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139.『一生物の恋が、両思いだったら、一人になっても、生きていける。』とモエカは言う。タケハヤプロジェクトの学生は、竹馬をモエカに向ける。
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タケハヤプロジェクトの学生は、馬鹿ではない、とモエカの言った通り、全員、俺の説明を理解した。
タケハヤプロジェクトの学生は、口々に、文句を垂れ流し始めた。
「正義が勝たないデスゲームなどと、俺達の計画にないものを勝手に。」
「佐竹は、協調性がなく、人間的にどうかと最初から思っていた。」
「死んでからも迷惑をかけるなんて。」
一生かかってもタケハヤプロジェクトを理解することができない学生は、佐竹ハヤトに対する文句を垂れ流すしかすることがないという実例を俺は目にしている。
十代から二十代の時間、こんなやつらしか周りにいなかったとは、苦痛でしかなかっただろう。
俺は、友達に、心底同情した。
話が合わないなら、話さない。
性格が合わないなら、近寄らない。
知性に差があるなら、関わらない。
俺は、俺が平和に生きるための三原則を見つけてからは、三原則に則って生きている。
三原則のお陰で、俺は、快適に生きてこれた。
佐竹ハヤトの文句に姦しいタケハヤプロジェクトの学生の中で、一箇所だけ静かな空間がある。
モエカとメグたんの並びだ。
モエカは、メグたんの横で静かに口元を緩ませている。
モエカは、今、こうなることが分かっていて、佐竹ハヤトの死に手を貸したのか。
復讐者は、佐竹ハヤトとモエカの二人。
学生の一人が、持っていた竹馬をモエカに向けた。
「棚橋モエカ!お前が、佐竹を殺したせいだ!」
モエカの言う通り、馬鹿ではないタケハヤプロジェクトの学生は、死んでしまってここにはいない佐竹ハヤトに恨みがましいことを垂れ流すよりも、建設的なことを思いついた。
「棚橋は、佐竹を殺した責任をとれ!」
その一人を皮切りに、佐竹ハヤトへの文句は鳴りを潜め、生きているモエカへの罵倒に切り替わった。
「棚橋は、自分さえ助かればいいと思ったから、佐竹を殺せた!」
すぐに、何人物タケハヤプロジェクトの学生が、竹馬をモエカに向け始めた。
床下にいる俺に向けられていた竹馬は、全てモエカに向かった。
団結力か?
さすがは烏合の衆。
浅慮をものともしないから、集団でいることに疲れないのだろう。
「佐竹が死んで得をしたのは、棚橋だけだ!」
「俺達は、佐竹に死んで欲しくなかった。」
「俺達は、佐竹に生きていてほしかったんだ。」
一斉にモエカを罵倒し始めたタケハヤプロジェクトの学生をモエカは、馬鹿馬鹿しそうに見ている。
「私達の中で、佐竹くんを殺したくない人は、いなかったのに、佐竹くんが死んだら、惜しくなったの?
私以外の全員が、佐竹くんを殺して、助かろうとしていた。
佐竹くんと私が気づかなかった、と本気で思っている?
佐竹くんを生かす方法を考えることもしない人には、佐竹くんを殺させてあげない。
私は、することがなかったら、佐竹くんと一緒に死んでも良かったの。
私が生きてここにいるのは、佐竹くんに、お願いされたから。
佐竹くんと私の最初で最後の共同作業のために、私は佐竹くんの後を追わなかった。」
とモエカ。
「狂っている。」
「頭がおかしい。」
「仲間を平気で殺すような女だけあって、まともではない。」
タケハヤプロジェクトの学生は、口々に、モエカの人格をなじる。
モエカは、涼しい顔で、罵詈雑言を聞き流していた。
「私は、あなた達と違って、仲間ではなかった。
佐竹くんと私は、両思いだったの。
人生をかける恋が両思いになったことを経験していない人には、私の気持ちを理解することはできない。
佐竹くんと私の恋は、一生物の恋なの。
道が分かたれて、一人になっても、生きていけるの。
片思いから両思いになった時間を、何度も思い返していられた。」
とモエカ。
モエカの笑顔は、まるで、佐竹ハヤトが生きていると錯覚しそうになるほど、輝いている。
佐竹ハヤトのことを話すモエカには、一切の憂いがない。
モエカは、両思いの男を殺した女。
両思いになった男の企みを成就するために、男を死なせて、男の企みを引き継いだ女が、そこにいる。
「あなた達は、佐竹くんと私に、泣いてお礼を言ってもいいと思うの。
ここにいる間は、一生、支援団体に怯えずに済むのよ?
