマントを靡かせる。
夜の光を反射する大きく太い両手剣。それを地面に突き刺し両手で柄頭を握りこんでいた。
「――ガア●オ●●オオオ!!!!」
『傀儡の使徒 レオドール』
日本。
燦々と降り注ぐ太陽の熱を東京の空から感じた巨人。
手足と関節が繋ぎ合わせた細かな無機質な黒色の鉄肌。赤色のハンプティダンプティの顔を耳とし、一切の感情が無い鉄の顔を人々に見せた。
『傀儡の使徒 ジャイアントドール』
――ッドオオオオオオンン!!
コンクリートを砕いて重々しく着地。
「おっきいのが来た……」
「フー!」
「んぱ!」
――ッザバアアアアアンン!!
海に着地し海水が飛沫を四散。
「先輩……」
「ああ。あのデカいのはザコモンスターたちとは違う!!」
ロシア・モスクワ。
ナイジュリア・ラゴス。
特別行政区・マカオ。
グリーンランド・ヌーク。
モナコ公国・モナコ。
シンガポール共和国。
全世界同様に傀儡の使徒である、キメラドール、ギガンテスドール、レオドール、ジャイアントドールが出現。
圧倒的物量に物を言わせた第一幕は幕を引き。
第二幕の幕開けとなった。
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