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第1章 初対面の美少女転校生が未来の妻を名乗り始めたんだけど
第3話 夫婦になるんだからスキンシップを取るくらい普通だよ
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「それで拓馬は普段どこでお昼を食べてるの?」
「……中庭だけど」
「まだどこに何があるとか分からないから案内よろしく」
どうやら十六夜さんは本気で俺と一緒お昼を過ごす気らしい。それから中庭に着いた俺達はベンチに腰掛ける。
「あっ、そうそう。拓馬の分も作ってあるから」
「えっ!?」
「いわゆる愛妻弁当って奴だね。あっ、ひょっとして嬉しすぎて驚いちゃった?」
ひとまず十六夜さんから差し出されたお弁当箱を受け取る俺だったが、色々と意味が分からず完全に困惑していた。
そもそも今日は転校初日のはずだが、なぜこの学校に俺がいる事を知っていたのだろうか。それを知らなければ俺の分のお弁当なんて作れないはずだが。
「じゃあ早速食べようか」
「……ああ」
いくら考えても答えは思い浮かびそうになかったため、ひとまずお弁当を食べる事にする。お弁当箱の中身はハンバーグと卵焼き、唐揚げ、ブロッコリー、白米というシンプルなものになっていた。
「なあ、箸もらってもいいか?」
「あっ、ごめん。私うっかりしてて拓馬の分の箸を準備するの忘れてたんだよね」
なんと十六夜さんの分の箸しか用意してなかったようだ。素手で食べるわけにはいかないため面倒だが食堂に行って箸を借りるしかないだろう。
「あっ、でも心配しないで。この箸を二人で使えば全部解決するからさ」
「いやいや、流石にそれは駄目だろ」
さらっと凄まじい提案をされた俺は思わずそうツッコミをいれてしまった。二人で箸を使うとなると間接キスになってしまうためはっきり言って問題しかない。
「何が駄目なのかな?」
「えっ、だって間接キスになるし」
「さっき二人であんな情熱的なキスをしたんだから間接キスくらい別に些細な事だと思うけど」
そう言われて先程のディープキスの事を思い出してしまった俺は十六夜さんの顔を直視できなくなってしまう。
「ひょっとして私の味を思い出しちゃった?」
「……いやそんな事は」
「目を逸らしたふりして私の唇ばっかり見てるからバレバレだよ」
どうやら俺は無意識のうちに十六夜さんの唇を見てしまっていたようだ。俺が何も言えなくなって黙り込んでいると十六夜さんはニヤニヤした表情で口を開く。
「あっ、ひょっとしてもう一回したいの?」
「そ、それは……」
美少女とキスしたくないと言えば嘘になるが、もう一回したいとは流石に言えなかった。すると十六夜さんは獲物を狙う肉食動物のような目になる。
そして次の瞬間、俺に覆い被さりそのまま強引に唇を奪われた。朝と同じように完全にされるがままだ。しばらくして満足したのか十六夜さんは俺から離れた。
「じゃあお昼ごはんにしようか」
満足そうな表情を浮かべながらそう口にする十六夜さんに対して俺は疲れ切ってベンチの上で完全に脱力状態となっている。
ちなみにこの後二人で仲良くお弁当を食べたが、緊張のせいか全く味が分からなかった。だからハンバーグのケチャップから鉄のような味がした事は多分気のせいだろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
今日は朝から色々な事があり過ぎたせいか、時間の流れがめちゃくちゃ遅く感じた。普段の二倍くらい体感時間が長かったような気がする。だから帰りのホームルームが終わった頃には完全にクタクタだった。
「……やっと放課後か」
俺は部活に所属していないため後は家に帰るだけだ。家に帰ったらとりあえず晩御飯の時間まで仮眠を取る事にしよう。
そんな事を考えながらリュックサックを背負って帰ろうとしていると十六夜さんが真っ直ぐこちらへと向かってくる。
