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第43話「悪い顔してニヤリ」
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リオネルはさりげなく、強盗3人に対し、特異スキル『フリーズハイ』を使っていた。
しかし……効かない?
強盗どもは『動き』を止めなかった。
スライムやゴブリンの動きをピタッと止めた必殺のスキルもこの強盗どもには効果がなかったのだ。
動きが止まらない強盗どもを見ながら、リオネルは理解した。
という事は……
コイツらそんなに強そうじゃいないけど……
一応俺と同じレベル『13』か、『14』以上って事か。
やっぱりもっともっと俺が強くなってレベルを上げないと、
『フリーズハイ』は有効的に使えないな!
片や、「びしっ!」と指差ししたリオネルを見て……
強盗どもは、行動の意図を見抜けず、単に気取っていると思ったらしい。
単純な性格らしきリーダーは激高する。
「なんだとぉ! カッコをつけやがってぇ! ざけんじゃねぇよ! クソガキぃぃ!!」
弱い犬ほどよく吠えるという……
リーダーの男は剣を抜いた。
他のふたりも追随し、剣を抜き放った。
ソヴァール王国の刑法では、正当防衛性が重んじられている。
だが、様々な状況を鑑みるので、一概に先に手を出した方が悪いともいえない。
また過剰防衛に関しても厳しくチェックされる。
但し、戦闘の意思がない者に対し、武器を使うと話は全く別だ。
文句なく、反撃と正当性が認められる。
例えば命を脅かす行為、リオネルの直面しているような状況、
「相手が剣を抜いたら」尚更である。
そして現状で1対3だ。
リオネルが罰せられる恐れは99%ない。
現在の状況を瞬時に判断。
じゃあ、こうだ!
ぱぱぱぱぱ!とリオネルは戦い方をシミュレーションした。
「はは、そっちが剣抜いたから、こっちは正当防衛っすね!」
「にっ」と笑ったリオネルは、無詠唱、神速の発動。
至近距離でいきなり攻撃魔法『風弾』を3連射した。
そう!
距離は10mない。
外すはずがない。
100%命中する!!
加えて、強盗どもは、革鎧姿のリオネルが魔法使いではないと思い込み、
完全に油断していた。
隙だらけである。
どしゅ! どしゅ! どしゅっ!!
「ぎゃ!」
「ぐほ!」
「がっ!」
強盗3人は至近距離から大気の塊、攻撃魔法『風弾』を受けてひっくり返った。
しかしリオネルは魔力をいくぶん弱めて撃ったので、殺してはいない。
そっと確認すれば……
3人は……完全に気絶していた。
ダメージはいくぶんあるだろう。
だが放つ気配から分かる、命に別条はない。
安堵し、リオネルは息を吐く。
「ふうう、ええっと、このまま放置じゃ、いかんよなあ。コイツら魔物に喰われるかもしれないし……」
スライム、ゴブリンなどの魔物は散々討伐したし、兎も狩った。
だが、人間を討ち果たした事はない。
いつかはやるか、やられるかという時が来る。
人間を倒す日は来るだろう。
でも、リオネルには、さすがにためらいがあった。
……アンセルムから教えて貰った方法はある。
強盗どもを気絶したまま収納の腕輪へ放り込み、ワレバットまで連行。
人けのない場所で腕輪から出し、「捕縛した」という事にして、衛兵へ引き渡す、
というのが真っ当であろう。
「む~、めんどくさいけど、そうするか。でも生きた人間を放り込んで、本当に大丈夫なのか?」
悩んだ結果、リオネルがそう決めかけた、その時。
チャララララ、パッパー!!!
