14 / 777
第14話「アニマルが師匠①」
しおりを挟む
翌日朝早く……
身体強化魔法、剣技格闘、犬猫の能力等、様々な事象を、スキル『見よう見真似』により、インプットしたリオネル。
早速実践に移そうと、いつもの草原へやって来た。
当然盾と兼用の肩あて付きの革鎧、長めのスクラマサクスを腰から提げ、左腕には収納の腕輪、右手の人差し指には回復の指輪という、現時点でのフル装備である。
まずリオネルはスキル『見よう見真似』で習得した身体強化魔法を使う。
ウサギ、犬、猫の能力、回復魔法指輪で既にビルドアップしていた各スペックが、身体強化魔法で更に上積みされる。
身体が鍛え上げられたように頑健となり、膂力もみなぎる。
「よっし! 行くかあ!」
気合を露わにし、リオネルは草原内へ踏み込んだ。
しかし……空回りした。
何と何と!
1時間探索しても……敵が現れない。
スライムは現れなかったのだ。
野ウサギを3羽捕獲しただけである。
「おっかし~な~」
血抜きしたウサギを収納の腕輪へ放り込み、首を傾げるリオネル。
一体どうしたというのだろう?
それから、広大な草原を丹念に一周したが……
結局、倒したスライムはわずか10体だけであった。
これでは経験値が10しか獲得出来ない。
レベル8へのレベルアップなど無理。
到底話にならない。
「あ~あ、この草原で、さすがにスライムを倒しすぎたか……狩り場所を変えるしかないのかなあ……まだ俺は弱っちいから、とても不安だけど」
苦笑したリオネルの視線の先には、さほど広くない雑木林がある。
今のところ気配は感じられないが……
狼や熊など人間を襲う獣、そしてゴブリン、オークなど、人喰いの魔物も出現する可能性がある。
「いやいや! 虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うじゃないか。俺だってレベルアップして、各種能力も結構ビルドアップしているから、そこそこ行けるだろ。まあ用心だけはしよう」
リオネルは改めて索敵を強める。
そして、ゆっくり雑木林へ近づいていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
恐る恐る雑木林へ踏み入ったリオネル。
全く勝手が分からない。
なので、周囲を注意しながら、用心深く進んで行く。
殺意を向ける気配は、今のところない。
と、その時。
ちちちちち!
木の上から、小さなだが鋭い鳴き声が降って来た。
「うお? び、びっくりした! な、な、何だ、リスか」
びくっと驚いたリオネルの視線の先には……
茶色の体毛を持つ小型のリスが木の陰に隠れている。
ちちちちち!
『侵入者』を警戒したのか、再び鳴いたリスは、リオネルを一瞥すると、素早い動きで木を伝い走りし、ジャンプ。
隣の木へ飛び移ると、木の上部へはやての如く駆け上り、逃げて行った。
その瞬間。
チャララララ、パッパー!!!
リオネルの心の中で、独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、
内なる声が告げて来る。
チートスキル『見よう見まね』が発動しました。
リスの運動能力を見たので、50%真似られます。
習得しますか?
「えええ? リスの運動能力って!? ウサギ、犬、猫の次はリスかよ!? 能力の習得は小動物ばかりか~い!! ま、まあ、良いかあ! 仕方がない! 当然、返事は、はい! だ!」
嘆いたリオネルが即座に「はい」で応えると、
ウサギ、猫の能力を獲得した時のように身体が凄まじいほど軽くなる。
「ええっと、リスの能力って……何だ? 木登りと素早さ……かな」
しかし人生18年、リオネルは木登りなどした事がない。
未経験だ。
「う~、でも何か、木登りが生まれて初めてなのに、何となく行けそうな気がするぞ。猫の能力も取り込んだしな」
ウサギ、犬、猫の能力、回復の指輪の加護、身体強化魔法、そしてリスの能力……
やはり自分の身体能力は、とんでもなくとんでもなく、超ビルドアップされているのでは!?
