正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

文字の大きさ
281 / 519

281.キノの北白川サナに対する態度は、薄ら寒い。カガネが対等になろうとせず、ツカサが避け続けたキノの本質。北白川サナは、否定する。

しおりを挟む
「裏切り者?サナが?支援団体と通じていた?

そんなこと、ある?

サナは、支援団体に一番やられたのに?

あんたは、本気で言っているわけ?」
とキノ。

キノは、支援団体の指示を受けて、タケハヤプロジェクトの学生を炎上させ、炎上させるときに使った情報をまとめに載せている。

キノのまとめは、人気を博した。

キノは、北白川サナが炎上したことを知っている。

炎上したことで、北白川サナがどんな人生になったか、も。

北白川サナが炎上するように、火付けをしたのは、キノ自身だから。

キノとカガネの告白を聞いてから、改めてキノの行動を振り返ると。

ツカサがキノを警戒した理由が分かる。

カガネのキノについての人物評が的確だったことに、舌を巻く。

カガネがキノの性格を理解した上で、キノをどう扱ったか。

カガネは、キノとは対等になっていない。

キノといるときのカガネは、思考も行動も全てにおいて主導権を握り、キノに手綱をとらせていない。

キノは、カガネを友達として見ていたが、カガネは、精神的にも立ち位置的にも、キノの友達になろうとはしなかった。

カガネに人を見る目があったからなのか。

それとも、経験から知っていたのか。

キノの自分本位さは、突き抜けている。

キノが北白川サナと接しているときの態度を振り返ると、答えが出る。

今も、キノは、自然体で、北白川サナと会話している。

俺が知る限り。

北白川サナと接しているときのキノからは、北白川サナに対する後ろめたさが微塵も感じ取れない。

キノは、北白川サナに対する言い訳や、弁解を用意していない。

後ろめたさから、キノが北白川サナに対して攻撃的だということもない。

北白川サナは、カガネとキノをひとまとめにして、警戒していた。

しかし。

キノは、北白川サナに対して、一切、含むところがないように見える。

キノは、支援団体の指示に従って、北白川サナを炎上させた後、支援団体から得た情報をまとめに載せている。

キノのしたことで、北白川サナは、取り返しのつかない被害をこうむった。

キノは、北白川サナの人生をねじ曲げたのだが、そのことに対する感情の波が立つことはないように見える。

俺は、『キノは、キノ自身が大事』と話していたカガネの言葉の意味を、今、噛み締めている。

キノに、軽々しく関わってはいけない。

親しくなったら、親しくなった相手を蝕みそうな自分本位さが、キノにはある。

ツカサが、キノを警戒したのは、キノのしたことではなく、キノの性格によるところが大きいかもしれない。

厚顔無恥に似て非なる何か。

北白川サナの元に来たカガネは、特に変わった様子を見せなかった。

カガネは、どのくらい前から、正義が勝たないデスゲームに参加しているのか?

カガネは、どうしてそんなことをカガネが知り得たのか、という内容まで知っている気がする。

「私は裏切っていない、です。」
と北白川サナ。

「裏切っていないのか?

支援団体に通じていたのに?」

「裏切ったのは、私ではない、です。

私は、裏切られた、です。」
と北白川サナ。

北白川サナは、支援団体に通じていただろう、という俺の指摘に関して、否定も肯定もしていない。

裏切り者かどうか、が、北白川サナにとっては、重要なのか?

裏切り者、か。

タケハヤプロジェクトの学生の中にいた裏切り者を思い出す。

メグたんに絶対服従の、モエカを一輪車で殴り殺した男。

今も正義が勝たないデスゲームの参加者として生きている男。

「北白川サナは、いつ、裏切られたと分かった?」

「私がさらされて炎上した後、です。」
と北白川サナ。

「北白川サナのさらされた情報は、流出させた相手を特定できるものだったのか?

流出させた相手の特定が、北白川サナには可能だったのか?」

「違う、です。特定の誰か、ではないです。」
と北白川サナ。

特定の誰かではなくとも、北白川サナが、タケハヤプロジェクトの学生に裏切られた、と感じた出来事があった、ということか。

「私を裏切ったのは、タケハヤプロジェクトの学生全員、です。」
と北白川サナ。

北白川サナを裏切ったのは、タケハヤプロジェクトの学生全員ときたか。

「全員で、私の信頼を裏切った、です。」
と北白川サナ。

信頼?

北白川サナにしては、抽象的な単語を使ってきた、と俺は思った。

北白川サナが支援団体と通じたのは、生半可な気持ちからではない、ということを俺は理解した。

信頼は、一度、ひっくり返されたら、覆らない。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...