リオネルの心の中で、独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、内なる声が告げて来る。
リオネル・ロートレックは、チートスキル『エヴォリューシオ』により、
特異スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『シャットダウン』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『リブート』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『フォースドターミネィション』レベル補正プラス15を習得しました。
「おいおい、こんな強盗と遊んだだけで? 何だ!? 『フリーズハイ』レベル補正プラス15? 補正って何だ? 『シャットダウン』? 『リブート』? 『フォースドターミネィション』も全部がレベル補正プラス15?? さ、さすがに!? わ、わけわかんね~!!」
『フリーズハイ』こそ使い慣れ、知っているものの、
後は耳慣れないスキル名の連発に、びっくりのリオネル。
しかし目の前に気絶する強盗どもを見て……考えた。
数分経って、いきなり「はし!」と手を叩く。
思い当たったようだ。
もしかして!
今、習得したのは、全てフリーズ絡みの特異スキルなのかあ!
「すげ~や!」
思わず声が出てしまった。
しかし、すぐに落ち着いたリオネル。
じっくりと考える。
『エヴォリューシオ』の能力で……
『フリーズハイ』レベル補正プラス15が、自分のレベルより15格上の相手に有効なスキルであるとしたら!
これって!
『フリーズハイ』の『バージョンアップ版』じゃないのかあ!?
そして、『シャットダウン』が終了、『リブート』が再起動、
『フォースドターミネィション』が強制終了って意味だろ! 確か!!
これらも全部、レベル補正プラス15のバージョンアップ版なのかあ!!
やったああああ!!!
大いなる歓喜の後、新たに習得した特異スキルがどのような効能効果なのかを、
すぐに試してみたくなるのは……人間の性である。
「……ふふふふ、よ~し! 良い事思いついた! さっき俺の『フリーズハイ』は効果がなかった! 習得したスキルがバージョンアップ版かどうか試せるぞ!」
「……俺の目の前にちょうど3人も『格上』の被験者が居るじゃね~か! これはゴブリンか何か、とりあえず魔物で実験した上で、今後の為に『人体実験』もするしかないだろな~」
リオネルは、だらしなく気絶する強盗どもを見た上……
思いっきり『悪い顔』をした。
マッドサイエンティスト、否!
冷酷な悪魔に魅入られたマッド錬金術師の如く、
「ニヤリ」と笑ったのである。
しかし……効かない?
強盗どもは『動き』を止めなかった。
スライムやゴブリンの動きをピタッと止めた必殺のスキルもこの強盗どもには効果がなかったのだ。
動きが止まらない強盗どもを見ながら、リオネルは理解した。
という事は……
コイツらそんなに強そうじゃいないけど……
一応俺と同じレベル『13』か、『14』以上って事か。
やっぱりもっともっと俺が強くなってレベルを上げないと、
『フリーズハイ』は有効的に使えないな!
片や、「びしっ!」と指差ししたリオネルを見て……
強盗どもは、行動の意図を見抜けず、単に気取っていると思ったらしい。
単純な性格らしきリーダーは激高する。
「なんだとぉ! カッコをつけやがってぇ! ざけんじゃねぇよ! クソガキぃぃ!!」
弱い犬ほどよく吠えるという……
リーダーの男は剣を抜いた。
他のふたりも追随し、剣を抜き放った。
ソヴァール王国の刑法では、正当防衛性が重んじられている。
だが、様々な状況を鑑みるので、一概に先に手を出した方が悪いともいえない。
また過剰防衛に関しても厳しくチェックされる。
但し、戦闘の意思がない者に対し、武器を使うと話は全く別だ。
文句なく、反撃と正当性が認められる。
例えば命を脅かす行為、リオネルの直面しているような状況、
「相手が剣を抜いたら」尚更である。
そして現状で1対3だ。
リオネルが罰せられる恐れは99%ない。
現在の状況を瞬時に判断。
じゃあ、こうだ!
ぱぱぱぱぱ!とリオネルは戦い方をシミュレーションした。
「はは、そっちが剣抜いたから、こっちは正当防衛っすね!」
「にっ」と笑ったリオネルは、無詠唱、神速の発動。
至近距離でいきなり攻撃魔法『風弾』を3連射した。
そう!
距離は10mない。
外すはずがない。
100%命中する!!
