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第三章 アラサー女子よ、大志を抱け!
78 口にする言葉は用法、容量を守って大切に使用しましょう。
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髪を乾かし終わった頃、こんこん、とノックの音がした。
「吉田さん」
私はびくりと肩を跳ねさせる。
と、とうとう、ですかっ。
「は、はいっ」
過剰なほど緊張した声でこたえると、前田が笑いながらドアを開いた。
「緊張してるの?」
私は現れた前田の姿を見て、固まった。
「ち、ちょっ、シャツ着てよ、シャツ!」
前田はジーパンを履いていたものの、上半身裸だ。肩にタオルをかけているが、髪がしっとり濡れていて、時々タオルに雫を落とす。お湯でわずかに上気した白い肌もしっとり濡れていて、大変に、目の毒なほどに、色っぽい。
「どうせすぐ脱ぐんだからいいじゃん」
私の言葉はあっさり流される。
そういう問題じゃない!と言いたくて、半分涙目になりながら迫力のない目で睨みつけようとしたが、前田が続けるのが先だった。
「ごめん、ドライヤー貸して」
言ったとき、雫が前髪から落ち、目に入ったらしい。急に片目をつぶって眼鏡を外し、肩にかけたタオルで目を拭った。
そういうーーそーいう、ことを、
「くうううぅう」
私は動揺を押し隠すこともできず、手で顔を覆ってうずくまった。駄目だ。この無自覚さが犯罪級に駄目だ。狙ってないからこそ余計、私に致命傷を負わせる。
「どうしたの?」
声が間近で聞こえた。覆った手の下から上を見上げると、眼鏡を片手に持った前田が立っていた。黒々した髪が濡れて艶を増し、心なしかその黒い瞳も艶やかに見える。ーーってもう駄目だ。これは見ちゃいけない。お巡りさんこっちです!この色気犯罪級です、逮捕してください!
「なんでも、ないっ」
私はまた顔を手で覆い直して、ぶんぶんと首を振ると、手元にあったドライヤーを渡した。
前田はそれを受けとるとコンセントを探した。それを察して、ここ、と指差す。前田はああ、と頷いてコンセントをプラグに挿しながら言った。
「弟いるんなら、見慣れてるだろうと思って」
兄弟と恋人とはまた別ですっ!
そういえば、前田は男三人兄弟だったと思い出す。双子の弟もパンツ一枚で私の前をウロウロすることを思うと、男ばかりだと下手したら全裸でうろつきかねない。となればジーパンを履いているだけマシだと思わねばなるまいか。
ーーだいたい前田は、あまりに自覚がなさすぎると思うの。どんだけ自分が色気を発散しているか、全然、全っっ然、気づいてないんだもの。これ、思ってるの私だけなの?他の女子に気付かれたらあっさり襲われそうな鈍さなんだけど大丈夫なの?
心中で問い掛けて、はっと気づく。いや、女子だけではない。男子だってもしかしたら、そういう人も、いるかもしれない。大学の講義で言ってた。性的マイノリティは四十人に一人くらいの割合でいると言われてます、って。つまりクラスに一人はいるのである。まあもちろんそれ全部が生物学的に男性な訳じゃないと思うけど、会社に一人二人三人四人くらいはいてもおかしくない。そうじゃない?
