外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート! 最強賢者への道を歩み出す!「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い!

東導 号

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第366話「ここからが本番だよお!」

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『うふふふふ♡ ……じゃあ、水の制御、私が教えてあげるね♡』

少しどぎまぎしたリオネルを見て、マイムはいたずらっぽく笑った。

『よ、宜しくお願い致します』

少し噛みつつ、リオネルが答えると、マイムは大きく頷く。

『ようし! まずは、復習からね。リオネル君は、さっき湖の湖面を歩いたでしょ?』

『はい、マイム様と出会った現世の湖ですね』

『うん! そうよ! じゃあさ、この異界、アガムの湖面も、元気よく、歩いてくれるっかなあ!』

『了解です』

「ふう」と軽く息を吐いたリオネル。

たったったっ! たったったっ! たったったっ! と、湖面上を軽快に歩く。

満足そうに見つめるマイム。
次の指示を出す。

『よし! OK! じゃあ、走ってくれる』

『了解です。マイム様、俺、少しずつ速度を上げて走りますね』

『OK! 分かった!』

リオネルは、まずジョギングレベルの時速7kmから始まり、徐々に速度を上げ、
果ては時速70kmまで、湖面を凄まじい速度で走り抜けた。

『わお! すっごい!』

『おっと! マイム様、居ましたか』

思わずリオネルは言ってしまった。
後方へ置き去りにしたと思ったマイムが、傍らに浮かんでいたからだ。

『うふふ♡ 私、リオネル君と同じくらい速く飛べるから!』

空気界王オリエンスから、飛翔魔法を授かったリオネルは、
修行を積み、もっと速く、飛べる自信がある。

しかしここで、教師役のマイムと、そんな事を競うのは意味がない。

『OK! 水上歩行、水上走行は合格ね。じゃあ、アリトン様がお授けになった加護を使ってみましょうかあ』

『はい』

いよいよである。
リオネルの胸が高鳴る。

『リオネル君は、アリトン様のおっしゃったお言葉……おぼえているでしょ?』

『はい! 憶えています!』

リオネルの中で、アリトンの言葉がリフレインする。

わらわが与える加護とはな、水を、己の分身に等しい、偉大なる戦友とする事だ』

『リオネルよ! ひとたび、なんじが命じれば、水は千変万化あらゆる形をとり、敵を攻撃し、味方を守る。また水は味方を運び、敵を押し流すであろう。無論、詠唱などは不要、心で念じるだけで良い!』

記憶をたぐるリオネルを見て、マイムは微笑む。

『うふふ、憶えているようね。じゃあ立ったまま、念じてみて。聖なる水よ、我を運べって』

マイムの言葉で、リオネルはイメージ出来た。
歩かずとも、走らずとも、水が自分を運んでくれると。

やってみよう!

『聖なる水よ、我を運べ!』

マイムの言う通りに、リオネルは心で念じた。

すると!
リオネルの足元に小さなさざ波が起こり、
湖面に立つリオネルの身体を、すい~っと、運んだのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

先ほどの歩行、走行と同じである。
最初は微速、中速、高速と、魔力の加減で、水は『波』に姿を変え、
リオネルを自在に運んだ。

まるで自身が、洋上を進む快速船になったような気分である。

『おお、歩いたり走るのとは、またひとあじ違い、とっても爽快ですね、マイム様!』

『うふふふ♡ でしょ、でしょ。但し、水面でも水中でも高速移動の際には、危険だから、障害物には充分に気をつけてね♡』

『分かりました!』

リオネルとマイムは、そんな会話を交わしながら、
広大なアガムの湖面を、縦横無尽に、進んだ。

『じゃあ、次へ行きましょう。今度は水中での復習よ、まずは降下してくれるっかなあ』

『了解です! ……降下!』

これまた先ほどと同じく、リオネルの身体は水中へ。

授かった水の加護のせいか、やはり水中でも全く苦しくない。
魚のように、水中呼吸が可能なのだ。

……10mほど降下すると、マイムから、指示が入る。

『よし! ここで制止してから、浮上してくれるう』

『了解です! 制止! そして……浮上!』

すると、リオネルの身体が制止。
一瞬の間を置き、浮上を始めた。

ざっばあと、湖面に浮かび上がるリオネル。

そしてまた、湖面に立った。

『よっし! 降下、制止、浮上を繰り返し、だんだん深く降下するようにして』

『了解です』

それから、しばしの間。

マイムの指示通り、リオネルは降下、制止、浮上を繰り返した。
降下する深さも、徐々に深くする。

途中から、マイムも降下、制止、浮上に参加する。

終いには……ふたりで、約500mの深さまで、一気に降下した。
底近くで、制止し、一気に浮上もする。

それを何度か、繰り返す。

しかし、水の加護のおかげで、呼吸は勿論、水圧も一切かからなかった。
何度行っても、まったく心身に負担がないのだ。

本当に凄い!
と実感するリオネル。

『よし、 降下、制止、浮上の訓練、終了! 合格うう!!』

嬉しそうに拳を突き上げるマイム。

可愛い人……否、精霊だなと思うリオネル。

だが、これらの訓練は、まだ『序章』に過ぎなかった……らしい。

『さあ! リオネル君、基礎訓練は終わりで、ここからが本番だよお!』

 マイムはそう言うと、いたずらっぽく笑ったのである。
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