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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
482.女神様と友誼を結ぶことは、女神様の力を授かることにはなりません。サーバル王国の王女シガラキノ様を守る体制作りは、急務です。
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「大公妃殿下は、シガラキノを認めてくださっているようですが、サーバル王国には、王太子がおります。
その者は、どうしようとお考えですか?」
と王妃陛下。
オレは、にこにこと話す。
「よきにはからえ、だな。
ただし、王太子本人にもその周囲にも、シガラキノ様への対応を間違わせないように。
シガラキノ様を名実ともにトップに据えろ。
シガラキノ様以外が、実権を握ることがないようにはからえ。」
強気なのは、オレが下手に出る理由がないから。
あと、新参者のケレメイン大公国の大公妃であるオレが下手に出ることで、サーバル王国の王妃陛下以外が、ケレメイン大公国を下だという風に上下関係を汲んでしまわないように。
よきにはからえ、という言葉をオレが使う日がくるとはなー。
オレは、ケレメイン大公国の国の顔だから、決して縮こまった姿を見せない。
オレが強気でいるから、サーバル王国の王妃陛下も、オレを追い返さずに相手をしている。
押しかけてきて、へりくだるのは、行動に一貫性がない。
最初に押しかけてきたサーバル王国をみならって、交渉が始まるまでは、強気オンリー。
「お優しくいらっしゃるのですね?」
と王妃陛下。
「オレは、優しくはないぞ?
女神様と友誼を結んだシガラキノ様がいることに満足して欲をかかないように、とサーバル王国で言い含めるのは、サーバル王国の国王陛下と王妃陛下だからな。
国王陛下と王妃陛下は、親としても、統治者としても、ご多忙になるだろう。」
オレは、王妃陛下にご多忙返しをした。
王妃陛下は、忙しくなるに決まっているわ、という雰囲気を漂わせている。
よしよし。
前向きにご検討いただいているようで、何より。
「王太子が即位して国王になったときに女神様から加護を授かれるから、女神様との繋がりが二倍になる、と言い出す者を生まないようにしないとな?」
王妃陛下の使用人の息づかいが聞こえた。
女神様と二倍仲良くなろう計画を立案中だったかなー?
「代々の国王陛下が女神様のお力を授けられていたのは、女神様のお心があってのことだと、この機会に覚え直してもいいかもしれないよな。」
「次代の国王陛下は、女神様のお力を授かることがなくなるとおっしゃっていますか?」
と王妃陛下。
勿論、明言は避ける。
「女神様のお心を試した結果が、今あるものに影響を及ばさないとも限らない、とオレは考えている。」
オレと王妃陛下は、探り合うように視線を絡めている。
王妃陛下は、オレを通じて女神様の真意を探りたいんだろうなー。
女神様の気持ちは、オレを探っても出てこない。
最初、王妃陛下が女神様に直接尋ねようとしたとき、女神様が王妃陛下を相手にしなかったから、王妃陛下はオレから答えを引き出したいんだろうけど。
「特別なものを得るためにリスクがあるとしたら、オレはリスクを無視しないな。
女神様には女神様の考えがあるというだけ。」
「妾の考え、ふふふ。」
と女神様は、機嫌よく笑った。
「力を授けたい、というのは、女神様自身の気持ちだからな。」
女神様は、楽しそうに、王妃陛下を見ている。
王妃陛下と会話する気がなく、王妃陛下に興味がなかった女神様が、王妃陛下を見ている。
女神様にとって、王妃陛下の変化が楽しいんだな。
「そのへんも全て含めて、国や人がどうなってもいいか、とか、考えて、決めてみてはどうかな?
シガラキノ様が女神様と友誼を結んだ以上、サーバル王国は、シガラキノ様に近寄る有象無象の人間からシガラキノ様を守ることが、最優先課題になるんじゃないかな。
身内からも含めて。」
「軽くおっしゃいますね。」
と王妃陛下。
「シガラキノ様のひたむきさは、人の信用を得られる強さだとオレは思う。
シガラキノ様自身が、人の繋がりを作り直していくことが、シガラキノ様を守り、ひいては、サーバル王国の強みになっていくんじゃないかな。」
「大公妃殿下は、シガラキノの守りを固めることをお考えですね。」
と王妃陛下。
オレは、立ち上がって、王妃陛下にだけ聞こえるくらいの距離に顔を近づけて、王妃陛下の耳元にささやいた。
「シガラキノ様の心身を守るのは、サーバル王国の最優先事項だと思う。
シガラキノ様は女神様と友誼を結んだこと以外、今までのシガラキノ様と何も変わっていない。
シガラキノ様が、女神様の力を授かることはない。」
王妃陛下の耳は、ピクッとした。
「シガラキノ様に戦う力や身を守る力が備わった、ということはない。
友誼を結ぶことは、力を授かるような上下関係とは同じにならない。」
王妃陛下は、オレのヒソヒソとしたささやきに耳を傾けた後。
言葉を発さずに頷いた。
女神様と友誼を結ぶ前のシガラキノ様は、ドリアン王国にガラクタのように見られていたから、ドリアン王国の侯爵子息は、接待を強要するだけだった。
でも。
女神様と友誼を結んだシガラキノ様は、ドリアン王国の侯爵子息に限らず、狙われるようになる。
シガラキノ様の守りは、固めておかないと。
シガラキノ様自身のためにも。
シガラキノ様と友誼を結んだ女神様のためにも。
サーバル王国のためにも。
シガラキノ様と仲良くやりたいオレのためにも。
サーバル王国には、シガラキノ様への認識を改めて、シガラキノ様を守る気になってもらいたい。
だから。オレは粘る。
サーバル王国の体制が一新する機会は、マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国で客死した事件の真相を解き明かす唯一の機会にもなる。
オレは、辛抱強く待った。
「シガラキノがサーバル王国を、長い夜から解き放つことを願います。」
と王妃陛下。
その者は、どうしようとお考えですか?」
と王妃陛下。
オレは、にこにこと話す。
「よきにはからえ、だな。
ただし、王太子本人にもその周囲にも、シガラキノ様への対応を間違わせないように。
シガラキノ様を名実ともにトップに据えろ。
シガラキノ様以外が、実権を握ることがないようにはからえ。」
強気なのは、オレが下手に出る理由がないから。
あと、新参者のケレメイン大公国の大公妃であるオレが下手に出ることで、サーバル王国の王妃陛下以外が、ケレメイン大公国を下だという風に上下関係を汲んでしまわないように。
よきにはからえ、という言葉をオレが使う日がくるとはなー。
オレは、ケレメイン大公国の国の顔だから、決して縮こまった姿を見せない。
オレが強気でいるから、サーバル王国の王妃陛下も、オレを追い返さずに相手をしている。
押しかけてきて、へりくだるのは、行動に一貫性がない。
最初に押しかけてきたサーバル王国をみならって、交渉が始まるまでは、強気オンリー。
「お優しくいらっしゃるのですね?」
と王妃陛下。
「オレは、優しくはないぞ?
女神様と友誼を結んだシガラキノ様がいることに満足して欲をかかないように、とサーバル王国で言い含めるのは、サーバル王国の国王陛下と王妃陛下だからな。
国王陛下と王妃陛下は、親としても、統治者としても、ご多忙になるだろう。」
オレは、王妃陛下にご多忙返しをした。
王妃陛下は、忙しくなるに決まっているわ、という雰囲気を漂わせている。
よしよし。
前向きにご検討いただいているようで、何より。
「王太子が即位して国王になったときに女神様から加護を授かれるから、女神様との繋がりが二倍になる、と言い出す者を生まないようにしないとな?」
王妃陛下の使用人の息づかいが聞こえた。
女神様と二倍仲良くなろう計画を立案中だったかなー?
「代々の国王陛下が女神様のお力を授けられていたのは、女神様のお心があってのことだと、この機会に覚え直してもいいかもしれないよな。」
「次代の国王陛下は、女神様のお力を授かることがなくなるとおっしゃっていますか?」
と王妃陛下。
勿論、明言は避ける。
「女神様のお心を試した結果が、今あるものに影響を及ばさないとも限らない、とオレは考えている。」
オレと王妃陛下は、探り合うように視線を絡めている。
王妃陛下は、オレを通じて女神様の真意を探りたいんだろうなー。
女神様の気持ちは、オレを探っても出てこない。
最初、王妃陛下が女神様に直接尋ねようとしたとき、女神様が王妃陛下を相手にしなかったから、王妃陛下はオレから答えを引き出したいんだろうけど。
「特別なものを得るためにリスクがあるとしたら、オレはリスクを無視しないな。
女神様には女神様の考えがあるというだけ。」
「妾の考え、ふふふ。」
と女神様は、機嫌よく笑った。
「力を授けたい、というのは、女神様自身の気持ちだからな。」
女神様は、楽しそうに、王妃陛下を見ている。
王妃陛下と会話する気がなく、王妃陛下に興味がなかった女神様が、王妃陛下を見ている。
女神様にとって、王妃陛下の変化が楽しいんだな。
「そのへんも全て含めて、国や人がどうなってもいいか、とか、考えて、決めてみてはどうかな?
シガラキノ様が女神様と友誼を結んだ以上、サーバル王国は、シガラキノ様に近寄る有象無象の人間からシガラキノ様を守ることが、最優先課題になるんじゃないかな。
身内からも含めて。」
「軽くおっしゃいますね。」
と王妃陛下。
「シガラキノ様のひたむきさは、人の信用を得られる強さだとオレは思う。
シガラキノ様自身が、人の繋がりを作り直していくことが、シガラキノ様を守り、ひいては、サーバル王国の強みになっていくんじゃないかな。」
「大公妃殿下は、シガラキノの守りを固めることをお考えですね。」
と王妃陛下。
オレは、立ち上がって、王妃陛下にだけ聞こえるくらいの距離に顔を近づけて、王妃陛下の耳元にささやいた。
「シガラキノ様の心身を守るのは、サーバル王国の最優先事項だと思う。
シガラキノ様は女神様と友誼を結んだこと以外、今までのシガラキノ様と何も変わっていない。
シガラキノ様が、女神様の力を授かることはない。」
王妃陛下の耳は、ピクッとした。
「シガラキノ様に戦う力や身を守る力が備わった、ということはない。
友誼を結ぶことは、力を授かるような上下関係とは同じにならない。」
王妃陛下は、オレのヒソヒソとしたささやきに耳を傾けた後。
言葉を発さずに頷いた。
女神様と友誼を結ぶ前のシガラキノ様は、ドリアン王国にガラクタのように見られていたから、ドリアン王国の侯爵子息は、接待を強要するだけだった。
でも。
女神様と友誼を結んだシガラキノ様は、ドリアン王国の侯爵子息に限らず、狙われるようになる。
シガラキノ様の守りは、固めておかないと。
シガラキノ様自身のためにも。
シガラキノ様と友誼を結んだ女神様のためにも。
サーバル王国のためにも。
シガラキノ様と仲良くやりたいオレのためにも。
サーバル王国には、シガラキノ様への認識を改めて、シガラキノ様を守る気になってもらいたい。
だから。オレは粘る。
サーバル王国の体制が一新する機会は、マウンテン王国の女王陛下がサーバル王国で客死した事件の真相を解き明かす唯一の機会にもなる。
オレは、辛抱強く待った。
「シガラキノがサーバル王国を、長い夜から解き放つことを願います。」
と王妃陛下。
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