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第6章 今年の学園祭は色々と忙しくなりそうだ
第39話 試しに私とここで一線越えてみる?
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後期補習開始からあっという間に一週間が経過した。始業式と夏休みの課題テストも終わったため今日から本格的な準備期間に突入する。
「もう学内もすっかりお祭りムードだね」
「後一週間で本番だしな、学内が賑わうのも当然だろ」
学内のあちこちで学園祭の準備をする光景が見られ、皆んなやる気に満ちている様子だ。そんな会話をしながら俺達は体育館へと向かう。これからしばらく演劇の練習を行うのだ。
ちなみに衣装や小道具は既に準備済みのため、今日はそれらを全て着用しての練習になる。
「王子様役の衣装とか着るのマジで恥ずかしい過ぎだろ」
「えー、そうかな? 私はかっこいいと思うけど」
「いやいや、あんな派手な衣装よっぽどなイケメンじゃないと似合わないって」
派手な金色の装飾が付いた白いジャケットに赤いズボンという組み合わせは絶対服に着られる感じになってしまう。はっきり言って公開処刑にされる気分だ。
「心配しないで、もし皆んなから似合わないって言われたとしても私だけは似合うって言ってあげるから」
「それはそれで逆に悲しくなってくるから辞めてくれ」
そんな会話をしながら歩いているうちに体育館へと到着した。俺は衣装と小道具を受け取って舞台裏で着替え、そのまま台本を読んで今日の練習箇所を確認し始める。
セリフ自体はもう既にほぼ暗記出来ているが、照明切り替わりのタイミングなどが曖昧なためその辺りの確認が中心だ。そんな事をしているとアリスがやってくる。
「拓馬、私の衣装はどう?」
「うん、リアルシンデレラだな。マジで絵本の中から飛び出してきたって言われても違和感ないわ」
「ありがとう、クラスの皆んなからもよく似合ってるって言われたんだよね」
金髪翠眼のアリスにはよく似合いそうとは思っていたが、衣装を着ると本物のシンデレラにしか見えない。
「王子様もよく似合ってるじゃん」
「本当かよ? めちゃくちゃ微妙そうな顔をされたんだけど」
実際に自分で鏡を見ても微妙だったのだから他人から見たら尚更そう見えるはずだ。まあ、アリスは先程私だけは似合うと言ってあげると発言していたため気を遣って有言実行してくれたのだろう。
「アリスはセリフとかはもうバッチリか?」
「勿論、私を誰だと思ってるの?」
「それは頼もしいな。じゃあ”あなたは私の運命の女性です。私と……”の次のセリフは?」
「”大変、もうすぐ十二時だわ。帰らなくちゃ、ごめんなさい、王子様……”だよね」
アリスは特に詰まる事もなくスラスラとセリフを話した。うん、この感じなら全然大丈夫そうだな。それからしばらくして練習の開始時間となったため俺達は時間いっぱい演技をした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……監督は相変わらずスパルタだよな」
「うん、時間が過ぎるのがめちゃくちゃ遅く感じたよ」
練習が終わった後、俺とアリスはクラスメイト達とともに体育倉庫へ物を片付けながらそんな話をしていた。
演劇部に所属しているうちのクラスの演劇監督がガチで演技指導をしてくるため演者は全員クタクタだ。特に俺はセリフが棒読みになる傾向があるらしく、先週から演技指導の集中砲火を受けていた。
「家に帰ったら速攻で寝たい気分だ」
「残念だけどそれは駄目だよ、家に帰ってからも練習が待ってるから」
「だよな……」
「一緒に頑張ろうね」
主役の俺達二人は帰ってもしっかり自主練するよう監督から厳命されているため、家に帰ってからもアリスと二人で練習しなければならない。
しかも練習している様子を動画で撮影してLIMEで送るように指示までされているため手を抜く事は出来ないのだ。