佐竹くんは、佐竹くんの命と引き換えに、佐竹くん以外のタケハヤプロジェクトの学生が、支援団体に脅かされずに生きていける場所をくれたの。
何を恐れることがあるの。
タケハヤプロジェクトの学生だった私達の生きていく場所は、ここよ。」
とモエカ。
タケハヤプロジェクトが、支援団体からの妨害にあわず、タケハヤプロジェクトの学生が、佐竹ハヤトを裏切らなければ。
佐竹ハヤトとモエカは、タケハヤプロジェクトの功績を引っ提げて、デスゲームの外で、仲の良い夫婦になっていただろうか。
俺は、佐竹ハヤトとモエカの結婚式に出席しただろうか。
俺は、竹馬を両手に持って、床下から喧騒を眺めていた。
「無理心中をはかったやつらは、死のうとしたけど、死ねなかった、というものだ。」
「棚橋は、死にたくないから、死ななかった。」
「俺達を悪者にして、偽善者ぶるとは、いけすかない。」
「棚橋は、強がっているだけだ。」
「佐竹と違って、棚橋は強がるだけしか、能がない。」
モエカに竹馬を突きつけていた何人かが、モエカの台詞に触発された。
「佐竹ハヤトの死を俺達のせいだと恨む棚橋に生きていられると、俺達としては、これからが不安になる。」
話し手のこの台詞をきっかけに、タケハヤプロジェクトの学生は、動き出した。
タケハヤプロジェクトの学生は、口々に、文句を垂れ流し始めた。
「正義が勝たないデスゲームなどと、俺達の計画にないものを勝手に。」
「佐竹は、協調性がなく、人間的にどうかと最初から思っていた。」
「死んでからも迷惑をかけるなんて。」
一生かかってもタケハヤプロジェクトを理解することができない学生は、佐竹ハヤトに対する文句を垂れ流すしかすることがないという実例を俺は目にしている。
十代から二十代の時間、こんなやつらしか周りにいなかったとは、苦痛でしかなかっただろう。
俺は、友達に、心底同情した。
話が合わないなら、話さない。
性格が合わないなら、近寄らない。
知性に差があるなら、関わらない。
俺は、俺が平和に生きるための三原則を見つけてからは、三原則に則って生きている。
三原則のお陰で、俺は、快適に生きてこれた。
佐竹ハヤトの文句に姦しいタケハヤプロジェクトの学生の中で、一箇所だけ静かな空間がある。
モエカとメグたんの並びだ。
モエカは、メグたんの横で静かに口元を緩ませている。
モエカは、今、こうなることが分かっていて、佐竹ハヤトの死に手を貸したのか。
復讐者は、佐竹ハヤトとモエカの二人。
学生の一人が、持っていた竹馬をモエカに向けた。
「棚橋モエカ!お前が、佐竹を殺したせいだ!」
モエカの言う通り、馬鹿ではないタケハヤプロジェクトの学生は、死んでしまってここにはいない佐竹ハヤトに恨みがましいことを垂れ流すよりも、建設的なことを思いついた。
「棚橋は、佐竹を殺した責任をとれ!」
その一人を皮切りに、佐竹ハヤトへの文句は鳴りを潜め、生きているモエカへの罵倒に切り替わった。
「棚橋は、自分さえ助かればいいと思ったから、佐竹を殺せた!」
すぐに、何人物タケハヤプロジェクトの学生が、竹馬をモエカに向け始めた。
床下にいる俺に向けられていた竹馬は、全てモエカに向かった。
団結力か?
