正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

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244.ラキちゃんが、ドッジボールの女リーダーとキノという女の二人を俺の担当としたのは?

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「賭けている?俺にか?」

「他に誰がいる?」
とドッジボールの女リーダー。

話の流れから、ドッジボールの女リーダーは、俺に賭けていると聞こえたから確認したが、突然、何を言い出すのか?

「俺に何を賭けているのか。

何を期待しても期待通りにいくとは限らない。」

釘は刺しておく。

ドッジボールの女リーダーの話で、聞いておくことは、もうないか。

俺は、ラキちゃんのところへ向かうことにした。

「どこへ?」
とドッジボールの女リーダーは、俺に合わせてくる。

「ラキちゃんの応援に駆けつける。」

「応援するのは、ラキだけ?サナは?」
とドッジボールの女リーダー。

応援に向かう先が、二つでも。

「俺は、一人しかいない。」

分裂したら、二人を同時に応援しにいけるが、俺は分裂しない。

「断言するけど。
ラキより、サナの方が苦戦しているわ。

サナの相手のスキンヘッドの男は、タケハヤプロジェクトの学生を憎んで、殺しに来たと話したのを忘れた?」
とドッジボールの女リーダー。

ドッジボールの女リーダーの口調がキツくなった。

「忘れていないが。

ラキちゃんの相手も、危険だ。

人殺しがしたくてたまらない男だろう?」

ラキちゃんが気になるから、俺はラキちゃんのところへ先に行く。

「ラキは、正義が勝たないデスゲームから脱出できない。

サナは、出られる。

助けにいくなら、サナ一択。

ラキは却下。」
とドッジボールの女リーダー。

「俺は、指図されることを好まない。」

「死にに行く気?」
とドッジボールの女リーダー。

「俺は、死なない。
ラキちゃんも死なせない。

ラキちゃんを助けたら。

ラキちゃんと一緒に、北白川サナを助けにいく。

北白川サナも死なせない。」

ドッジボールの女リーダーは、俺を見ながらため息をついた。

「正義が勝たないデスゲームの中は、根拠のない自信だけで生きていける場所ではないわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「生き残る根拠か。

一つもないが。

死ぬ、死ぬ、と思い詰めながら生きていたら、精神を壊すのではないか。」

俺は、自分を追い詰めながら生きる生き方を選ばない。

「頭を空っぽにして突き進めば、死期が早まる。」
とドッジボールの女リーダー。

俺は、何も考えていないように見えるのか。

「俺は、他にやりようを知らない。」

考えた結果。
俺は、考えるのを止めた。

分からない事柄を考えて、意味のある結論にたどり着くか?

「私は、あんたに賭けた。

あんたが死ににいくなら、阻止するわ。」
とドッジボールの女リーダー。

「俺がラキちゃんの元へ行くことに対して、不吉すぎる予言はいらない。」

『あのとき、死ぬと警告しておいたのに。』
と死ぬ間際に言われるのは、御免だ。

「予言ではないわ。

あんたでは、ラキの相手に歯がたたない。

この期に及んで、何が危険かを一つも理解しようとしないあんたでは。」
とドッジボールの女リーダー。

ドッジボールの女リーダーは、俺の理解力について指摘してきた。

「対峙しているのが危険人物だと理解したから、ラキちゃんの元へ向かおうとしている。」

「あんたは、私の話を聞いて何を理解した?」
とドッジボールの女リーダー。

「ラキちゃんと北白川サナがそれぞれ対峙している男は、人殺しの経験があり、人を殺すことをためらわない人物だと理解している。」

「それだけ理解していて。

その男達がいる場所へ向うことを、死にに行くわけではないと言い切れるのはなぜなのか、説明してくれる?」
とドッジボールの女リーダー。

「死ぬために行くつもりがないからだが。」

「根性論は、いらないわ。

何のために、あんたは、私のところに来たの?」
とドッジボールの女リーダー。

「ラキちゃんの作戦だが?」

「考えて。
ラキは、なぜ、あんたを私とキノのところに行かせたの?」
とドッジボールの女リーダー。

「なぜ?
女二人を相手にするのは、俺が適役だったからではないか?」

「適役?
キノに逃げられているのに、適役と言い張る気?」
とドッジボールの女リーダー。

「俺が追い払ったわけではない。」

キノという女を追い払ったのは、ドッジボールの女リーダーだ。

「キノの行方を把握している?」
とドッジボールの女リーダー。

「追っていない。
キノという女は、俺に敵意を向けていなかった。」

「私とキノをラキに任されておきながら。

キノの行方が分からないあんたは、ラキに任された仕事を果たせていない。

あんたが今から向かう先は、ラキのいる場所ではないわ。

今、あんたがすることは、キノを探しに行くことだから。」
とドッジボールの女リーダー。

ドッジボールの女リーダーは、やけに、熱心に、ラキちゃんの元へ俺を行かせまいとしてくる。

「キノという女の行方を把握していることが、俺に必要か?

必要なら、後で探せばいい。

ラキちゃんと北白川サナと合流してからになるが。」

「ラキとサナに合流することは、誰の希望?

ラキとサナが、あんたの合流を望んでいるとでも?」
とドッジボールの女リーダー。

俺は、言い返そうとして。

ラキちゃんの言葉を思い出した。

『別行動になった時点で、仲間だとは考えない。

各自が生き残りを目指す。』

「いや。だが。」

「ラキから、助けに来るなと言われていない?」
とドッジボールの女リーダー。

俺は、瞠目した。

ドッジボールの女リーダーは、なぜ、ラキちゃんの指示を知っているのか?

「危険人物と対峙しているなら、俺は急ぐ方がいい。」

俺は、ドッジボールの女リーダーを振り切ろうと足を早めた。

俺に遅れたドッジボールの女リーダーの声が、背中から追いついてくる。

「ラキやサナの対峙する男に、あんたはかなわない。

だから、ラキとサナは、あんたを遠ざけた。

あんたを危ない目にあわせないため。

あんたを死なせないため。

あんたを死なせないことを最優先にしたラキとサナは、対峙する男との勝ち目のありなしを考慮することを捨てた。

あんたは、あんたの短絡さで、ラキとサナの覚悟も命も無駄にする気?」
とドッジボールの女リーダー。
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