外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

文字の大きさ
94 / 777

第94話「姉弟の感想」

しおりを挟む
陣地にモーリスを残し……
リオネルは、ミリアンとカミーユを連れ、洞窟の入口へ向かった。

洞窟内へ入り、入り口から少しだけ進んだ場所へ、魔導発煙筒を据え付けるのだ。
気付かれるとまずいので、探索用の照明魔法『魔導光球』は極めて照度を絞る。

リオネルが聞けば……
ミリアンとカミーユは、「このような洞窟へ潜入するのは初めて」だと言う。

こういった作業も、冒険者修行を兼ねている。
大事な経験値となる。

しかし、ミリアンとカミーユだけではない。
リオネルは自身には勿論「俺も修行中の身だぞ」と戒め、
ミリアンとカミーユにも「静かに、そっと、慎重に」と念押しをした。

まずはリオネルが、シーフ志望のカミーユを連れて潜入する。
カミーユが、「姉ミリアンより、夜目が利く、先に入る」と言い張ったのだ。

「よし、じゃあ行くぞ。まずは俺とカミーユで魔導発煙筒をセットする。ミリアンは周囲をしっかりと見張っていてくれ」

「「了解」」

ミリアンとカミーユが返事をすれば、リオネルは、更に指示を出す。

「俺が先行するから、カミーユは後に続け……落ち着いてゆっくり動けよ。周囲と足元には注意してくれ。驚いて大きな声をあげたり、焦って動いて物音を立てるなよ」

「了解、リオさん。……俺、やばいっす。ドキドキっす」

「カミーユ、こういう時は深呼吸をして、気持を落ち着かせるんだ」

「わ、分かったっす。す~は~、す~は~……よ、よし、落ち着いたっす。大丈夫っす、リオさん、行けるっすよ」

「カミーユ、ここで照明魔法を使うから、さっき言った通り、驚いて大声を出すなよ。うわ、とかさ」

「わ、分かったっす……」

リオネルとカミーユは、足を忍ばせ、そっと洞窟内へ入った。
入り口からは、ミリアンが心配そうに見つめていた。
だが、振り返ったリオネルに、「よそ見をするな」とアイコンタクトされ、
慌てて周囲を見回した。

苦笑したリオネルの索敵には……敵の気配は全くない。
反応は、はるか先。
多分洞窟の最奥付近に居るのだろう。

ここで照明魔法を使う。
探索用の照明魔法『魔導光球』が発動。
暗闇に小さな淡い光球が「ふわふわ」と浮かぶ。

リオネルはゆっくりと、手を前に動かす。
「進んでOK」だと、背後のカミーユに伝える為だ。

ふたりは慎重に進んで行く。

出入り口から入って、30m少しほどの場所。
ここいらで良いだろう。

30分後に発煙するよう、魔導発煙筒をセットするのだ。

リオネルが手本を見せる。
それを見て、カミーユも何とか魔導発煙筒をセットした。
ゴブリンの手が届かない高所に置き、洞窟の奥へ向けて煙が噴き出すようにするのがコツだ。

セッティング後、注意しながら出入り口へ戻った。
魔導光球を消しておく。

無事に戻ったリオネルとカミーユの姿をミリアンが認め、安堵し息を吐くのが分かる。

「リオさん、カミーユ、周囲に異常はないわ。陣地に居る師匠も馬も元気よ」

と報告を入れてくれた。

「お疲れ、ミリアン、良くやった」

リオネルは笑顔で労わる。
カミーユも大きく息を吐き、任務を無事遂行した事で安堵の表情を見せた。

「ふう~、姉さん、中へ入っても大丈夫だよ。俺、いつゴブリンが現れるかと思って、ホントどきどきしたっす」

「あはは、カミーユって、クランでは先頭に立つシーフ志望の癖に、私より臆病なんだから」

「う、うっせえっす。姉さんの為に先に入って、一生懸命に安全を確認したんすよ」

「あはは、ごめ~ん」

さあ、続いて『弟と姉の交代』である。

「じゃあ、次はミリアンだ……行くぞ」

「は、はい、リオさん」

弟が無事、任務を遂行しても、ミリアンは緊張気味である。
リオネルは魔法使いの呼吸法をミリアンに使わせ、落ち着かせた。

先ほどと同じようにし、リオネルとミリアンは洞窟を進んで行く。
今度は先ほどよりずっと近い、カミーユと行った距離の半分、
入り口からたった15m先の地点だ。

少し短め、時間差で15分後に発煙するようセットする。
慎重に、だが急いで出入り口へ戻る……

「リオさん、姉さん、周囲は、引き続き異常ナシっす。陣地の師匠も馬も無事っすよ」

出入り口で待っていたカミーユが無事な姉の顔を見て笑顔を見せ、
「異常なし」を報告して来た。

「お疲れ、カミーユ。あんたの気持ちがよ~く分かった。ホント、どきどきだよね」

「お疲れさん、ミリアン、カミーユ、とりあえず任務完了だ。じゃあモーリスさんの下へ戻るぞ」

「「了解」」

3人が『陣地』へ戻ると、モーリスが労わってくれる。

「お疲れ、3人とも……どうやら上手く行ったみたいだな」

「ええ、ふたりとも、初めてにしてはしっかりやりました」

リオネルがフォローすれば、

「リオさん、俺、ドキドキっす」
「リオさん、私もよ。ドキドキだった」

さすが双子。
コメントも殆ど同じ……であった。

「ははは、ミリアン、カミーユ、お前達やっぱり姉弟だな」

モーリスが微笑んだ、その時。

洞窟の入り口から、「もくもく」と白煙が上がったのである。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。 2025/9/29 追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...