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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。
630.女神様の世界に連れてこられたときのことについて、オレは女神様と本音の話し合いをしました。カズラくんの全力サポート付きです。
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「女神様が持って帰りたいからといっても、オレは、道端の石ころじゃない。
オレは人間なんだから、どこにいても、人間らしい生活が必要だったんだぞ?」
「妾の世界にきても、生きていくのに困りはしなかったであろう?」
と女神様。
「女神様。
女神様の世界に来て、ケレメイン公爵家の王都邸で暮らすようになるまでのオレは。
毎日日銭を稼ぐことはできてもさ、未来の見通しを立てられない暮らしをしていた。
日本にいるときは、生きていくのに不安を覚えなかったからさ。
異世界転移した意味も分からないから、ストレスフルな暮らしだったぞ。」
「暮らすことに不安があることの何が問題か?
安定した暮らしの中にいては、きたる変化を飲み込めないわ。」
と女神様。
オレが異世界転移後の生活に満足して、クロードの元へ行くのを断らないように、と女神様は考えたんだな。
ケレメイン公爵家の王都邸での待遇の方が上になるような生活環境をオレに用意したということだからなー。
残念ながら、女神様の思惑通りとはいかず、オレはクロードの誘いに乗らなかったけどな?
クロードの誘いに乗らなかったら、クロードに気球に乗せられたなー。
懐かしい、気持ちにはならないな。
神経が疲れたあの頃には二度と戻りたくない。
今後の付き合いを考えて、女神様に踏み込ませないラインの線引をしておこう。
「あのな。
女神様。
オレは、女神様の世界ではない日本に生まれ育った。
オレの意思に関係なく連れてこられた異世界は。
知り合いが一人もいなくて、全く見覚えのない世界。
その日暮らしの仕事につきながら、部屋だけ借りて住むだけで精一杯。
働けなくなったら、食べられなくなって、寝泊まりする部屋もない。
その日暮らしでも働ける体力と気力が、オレになかったら。
飢えたり、弱ったりして、クロードに会う前に儚くなっていたかもしれなかったぞ。」
「生きているわ。妾の前で元気だわ。」
と女神様。
そりゃ、死んでいたら、喋れないけどな?
「拾って連れてきたという意識がありながら、連れてきたオレを放置しすぎたことを女神様は反省して、だな。
今後、同じことを繰り返さないようにしてくれ。」
オレは、女神様に連れてこられてからの境遇について、女神様自身に苦情を述べた。
女神様の世界に来てから、二年以上経っている。
絶望や困惑や焦りを感じた当時の気持ちを、当時のまま持ち続けているわけじゃないから。
当時の気持ちをそのまま、女神様にぶつけるつもりもなかった。
女神様にされたことで芽生えた気持ちを、胸の内に一生抱えながら女神様といれば、この先のどこかでオレに無理が出てくる。
女神様と縁が切れるなら、女神様にされたことをオレだけで乗り越えてやっていけばいいと思うけど。
女神様の世界で生きていくことにしたオレと女神様との縁は続く。
だから、よりオレが生きやすい方へ舵を切りたい、と思った。
カズラくんが口火を切ってできた機会を活かす。
オレは、オレ絡みでは、女神様がやりたいことをのみこむ必要がある、ということを女神様に学習してもらうことにした。
「妾に反省しろ、とはおかしなことを。」
と女神様。
女神様に響かせるのは、一筋縄ではいかないなー。
「女神様。
拾って、というと道端に落ちていたみたいに聞こえるけれどね。
日本で何事もなく生活していたヒサツグは。
日本で生まれ育って、仕事をしていたんだよ。
生まれ育った日本には、ヒサツグの家族も友達もいたんだよ。
ヒサツグの住む家もあったんだよ、日本に。」
とカズラくんの援護射撃。
カズラくん!
カズラくんは、横にいる女神様に向き直っている。
女神様は、顔だけをカズラくんに向けていた。
顔をそらしてはいない女神様。
女神様の様子を見るに、カズラくんの話を聞こうとはしている。
「女神様。
ヒサツグは、日本での暮らしを捨てたいとは考えていなかったんだよ。
ヒサツグは、日本で生きて、日本で死ぬ未来に不満がなかったんだよ。」
とカズラくん。
ぼくとは違って。
という寂しげなカズラくんの心の中の付け足しが聞こえた気がした。
「カズラくんのオレへの理解度の深さに感謝しかない。」
カズラくんは、寂しさを知っていて、寂しさに引きずられないようにしているんだと思う。
「ヒサツグを語るのが、ぼくだからだよ。
ヒサツグは、ぼくに語られて幸いだったね?」
とカズラくん。
安定のカズラくん節がきた。
「ヒサツグは出会いがあれば、その出会いを大切にする。
それは、女神様の世界の出会いだけじゃない。
日本でもだよ。
だって、それが、ヒサツグだから。
ヒサツグは、そういうものだから。」
とカズラくん。
カズラくんは、本気でオレのことを褒めている!