加えて、強盗どもは、革鎧姿のリオネルが魔法使いではないと思い込み、
完全に油断していた。
隙だらけである。
どしゅ! どしゅ! どしゅっ!!
「ぎゃ!」
「ぐほ!」
「がっ!」
強盗3人は至近距離から大気の塊、攻撃魔法『風弾』を受けてひっくり返った。
しかしリオネルは魔力をいくぶん弱めて撃ったので、殺してはいない。
そっと確認すれば……
3人は……完全に気絶していた。
ダメージはいくぶんあるだろう。
だが放つ気配から分かる、命に別条はない。
安堵し、リオネルは息を吐く。
「ふうう、ええっと、このまま放置じゃ、いかんよなあ。コイツら魔物に喰われるかもしれないし……」
スライム、ゴブリンなどの魔物は散々討伐したし、兎も狩った。
だが、人間を討ち果たした事はない。
いつかはやるか、やられるかという時が来る。
人間を倒す日は来るだろう。
でも、リオネルには、さすがにためらいがあった。
……アンセルムから教えて貰った方法はある。
強盗どもを気絶したまま収納の腕輪へ放り込み、ワレバットまで連行。
人けのない場所で腕輪から出し、「捕縛した」という事にして、衛兵へ引き渡す、
というのが真っ当であろう。
「む~、めんどくさいけど、そうするか。でも生きた人間を放り込んで、本当に大丈夫なのか?」
悩んだ結果、リオネルがそう決めかけた、その時。
チャララララ、パッパー!!!
リオネルの心の中で、独特のランクアップファンファーレが鳴り響き、内なる声が告げて来る。
リオネル・ロートレックは、チートスキル『エヴォリューシオ』により、
特異スキル『フリーズハイ』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『シャットダウン』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『リブート』レベル補正プラス15を習得しました。
特異スキル『フォースドターミネィション』レベル補正プラス15を習得しました。
「おいおい、こんな強盗と遊んだだけで? 何だ!? 『フリーズハイ』レベル補正プラス15? 補正って何だ? 『シャットダウン』? 『リブート』? 『フォースドターミネィション』も全部がレベル補正プラス15?? さ、さすがに!? わ、わけわかんね~!!」
『フリーズハイ』こそ使い慣れ、知っているものの、
後は耳慣れないスキル名の連発に、びっくりのリオネル。
しかし目の前に気絶する強盗どもを見て……考えた。
数分経って、いきなり「はし!」と手を叩く。
思い当たったようだ。
もしかして!
今、習得したのは、全てフリーズ絡みの特異スキルなのかあ!
「すげ~や!」
思わず声が出てしまった。
しかし、すぐに落ち着いたリオネル。
じっくりと考える。
『エヴォリューシオ』の能力で……
『フリーズハイ』レベル補正プラス15が、自分のレベルより15格上の相手に有効なスキルであるとしたら!
これって!
『フリーズハイ』の『バージョンアップ版』じゃないのかあ!?
そして、『シャットダウン』が終了、『リブート』が再起動、
『フォースドターミネィション』が強制終了って意味だろ! 確か!!
これらも全部、レベル補正プラス15のバージョンアップ版なのかあ!!
やったああああ!!!
大いなる歓喜の後、新たに習得した特異スキルがどのような効能効果なのかを、
すぐに試してみたくなるのは……人間の性である。
「……ふふふふ、よ~し! 良い事思いついた! さっき俺の『フリーズハイ』は効果がなかった! 習得したスキルがバージョンアップ版かどうか試せるぞ!」
「……俺の目の前にちょうど3人も『格上』の被験者が居るじゃね~か! これはゴブリンか何か、とりあえず魔物で実験した上で、今後の為に『人体実験』もするしかないだろな~」
リオネルは、だらしなく気絶する強盗どもを見た上……
思いっきり『悪い顔』をした。
マッドサイエンティスト、否!
冷酷な悪魔に魅入られたマッド錬金術師の如く、
「ニヤリ」と笑ったのである。
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