「これで運ぶ物は終わりだよな」
「うん、私達が運んできたので最後」
ようやく家に帰れる。そう思っていた矢先入り口の方からバタンという音とガチャっという音が聞こえてきた。
「なあ、鍵が閉まるような音が聞こえてきたのは俺の気のせいか?」
「ううん、確かに私にも聞こえたよ」
「ひょっとして俺達、閉じ込められた……?」
「とりあえず確かめてみよう」
扉を開けようとする俺達だったが、二人でどれだけ頑張ってもびくともしない。
「……おいおいマジか」
「私達が中にいる事を一切確認せずに鍵を締めたみたいだね」
どうやら俺とアリスはクラスメイトの確認不足が原因で体育倉庫に閉じ込められてしまったらしい。しばらく二人で脱出する方法が無いかを調べてみたが特に無さそうだった。
「誰か私達の存在に気づいてくれたら良いんだけど」
「火災報知器の紐を引っ張ったら職員室に情報が行くようになってるはずだから絶対に気付いて貰えるとは思うけど、それは最終手段だからな」
無駄な抵抗を諦めた俺は近くに置かれていたマットへと腰掛ける。それを見ていたアリスも同じように俺の隣へと座った。
「狭い密室に男女二人ってさ、何かエロくない?」
「アリスは急に何を言い始めるんだよ」
「ほら、拓馬が持ってたエロ漫画でこんなシチュエーションのやつがあったからさ」
いい加減俺がベッドの下に隠していたエロ漫画ネタでからかうのは辞めてくれ。恥ずかし過ぎてマジで死にそうだから。
「試しに私とここで一線越えてみる?」
「いやいや、家ならまだしも学校でそんな事をやったらただじゃ済まないだろ」
「家だったら問題ないみたいな口ぶりじゃん」
「今のはあくまで言葉の綾だから」
アリスはこんな状況になっているというのにめちゃくちゃ元気だった。てか、俺も健全な男子なんだから少しは自重して欲しい。あんまり誘惑され過ぎるとガチで押し倒す可能性があるから。
「前も言ったと思うけど、拓馬になら私の初めてをあげてもいいからね」
アリスはそう言って妖艶な笑みを浮かべていた。だから俺の理性を全力で殺しにかかるのは辞めてくれ。
結局俺達はその三十分後に発見されて無事に脱出できたわけだが、アリスが誘惑してきたせいで理性との戦いになっていた事は言うまでもない。
「もう学内もすっかりお祭りムードだね」
「後一週間で本番だしな、学内が賑わうのも当然だろ」
学内のあちこちで学園祭の準備をする光景が見られ、皆んなやる気に満ちている様子だ。そんな会話をしながら俺達は体育館へと向かう。これからしばらく演劇の練習を行うのだ。
ちなみに衣装や小道具は既に準備済みのため、今日はそれらを全て着用しての練習になる。
「王子様役の衣装とか着るのマジで恥ずかしい過ぎだろ」
「えー、そうかな? 私はかっこいいと思うけど」
「いやいや、あんな派手な衣装よっぽどなイケメンじゃないと似合わないって」
派手な金色の装飾が付いた白いジャケットに赤いズボンという組み合わせは絶対服に着られる感じになってしまう。はっきり言って公開処刑にされる気分だ。
「心配しないで、もし皆んなから似合わないって言われたとしても私だけは似合うって言ってあげるから」
「それはそれで逆に悲しくなってくるから辞めてくれ」
そんな会話をしながら歩いているうちに体育館へと到着した。俺は衣装と小道具を受け取って舞台裏で着替え、そのまま台本を読んで今日の練習箇所を確認し始める。
セリフ自体はもう既にほぼ暗記出来ているが、照明切り替わりのタイミングなどが曖昧なためその辺りの確認が中心だ。そんな事をしているとアリスがやってくる。
「拓馬、私の衣装はどう?」
「うん、リアルシンデレラだな。マジで絵本の中から飛び出してきたって言われても違和感ないわ」
「ありがとう、クラスの皆んなからもよく似合ってるって言われたんだよね」
金髪翠眼のアリスにはよく似合いそうとは思っていたが、衣装を着ると本物のシンデレラにしか見えない。
「王子様もよく似合ってるじゃん」
