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出立編
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* * * *
2日目、プラファ村が見えて来たのだが、何だか様子が変だ。
「バルト…」
「・・・先に行って聞いてみよう」
こう言う時、気心を知れて居る相手が一緒だと助かる。
それに貸り馬も村ごとで行って居る様子が伺えるな。
「アレクこの村は通過した方が良さそうだ」
「何か有ったのか?」
「どうやら流行り病らしくてな、通り抜けるだけなら感染は無いとの事だ」
「はぁ…野営か」
「天幕を調達できそうもないからなぁ…1つ先まで走らせるか?」
「それしか無いだろうな」
一応、令嬢にも野営しなければならなくなった事は伝えるか(勿論、護衛騎士に話を伝えるけどな)
「貴族令嬢様には申し上げにくいので、護衛の方に伝えさせて頂く。この村は流行り病で滞在は難しいとの事ですので、次の村との間で野営となる事をご承知下さいますよう、お伝え下さい」
「なっ!?」「流行り病だと?!」
「ええ。通過するだけなら感染しないそうなので通過して風向きを考えた先での野営になりますね」
まあ温室育ちだろう令嬢には野営はキツイだろうけど、仕方ない。
我慢して頂かなくては病気で王都に到着どころか、死んでしまう可能性も有るからな。
「それしか方法は無いのだな?」
「残念だけど、この先の村に行くなら飛ばさないと無理なんだ。令嬢を乗せた馬車が揺れる速さで向かう事など無いだろう?」
「確かに…」「判った、アリア様には私たちが伝えよう」
「全員の安全は必ず守る」
水の確保と夕飯の確保…それから焚火に使う枝の確保、後は天幕の用意だなぁ。
ほんと(本当)この令嬢はトラブルメーカーだろ。
バルトに流行り病の先に有る大きな村まで走って貰い天幕2つ(令嬢と侍女で1つ、御者に1つ)、買って来て貰い騎士の1人に枯れ枝を集めて貰う事にして、食料は…うん…魔物の肉じゃ食わない可能性大だな。
「アレク天幕は2つ確保できたぞ。しかも借り受けて来れた」
「借り受けられたのなら有難い。バルト流石に食料は…」
「肉と野菜と飲み物は調達して来た」
「流石だな。騎士殿」
「はっ。何で御座いましょうか」
「令嬢の馬車に天幕を積む許可を願い出て貰えるだろうか?無理ならば私たちの馬に乗せて運ぶが…」
「聞いてみましょう」
ちっ…・・・…ちっ…・・・ちっ…ちーん(あ、駄目っぽいな)
「申し訳ない」
あー察し。令嬢は俺らを信用してないつーこったな。
「判った。バルト、タオル持ってるよな?」
「ああ。それがどうした?」
「通過するだけでは感染しないと言われたが空気感染の可能性は捨てきれないだろうから、予防策で口元をタオルでカバーした方が良いだろう(まあ本格的な予防策は感染して居る病名にも寄るんだけど、こればかりは医者じゃないから判断できないし、通るだけだからね。これで少しは防げるでしょ)」
「お前…何気に知識を持ってるよな」
「まあ母さんの影響で本を読むのが好きだったからな」
ガサゴソと荷物の中からタオルを取り出し口元を覆う。
「アリア様…でしたか。お嬢様はハンカチを持っておられるでしょうから、それで口元を通過し終えるまで維持して頂けるよう伝えて下さい。騎士の方々はマントでも構いませんよ」
「「はっ」」
何かカリスマ的に見られてるよな?俺とバルト。
時々、乙女チックな言葉に戻ってしまうけど元が女性だからな。
それくらい、内心だから構わないかな?
