《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

606.カズラくんは、カズラくんの居場所を確保したいと思っているようです。カズラくんは日本に

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オレは、カズラくんの信条というかこれまでの人生に踏み込んでみることにした。

「カズラくんは、ギブ・アンド・テイクが安心なんだよな?」

カズラくんは、無償の関係を信用できないっぽいんだよなー。

カズラくんは、基本的に、与える側にいて、与えられる側にはいようとしない。

与える側にいるときも、与えることに対して、見返りの提示を必ず求める。

異世界という場所で、頼りになるのは自分だけだから、油断しないという気持ちだけじゃなさそうなんだよなー。

日本にいたときに何かあったんだろうな。

カズラくんが納得して生きていく知恵ではあっても、極端にはしっていると周りから受け止められると、居場所を作るどころじゃなくなるからなー。

オレとクロードとカズラくんの3人だけで話せている今の機会に、カズラくんと詰めておこうと思う。

今までは、異世界人同士でオレと比較されても、カズラくんが悪く言われることはなかったと思う。

でも、これからはなー。

神子様というお客様ではなく、女神様の世界に定住していくことを考えるとなー。

「安心だよ。
ギブ・アンド・テイクも絶対じゃないけどね。」
とカズラくん。

カズラくんは、周りの人をギブ・アンド・テイクの関係があれば使える人、あっても使えない人で区切っている気がする。

「カズラくんの用心深さは、これまでの経験によるのかな?」

「ヒサツグは、ぼくよりしっかりしていないからね。」
とカズラくん。

カズラくんは、カズラくんよりもしっかりしていないオレ、に安心している。

カズラくんの使う、しっかりしている、というのは、文字通りの意味じゃない。

カズラくんの言う、しっかりは、小狡さを意味していないかなー?

「カズラくんが、オレに対して、あれこれ世話を焼いてくれるのは、オレがカズラくんを騙したり、カズラくんの困ることをしたりすることがなかったからかな?」

オレは、カズラくんの理由を知っておこうと思う。

「まあね。ヒサツグは、年上だけど、ぼくよりできないことが多いから。」
とカズラくん。

「カズラくんは、年上の知り合いにはしっかりしていてほしい、とは考えていないのかな?」

「しっかりしていることに、年齢は関係ないよ。

年上風を吹かしてこなければそれでいい。」
とカズラくん。

年上風ときたかー。

オレ、無意識にやりそう。

「具体的にはどんなことかな?」

「友達同士の間柄で。

会って話をしていたときの、ぼくから聞いた話が有益だったから、お金を出す、今後も有益な話を聞けたら、お金を出す、とぼくに言ってくるようなことだよ。」
とカズラくん。

具体的なのは。

カズラくんが実際に経験した話だからだろうな。

この場合、情報の謝礼としてお金をもらう関係は、ギブ・アンド・テイクとは違うよなー。

情報をもらって、謝礼を出す側が一方的だもんな。

友達として、対等じゃない、とカズラくんは考えたんだなー。

「これからも取引のときは、カズラくんの意向を毎回確認するようにするぞ。」

「よろしく。」
と満足げなカズラくん。

「カズラくんからは、利用されたくないから、ギブ・アンド・テイクを掲げて、用心深くしているのかな?」

「ぼくの友達で、完全な自営業じゃなく、あるグループに所属して、そのグループで研修をしてから自分の店を持った人がいたんだよ。」
とカズラくん。

「それは、詐欺グループかな?」

犯罪に手を染めた友達の話?

ねずみ講とか?

「マッサージ系。
マッサージだけじゃなく、色々な製品も扱っていたかな。」

おー。

「ぼくは、誘われて勧められたときに、友達だから買ったんだよ。

友達じゃなかったら、ぼくは何も買わなかった。

お金を払って、何かを頼もうとも思わなかった。」
とカズラくん。

友達の仕事を応援したい気持ちを利用された、とかかな?

「友達から提示されたサービスなり物について。

友達だから、お金を払ってもいい、と判断して支払ったけれど、友達じゃなかったら、一銭も払う価値はない、と思ったということだよな?」

「そうだよ。それなのに。

ぼくのお金を受け取ったときから、サービスと物と、お金の話しか、ぼくにしてこなくなったら、友達とは言えないよね?」
とカズラくん。

女友達だったりするのかな?

カズラくんは、友達付き合いの一貫で、友達のところで買い物しているつもりでいたけれど。

言えばお金を払ってくれる人という風に、友達はカズラくんを認識するようになったのかな。

「友達が前提条件にある取引なら、友達としての交流がないとなー。」

カズラくんがギブ・アンド・テイクの関係に終始するのは、友達に裏切られた、という思いがあるからだろうな。

友達という立場の存在に不信感を持ってしまったカズラくんは、自分が傷つけられて、騙されないように、用心深くなったんだな。

カズラくんが、誰かと関係を作っていくときにギブ・アンド・テイクを求める理由は分かった。

分かったけれど、友達に対する不信感はどうしたものかなー?

カズラくんは、恋人ともなんやかんやあった、と聞いているぞ?

恋人、友達がダメなら、家族。

家族が、カズラくんの問題解決のカギになるといいんだけど。
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