外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

文字の大きさ
321 / 777

第321話「怯えて城館にこもるなど許されません!」

しおりを挟む
ジェロームをレサン村へ留守居役として残し、単独で出撃する事を決めたリオネル。

すると!
あれだけ頑なに討伐同行を望んでいたエリーゼは、意思を曲げ、あっさりと折れた。

一方、ジェロームは収まらない。
というか憤慨していた。

「リオネル!」

「ん?」

「ん? じゃない! ひとりで戦うなんて! い、一体! 何を考えているんだあ!」

「ジェローム。俺はひとりで戦うなんて言ってない。お前を守備担当に回すだけだ。ゴーレムとともに、エリーゼ様、バンジャマン様に助力し、レサン村をしっかり守ってくれ」

「な、納得いか~ん!」

「……納得がいかなくても文句は言わせない」

「な、何!?」

「ジェローム、お前は親友だ。しかしクランのリーダーは俺で、お前の師も俺だ。部下であり、弟子でもあるお前は、俺の命令には従わねばならない……違うか?」

「ぐうう……」

「魔物を倒すだけでなく、依頼主を護るのも、重要な仕事だ」

「ぬうう……」

「ここまで言っても納得しない、従えないのなら、すぐワレバットへ戻って構わないぞ」

ここで「ずいっ!」と身を乗り出したのは、エリーゼである。
何と、柔らかく微笑んでいた。

「ジェローム殿!」

「は、はい!」

「リオネル殿の指示に従いましょう。私も従いますから……レサン村を、ともに守ってくださいませ」

ジェロームは、驚いた。
あれだけ頑なになっていたエリーゼが、柔軟になり、自分もリオネルの指示に従うと申し入れてくれたのだ。

こうなると自分だけが駄々っ子のようにふるまうのは、騎士の美学に反する。

「分かりました、エリーゼ様。自分とともにレサン村を守りましょう!」

これで方針は決まった。

大きく頷いたリオネルは作戦の説明に移る。

「すぐに作戦を発動します。まずは地の魔法を行使し、レサン村の周囲を頑丈な岩壁で囲みます。そしてゴーレムを10体配置、守備にあたらせます」

軽く息を吐き、リオネルは作戦の説明を続ける。

「明日の朝、自分は出撃し、先に展開している使い魔達と合流。残りのゴーレム10体を呼び出し、周辺のゴブリンどもを討伐します。レサン村の村内では、ジェロームの指示に従って頂き、エリーゼ様は、バンジャマン様、自警団の方々とともに守りを固めてください」

リオネルの説明を聞き、渋々という感じで頷くジェローム。

一方、エリーゼは再び問う。

「本当におひとりで大丈夫なんですか?」

対してリオネルは笑顔。

「大丈夫です。配下が居ますし、以前ひとりでゴブリン1,000体以上を倒した事もありますし」

しれっと答えたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

打合せが終わる少し前、リオネルは念話でケルベロス、アスプ達へ状況を確認。
数百頭のゴブリンを倒した事、敵の巣穴……本拠地を発見した報告を受けた。

村の周囲3km以内にゴブリンは皆無。

という現状を確認の上、戸外へ。

村の広場で先の1体に加え、ゴーレム10体を出した。

「ま!」
「ま!」
「ま!」

気合の入った声で、発動をアピールする身長2m強のゴーレム達。
この10体を村の防衛要員として、配備する。

先ほど、1体が作業を手伝った事もあり……
エリーゼ、バンジャマンは勿論、
遠巻きにしていた村民達に対する、視覚効果もばっちりだ。

エリーゼに頼んで、正門を開けて貰ったリオネルは、ゴーレムを出し、
護衛をさせながら、防護柵の近くで地の魔法を行使。

頑丈な岩壁で、村の周囲を囲っていった。

既存の防護柵の3mほど前に、岩壁を出現させる形だ。

地の魔法はリオネル自身の発動である。
だが、表向きは地の魔法を込めた杖で、
発動させたように見せているのは言うまでもない。

立ち会ったエリーゼもバンジャマンも、このような魔法を目の当たりにした経験が少ないらしい。

リオネルが、高さ10m以上ある見事な岩壁をどんどん造るのを、
呆然として見つめていた。

少し戸惑ってもいる。

エリーゼは言う。

「リオネル殿! ありがとうございます! 深く深く、感謝致します! ですが! こ、この防護壁……私は頼んでいなかった……ですよね?」

「はい! 通常は有償で請け負いますが、今回は……特別サービスです。ギルドからお聞きになっているかもしれませんが、自分達は魔物討伐以外にも、いろいろケアが出来ますので、もしも何かあるのなら、ご検討をお願いします」

……そんなこんなで、やがて作業は終わった。

到着後、ず~っと働きづめのリオネルとジェロームへ、
「ありがとうございます」と礼を言い、
エリーゼはバンジャマンとともに、宿舎として村の空き家へ案内してくれた。

馬車も空き家の脇に置き、馬は村の厩舎へ入れてくれた。

リオネルとジェロームは、礼を言い、頭を下げる。

気が付けば、もう陽は沈みかけていた。

カントルーブ男爵家の城館は、レサン村から約1㎞の距離にあると聞いている。

であれば、エリーゼとバンジャマンはそろそろ城館へ戻るに違いない。

リオネルがそのような認識で話すと、エリーゼは首を横へ振る。

「いえ、父が倒れて以来、私とバンジャマンはこのレサン村に泊まり込みで陣頭指揮を執っております。たまに父の顔を見に城館へは戻りますが」

「レサン村泊まり込みで陣頭指揮を?」

リオネルが感心すると、エリーゼは誇らしげに言う。

「はい! 領主たる父は、常に自ら先頭に立ってゴブリンと戦っていましたから!」

「……そうだったのですか」

「はい! 私は父を尊敬しております! 代行で若輩の私が、怯えて城館にこもるなど許されません! そんなふぬけでは、村民の信頼を得られませんわ!」

エリーゼは健気にそう言うと、にっこりと笑った。
しかし、強い言葉とは裏腹に、全身からは疲労感がにじみ出ていた。

そんなエリーゼの姿を見て、ジェロームは心の琴線に触れたのか、
慈愛を込めて見つめていたのである。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

処理中です...