異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

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討伐編

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 絶体絶命に追い込まれたルーカス・・・顔面蒼白となって居る姿に気付いたバルトはアレクと小声で会話して行く。

(アレク、見て見ろ、あの団長は面白いくらいに顔が青いぞ)

(ざまをみろ・・・だな)

(確かに。
 お前が王家の紋章入りナイフを持って居るから、
 と言う理由で
 礼儀を持って団長らしく振る舞って居たら、
 結果は変わって居ただろうに)

(それを放棄したのは団長だろ?)

(ぷっ・・・そうだな)

 いらだちを露わにした王と、憔悴しょうすい気味な団長。

 口火を切ったのはフレデリック。

「ルーカス、
 そなたはわし息子せがれと判明した
 アレクシスを亡き者にしようとしたな?」

 正直に答えるべきなのにルーカスは答える事も、謝罪する事もしない・・・いわゆる「何もしない」状態で立ち尽くして居る。

「・・・答えぬなら答えさせようか。
 ライ」

 フレデリックの言葉に頷くだけで答えたライは、その権限を使い団長から降ろすべく言葉を発する。

「陛下のお達しに刃向かったルーカス団長は団長の任を・・・
 「ま、待って・・・待って下さい!」」

 任務が解かれてしまう!そうなればアレクを冷遇できなくなる、それだけは避けたい!とばかりに

「あ・・・か・・・彼が王子で有ると知り・・・知らなかったんです!
 それにコンダー出没は偶然に過ぎません!!」

 と言い訳がましい反論をしたのだ。

「コンダーの件偶然だとしても、
 そなたは粗悪な剣を持たせておるでは無いか」

「そ・・・れ・・・は・・・そのっ・・・」

「それだけではない、
 そなた一番危険と言われて居る北門から出立させ、
 同行者として平民を彼らの同期として向かわせたな?」

「・・・」

 もう答える気力も反論する気力も残って居ないルーカス。

「第一騎士団団長ルーカス、
 そなたの謹慎を命ずると共に騎士団長の任を解任する」

「っ!?そ、そんなっ!
 あんまりに御座います!
 が王家の紋章付きナイフを持って居たのが悪いのです!
 私息子に違い有りません!!」

 飽きれて目を細めるフレデリック、ライも団長が王子だとしたら断固拒否するだろう。

「・・・そなたのか?」

「ええ、
 嫁は未だかと催そ・・・く・・・あ・・・」

 つい先ほど、フレデリックと恋仲だったエミリアは病気で他界して居る、と聞いたばかりだと言うのに、元気だと答えてしまったのだ。

「騎士団長として、
 あるまじき行為をしただけでなく、
 虚偽の申告までしてしまったな」

「もう・・・申し訳っ・・・あ
 「謝罪は要らぬ。牢に入れておけ」王様っ?!」

 結果的に自爆してしまったルーカスは団長と言う立場を失い、爵位も失う事になってしまった。

「はぁ・・・あやつめは団長として才能は優秀で有った筈で有ろうに、
 アレクシスが騎士として、
 その上を行ってしまっただけでなく、
 王子の可能性が有ると言うだけで、
 ここまで道を外してしまうのか」

 自然にアレクの事を呼び捨てにして居る事に気付いて居ない王と、呼び捨てにされて目を見開いて居るアレクの温度差が少しだけ、広がったように思える。

 思いもよらぬコンダーの出現により、本格的に森を探索する事が決まり、第一の新たな団長を誰にするか、と言う話し合いへと移行して行った
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