「本当かよ? めちゃくちゃ微妙そうな顔をされたんだけど」
実際に自分で鏡を見ても微妙だったのだから他人から見たら尚更そう見えるはずだ。まあ、アリスは先程私だけは似合うと言ってあげると発言していたため気を遣って有言実行してくれたのだろう。
「アリスはセリフとかはもうバッチリか?」
「勿論、私を誰だと思ってるの?」
「それは頼もしいな。じゃあ”あなたは私の運命の女性です。私と……”の次のセリフは?」
「”大変、もうすぐ十二時だわ。帰らなくちゃ、ごめんなさい、王子様……”だよね」
アリスは特に詰まる事もなくスラスラとセリフを話した。うん、この感じなら全然大丈夫そうだな。それからしばらくして練習の開始時間となったため俺達は時間いっぱい演技をした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「……監督は相変わらずスパルタだよな」
「うん、時間が過ぎるのがめちゃくちゃ遅く感じたよ」
練習が終わった後、俺とアリスはクラスメイト達とともに体育倉庫へ物を片付けながらそんな話をしていた。
演劇部に所属しているうちのクラスの演劇監督がガチで演技指導をしてくるため演者は全員クタクタだ。特に俺はセリフが棒読みになる傾向があるらしく、先週から演技指導の集中砲火を受けていた。
「家に帰ったら速攻で寝たい気分だ」
「残念だけどそれは駄目だよ、家に帰ってからも練習が待ってるから」
「だよな……」
「一緒に頑張ろうね」
主役の俺達二人は帰ってもしっかり自主練するよう監督から厳命されているため、家に帰ってからもアリスと二人で練習しなければならない。
しかも練習している様子を動画で撮影してLIMEで送るように指示までされているため手を抜く事は出来ないのだ。
「これで運ぶ物は終わりだよな」
「うん、私達が運んできたので最後」
ようやく家に帰れる。そう思っていた矢先入り口の方からバタンという音とガチャっという音が聞こえてきた。
「なあ、鍵が閉まるような音が聞こえてきたのは俺の気のせいか?」
「ううん、確かに私にも聞こえたよ」
「ひょっとして俺達、閉じ込められた……?」
「とりあえず確かめてみよう」
扉を開けようとする俺達だったが、二人でどれだけ頑張ってもびくともしない。
「……おいおいマジか」
「私達が中にいる事を一切確認せずに鍵を締めたみたいだね」
どうやら俺とアリスはクラスメイトの確認不足が原因で体育倉庫に閉じ込められてしまったらしい。しばらく二人で脱出する方法が無いかを調べてみたが特に無さそうだった。
「誰か私達の存在に気づいてくれたら良いんだけど」
「火災報知器の紐を引っ張ったら職員室に情報が行くようになってるはずだから絶対に気付いて貰えるとは思うけど、それは最終手段だからな」
無駄な抵抗を諦めた俺は近くに置かれていたマットへと腰掛ける。それを見ていたアリスも同じように俺の隣へと座った。
「狭い密室に男女二人ってさ、何かエロくない?」
「アリスは急に何を言い始めるんだよ」
「ほら、拓馬が持ってたエロ漫画でこんなシチュエーションのやつがあったからさ」
いい加減俺がベッドの下に隠していたエロ漫画ネタでからかうのは辞めてくれ。恥ずかし過ぎてマジで死にそうだから。
「試しに私とここで一線越えてみる?」
「いやいや、家ならまだしも学校でそんな事をやったらただじゃ済まないだろ」
「家だったら問題ないみたいな口ぶりじゃん」
「今のはあくまで言葉の綾だから」
アリスはこんな状況になっているというのにめちゃくちゃ元気だった。てか、俺も健全な男子なんだから少しは自重して欲しい。あんまり誘惑され過ぎるとガチで押し倒す可能性があるから。
「前も言ったと思うけど、拓馬になら私の初めてをあげてもいいからね」
アリスはそう言って妖艶な笑みを浮かべていた。だから俺の理性を全力で殺しにかかるのは辞めてくれ。
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