そんなことをあまりに真剣な顔をして考えている私を、前田は不思議そうに身ながら髪を乾かした。彼には髪をセットするとかそういう概念はないんだろう、テキトーに髪を掻き混ぜながら温風をあてている。乱暴な手つきに、髪が傷みそう、とちょっと心配になって手を伸ばした。
「私、乾かしてあげる」
「え?いいよ」
「いいから座って」
前田は私に言われて、おとなしくベッドに腰掛けた。代わりに私が立ち上がり、簡単にセットする気持ちでドライヤーをあてていく。前田の髪は黒々していたけれど、硬い質ではなかった。ちょっとだけリトマーの気分で前田の髪を撫でる。
襟足に手が当たると、前田がくすぐったそうに身をよじった。どきり、と胸が高鳴る。途端に、自分が触れているのが前田の一部なのだと気づいた。気づいてしまうともう戻りようもなく、極力皮膚に触らないように、軽い手つきで髪を掬い上げていく。
「ちょっと待って」
前田が私の手首を取った。どきどきしていた心臓が、一段と大きく跳ねる。
「な、何」
「くすぐったいよ」
前田は笑っていた。眼鏡を外したその顔は、いつもよりも幼く見えた。
「ご、ごめん」
軽くしたタッチは逆効果だったと気づいてうろたえた。前田は自分の髪にざっと手を触れる。
「もういいよ」
言うと、私の手内のドライヤーをオフにした。
部屋を満たしていたドライヤーの音が、途端に消える。一気に静かになったので、耳鳴りすら感じた。
ややつり気味のアーモンド型の目が、私の目をとらえる。
私はドライヤーを持ったまま、身動きができずにいた。
「ーーそんな顔、しないでよ」
前田は照れたように目を反らす。
そんな顔って、どんな顔よ。
私が気恥ずかしさにうつむくと、前田はコンセントを抜いて、私の手からドライヤーを取った。
ドライヤーの本体に抜いた線をくるくると巻付け、眼鏡の横にゆっくり置く。
俯いたまま身動きが取れない私は、前田の手をただじっと見ていた。
前田はベッド脇に座ったまま、目の前に立った私の顔を除き見る。
「里沙」
声は静かで、優しかった。
「……何」
答える私の声は、か細くなった。
前田は微笑んで、私の頬に片手を伸ばす。
その指が、優しく、頬に触れた。
「おいで」
もう一方の手を、少しだけ横に広げる。
強引にーーと言いながら、私の気持ち一つで逃れられる距離感を作ってくれている。
それが分かった。ーーそんな気遣い、全然不要だったけど。
「ん」
私は両手を伸ばして、前田の首後ろでそれを絡めた。
ほとんど無意識に、前田の耳横に頬を寄せ、その首筋の匂いを嗅ぐ。
使い慣れた石鹸の匂いに、ごくわずかに混ざった違う香りが、私の身体に熱を持たせた。
前田の手が、私の背を這う。
以前のようにためらいがちにではなく、その形を確認するかのように、しっかりと。
部屋着越しにもはっきり分かるーー大きな両手が、私の背中にしっかりと張り付く感覚。
私は震える息を吐き出した。
「怖い?」
耳元で問われて、首を振った。
「でも、震えてる」
違うの。これは。
何て言うんだろう。こういう震えは。
「これは、ええとーー武者震い?」
前田は途端に噴き出した。
「それは、意味が違うと思うよ」
「吉田さん」
私はびくりと肩を跳ねさせる。
と、とうとう、ですかっ。
「は、はいっ」
過剰なほど緊張した声でこたえると、前田が笑いながらドアを開いた。
「緊張してるの?」
私は現れた前田の姿を見て、固まった。
「ち、ちょっ、シャツ着てよ、シャツ!」
前田はジーパンを履いていたものの、上半身裸だ。肩にタオルをかけているが、髪がしっとり濡れていて、時々タオルに雫を落とす。お湯でわずかに上気した白い肌もしっとり濡れていて、大変に、目の毒なほどに、色っぽい。
「どうせすぐ脱ぐんだからいいじゃん」
私の言葉はあっさり流される。
そういう問題じゃない!と言いたくて、半分涙目になりながら迫力のない目で睨みつけようとしたが、前田が続けるのが先だった。
「ごめん、ドライヤー貸して」
言ったとき、雫が前髪から落ち、目に入ったらしい。急に片目をつぶって眼鏡を外し、肩にかけたタオルで目を拭った。
そういうーーそーいう、ことを、
「くうううぅう」
私は動揺を押し隠すこともできず、手で顔を覆ってうずくまった。駄目だ。この無自覚さが犯罪級に駄目だ。狙ってないからこそ余計、私に致命傷を負わせる。
「どうしたの?」
声が間近で聞こえた。覆った手の下から上を見上げると、眼鏡を片手に持った前田が立っていた。黒々した髪が濡れて艶を増し、心なしかその黒い瞳も艶やかに見える。ーーってもう駄目だ。これは見ちゃいけない。お巡りさんこっちです!この色気犯罪級です、逮捕してください!
「なんでも、ないっ」
私はまた顔を手で覆い直して、ぶんぶんと首を振ると、手元にあったドライヤーを渡した。
前田はそれを受けとるとコンセントを探した。それを察して、ここ、と指差す。前田はああ、と頷いてコンセントをプラグに挿しながら言った。
「弟いるんなら、見慣れてるだろうと思って」
兄弟と恋人とはまた別ですっ!