さすがは烏合の衆。
浅慮をものともしないから、集団でいることに疲れないのだろう。
「佐竹が死んで得をしたのは、棚橋だけだ!」
「俺達は、佐竹に死んで欲しくなかった。」
「俺達は、佐竹に生きていてほしかったんだ。」
一斉にモエカを罵倒し始めたタケハヤプロジェクトの学生をモエカは、馬鹿馬鹿しそうに見ている。
「私達の中で、佐竹くんを殺したくない人は、いなかったのに、佐竹くんが死んだら、惜しくなったの?
私以外の全員が、佐竹くんを殺して、助かろうとしていた。
佐竹くんと私が気づかなかった、と本気で思っている?
佐竹くんを生かす方法を考えることもしない人には、佐竹くんを殺させてあげない。
私は、することがなかったら、佐竹くんと一緒に死んでも良かったの。
私が生きてここにいるのは、佐竹くんに、お願いされたから。
佐竹くんと私の最初で最後の共同作業のために、私は佐竹くんの後を追わなかった。」
とモエカ。
「狂っている。」
「頭がおかしい。」
「仲間を平気で殺すような女だけあって、まともではない。」
タケハヤプロジェクトの学生は、口々に、モエカの人格をなじる。
モエカは、涼しい顔で、罵詈雑言を聞き流していた。
「私は、あなた達と違って、仲間ではなかった。
佐竹くんと私は、両思いだったの。
人生をかける恋が両思いになったことを経験していない人には、私の気持ちを理解することはできない。
佐竹くんと私の恋は、一生物の恋なの。
道が分かたれて、一人になっても、生きていけるの。
片思いから両思いになった時間を、何度も思い返していられた。」
とモエカ。
モエカの笑顔は、まるで、佐竹ハヤトが生きていると錯覚しそうになるほど、輝いている。
佐竹ハヤトのことを話すモエカには、一切の憂いがない。
モエカは、両思いの男を殺した女。
両思いになった男の企みを成就するために、男を死なせて、男の企みを引き継いだ女が、そこにいる。
「あなた達は、佐竹くんと私に、泣いてお礼を言ってもいいと思うの。
ここにいる間は、一生、支援団体に怯えずに済むのよ?
佐竹くんは、佐竹くんの命と引き換えに、佐竹くん以外のタケハヤプロジェクトの学生が、支援団体に脅かされずに生きていける場所をくれたの。
何を恐れることがあるの。
タケハヤプロジェクトの学生だった私達の生きていく場所は、ここよ。」
とモエカ。
タケハヤプロジェクトが、支援団体からの妨害にあわず、タケハヤプロジェクトの学生が、佐竹ハヤトを裏切らなければ。
佐竹ハヤトとモエカは、タケハヤプロジェクトの功績を引っ提げて、デスゲームの外で、仲の良い夫婦になっていただろうか。
俺は、佐竹ハヤトとモエカの結婚式に出席しただろうか。
俺は、竹馬を両手に持って、床下から喧騒を眺めていた。
「無理心中をはかったやつらは、死のうとしたけど、死ねなかった、というものだ。」
「棚橋は、死にたくないから、死ななかった。」
「俺達を悪者にして、偽善者ぶるとは、いけすかない。」
「棚橋は、強がっているだけだ。」
「佐竹と違って、棚橋は強がるだけしか、能がない。」
モエカに竹馬を突きつけていた何人かが、モエカの台詞に触発された。
「佐竹ハヤトの死を俺達のせいだと恨む棚橋に生きていられると、俺達としては、これからが不安になる。」
話し手のこの台詞をきっかけに、タケハヤプロジェクトの学生は、動き出した。
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