さて、準備が出来たら出立だな。
そう長居は出来ない村では有るけれど、対策とれるようだったら伝えたいなぁ。
考えを巡らせはするが、病名が判って無い時点でのアドバイスは無駄だと判って居るアレクは、この先にも襲撃が有るかも知れないと、意識を守る方へと転換させるのだった
2日目、プラファ村が見えて来たのだが、何だか様子が変だ。
「バルト…」
「・・・先に行って聞いてみよう」
こう言う時、気心を知れて居る相手が一緒だと助かる。
それに貸り馬も村ごとで行って居る様子が伺えるな。
「アレクこの村は通過した方が良さそうだ」
「何か有ったのか?」
「どうやら流行り病らしくてな、通り抜けるだけなら感染は無いとの事だ」
「はぁ…野営か」
「天幕を調達できそうもないからなぁ…1つ先まで走らせるか?」
「それしか無いだろうな」
一応、令嬢にも野営しなければならなくなった事は伝えるか(勿論、護衛騎士に話を伝えるけどな)
「貴族令嬢様には申し上げにくいので、護衛の方に伝えさせて頂く。この村は流行り病で滞在は難しいとの事ですので、次の村との間で野営となる事をご承知下さいますよう、お伝え下さい」
「なっ!?」「流行り病だと?!」
「ええ。通過するだけなら感染しないそうなので通過して風向きを考えた先での野営になりますね」
まあ温室育ちだろう令嬢には野営はキツイだろうけど、仕方ない。
我慢して頂かなくては病気で王都に到着どころか、死んでしまう可能性も有るからな。
「それしか方法は無いのだな?」
「残念だけど、この先の村に行くなら飛ばさないと無理なんだ。令嬢を乗せた馬車が揺れる速さで向かう事など無いだろう?」
「確かに…」「判った、アリア様には私たちが伝えよう」
「全員の安全は必ず守る」
水の確保と夕飯の確保…それから焚火に使う枝の確保、後は天幕の用意だなぁ。
ほんと(本当)この令嬢はトラブルメーカーだろ。
バルトに流行り病の先に有る大きな村まで走って貰い天幕2つ(令嬢と侍女で1つ、御者に1つ)、買って来て貰い騎士の1人に枯れ枝を集めて貰う事にして、食料は…うん…魔物の肉じゃ食わない可能性大だな。
「アレク天幕は2つ確保できたぞ。しかも借り受けて来れた」
「借り受けられたのなら有難い。バルト流石に食料は…」
「肉と野菜と飲み物は調達して来た」
「流石だな。騎士殿」
「はっ。何で御座いましょうか」
「令嬢の馬車に天幕を積む許可を願い出て貰えるだろうか?無理ならば私たちの馬に乗せて運ぶが…」
「聞いてみましょう」
ちっ…・・・…ちっ…・・・ちっ…ちーん(あ、駄目っぽいな)
「申し訳ない」
あー察し。令嬢は俺らを信用してないつーこったな。
「判った。バルト、タオル持ってるよな?」
「ああ。それがどうした?」
「通過するだけでは感染しないと言われたが空気感染の可能性は捨てきれないだろうから、予防策で口元をタオルでカバーした方が良いだろう(まあ本格的な予防策は感染して居る病名にも寄るんだけど、こればかりは医者じゃないから判断できないし、通るだけだからね。これで少しは防げるでしょ)」
「お前…何気に知識を持ってるよな」
「まあ母さんの影響で本を読むのが好きだったからな」
ガサゴソと荷物の中からタオルを取り出し口元を覆う。
「アリア様…でしたか。お嬢様はハンカチを持っておられるでしょうから、それで口元を通過し終えるまで維持して頂けるよう伝えて下さい。騎士の方々はマントでも構いませんよ」
「「はっ」」
何かカリスマ的に見られてるよな?俺とバルト。
時々、乙女チックな言葉に戻ってしまうけど元が女性だからな。
それくらい、内心だから構わないかな?
さて、準備が出来たら出立だな。
そう長居は出来ない村では有るけれど、対策とれるようだったら伝えたいなぁ。
考えを巡らせはするが、病名が判って無い時点でのアドバイスは無駄だと判って居るアレクは、この先にも襲撃が有るかも知れないと、意識を守る方へと転換させるのだった
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