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出立編
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過去の記憶と現在の記憶に翻弄されながらも、現実を見なければならないと思った。
確か彼の記憶には地球と同じような世界だとは理解した。
そして21世紀のような技術大国の世界では無いのね。
内なる話し方は別に女性でも構わない…わよね?
自分の顔を確認するのは変じゃ無い?
「バルト」
「何だよ」
「怪我の具合を自分で確認してみたいんだが、流石に剣は手元にないよな?」
「あー・・・だったら桶に水汲んで来てやろう」
「助かる(水鏡なら見る事も可能ね)」
会話を理解できるのはアレクさんって人の記憶が補佐してくれてるから?
一番の懸念は文字が読み書き出来るか?って事よ。
「はぁ…誰が花瓶を落としたのかは気になるが…どーせ雑魚だろ(こんな考えが出来るって事はアレクさんは剣術に長けて居ると言う事)」
「ほらアレク」
「すまんすま・・・うわ・・・結構、派手に躓いたんだな。こりゃひでぇ」
(…と言うより何だよ、このイケメンな顔つき。バルトって人も見た目「渋メン(渋いイケメン)」だけど、私の顔つきは…何処ぞの王子様だと嘘を言っても通じそうだわねぇ)
バルトさんは緑色の髪に緋色の瞳、年齢的には20って所かな?
そして私は銀色に輝く髪色に整った顔立ち、瞳の色はスカイブルーとしか言いようが無いくらいに綺麗だ。
情報で17とは知って居たけど、男前って事も妬みの原因…よね。
「それだけで済んだって思った方がいいぞ。お前が花瓶に気付いて体を捻った先に、大きめの根っこが有ったんだからな。それを避けろっと言われて反応しようとしたからな、お前…」
「仕方ねーだろ?俺もお前も騎士を目指すなら、あらゆる事に反応できなきゃ試験すら受けさせて貰えない可能性だって有るんだろ?!」
「確かになぁ…まあ王都までが遠いから2カ所くらいの村で宿に泊まり3泊くらいは野営だ」
「村から王都までが5日と遠いからなぁ…。でも流石に旅先で俺…狙われねぇよな?」
「逆に狙われたらこえぇよ」
「だな。どうする?俺は頭の怪我以外は何ともないから出立するなら簡単に用意するが…」
「試験の日程が決まって居るから、王都の宿に寝起きして試験日に間に合わない…と言う事は回避しないとな」
「最初の村までの食事と着替え5日分・・・で足りるよな?」
「足らなかったら護衛やら手伝いやらで金子を稼いで不足分を買えば良いだけだ」
「じゃあ互いに行動するか?」
「ああ。お前は怪我人だから無理だけはするな」
「・・・判ってる(妬んで花瓶を落とした奴に『あんな事、するんじゃなかった』と後悔させられたら御の字だけど、相手が女性だと結婚を申し込まれたりするのかしら?面倒くさいわね)」
するすると知識や情報が出てくるのはアレクって人の記憶が有るからだけど、彼の母親が幼い頃に怪我が原因で病気を発症し、死亡してしまい孤児として育ったとか、不運すぎでしょ。
父親が誰かを母は最期まで教えてくれなかった。
父親から貰ったと言うナイフを俺に形見として渡してくれたのが唯一の証明となってしまった。
「しかし…この紋章って何だろ」
ベットの脇に腰掛け、ナイフの鞘に刻まれた紋章を見つつも旅支度を整えて行く。
とは言え着替えも少なく、持ち出すとしても母親が購入するのを許してくれた剣しか無い状態。
着替えと金子と剣そして形見として貰ったナイフを持ち部屋を片付ける。
「ごめん母さん。俺、王都に行くよ」
行くな、と言われたけれど騎士になりたい俺は、約束を破り向かう事にしたのだが、それが運命の歯車を狂わせる結果になるとは、気付けなかった
確か彼の記憶には地球と同じような世界だとは理解した。
そして21世紀のような技術大国の世界では無いのね。
内なる話し方は別に女性でも構わない…わよね?
自分の顔を確認するのは変じゃ無い?
「バルト」
「何だよ」
「怪我の具合を自分で確認してみたいんだが、流石に剣は手元にないよな?」
「あー・・・だったら桶に水汲んで来てやろう」
「助かる(水鏡なら見る事も可能ね)」
会話を理解できるのはアレクさんって人の記憶が補佐してくれてるから?
一番の懸念は文字が読み書き出来るか?って事よ。
「はぁ…誰が花瓶を落としたのかは気になるが…どーせ雑魚だろ(こんな考えが出来るって事はアレクさんは剣術に長けて居ると言う事)」
「ほらアレク」
「すまんすま・・・うわ・・・結構、派手に躓いたんだな。こりゃひでぇ」
(…と言うより何だよ、このイケメンな顔つき。バルトって人も見た目「渋メン(渋いイケメン)」だけど、私の顔つきは…何処ぞの王子様だと嘘を言っても通じそうだわねぇ)
バルトさんは緑色の髪に緋色の瞳、年齢的には20って所かな?
そして私は銀色に輝く髪色に整った顔立ち、瞳の色はスカイブルーとしか言いようが無いくらいに綺麗だ。
情報で17とは知って居たけど、男前って事も妬みの原因…よね。
「それだけで済んだって思った方がいいぞ。お前が花瓶に気付いて体を捻った先に、大きめの根っこが有ったんだからな。それを避けろっと言われて反応しようとしたからな、お前…」
「仕方ねーだろ?俺もお前も騎士を目指すなら、あらゆる事に反応できなきゃ試験すら受けさせて貰えない可能性だって有るんだろ?!」
「確かになぁ…まあ王都までが遠いから2カ所くらいの村で宿に泊まり3泊くらいは野営だ」
「村から王都までが5日と遠いからなぁ…。でも流石に旅先で俺…狙われねぇよな?」
「逆に狙われたらこえぇよ」
「だな。どうする?俺は頭の怪我以外は何ともないから出立するなら簡単に用意するが…」
「試験の日程が決まって居るから、王都の宿に寝起きして試験日に間に合わない…と言う事は回避しないとな」
「最初の村までの食事と着替え5日分・・・で足りるよな?」
「足らなかったら護衛やら手伝いやらで金子を稼いで不足分を買えば良いだけだ」
「じゃあ互いに行動するか?」
「ああ。お前は怪我人だから無理だけはするな」
「・・・判ってる(妬んで花瓶を落とした奴に『あんな事、するんじゃなかった』と後悔させられたら御の字だけど、相手が女性だと結婚を申し込まれたりするのかしら?面倒くさいわね)」
するすると知識や情報が出てくるのはアレクって人の記憶が有るからだけど、彼の母親が幼い頃に怪我が原因で病気を発症し、死亡してしまい孤児として育ったとか、不運すぎでしょ。
父親が誰かを母は最期まで教えてくれなかった。
父親から貰ったと言うナイフを俺に形見として渡してくれたのが唯一の証明となってしまった。
「しかし…この紋章って何だろ」
ベットの脇に腰掛け、ナイフの鞘に刻まれた紋章を見つつも旅支度を整えて行く。
とは言え着替えも少なく、持ち出すとしても母親が購入するのを許してくれた剣しか無い状態。
着替えと金子と剣そして形見として貰ったナイフを持ち部屋を片付ける。
「ごめん母さん。俺、王都に行くよ」
行くな、と言われたけれど騎士になりたい俺は、約束を破り向かう事にしたのだが、それが運命の歯車を狂わせる結果になるとは、気付けなかった
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