俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮

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第二十二章 サバイバル

第284話 チュートリアル:注文の多い料理店のジ〇ジョ

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「こっちの草道に入って行った」

「草道と言うか、獣道と言うか……」

 デンデデン♪

『チュートリアル:魚を捕ろう』

『チュートリアルクリア』

『クリア報酬:力+』

 とプク〇ク合計十二匹釣りあげて難なくチュートリアルをクリア。ここをキャンプ地とする!! なキャンプ地に魚いっぱいのバケツを置き、優星さんに連れられて三人を探しに来た次第だ。

 食料調達の俺とは別に、黒鵜さんと流美さんも食料調達係。薪木を集めるのは優星さんと惹句さん担当だ。
 ご覧の通り、無事任務を十二分に達成した俺と優星さん。そろそろ戻って来てもいい頃合いなのに、三人の姿が見えなく心配だ。

「そんなに遠くへは行かないはずだが……」

「実力面は問題ないとは言え、いくら初心者ダンジョンだからと言って事故ってものはいつ起きてもおかしくないですからね……。心配です」

「そうだな……」

 草道もとい獣道を進む俺と優星さん。草木を掻き分けて通ったであろう道を心配を口にしながら進む。

 何をもって元キングか分からない惹句さん同様、流美さんと黒鵜さんも、俺が最初に三人と出会った会ったダンジョン『息吹く荒野 ウィンドウィルダネス』から見紛う程に実力をつけたのは一目でわかった。

 バイカル湖で起きた事件、ダンジョン『氷結界の里』でサークルファイブドラゴンは居たけどサークルとしては轟龍に実質敗北。それを糧として努力し『マリオネットレイド事件』をも乗り越えた様子。

 スタンピードでは? を取ったらしいけど、それをも糧として一皮も二皮も剥けたらしい。

「……ん? あれは」

 先行する優星さん。突如立ち止まって静かに指さしし、俺は指の方向を見て見ると、この青々を茂る草木に反する様な特徴的な金髪が見えた。

「――ッ」

 惹句さーーん!! と大声で呼ぼうとした俺の口を手で塞ぐ優星さん。何事かと目で訴えると、静かに。と人差し指を口に持っていくジェスチャーをした蟹さん。

(惹句が何かを見ている。静かに近づこう)

(了解です)

 首を縦に振りそれに従う。

 カサカサと草木や枝を揺らしてゆっくり移動。

「――?」

 草木を掻き分ける音に気付いたのか、しゃがみ姿の惹句さんは振り返って俺たちを認識。すぐさまアイコンタクトを図って来た。

(静かにしろ)

(何を見てるんだ)

 惹句さんとに近づき同じしゃがみ姿勢になる。いったい何を見てるんだと、優星さんと俺は静かに、そしてひょっこりと木々の間から顔を出した。

「「ッ!?!?」」

 俺と優星さんが見た物とは。

「流美……」

「黒鵜……」

 手に黄金に輝く樹液を付け、上半身裸の二人が見つめ合っていた。

「「――」」

 予想だにしない事態に俺と優星さん、表情を固めて硬直。

 何で林で上半身裸なのか。何で上半身裸で見つめ合ってるのか。何で手に樹液を付けているのか。少しだけ冷静な頭で考えても、何も分からない。

 しかし、そんな俺たちを他所に、見つめ合った二人は手に付いた樹液を見た。

「流美……。これを体に塗ると……強くなれるって本当か……?」

 どこか顔を赤く染めた黒鵜さんが引きつった甘い声で聞く。

「きっとそうだよ黒鵜……。塗った箇所が熱くなって……少しだけ引き締まるって噂……」

 親指と人差し指をくっつけては放し、粘膜染みた樹液がトロリと液の橋を作る。

 調査しつくされた初心者ダンジョンである『始まりの丘 グリーングリーン』に、塗るだけで強くなれる謎の樹液があるなんて聞いた事も無い。つかそんな樹液あったら日本が税金徴収するくらいに国連が全部光の速さで回収してるだろ。

 知らんけど。

 と、そんな事を思っていると。

「……ん!?」

 爽やかイケメンな流美さんとお兄さん系イケメンの黒鵜さんの姿と形が、劇画っぽく、ジョジ〇みが含まれる絵のタッチになっていた。

「このねちっこくネバネバな樹液……。聞いていた以上に締まる感じだ……」

「まさかとは思ったけど……。ここまでとは……」

 急に二部あたりのジ〇ジョ風に成った思ったら、指についている樹液に凄い関心を抱いていた。

(黒鵜……)

(流美……)

 見てはいけない物を見てしまったと、優星さんと惹句さんはかなり難しい顔をしていた。

「さぁ……塗ろうではないか……」

 そう言って流美さんがけしかけた。

 自分の身体に塗る。

 ――ピト。ぬるり……。

「――おぉ……この感触……」

「肌に纏わりつく様なおぉぅ……」

 樹液のあまりの気持ちよさなのか、二人とも艶めかしい声を響かせている。

 するとどうだろう。細マッチョな黒鵜さんが肩をもじもじとさせた。

「なぁ流美ぃ……」

「んふ~ん……」

「この樹液……ッを……」

「ん~~? 何かな~。水臭いじゃないかぁ……」

 ――ッバ!!

 と顔を上げて互いの顔を見合った。

「背中に塗ってもらえないかああああああああ!!??」

「言うに及ばずうううううううううううううう!!??」

 それからはもう。

 背中を抱かれ流美さんに体を許した黒鵜さんは激しく喘いだ。

「もっと優しく、いやもっと激しく!! やさしく! 激しく! やさしく!! 激しく!! ――――」

 二人の世界に完全に入ってしまった。


「――ってのが土曜日にあった訳よ。いやたまげたなマジで。その後の空気なんて思い出したくも無い」

「氷結界の里で一度しか顔見てない二人だけド☆ まさかそんな間柄だったとはネ☆」

「んー別にホモって訳じゃなさそうなんだよなぁ」

 土曜日のあの展開は確かに腐女子御用達の展開だったけど、当の本人の黒鵜さんは別にホモ気質じゃないのは確か。どっちかというと流美さんがヤバイ。ホモと言うか、どっちもいけるバイの匂いがする。

 まぁバイの匂いなんて知らんけど……。

 まさか教育番組で放送された伝説の回を彷彿とさせるなんてな……。

 気になる人は『注文の多い料理店・ジ〇ジョ』と調べたらいいと思う。

「ごちそうさまでした」

「お粗末様☆」

 デンデデン♪

『チュートリアル:朝食を食べよう』

『チュートリアルクリア』

『クリア報酬:力+』

 月曜日。

 朝食を摂取し、登校の準備。

 鞄を背負い、運動靴を履く。

「じゃあ行ってくるわ」

「ハイ☆ 行ってらっしゃイ☆」

 三日間生き残りサバイバルを、次の金曜日に控えている。

 最終調整は、良好だ。

 たぶん……。
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