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360.ハコさんとメグたんが互いに向けていたベクトルの違い。
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「正義が勝たないデスゲームの外での身の危険から、安全のために避難してきた参加者が、生き延びるために殺し合って、死ぬまでの生計を立てて生活するには最適か。
正義が勝たないデスゲームは、佐竹ハヤトが作り上げたAIに管理されている。」
「ハコが辞令の業務に就けば、仕事中も休み中も、ハコは一日中、支援団体から命と生活と名誉を脅かされる危険に怯えて生きていくことになる。」
とメグたん。
「ハコさんは、実態を理解していなかったのか?」
「実際に支援団体の手が迫る脅威と向き合っていないハコは。
警察に戻って辞令が出た業務に就く方が、正義が勝たないデスゲームに参加し続けるよりもはるかに、生活の自由度が上だと考えていた。」
とメグたん。
ケンゴが、辞令を拒否したハコさんを説き伏せたりせずに、正義が勝たないデスゲームへ戻したのは。
覚悟が決まっていないハコさんを説得の上で、復帰させても。
自身の身の安全性に深刻な問題があることを理解していないハコさんでは、業務を始めてもすぐに地獄を周回する羽目になると予想できていたからか。
ハコさんが変わらないのなら、ハコさんが辞令の業務に就くのは困難だとメグたんは理解していた。
正義が勝たないデスゲームを脱出して短命で終わるかもしれない人生になるよりも。
人を殺しながら正義が勝たないデスゲーム内で生き抜く方が、安全に生き永らえる。
人生が、正義が勝たないデスゲーム内で終わる方が、ハコさんのトータルの負担は少なくなる。
メグたんは、志半ばのメグたんを逮捕した同期のハコさんが長生きする方を期待していた、ということか。
支援団体の関係者として、重要参考人のタツキとふーくんを逮捕直前まで追い詰めた、野村レオの捜査チームは、支援団体からの工作で解散に追い込まれている。
捜査チームに入っていた刑事の内の三人にまで支援団体の手はのびている。
野村レオは、言いがかりを押し通されて刑事を退職することになった。
他の二人の内一人は、心身共に回復できない程の不調になり、刑事をやっていくことはできず。
残りの一人は、自殺する理由がないにもかかわらず、一人で亡くなっているところを発見されている。
支援団体に噛みつけば、無事では済まない事例が、警察内で既にある。
支援団体と関われば死にたくないとあがいても、殺される未来が見えている。
支援団体の根が今より深く広く張り巡らされる前に掘り起こして、一掃する役割を誰かが引き受けなければ、事態は悪化するばかりだと分かってはいても、手を挙げるには覚悟がいる。
支援団体の手口を知っていればしっているほど、支援団体を調べる仕事には慎重になる。
「ハコさんが、辞令を拒否した理由は明白になっているか?」
「辞令が、警察内部にいる内通者をハコが監視して証拠を揃えて告発するまでが業務だったからだよ。」
とケンゴ。
「同僚を疑いの目で見て、疑いを証明するために証拠集めをするのは、嫌だ、とハコは言っていたわ。」
とメグたん。
「ハコさんは、同期のメグたんを逮捕するときに、メグたんに対する内偵を一人で勝手にしていなかったか?
メグたんにしていたことを他の人にするだけではないのか?」
ハコさんが辞令を拒否した際の理由を聞くと、今さら何を言っているという感想しか思いつかない。
「私に内偵調査をしていたときは、同期の私だけが対象だった。
辞令に従うなら、ハコの監視対象が、ハコの知らない誰かになることも少なくない。
業務の難易度は格段に上がるわ。」
とメグたん。
「メグの件は、業務の難易度が低かったことに加えて、捜査に対するハコの熱意が消えなかったからだよ。」
とケンゴ。
「ハコさんは、一人の刑事として、同期の過ちを糺すという責任感に突き動かされたのか?」
「メグを逮捕するまで内偵し続けたハコを突き動かした情熱のうちの八割は、義憤や正義感。
ハコの私情が占めていた。」
とケンゴ。
「メグたんは、ハコさんからのメグたんに対する感情に、どんなものが感じとっていた?」
「嫉妬に起因する憤り。」
とメグたん。
「メグたんは、ハコさんに嫉妬されていたのか?」
「メグは、目立っていた。
目立っていても、気にせずやっていける。
目立つ振る舞いをすることも臆さない。
それがメグ。」
とケンゴ。
「メグたんの剛胆さは、ハコさんの嫉妬を跳ね除け続けたか。」
「ハコはハコ。私は私。
ハコと私では、出発点も過程も到達点も異なってくる。
ハコが私に嫉妬する無意味さを私は知っていたわ。」
とメグたん。
「ハコさんからの嫉妬にメグたんはどう対処したか?」
「ハコの嫉妬は否定しない。」
とメグたん。
「ハコさんがメグたんの眼中になかったからか?」
「嫉妬は考えて生まれるものではなく、自然発生するもの。
自制心が効かないハコに、嫉妬に脳を支配されないように、と話しても実践の役には立たないわ。
ハコの思考にコントロールを効かさない限り、ハコは変われない。」
とメグたん。
「ケンゴがハコさんをコントロールする、とはならなかったのか?」
「ハコが自分で業務に取り組むときでないと、ハコの才能は活躍しない。」
とケンゴ。
「ハコは、私がハコを思うように、好き嫌いに関係なく、同期として私が不幸にならないでほしいという考えにはならなかった。」
