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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
626.夫婦固めの盃で、新郎側をどちらがするか、ですが。『私は、ヒサツグに愛を捧げる男。どんなときもヒサツグの夫でありたい。』
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「夫婦固めの盃は、過去、現在、未来と三つの盃に入れた酒を夫婦で飲み交わす。」
とこれから始める夫婦固めの盃についての説明をするカズラくん。
部屋の中央には、立っているオレの心臓の位置くらい高さの台がある。
台の上に乗っている三つの盃は、伏せられた状態で置かれている。
盃を飲む順番をどうするかを決めるため、打ち合わせの段階で、オレはクロードに三つの盃の使い方を説明した。
『過去と未来の盃は、新郎から花嫁へ渡り、新郎に戻る。
現在の盃は、花嫁から新郎に渡り、花嫁に戻る。』
オレは、クロードに説明しながら、頭の中で考えていることがあった。
結婚式のときのオレとクロードは、クロードが絶対的に新郎ポジションだった。
ドレスを着ていたわけじゃないから、オレが花嫁ポジションだったとは決して言わないけれどさ。
新郎二人の結婚式なんだから、クロードがかっこいいのは当たり前。
オレが結婚式準備に意欲的に取り組んでいたら、結婚式マジックで、クロードと同じくらいにオレもかっこよくなれたのでは?
と。
結婚式は済んでいるから、祝言をあげるときは、かっこよくきめようとオレは思った。
だから。
クロードに説明後、過去と未来の盃は、オレが先に飲むから、と伝えるつもりだった。
でも、オレの説明を機嫌よく聞いていたクロードは。
『過去と未来は、私からヒサツグに盃を渡すのか。
現在は、ヒサツグから盃を渡される。
誠に楽しみだ。
ヒサツグ、練習をしよう。』
とウキウキ。
え?
待て待て。
『クロードの言う通りにすると、オレが花嫁ポジションになるよな?
オレは、過去と未来で先に飲む人をする。
クロードは、真ん中の現在でどうかな?』
『ヒサツグ。』
とクロードは、オレの真正面から抱きしめた。
『クロード?』
『私は、ヒサツグの夫として、頼りないだろうか?』
オレを抱きしめるクロードは、見上げるオレを悲しそうに見つめている。
うっ。
『心配しなくても、クロードは、オレの頼もしい夫だぞ?
オレは、頼りにしているぞ?』
『ヒサツグが、私に新郎の役割をしてほしくないのは、私では夫として心許ないからではないのか?』
とクロード。
う、うう。
オレの中の後ろめたい気持ちは、どこから湧いてくるのかな。
『クロードに、不足しているところなんてないぞ。』
『ならば、私がヒサツグの新郎になることを認めてほしい。』
とクロード。
クロードは、真摯にオレにお願いしてくる。
クロードの顔を見ながら、クロードの気持ちを聞いて、クロードの新郎側をしたいという希望をはねつけるわけにはいかないよな。
『クロード。オレは、クロードが新郎になることを認めていないという理由で、新郎側をやりたいんじゃなくてだなー。』
『ヒサツグには、新郎側をしたい理由があるのか?』
とクロード。
よくぞ、聞いてくれた!
オレは、軽いジャブを打つことにした。
『新郎をしたい、というか、オレは新郎だからなー。』
『ヒサツグは、私の妻だが?』
とクロード。
クロードは、一片の曇りもない眼で、オレを妻だと言った。
クロードは、真剣にそう思っている!
『クロード。オレは、かっこいい新郎として、祝言をあげたいと思っているんだよなー。』
本音で勝負した方が勝率が上がるかもしれないと考えて。
オレは、クロードに本心を伝えた。
『ヒサツグ。私は、ヒサツグに愛を捧げて跪く男。』
とクロード。
クロードは、両手でオレを抱き込んでくる。
『クロード、急にどうした?』
オレ、クロードの不安スイッチが入るような、何かを言ったかな?
クロードを見上げたまま抱き込まれたオレは、クロードの背中をさする。
『私は、どんなときも、ヒサツグの夫でありたい。
ヒサツグが、私に足りないところはないと口に出していても。
ヒサツグの夫以外になるなど、私には耐えられない。』
とクロード。
『そうか、うん。
クロードに耐えられない思いをさせるのは、オレも嫌だな。』
打ち合わせにいたカズラくんが、折衷案を出してくれた。
『夫婦固めの盃を始めるとき、新郎と花嫁についての説明を省けばいいんだよ。
ぼく、クロード、ヒサツグ以外は、新郎のタイミングを知らないだからね。
知らないものは、認識しようがない。
過去、現在、未来という説明だけで、十分だよ。』
という経緯があり。
新郎から始めるというアナウンスは省き、夫婦固めの盃は、クロードから始めることになった。
カズラくんは、伏せられていた盃をひっくり返して、盃に透明なお酒を注ぎ込む。
まずは、過去にあたる、大中小のうちの、小の盃から。
女神様の世界に夫婦固めの盃に使うための盃はない。
ケレメイン家の紋章を彫った透明なガラスの盃が、三つ、台の上に乗っている。
「最初は、クロードが三口飲んで、ヒサツグに盃を回すよ。
ヒサツグは、受け取った盃から三口飲んで、クロードに渡し、クロードは、台の上に飲み終わった状態で伏せないで置いていくよ。」
とカズラくん。
カズラくんが、オレとクロードがこれからしていくことを、部屋の中にいる人達に説明する。
「夫婦固めの盃、まずは、過去の盃。」
とカズラくん。
カズラくんが注いだお酒の入った盃にクロードが口をつける。
いよいよ、オレ達の夫婦固めの盃が始まる。
とこれから始める夫婦固めの盃についての説明をするカズラくん。
部屋の中央には、立っているオレの心臓の位置くらい高さの台がある。
台の上に乗っている三つの盃は、伏せられた状態で置かれている。
盃を飲む順番をどうするかを決めるため、打ち合わせの段階で、オレはクロードに三つの盃の使い方を説明した。
『過去と未来の盃は、新郎から花嫁へ渡り、新郎に戻る。
現在の盃は、花嫁から新郎に渡り、花嫁に戻る。』
オレは、クロードに説明しながら、頭の中で考えていることがあった。
結婚式のときのオレとクロードは、クロードが絶対的に新郎ポジションだった。
ドレスを着ていたわけじゃないから、オレが花嫁ポジションだったとは決して言わないけれどさ。
新郎二人の結婚式なんだから、クロードがかっこいいのは当たり前。
オレが結婚式準備に意欲的に取り組んでいたら、結婚式マジックで、クロードと同じくらいにオレもかっこよくなれたのでは?