「もう帰るの?」
「ああ、特に学校に残っても特にする事なんて無いから」
帰宅部で友達もいない上に勉強も家でやった方が圧倒的に捗る事を考えると学校に残る理由なんてこれっぽっちも無いのだ。
「それなら私も帰ろうかな」
「うん、十六夜さんまたな」
そう言い残して十六夜さんと別れようとする俺だったが、強引に腕を組まれてしまった事で叶わなくなる。
「えっと何のつもりだ……?」
「一緒に帰ろうとしてるだけだけど?」
どうやら俺と一緒に帰るためにわざわざ密着して腕を組んできたらしい。
「一緒に帰るにしても腕を組む必要は全く無いと思うのは俺だけか?」
「夫婦になるんだからスキンシップを取るくらい普通だよ」
やはり十六夜さんの中で俺の未来の妻というのは揺るぎない事実になっているようだ。抵抗しても無駄な事を悟った俺は大人しくそのまま靴箱に向かって歩き始める。
「あとさ、私の事を十六夜さんって呼ぶのは禁止ね。ちゃんとアリスって呼ぶ事」
「……えっ、何で?」
「普通は妻を苗字で呼ばないでしょ?」
確かに夫婦という関係なら苗字呼びする事は変に違いない。しかし言うまでもなく俺達は夫婦では無いのだ。だが十六夜さんに逆らう事などとても出来そうにない。
「アリスさんじゃ駄目か……?」
「駄目」
女子を苗字では無く名前で呼び捨てにする事は抵抗があったため妥協案を提示したが即答で断られてしまった。もう観念するしかないようだ。
「……分かった、アリスって呼ぶよ」
「うん、よろしい」
十六夜さん改めアリスは満足そうな表情を浮かべている。それから校門に着くまでアリスはずっと上機嫌だった。
「……じゃあ俺、こっちだから」
「奇遇だね、私もそっちなんだよ」
校門まで出れば別れられると思っていた俺だったが、なんとアリスも帰る方向が同じようだ。そのためしばらく腕を組んだまま帰らなければならないらしい。
「ちなみに家ってどの辺なんだ?」
「あれっ、言ってなかったっけ? 拓馬と同じマンションだよ」
「えっ!?」
アリスの言葉を聞いた俺は驚きのあまり思わずそう声をあげてしまった。同じマンションに住んでいるなんて完全に予想外だ。一体これからどうなってしまうのだろうか。
「……中庭だけど」
「まだどこに何があるとか分からないから案内よろしく」
どうやら十六夜さんは本気で俺と一緒お昼を過ごす気らしい。それから中庭に着いた俺達はベンチに腰掛ける。
「あっ、そうそう。拓馬の分も作ってあるから」
「えっ!?」
「いわゆる愛妻弁当って奴だね。あっ、ひょっとして嬉しすぎて驚いちゃった?」
ひとまず十六夜さんから差し出されたお弁当箱を受け取る俺だったが、色々と意味が分からず完全に困惑していた。
そもそも今日は転校初日のはずだが、なぜこの学校に俺がいる事を知っていたのだろうか。それを知らなければ俺の分のお弁当なんて作れないはずだが。
「じゃあ早速食べようか」
「……ああ」
いくら考えても答えは思い浮かびそうになかったため、ひとまずお弁当を食べる事にする。お弁当箱の中身はハンバーグと卵焼き、唐揚げ、ブロッコリー、白米というシンプルなものになっていた。
「なあ、箸もらってもいいか?」
「あっ、ごめん。私うっかりしてて拓馬の分の箸を準備するの忘れてたんだよね」
なんと十六夜さんの分の箸しか用意してなかったようだ。素手で食べるわけにはいかないため面倒だが食堂に行って箸を借りるしかないだろう。
「あっ、でも心配しないで。この箸を二人で使えば全部解決するからさ」
「いやいや、流石にそれは駄目だろ」
さらっと凄まじい提案をされた俺は思わずそうツッコミをいれてしまった。二人で箸を使うとなると間接キスになってしまうためはっきり言って問題しかない。
「何が駄目なのかな?」
「えっ、だって間接キスになるし」
「さっき二人であんな情熱的なキスをしたんだから間接キスくらい別に些細な事だと思うけど」