とメグたん。
「警察の中で、同僚を疑うなんて嫌だ、というのがハコの主張だったよ。
内通者という同僚がいるから、他の同僚が無残な死に方をしていても。」
とケンゴ。
正義が勝たないデスゲームは、佐竹ハヤトが作り上げたAIに管理されている。」
「ハコが辞令の業務に就けば、仕事中も休み中も、ハコは一日中、支援団体から命と生活と名誉を脅かされる危険に怯えて生きていくことになる。」
とメグたん。
「ハコさんは、実態を理解していなかったのか?」
「実際に支援団体の手が迫る脅威と向き合っていないハコは。
警察に戻って辞令が出た業務に就く方が、正義が勝たないデスゲームに参加し続けるよりもはるかに、生活の自由度が上だと考えていた。」
とメグたん。
ケンゴが、辞令を拒否したハコさんを説き伏せたりせずに、正義が勝たないデスゲームへ戻したのは。
覚悟が決まっていないハコさんを説得の上で、復帰させても。
自身の身の安全性に深刻な問題があることを理解していないハコさんでは、業務を始めてもすぐに地獄を周回する羽目になると予想できていたからか。
ハコさんが変わらないのなら、ハコさんが辞令の業務に就くのは困難だとメグたんは理解していた。
正義が勝たないデスゲームを脱出して短命で終わるかもしれない人生になるよりも。
人を殺しながら正義が勝たないデスゲーム内で生き抜く方が、安全に生き永らえる。
人生が、正義が勝たないデスゲーム内で終わる方が、ハコさんのトータルの負担は少なくなる。
メグたんは、志半ばのメグたんを逮捕した同期のハコさんが長生きする方を期待していた、ということか。
支援団体の関係者として、重要参考人のタツキとふーくんを逮捕直前まで追い詰めた、野村レオの捜査チームは、支援団体からの工作で解散に追い込まれている。
捜査チームに入っていた刑事の内の三人にまで支援団体の手はのびている。
野村レオは、言いがかりを押し通されて刑事を退職することになった。
他の二人の内一人は、心身共に回復できない程の不調になり、刑事をやっていくことはできず。
残りの一人は、自殺する理由がないにもかかわらず、一人で亡くなっているところを発見されている。
支援団体に噛みつけば、無事では済まない事例が、警察内で既にある。
支援団体と関われば死にたくないとあがいても、殺される未来が見えている。
支援団体の根が今より深く広く張り巡らされる前に掘り起こして、一掃する役割を誰かが引き受けなければ、事態は悪化するばかりだと分かってはいても、手を挙げるには覚悟がいる。
支援団体の手口を知っていればしっているほど、支援団体を調べる仕事には慎重になる。
「ハコさんが、辞令を拒否した理由は明白になっているか?」
「辞令が、警察内部にいる内通者をハコが監視して証拠を揃えて告発するまでが業務だったからだよ。」
とケンゴ。
「同僚を疑いの目で見て、疑いを証明するために証拠集めをするのは、嫌だ、とハコは言っていたわ。」
とメグたん。
「ハコさんは、同期のメグたんを逮捕するときに、メグたんに対する内偵を一人で勝手にしていなかったか?
メグたんにしていたことを他の人にするだけではないのか?」
ハコさんが辞令を拒否した際の理由を聞くと、今さら何を言っているという感想しか思いつかない。
「私に内偵調査をしていたときは、同期の私だけが対象だった。
辞令に従うなら、ハコの監視対象が、ハコの知らない誰かになることも少なくない。
業務の難易度は格段に上がるわ。」
とメグたん。
「メグの件は、業務の難易度が低かったことに加えて、捜査に対するハコの熱意が消えなかったからだよ。」
とケンゴ。
「ハコさんは、一人の刑事として、同期の過ちを糺すという責任感に突き動かされたのか?」
「メグを逮捕するまで内偵し続けたハコを突き動かした情熱のうちの八割は、義憤や正義感。
ハコの私情が占めていた。」
とケンゴ。
「メグたんは、ハコさんからのメグたんに対する感情に、どんなものが感じとっていた?」
「嫉妬に起因する憤り。」
とメグたん。
「メグたんは、ハコさんに嫉妬されていたのか?」
「メグは、目立っていた。
目立っていても、気にせずやっていける。
目立つ振る舞いをすることも臆さない。
それがメグ。」
とケンゴ。
「メグたんの剛胆さは、ハコさんの嫉妬を跳ね除け続けたか。」
「ハコはハコ。私は私。
ハコと私では、出発点も過程も到達点も異なってくる。
ハコが私に嫉妬する無意味さを私は知っていたわ。」
とメグたん。
「ハコさんからの嫉妬にメグたんはどう対処したか?」
「ハコの嫉妬は否定しない。」
とメグたん。
「ハコさんがメグたんの眼中になかったからか?」
「嫉妬は考えて生まれるものではなく、自然発生するもの。
自制心が効かないハコに、嫉妬に脳を支配されないように、と話しても実践の役には立たないわ。
ハコの思考にコントロールを効かさない限り、ハコは変われない。」
とメグたん。
「ケンゴがハコさんをコントロールする、とはならなかったのか?」
「ハコが自分で業務に取り組むときでないと、ハコの才能は活躍しない。」
とケンゴ。
「ハコは、私がハコを思うように、好き嫌いに関係なく、同期として私が不幸にならないでほしいという考えにはならなかった。」
とメグたん。
「警察の中で、同僚を疑うなんて嫌だ、というのがハコの主張だったよ。
内通者という同僚がいるから、他の同僚が無残な死に方をしていても。」
とケンゴ。
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