「ヒサツグが日本で生きてきた歴史。
生きている間に培ってきた縁や気持ち。
そういうヒサツグをヒサツグたらしめてきたものを全部。
女神様は、女神様の都合でヒサツグから断ち切って、女神様の世界へ連れてきたという責任を背負ってよ。」
とカズラくん。
「ふむ。妾には背負う責任があると?」
と女神様。
オレは人間なんだから、どこにいても、人間らしい生活が必要だったんだぞ?」
「妾の世界にきても、生きていくのに困りはしなかったであろう?」
と女神様。
「女神様。
女神様の世界に来て、ケレメイン公爵家の王都邸で暮らすようになるまでのオレは。
毎日日銭を稼ぐことはできてもさ、未来の見通しを立てられない暮らしをしていた。
日本にいるときは、生きていくのに不安を覚えなかったからさ。
異世界転移した意味も分からないから、ストレスフルな暮らしだったぞ。」
「暮らすことに不安があることの何が問題か?
安定した暮らしの中にいては、きたる変化を飲み込めないわ。」
と女神様。
オレが異世界転移後の生活に満足して、クロードの元へ行くのを断らないように、と女神様は考えたんだな。
ケレメイン公爵家の王都邸での待遇の方が上になるような生活環境をオレに用意したということだからなー。
残念ながら、女神様の思惑通りとはいかず、オレはクロードの誘いに乗らなかったけどな?
クロードの誘いに乗らなかったら、クロードに気球に乗せられたなー。
懐かしい、気持ちにはならないな。
神経が疲れたあの頃には二度と戻りたくない。
今後の付き合いを考えて、女神様に踏み込ませないラインの線引をしておこう。
「あのな。
女神様。
オレは、女神様の世界ではない日本に生まれ育った。
オレの意思に関係なく連れてこられた異世界は。
知り合いが一人もいなくて、全く見覚えのない世界。
その日暮らしの仕事につきながら、部屋だけ借りて住むだけで精一杯。
働けなくなったら、食べられなくなって、寝泊まりする部屋もない。
その日暮らしでも働ける体力と気力が、オレになかったら。
飢えたり、弱ったりして、クロードに会う前に儚くなっていたかもしれなかったぞ。」
「生きているわ。妾の前で元気だわ。」
と女神様。
そりゃ、死んでいたら、喋れないけどな?
「拾って連れてきたという意識がありながら、連れてきたオレを放置しすぎたことを女神様は反省して、だな。
今後、同じことを繰り返さないようにしてくれ。」
オレは、女神様に連れてこられてからの境遇について、女神様自身に苦情を述べた。
女神様の世界に来てから、二年以上経っている。
絶望や困惑や焦りを感じた当時の気持ちを、当時のまま持ち続けているわけじゃないから。
当時の気持ちをそのまま、女神様にぶつけるつもりもなかった。
女神様にされたことで芽生えた気持ちを、胸の内に一生抱えながら女神様といれば、この先のどこかでオレに無理が出てくる。
女神様と縁が切れるなら、女神様にされたことをオレだけで乗り越えてやっていけばいいと思うけど。
女神様の世界で生きていくことにしたオレと女神様との縁は続く。
だから、よりオレが生きやすい方へ舵を切りたい、と思った。
カズラくんが口火を切ってできた機会を活かす。
オレは、オレ絡みでは、女神様がやりたいことをのみこむ必要がある、ということを女神様に学習してもらうことにした。
「妾に反省しろ、とはおかしなことを。」
と女神様。
女神様に響かせるのは、一筋縄ではいかないなー。
「女神様。
拾って、というと道端に落ちていたみたいに聞こえるけれどね。
日本で何事もなく生活していたヒサツグは。
日本で生まれ育って、仕事をしていたんだよ。
生まれ育った日本には、ヒサツグの家族も友達もいたんだよ。
ヒサツグの住む家もあったんだよ、日本に。」
とカズラくんの援護射撃。
カズラくん!
カズラくんは、横にいる女神様に向き直っている。
女神様は、顔だけをカズラくんに向けていた。
顔をそらしてはいない女神様。
女神様の様子を見るに、カズラくんの話を聞こうとはしている。
「女神様。
ヒサツグは、日本での暮らしを捨てたいとは考えていなかったんだよ。
ヒサツグは、日本で生きて、日本で死ぬ未来に不満がなかったんだよ。」
とカズラくん。
ぼくとは違って。
という寂しげなカズラくんの心の中の付け足しが聞こえた気がした。
「カズラくんのオレへの理解度の深さに感謝しかない。」
カズラくんは、寂しさを知っていて、寂しさに引きずられないようにしているんだと思う。
「ヒサツグを語るのが、ぼくだからだよ。
ヒサツグは、ぼくに語られて幸いだったね?」
とカズラくん。
安定のカズラくん節がきた。
「ヒサツグは出会いがあれば、その出会いを大切にする。
それは、女神様の世界の出会いだけじゃない。
日本でもだよ。
だって、それが、ヒサツグだから。
ヒサツグは、そういうものだから。」
とカズラくん。
カズラくんは、本気でオレのことを褒めている!
「ヒサツグが日本で生きてきた歴史。
生きている間に培ってきた縁や気持ち。
そういうヒサツグをヒサツグたらしめてきたものを全部。
女神様は、女神様の都合でヒサツグから断ち切って、女神様の世界へ連れてきたという責任を背負ってよ。」
とカズラくん。
「ふむ。妾には背負う責任があると?」
と女神様。
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