正義が勝たないデスゲームから脱出しよう。【R15】

かざみはら まなか

文字の大きさ
360 / 519

360.ハコさんとメグたんが互いに向けていたベクトルの違い。

しおりを挟む
「正義が勝たないデスゲームの外での身の危険から、安全のために避難してきた参加者が、生き延びるために殺し合って、死ぬまでの生計を立てて生活するには最適か。

正義が勝たないデスゲームは、佐竹ハヤトが作り上げたAIに管理されている。」

「ハコが辞令の業務に就けば、仕事中も休み中も、ハコは一日中、支援団体から命と生活と名誉を脅かされる危険に怯えて生きていくことになる。」
とメグたん。

「ハコさんは、実態を理解していなかったのか?」

「実際に支援団体の手が迫る脅威と向き合っていないハコは。

警察に戻って辞令が出た業務に就く方が、正義が勝たないデスゲームに参加し続けるよりもはるかに、生活の自由度が上だと考えていた。」
とメグたん。

ケンゴが、辞令を拒否したハコさんを説き伏せたりせずに、正義が勝たないデスゲームへ戻したのは。

覚悟が決まっていないハコさんを説得の上で、復帰させても。

自身の身の安全性に深刻な問題があることを理解していないハコさんでは、業務を始めてもすぐに地獄を周回する羽目になると予想できていたからか。

ハコさんが変わらないのなら、ハコさんが辞令の業務に就くのは困難だとメグたんは理解していた。

正義が勝たないデスゲームを脱出して短命で終わるかもしれない人生になるよりも。

人を殺しながら正義が勝たないデスゲーム内で生き抜く方が、安全に生き永らえる。

人生が、正義が勝たないデスゲーム内で終わる方が、ハコさんのトータルの負担は少なくなる。

メグたんは、志半ばのメグたんを逮捕した同期のハコさんが長生きする方を期待していた、ということか。

支援団体の関係者として、重要参考人のタツキとふーくんを逮捕直前まで追い詰めた、野村レオの捜査チームは、支援団体からの工作で解散に追い込まれている。

捜査チームに入っていた刑事の内の三人にまで支援団体の手はのびている。

野村レオは、言いがかりを押し通されて刑事を退職することになった。

他の二人の内一人は、心身共に回復できない程の不調になり、刑事をやっていくことはできず。

残りの一人は、自殺する理由がないにもかかわらず、一人で亡くなっているところを発見されている。

支援団体に噛みつけば、無事では済まない事例が、警察内で既にある。

支援団体と関われば死にたくないとあがいても、殺される未来が見えている。

支援団体の根が今より深く広く張り巡らされる前に掘り起こして、一掃する役割を誰かが引き受けなければ、事態は悪化するばかりだと分かってはいても、手を挙げるには覚悟がいる。

支援団体の手口を知っていればしっているほど、支援団体を調べる仕事には慎重になる。

「ハコさんが、辞令を拒否した理由は明白になっているか?」

「辞令が、警察内部にいる内通者をハコが監視して証拠を揃えて告発するまでが業務だったからだよ。」
とケンゴ。

「同僚を疑いの目で見て、疑いを証明するために証拠集めをするのは、嫌だ、とハコは言っていたわ。」
とメグたん。

「ハコさんは、同期のメグたんを逮捕するときに、メグたんに対する内偵を一人で勝手にしていなかったか?

メグたんにしていたことを他の人にするだけではないのか?」

ハコさんが辞令を拒否した際の理由を聞くと、今さら何を言っているという感想しか思いつかない。

「私に内偵調査をしていたときは、同期の私だけが対象だった。

辞令に従うなら、ハコの監視対象が、ハコの知らない誰かになることも少なくない。

業務の難易度は格段に上がるわ。」
とメグたん。

「メグの件は、業務の難易度が低かったことに加えて、捜査に対するハコの熱意が消えなかったからだよ。」
とケンゴ。

「ハコさんは、一人の刑事として、同期の過ちを糺すという責任感に突き動かされたのか?」

「メグを逮捕するまで内偵し続けたハコを突き動かした情熱のうちの八割は、義憤や正義感。

ハコの私情が占めていた。」
とケンゴ。

「メグたんは、ハコさんからのメグたんに対する感情に、どんなものが感じとっていた?」

「嫉妬に起因する憤り。」
とメグたん。

「メグたんは、ハコさんに嫉妬されていたのか?」

「メグは、目立っていた。

目立っていても、気にせずやっていける。

目立つ振る舞いをすることも臆さない。

それがメグ。」
とケンゴ。

「メグたんの剛胆さは、ハコさんの嫉妬を跳ね除け続けたか。」

「ハコはハコ。私は私。

ハコと私では、出発点も過程も到達点も異なってくる。

ハコが私に嫉妬する無意味さを私は知っていたわ。」
とメグたん。

「ハコさんからの嫉妬にメグたんはどう対処したか?」

「ハコの嫉妬は否定しない。」
とメグたん。

「ハコさんがメグたんの眼中になかったからか?」

「嫉妬は考えて生まれるものではなく、自然発生するもの。

自制心が効かないハコに、嫉妬に脳を支配されないように、と話しても実践の役には立たないわ。

ハコの思考にコントロールを効かさない限り、ハコは変われない。」
とメグたん。

「ケンゴがハコさんをコントロールする、とはならなかったのか?」

「ハコが自分で業務に取り組むときでないと、ハコの才能は活躍しない。」
とケンゴ。

「ハコは、私がハコを思うように、好き嫌いに関係なく、同期として私が不幸にならないでほしいという考えにはならなかった。」
とメグたん。

「警察の中で、同僚を疑うなんて嫌だ、というのがハコの主張だったよ。

内通者という同僚がいるから、他の同僚が無残な死に方をしていても。」
とケンゴ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~

root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。 そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。 すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。 それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。 やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」 美人生徒会長の頼み、断れるわけがない! でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。 ※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。 ※他のサイトにも投稿しています。 イラスト:siroma様

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...