と。
結婚式は済んでいるから、祝言をあげるときは、かっこよくきめようとオレは思った。
だから。
クロードに説明後、過去と未来の盃は、オレが先に飲むから、と伝えるつもりだった。
でも、オレの説明を機嫌よく聞いていたクロードは。
『過去と未来は、私からヒサツグに盃を渡すのか。
現在は、ヒサツグから盃を渡される。
誠に楽しみだ。
ヒサツグ、練習をしよう。』
とウキウキ。
え?
待て待て。
『クロードの言う通りにすると、オレが花嫁ポジションになるよな?
オレは、過去と未来で先に飲む人をする。
クロードは、真ん中の現在でどうかな?』
『ヒサツグ。』
とクロードは、オレの真正面から抱きしめた。
『クロード?』
『私は、ヒサツグの夫として、頼りないだろうか?』
オレを抱きしめるクロードは、見上げるオレを悲しそうに見つめている。
うっ。
『心配しなくても、クロードは、オレの頼もしい夫だぞ?
オレは、頼りにしているぞ?』
『ヒサツグが、私に新郎の役割をしてほしくないのは、私では夫として心許ないからではないのか?』
とクロード。
う、うう。
オレの中の後ろめたい気持ちは、どこから湧いてくるのかな。
『クロードに、不足しているところなんてないぞ。』
『ならば、私がヒサツグの新郎になることを認めてほしい。』
とクロード。
クロードは、真摯にオレにお願いしてくる。
クロードの顔を見ながら、クロードの気持ちを聞いて、クロードの新郎側をしたいという希望をはねつけるわけにはいかないよな。
『クロード。オレは、クロードが新郎になることを認めていないという理由で、新郎側をやりたいんじゃなくてだなー。』
『ヒサツグには、新郎側をしたい理由があるのか?』
とクロード。
よくぞ、聞いてくれた!
オレは、軽いジャブを打つことにした。
『新郎をしたい、というか、オレは新郎だからなー。』
『ヒサツグは、私の妻だが?』
とクロード。
クロードは、一片の曇りもない眼で、オレを妻だと言った。
クロードは、真剣にそう思っている!
『クロード。オレは、かっこいい新郎として、祝言をあげたいと思っているんだよなー。』
本音で勝負した方が勝率が上がるかもしれないと考えて。
オレは、クロードに本心を伝えた。
『ヒサツグ。私は、ヒサツグに愛を捧げて跪く男。』
とクロード。
クロードは、両手でオレを抱き込んでくる。
『クロード、急にどうした?』
オレ、クロードの不安スイッチが入るような、何かを言ったかな?
クロードを見上げたまま抱き込まれたオレは、クロードの背中をさする。
『私は、どんなときも、ヒサツグの夫でありたい。
ヒサツグが、私に足りないところはないと口に出していても。
ヒサツグの夫以外になるなど、私には耐えられない。』
とクロード。
『そうか、うん。
クロードに耐えられない思いをさせるのは、オレも嫌だな。』
打ち合わせにいたカズラくんが、折衷案を出してくれた。
『夫婦固めの盃を始めるとき、新郎と花嫁についての説明を省けばいいんだよ。
ぼく、クロード、ヒサツグ以外は、新郎のタイミングを知らないだからね。
知らないものは、認識しようがない。
過去、現在、未来という説明だけで、十分だよ。』
という経緯があり。
新郎から始めるというアナウンスは省き、夫婦固めの盃は、クロードから始めることになった。
カズラくんは、伏せられていた盃をひっくり返して、盃に透明なお酒を注ぎ込む。
まずは、過去にあたる、大中小のうちの、小の盃から。
女神様の世界に夫婦固めの盃に使うための盃はない。
ケレメイン家の紋章を彫った透明なガラスの盃が、三つ、台の上に乗っている。
「最初は、クロードが三口飲んで、ヒサツグに盃を回すよ。
ヒサツグは、受け取った盃から三口飲んで、クロードに渡し、クロードは、台の上に飲み終わった状態で伏せないで置いていくよ。」
とカズラくん。
カズラくんが、オレとクロードがこれからしていくことを、部屋の中にいる人達に説明する。
「夫婦固めの盃、まずは、過去の盃。」
とカズラくん。
カズラくんが注いだお酒の入った盃にクロードが口をつける。
いよいよ、オレ達の夫婦固めの盃が始まる。
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