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4. もしかして…
しおりを挟む「クレア様は本当にお美しい。本当にあんな奴と結婚しなくて良かったです。貴女は私にこそ相応しい…」
ペラペラとよくお話になりますね。
「僕は顔もアイツより整っているし、家柄も負けていない、ただ少しふくよかなだけだ…」
そうですわね。
少しという範囲ではないと思いますが…。
お話をしながらお菓子も沢山食べて忙しいですわね。
あらあら、ボロボロとお菓子をこぼしていますわよ。
あっ、紅茶を飲みながら話さないで下さい。
飛沫がとんでいます。
…エルド様といる時はこんな思いをした事がありませんわ。
いつも2人の間には穏やかな時間が流れていたのに…。
そりゃ、会話はありませんでしたけど。
エルド様はいつも微笑んでいて、私がその前でお茶をしながら話を聞いてもらう…。
紅茶の飲み方もお菓子の食べ方もスマートで仕草が美しかったわ。
それに比べて目の前の方は…あ~あ、口の周りにお菓子のカスがついてますわ。
「これは美味しいですね。是非お土産にいただきたいです」
あら…お土産の催促ですか?
初めてですわ…。
「…わかりましたわ、御用意します。誠に申し訳ありませんが気分が優れませんのでこれで失礼させていただきたいと思います」
はあ~、疲れましたわ。
「そうですか…。では、私はこのお菓子を食べ終わりましたら失礼させていただきます」
驚いて口が塞がりません…急いで扇子でかくしましたわ。
世の中にはいろんな人がいらっしゃるのですね。
まだまだ勉強不足ですわ。
幼い頃からエルド様と婚約していたので他の人とお会いすることがなかったのがいけなかったのかしら。
…昔の事を考えても仕方ないわね。
あら?もしかしてエルド様は無口なだけで素敵な人だったのかしら…。
よく分かりませんが胸の辺りが何故かモヤモヤします。
でも、いくら素敵な人でも私の事を嫌いなのだからどうにもなりませんわね。
私はどうして口も聞いてもらえないくらいエルド様に嫌われてしまったのかしら?
全然思い当たる事が私にはありません。
モヤモヤが増し増しです。
エルド様にお聞きしたら教えて下さるのかしら…。
いいえ、きっとまた何もお話をしてはくださらないわ…。
でも…。
エルド様の御両親がわざわざ訪ねて来て下さったのだから一度くらいはエルド様のお屋敷に話をしに伺っても変ではないわよね。
うん…きっと大丈夫よ。
私は自分に言い聞かせてエルド様にお会いしてみようと心に決めた。
どうかエルド様が会話してくれますように…と願いながら…。
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