そう言われて先程のディープキスの事を思い出してしまった俺は十六夜さんの顔を直視できなくなってしまう。
「ひょっとして私の味を思い出しちゃった?」
「……いやそんな事は」
「目を逸らしたふりして私の唇ばっかり見てるからバレバレだよ」
どうやら俺は無意識のうちに十六夜さんの唇を見てしまっていたようだ。俺が何も言えなくなって黙り込んでいると十六夜さんはニヤニヤした表情で口を開く。
「あっ、ひょっとしてもう一回したいの?」
「そ、それは……」
美少女とキスしたくないと言えば嘘になるが、もう一回したいとは流石に言えなかった。すると十六夜さんは獲物を狙う肉食動物のような目になる。
そして次の瞬間、俺に覆い被さりそのまま強引に唇を奪われた。朝と同じように完全にされるがままだ。しばらくして満足したのか十六夜さんは俺から離れた。
「じゃあお昼ごはんにしようか」
満足そうな表情を浮かべながらそう口にする十六夜さんに対して俺は疲れ切ってベンチの上で完全に脱力状態となっている。
ちなみにこの後二人で仲良くお弁当を食べたが、緊張のせいか全く味が分からなかった。だからハンバーグのケチャップから鉄のような味がした事は多分気のせいだろう。
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今日は朝から色々な事があり過ぎたせいか、時間の流れがめちゃくちゃ遅く感じた。普段の二倍くらい体感時間が長かったような気がする。だから帰りのホームルームが終わった頃には完全にクタクタだった。
「……やっと放課後か」
俺は部活に所属していないため後は家に帰るだけだ。家に帰ったらとりあえず晩御飯の時間まで仮眠を取る事にしよう。
そんな事を考えながらリュックサックを背負って帰ろうとしていると十六夜さんが真っ直ぐこちらへと向かってくる。
「もう帰るの?」
「ああ、特に学校に残っても特にする事なんて無いから」
帰宅部で友達もいない上に勉強も家でやった方が圧倒的に捗る事を考えると学校に残る理由なんてこれっぽっちも無いのだ。
「それなら私も帰ろうかな」
「うん、十六夜さんまたな」
そう言い残して十六夜さんと別れようとする俺だったが、強引に腕を組まれてしまった事で叶わなくなる。
「えっと何のつもりだ……?」
「一緒に帰ろうとしてるだけだけど?」
どうやら俺と一緒に帰るためにわざわざ密着して腕を組んできたらしい。
「一緒に帰るにしても腕を組む必要は全く無いと思うのは俺だけか?」
「夫婦になるんだからスキンシップを取るくらい普通だよ」
やはり十六夜さんの中で俺の未来の妻というのは揺るぎない事実になっているようだ。抵抗しても無駄な事を悟った俺は大人しくそのまま靴箱に向かって歩き始める。
「あとさ、私の事を十六夜さんって呼ぶのは禁止ね。ちゃんとアリスって呼ぶ事」
「……えっ、何で?」
「普通は妻を苗字で呼ばないでしょ?」
確かに夫婦という関係なら苗字呼びする事は変に違いない。しかし言うまでもなく俺達は夫婦では無いのだ。だが十六夜さんに逆らう事などとても出来そうにない。
「アリスさんじゃ駄目か……?」
「駄目」
女子を苗字では無く名前で呼び捨てにする事は抵抗があったため妥協案を提示したが即答で断られてしまった。もう観念するしかないようだ。
「……分かった、アリスって呼ぶよ」
「うん、よろしい」
十六夜さん改めアリスは満足そうな表情を浮かべている。それから校門に着くまでアリスはずっと上機嫌だった。
「……じゃあ俺、こっちだから」
「奇遇だね、私もそっちなんだよ」
校門まで出れば別れられると思っていた俺だったが、なんとアリスも帰る方向が同じようだ。そのためしばらく腕を組んだまま帰らなければならないらしい。
「ちなみに家ってどの辺なんだ?」
「あれっ、言ってなかったっけ? 拓馬と同じマンションだよ」
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