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第8章 29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、英雄公爵に溺愛されています。
244.カズラ君のハリセンは、新聞紙製の手作り。使用用途は、ツッコミ用。オレが秘密会議で、平家物語の冒頭を歌い上げた意図を聞くカズラ君。
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オレは、クロードの願いを聞いた後。
長くはいらないから、考える時間を寄越せ、とクロードに言った。
オレの返事は決まっている。
でも、返事を口に出す覚悟が、オレの中で、まだ出来上がっていない。
その返事は一度したら、もう撤回する日は来ないから。
オレとクロードは、話し合い終了後、元神子様のカズラ君を交え、仲良く夕飯をとった。
「カズラ君。今回、ハリセンを持っていたのは、理由があるのかな?」
「ツッコミ用。」
と元神子様カズラ君。
「ツッコミ?お笑いの小道具?」
「クロードとヒサツグの近くにいるなら、ツッコミ用のハリセンは常備しないと、と思ったから、新聞紙を重ねて、ハリセンを何個も作って、持ってきた。」
とカズラ君。
「オレとクロードへのツッコミ用?」
「クロードとヒサツグは、すぐ、二人の世界に入るから、ツッコミは必須。
クロードとヒサツグのツッコミ用に作ったハリセンだけど、転移してみた先で、目の前に女神様がいたら、女神様にハリセンチョップを食らわせるよね?」
とカズラ君。
「あの女神様の頭が目の前にあったら?
オレも、迷わず、ハリセンチョップを食らわせるなー。」
オレは、心底、同意。
「ぼくも、ヒサツグに聞きたいことがある。」
とカズラ君。
「どうぞ。」
「マウンテン王国の王都に行く前の秘密会議で、ヒサツグは、平家物語の冒頭を歌い上げたよね?
どうして平家物語を?」
とカズラ君。
「平家物語は、源氏と平家が戦っている。
国語で平家物語を習った後、歴史で源平合戦を習ったときに、オレは思った。
源氏と平家が戦うように動いた人がいて、源氏と平家が戦ったから、いい思いをした人もいた、ということに。
オレ達の目に見える敵は、マウンテン王国の国王陛下だったけれど、国王陛下だけで終わらせたら、オレ達の負けだった。
色んな人の目を欺き、真の敵をカモフラージュするため、マウンテン王国の国王陛下を敵として目立たせる。
その上で、平家と源氏が戦う状況を作った黒幕が、真の目的だと、カズラ君に伝えたかったからだなー。」
「ぼくにね。」
とカズラ君は、含みのある言い方をした。
「秘密会議の時点で、医者と司祭は、勝ち戦にしかついてこない、と分かっていた。
クロードは、友人に対して、冷徹な判断を下せなくなる心配があった。
だから、医者、司祭、クロードの三人は、省いた。
オレにとって、共通の敵がいるカズラ君を、味方に引き込むには、平家物語の冒頭がぴったりだった。」
「ぼくが、平家物語を知らなかったら、作戦は、成り立たないよね?」
とカズラ君。
「カズラ君が、平家物語を知らないことは、考えなかったなー。」
「相変わらず、ヒサツグは、めでたい頭をしているよ。
隠された意味なんて、その時のぼくは、考えなかったよ。」
とカズラ君。
「二人のいう平家物語とは?」
とクロード。
オレは、かいつまんで、平家物語の話をした。
日本で生きてきたから、オレは、平家物語について、学生時代に習った記憶がある。
オレは、カズラ君に、オレと共通の教養があるとふんで、平家物語の冒頭を読み上げた。
作戦について、人前で、大っぴらにカズラ君と話すのを避けるために、オレは、平家物語の冒頭を使った。
クロードは、オレの説明を聞いてから、考え込んでいた。
クロード、どうしたんだ?
カズラ君と別れてから、話を聞くぞ?
長くはいらないから、考える時間を寄越せ、とクロードに言った。
オレの返事は決まっている。
でも、返事を口に出す覚悟が、オレの中で、まだ出来上がっていない。
その返事は一度したら、もう撤回する日は来ないから。
オレとクロードは、話し合い終了後、元神子様のカズラ君を交え、仲良く夕飯をとった。
「カズラ君。今回、ハリセンを持っていたのは、理由があるのかな?」
「ツッコミ用。」
と元神子様カズラ君。
「ツッコミ?お笑いの小道具?」
「クロードとヒサツグの近くにいるなら、ツッコミ用のハリセンは常備しないと、と思ったから、新聞紙を重ねて、ハリセンを何個も作って、持ってきた。」
とカズラ君。
「オレとクロードへのツッコミ用?」
「クロードとヒサツグは、すぐ、二人の世界に入るから、ツッコミは必須。
クロードとヒサツグのツッコミ用に作ったハリセンだけど、転移してみた先で、目の前に女神様がいたら、女神様にハリセンチョップを食らわせるよね?」
とカズラ君。
「あの女神様の頭が目の前にあったら?
オレも、迷わず、ハリセンチョップを食らわせるなー。」
オレは、心底、同意。
「ぼくも、ヒサツグに聞きたいことがある。」
とカズラ君。
「どうぞ。」
「マウンテン王国の王都に行く前の秘密会議で、ヒサツグは、平家物語の冒頭を歌い上げたよね?
どうして平家物語を?」
とカズラ君。
「平家物語は、源氏と平家が戦っている。
国語で平家物語を習った後、歴史で源平合戦を習ったときに、オレは思った。
源氏と平家が戦うように動いた人がいて、源氏と平家が戦ったから、いい思いをした人もいた、ということに。
オレ達の目に見える敵は、マウンテン王国の国王陛下だったけれど、国王陛下だけで終わらせたら、オレ達の負けだった。
色んな人の目を欺き、真の敵をカモフラージュするため、マウンテン王国の国王陛下を敵として目立たせる。
その上で、平家と源氏が戦う状況を作った黒幕が、真の目的だと、カズラ君に伝えたかったからだなー。」
「ぼくにね。」
とカズラ君は、含みのある言い方をした。
「秘密会議の時点で、医者と司祭は、勝ち戦にしかついてこない、と分かっていた。
クロードは、友人に対して、冷徹な判断を下せなくなる心配があった。
だから、医者、司祭、クロードの三人は、省いた。
オレにとって、共通の敵がいるカズラ君を、味方に引き込むには、平家物語の冒頭がぴったりだった。」
「ぼくが、平家物語を知らなかったら、作戦は、成り立たないよね?」
とカズラ君。
「カズラ君が、平家物語を知らないことは、考えなかったなー。」
「相変わらず、ヒサツグは、めでたい頭をしているよ。
隠された意味なんて、その時のぼくは、考えなかったよ。」
とカズラ君。
「二人のいう平家物語とは?」
とクロード。
オレは、かいつまんで、平家物語の話をした。
日本で生きてきたから、オレは、平家物語について、学生時代に習った記憶がある。
オレは、カズラ君に、オレと共通の教養があるとふんで、平家物語の冒頭を読み上げた。
作戦について、人前で、大っぴらにカズラ君と話すのを避けるために、オレは、平家物語の冒頭を使った。
クロードは、オレの説明を聞いてから、考え込んでいた。
クロード、どうしたんだ?
カズラ君と別れてから、話を聞くぞ?
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