左右を見まわし、再度安全確認をしたリオネルは自分の体重が支えられそうなくらいの太さの木を選び、手をかけてみた。
すると、
「え!? 俺の手が木の樹皮にしっかりフィットする! も、もしやっ!」
リオネルは軽く息を吐くと、再び周囲を警戒した。
敵の姿も気配もなく、異常はない。
「よし!」
樹皮に手をかけると、自分の身体が「すっ」と簡単に持ち上がった。
「よ、よし! 行ける!」
片足を木にかけ、もう片足も木にかける。
軽々と身体が持ち上がった。
互い違いに身体を持ち上げるが、腕も全く疲れない。
こ、これは絶対に行ける!!
しゃしゃしゃしゃしゃ!
手で身体を持ち上げ、足で木を蹴る。
リスの木の上り方とは違うが、リオネルは人間。
先に獲得した猫のスキルと合わせ「動きを応用した」という事になるのだろう。
カサカサと走る、ゴ〇ブリ走りと言えなくもないが……
先ほどのリスほどではないが、リオネルはするすると木を登り、体重で折れる寸前の高さくらいまで到達した。
上った高さは15m少しくらいだろうか……
高い場所も苦手だったはずなのに、全然平気だ。
リオネルは改めて木の上からも左右四方を見回す。
地上も……生えている小さな草まで、はっきりと見える。
「ええっと、視力が更に良くなった。それに視界もえらく広くなったような気がするぞ」
「気がする」ではなかった。
リスの視界は360度に近いという。
そこまでとはいかないが、顔を動かさなくとも視野も著しく広くなっていた。
聴覚、嗅覚、敵の気配を察知する索敵能力も輪をかけて良くなった気がする。
また体長約10㎝のリスは1mもジャンプするという。
身長175㎝のリオネルがそのままリスの能力を発揮すると約17mも跳べる??
50%の能力発揮だとしたら……8mまで楽勝!?
……隣にも同じくらいの木がそびえて立っていた。
今、リオネルが上った木から3mほど離れているが……
行ける!
ここは挑戦、レッツトライだ!!
確信したリオネルは、念の為に少し降り、低くけがをしない位置から、タイミングを計ってジャ~ンプ!
軽々と飛び移る事が出来たのである。
身体強化魔法、剣技格闘、犬猫の能力等、様々な事象を、スキル『見よう見真似』により、インプットしたリオネル。
早速実践に移そうと、いつもの草原へやって来た。
当然盾と兼用の肩あて付きの革鎧、長めのスクラマサクスを腰から提げ、左腕には収納の腕輪、右手の人差し指には回復の指輪という、現時点でのフル装備である。
まずリオネルはスキル『見よう見真似』で習得した身体強化魔法を使う。
ウサギ、犬、猫の能力、回復魔法指輪で既にビルドアップしていた各スペックが、身体強化魔法で更に上積みされる。
身体が鍛え上げられたように頑健となり、膂力もみなぎる。
「よっし! 行くかあ!」
気合を露わにし、リオネルは草原内へ踏み込んだ。
しかし……空回りした。
何と何と!
1時間探索しても……敵が現れない。
スライムは現れなかったのだ。
野ウサギを3羽捕獲しただけである。
「おっかし~な~」
血抜きしたウサギを収納の腕輪へ放り込み、首を傾げるリオネル。
一体どうしたというのだろう?
それから、広大な草原を丹念に一周したが……
結局、倒したスライムはわずか10体だけであった。
これでは経験値が10しか獲得出来ない。
レベル8へのレベルアップなど無理。
到底話にならない。
「あ~あ、この草原で、さすがにスライムを倒しすぎたか……狩り場所を変えるしかないのかなあ……まだ俺は弱っちいから、とても不安だけど」
苦笑したリオネルの視線の先には、さほど広くない雑木林がある。
今のところ気配は感じられないが……
狼や熊など人間を襲う獣、そしてゴブリン、オークなど、人喰いの魔物も出現する可能性がある。
「いやいや! 虎穴に入らずんば虎子を得ずって言うじゃないか。俺だってレベルアップして、各種能力も結構ビルドアップしているから、そこそこ行けるだろ。まあ用心だけはしよう」
リオネルは改めて索敵を強める。
そして、ゆっくり雑木林へ近づいていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
恐る恐る雑木林へ踏み入ったリオネル。
全く勝手が分からない。
なので、周囲を注意しながら、用心深く進んで行く。
殺意を向ける気配は、今のところない。
と、その時。
ちちちちち!