そういえば、前田は男三人兄弟だったと思い出す。双子の弟もパンツ一枚で私の前をウロウロすることを思うと、男ばかりだと下手したら全裸でうろつきかねない。となればジーパンを履いているだけマシだと思わねばなるまいか。
ーーだいたい前田は、あまりに自覚がなさすぎると思うの。どんだけ自分が色気を発散しているか、全然、全っっ然、気づいてないんだもの。これ、思ってるの私だけなの?他の女子に気付かれたらあっさり襲われそうな鈍さなんだけど大丈夫なの?
心中で問い掛けて、はっと気づく。いや、女子だけではない。男子だってもしかしたら、そういう人も、いるかもしれない。大学の講義で言ってた。性的マイノリティは四十人に一人くらいの割合でいると言われてます、って。つまりクラスに一人はいるのである。まあもちろんそれ全部が生物学的に男性な訳じゃないと思うけど、会社に一人二人三人四人くらいはいてもおかしくない。そうじゃない?
そんなことをあまりに真剣な顔をして考えている私を、前田は不思議そうに身ながら髪を乾かした。彼には髪をセットするとかそういう概念はないんだろう、テキトーに髪を掻き混ぜながら温風をあてている。乱暴な手つきに、髪が傷みそう、とちょっと心配になって手を伸ばした。
「私、乾かしてあげる」
「え?いいよ」
「いいから座って」
前田は私に言われて、おとなしくベッドに腰掛けた。代わりに私が立ち上がり、簡単にセットする気持ちでドライヤーをあてていく。前田の髪は黒々していたけれど、硬い質ではなかった。ちょっとだけリトマーの気分で前田の髪を撫でる。
襟足に手が当たると、前田がくすぐったそうに身をよじった。どきり、と胸が高鳴る。途端に、自分が触れているのが前田の一部なのだと気づいた。気づいてしまうともう戻りようもなく、極力皮膚に触らないように、軽い手つきで髪を掬い上げていく。
「ちょっと待って」
前田が私の手首を取った。どきどきしていた心臓が、一段と大きく跳ねる。
「な、何」
「くすぐったいよ」
前田は笑っていた。眼鏡を外したその顔は、いつもよりも幼く見えた。
「ご、ごめん」
軽くしたタッチは逆効果だったと気づいてうろたえた。前田は自分の髪にざっと手を触れる。
「もういいよ」
言うと、私の手内のドライヤーをオフにした。
部屋を満たしていたドライヤーの音が、途端に消える。一気に静かになったので、耳鳴りすら感じた。
ややつり気味のアーモンド型の目が、私の目をとらえる。
私はドライヤーを持ったまま、身動きができずにいた。
「ーーそんな顔、しないでよ」
前田は照れたように目を反らす。
そんな顔って、どんな顔よ。
私が気恥ずかしさにうつむくと、前田はコンセントを抜いて、私の手からドライヤーを取った。
ドライヤーの本体に抜いた線をくるくると巻付け、眼鏡の横にゆっくり置く。
俯いたまま身動きが取れない私は、前田の手をただじっと見ていた。
前田はベッド脇に座ったまま、目の前に立った私の顔を除き見る。
「里沙」
声は静かで、優しかった。
「……何」
答える私の声は、か細くなった。
前田は微笑んで、私の頬に片手を伸ばす。
その指が、優しく、頬に触れた。
「おいで」
もう一方の手を、少しだけ横に広げる。
強引にーーと言いながら、私の気持ち一つで逃れられる距離感を作ってくれている。
それが分かった。ーーそんな気遣い、全然不要だったけど。
「ん」
私は両手を伸ばして、前田の首後ろでそれを絡めた。
ほとんど無意識に、前田の耳横に頬を寄せ、その首筋の匂いを嗅ぐ。
使い慣れた石鹸の匂いに、ごくわずかに混ざった違う香りが、私の身体に熱を持たせた。
前田の手が、私の背を這う。
以前のようにためらいがちにではなく、その形を確認するかのように、しっかりと。
部屋着越しにもはっきり分かるーー大きな両手が、私の背中にしっかりと張り付く感覚。
私は震える息を吐き出した。
「怖い?」
耳元で問われて、首を振った。
「でも、震えてる」
違うの。これは。
何て言うんだろう。こういう震えは。
「これは、ええとーー武者震い?」
前田は途端に噴き出した。
「それは、意味が違うと思うよ」
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