《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

682.オレが、ケレメイン大公妃としてクロードの隣に立つために必要なことをオレはやり遂げてみせます。その四。勝つための交渉は相手選びが重要。

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中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派は、両派閥とも、ケレメイン大公国における大公妃であるオレの去就を論じることや、人品骨柄について軽口を叩くことに関しては、咎めてこなかった。

そう、オレに関することについては、何を言っても問題ではないという認識が両派閥には蔓延している。

キーとなるのは、オレに関することについて、という限定。

オレが大公妃なことへの不満や不服を口にしても、大公妃という地位に関することには、触れない。

なぜなら。

大公妃は、大公の妃。

ケレメイン大公国は、ケレメイン公爵家のケレメイン公爵クロードがマウンテン王国からの独立を宣言して、大公となりできた国。

ケレメイン大公に連なる大公妃という地位をこき下ろすことは、大公を貶めることに繋がる。

ケレメイン公爵家の当主から大公となったクロードの評価を下げることは、ケレメイン大公の持つ権威と利権を利用して、ほしいままにするという、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の目的を危うくする。

大公妃を卑しいものとすることは、中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派が、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃にと担ぎ上げた過去を下げることになる。

この二つの理由から、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派は、ケレメイン家と大公、大公妃、大公国について悪しざまに罵ることを良しとしていない。

中立派は、バランサーを気取っているだけの日和見。

中立派は、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派が、ヒサツグ派よりも多数いて、中立派に影響を与えることができる立場にいたから、中立派になっている。

中立派にケレメイン家に対する忠誠心があったなら。

クロードやクロードの近くにいる人達に直接働きかけたときに、クロードから説得されていただろう。

中立派は、中立派としてあることで、現在の権益を失わずにいたい人達の集まりだ。

サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派と中立派に、理念や理想などはない。

中立派にあるのは、実利の追求。

サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派にあるのは、権力をほしいままにしたいという欲望。

オレとヒサツグ派は、最初、中立派を攻略することが、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派よりも楽かと思っていた。

実際のところは、違った。

中立派の方が手強かった。

中立派は、サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派が落ちなければ、陥落しない。

サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派を陥落させたなら、サーバル王国のシガラキノ王女殿下に足並みを揃える中立派は自動的に逆らわなくなる。

そう理解したオレは、今回の祝言の見せ場を用意した。

「お前達の顔を並べても、話にならない。」

「ケレメイン大公妃ヒサツグ様にお目通りして、お話をと願うなら、乞い願えばいい。」

「ヒサツグ様をお待たせするなんて、気が利かない。

ヒサツグ様の御前を失礼して、急かしに行かないのか?」

オレの秘書三人は、絶好調。

これまでの中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派との会合で、オレの秘書三人は苦労しかしていないからなー。

ここいらで、中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の秘書達へ一矢報いるくらいはしても、バチは当たらないと思う。

「オレ、クロード、カズラくんに関わりが深かったことが、祝言への参加資格だ。

オレ、祝言には、寿ぐ言葉が飛び交うものだと予想していたんだけどなー。

オレが先ほどから話している四人から聞こえてくる言葉は残念なものばかりでなー。」

「四人が残念な言葉を発するのは、残念な頭だからですかね?」

オレの秘書三人が、ノリノリだ。

「残念な頭だからといって、残念な台詞しか話さないとは限りませんよ?」

「残念な頭の持ち主だからこそ、自分で話す内容を精査する能力に欠けているのかもしれません。」

「残念な言葉を発する残念な頭を管理している責任者は、どこで何をしているのかが気になります。」

「残念な頭が残念な言葉を話すことを放置するなんていうことは、実際のところあるものですかね?」

「残念な言葉が、公認されているなら、残念な言葉を話していても気にしないでしょう。

放置の可能性は高いですよ?」

わいわいと会話を楽しんでいる三人の秘書達。

中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の秘書はそれぞれ。

不快という表情を隠さずにオレの秘書三人を睨んでいる。

秘書対決では、オレの秘書の優勝だなー。

「四人の内訳を言うぞ。

中立派をうたっている集団に属している一人の文官。

サーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃にと推していた一団と一緒になって、サーバル王国との直接取引を手がけていた商人。

手がけているのは、サーバル王国のシガラキノ王女殿下が使う予定のものだと宣伝しながらモノ作りに励んだ職人。

ケレメイン家を通さずに、サーバル王国から直接援助を受けていた農家の人。」

ロープを挟んで部屋の外にいる秘書二人は、言われなくても分かっているという表情。

自分ところの派閥のトップが駆けつけて責任をとる羽目になる対象者がどこで何をしているかくらい、トップの秘書なら知っているよなー?

いつもの調子で話している四人は、薄い酒に酔うわけがないといつもの調子で話し続けた。

オレの用事がないときに、いつもの調子でオレと話し続けたことなんて、この四人にはなかったんだよな?

オレは、この四人と雑談をしたことがない。

オレとこの四人が、個人的に時間をとって向き合ったのは、今日が初めて。

祝言をあげるというオレを馬鹿にしながら、敵だらけの中に乗り込んできた四人は、最初からずっと四人で固まっていた。

中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派、それぞれのトップに祝言の参加を誘われたことを報告して、トップは誘われていないことを確認した四人は。

『トップを呼ばないと参加しない』
とオレに言いにきた。

『じゃあ、出なくてもいい、代わりに別の人に声を掛ける、オレとクロードの祝言に出たいと言う人は、あんたらじゃなかったんだからな』
とオレが返すと、自分達が祝言に出ないことによる、自身の不利益を悟った四人は、前言撤回して、参加を表明。

中立派とサーバル王国のシガラキノ王女殿下を大公妃に派の、それぞれの派閥の中でのポジション争いや、オレとやりとりすることで自身が得られる利益に四人とも天秤が傾き、祝言に参加する運びとなった。

そういう経緯があるから。

この四人は、酒にのまれなかったけど、雰囲気にのまれた。

さて、待ち人はまだかなー?
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