木の上から、小さなだが鋭い鳴き声が降って来た。
「うお? び、びっくりした! な、な、何だ、リスか」
びくっと驚いたリオネルの視線の先には……
茶色の体毛を持つ小型のリスが木の陰に隠れている。
ちちちちち!
『侵入者』を警戒したのか、再び鳴いたリスは、リオネルを一瞥すると、素早い動きで木を伝い走りし、ジャンプ。
隣の木へ飛び移ると、木の上部へはやての如く駆け上り、逃げて行った。
その瞬間。
チャララララ、パッパー!!!
リオネルの心の中で、独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、
内なる声が告げて来る。
チートスキル『見よう見まね』が発動しました。
リスの運動能力を見たので、50%真似られます。
習得しますか?
「えええ? リスの運動能力って!? ウサギ、犬、猫の次はリスかよ!? 能力の習得は小動物ばかりか~い!! ま、まあ、良いかあ! 仕方がない! 当然、返事は、はい! だ!」
嘆いたリオネルが即座に「はい」で応えると、
ウサギ、猫の能力を獲得した時のように身体が凄まじいほど軽くなる。
「ええっと、リスの能力って……何だ? 木登りと素早さ……かな」
しかし人生18年、リオネルは木登りなどした事がない。
未経験だ。
「う~、でも何か、木登りが生まれて初めてなのに、何となく行けそうな気がするぞ。猫の能力も取り込んだしな」
ウサギ、犬、猫の能力、回復の指輪の加護、身体強化魔法、そしてリスの能力……
やはり自分の身体能力は、とんでもなくとんでもなく、超ビルドアップされているのでは!?
左右を見まわし、再度安全確認をしたリオネルは自分の体重が支えられそうなくらいの太さの木を選び、手をかけてみた。
すると、
「え!? 俺の手が木の樹皮にしっかりフィットする! も、もしやっ!」
リオネルは軽く息を吐くと、再び周囲を警戒した。
敵の姿も気配もなく、異常はない。
「よし!」
樹皮に手をかけると、自分の身体が「すっ」と簡単に持ち上がった。
「よ、よし! 行ける!」
片足を木にかけ、もう片足も木にかける。
軽々と身体が持ち上がった。
互い違いに身体を持ち上げるが、腕も全く疲れない。
こ、これは絶対に行ける!!
しゃしゃしゃしゃしゃ!
手で身体を持ち上げ、足で木を蹴る。
リスの木の上り方とは違うが、リオネルは人間。
先に獲得した猫のスキルと合わせ「動きを応用した」という事になるのだろう。
カサカサと走る、ゴ〇ブリ走りと言えなくもないが……
先ほどのリスほどではないが、リオネルはするすると木を登り、体重で折れる寸前の高さくらいまで到達した。
上った高さは15m少しくらいだろうか……
高い場所も苦手だったはずなのに、全然平気だ。
リオネルは改めて木の上からも左右四方を見回す。
地上も……生えている小さな草まで、はっきりと見える。
「ええっと、視力が更に良くなった。それに視界もえらく広くなったような気がするぞ」
「気がする」ではなかった。
リスの視界は360度に近いという。
そこまでとはいかないが、顔を動かさなくとも視野も著しく広くなっていた。
聴覚、嗅覚、敵の気配を察知する索敵能力も輪をかけて良くなった気がする。
また体長約10㎝のリスは1mもジャンプするという。
身長175㎝のリオネルがそのままリスの能力を発揮すると約17mも跳べる??
50%の能力発揮だとしたら……8mまで楽勝!?
……隣にも同じくらいの木がそびえて立っていた。
今、リオネルが上った木から3mほど離れているが……
行ける!
ここは挑戦、レッツトライだ!!
確信したリオネルは、念の為に少し降り、低くけがをしない位置から、タイミングを計ってジャ~ンプ!
軽々と飛び移る事が出来たのである。
22
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~
山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。
与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。
そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。
「──誰か、養ってくれない?」
この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる