《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

517.女神様を荒ぶる神にするのも、穏やかな神にするのも。『そなたらは、妾と友誼を結ぶのに、信義ではなく、対価を求めるの?』と女神様。

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サーバル王国の王妃陛下からの女神様への質問には、会議参加者の緊張が高まった。

女神様に注目が集まる。

女神様に質問したのは、サーバル王国の王妃陛下だけど、国王陛下の方が、女神様と友誼を結んだシガラキノ様を王とすることに対する女神様の恩恵を期待していそうに見える。

サーバル王国の国王陛下夫妻からすれば、女神様と友誼を結んだ王女シガラキノ様が即位して女王になったときにも、女神様の国への恩恵が続くならば。

サーバル王国とシガラキノ様自身のために、シガラキノ様の即位を決めて帰るだろうな。

王に即位するとか考えていなかったであろう、サーバル王国の王女シガラキノ様は、女神様の回答次第ではシガラキノ様が即位するかもしれないという話題になるかも、と全身が緊張している。

マウンテン王国の四人は、注意深く女神様の回答を待っている。

マウンテン王国の国王陛下は、女神様から力を授けられてはいるが、マウンテン王国に女神様の恩恵はない、という事実を熟考している四人。

マウンテン王国の四人は、気づくかな?

マウンテン王国の現体制は、女神様のお気に召すものではない、ということに。

マウンテン王国の現体制が続く限り、女神様は、マウンテン王国に微笑まない。

ケレメイン大公国独立前の。

マウンテン王国の国王陛下と女神様の蜜月状態は、オレをクロードから取り除きたいという、女神様の乙女心と、マウンテン王国の国王陛下の目的が一致したから、続いていた。

女神様を好きなマウンテン王国の国王陛下にとって、女神様と目的が一致して、共に同じ目的に向かって進めたことは、願ったりかなったりな面もあっただろうなー。

でも。

マウンテン王国の国王陛下の側に立って物事を見たら、先を読み間違う。

女神様の恋人に昇格しなかったマウンテン王国の国王陛下は、女神様にとって、しもべ以上でも以下でもないんだよな。

しもべの目的が、女神様の目的と同じだから、女神様は、女神様のしもべの国王陛下と共に行動した。

英雄クロードを粗雑に扱った、今代のマウンテン王国で、女神様が友誼を結ぼうとするだけの住人は現れるかな?

女神様の恩恵から外れただけなら、マウンテン王国は、ドリアン王国と同じ立ち位置だけど。

女神様の大好きな英雄クロードを大事にしなかったマウンテン王国は、ドリアン王国よりも、マイナスポイントを稼いでいるんじゃないかなー。

この世界は、女神様が作った世界なんだな、と思う。

女神様は、女神様の欲望や気持ちに忠実だ。

女神様の気持ちを逆撫でしてはならない。

女神様は、創世神。

女神様を突き動かすのは、慈悲ではなく、感情。

女神様が、荒ぶる神となるか、穏やかな神となるか。

全ては、住人次第。

女神様を邪神にするか、頼もしい隣人にするかは。

この世界に住むオレ達次第。

ケレメイン大公国の参加者の中では、一人だけ、ミーレ長官の息子さんが、女神様の回答を気にしている。

ミーレ長官の息子さんは、息子さん自身が知らないうちに、女神様と友誼を結んだ、サーバル王国の王女シガラキノ様との婚約が決まりかけて流れたりしているから、気になっているのかな?

もし、女神様と友誼を結んだ者が王になった国が、女神様の恩恵を受け取れるのなら。

各国が国王陛下をたてるときに、女神様と友誼を結べた者にしようとするかもしれない。

女神様と友誼を結んで、国王陛下になるというのが、通例になれば、後継者争いが加速するだろうな。

女神様は、女神様の世界が、争いで荒廃することを望まない。

荒廃する世界に、女神様の楽しみはないから。

女神様と友誼を結ぶことを女神様の世界の住人は、利用してはならない。

女神様との友誼を利用することは、女神様を利用することと同義。

「ふふふ、ふふふ。

おかしなことを。

シガラキノが王になれば、サーバル王国という国は、妾の恩恵から外れるわ。

そなたらは、妾と友誼を結ぶことに、信義ではなく、対価を欲するの?」

にっこり、にっこりと機嫌よく、したいことを語っていた女神様は。

オレが初めて会ったときに戻っていた。

ふふふ、ふふふ、とサーバル王国の三人へ不敵に問いかける女神様。

ミーレ長官の息子さんは、顔を引き攣らせて、固まっている。

マウンテン王国の四人は、凍りついたように、動かない。

ミーレ長官とミーレ長官の奥様は、静かに様子を見ている。

サーバル王国の国王陛下と王妃陛下は、顔面蒼白になっていて。

サーバル王国の王女シガラキノ様は、泣きそうになっていた。
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