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指輪
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クルス様の帰りは遅くて、あのあとユウリとゲイルさんに一度ずつ部屋に戻りなさいと言われました。
ま、戻りませんでしたけど。
ラマのように頑固なんて言われてしましたが、この世界にラマはいるのでしょうか?
帰ってきたのが嬉しくて、うっかり抱きつきにいこうとして自制したんですが。耳に息吹き込むとか意味がわかりません。なんてことをするんですかっ!
許可制の話はお忘れで……いえ、聞かれる方が恥ずかしいです。
薄々察してはいましたが、追い詰めていくの楽しんでますね……。そんな慌てるの楽しいのでしょうか。
それとも別の意味があるんでしょうか。
逃げるのは許さないというのでもないので、そのままにしておいてますけど。
……狼狽えているところを追い打ちかけてみれば理解出来るでしょうか。でもやったら大変なことにしかならなさそうな気がします。
難しいですね。
新しい距離感が全くつかめません。
お土産と言って渡された箱についてもそうです。朝、寝ぼけてなにかやらかしたようです。ああ、いい夢だったわと処理された全貌が全く残ってません。
幸せとかなんとか思ったのは確かなのですが。
悪い事ではないですが、憶えていないのです。クルス様がすこしばかり気落ちしたようにみえたのですけど、何だったんでしょう。
聞いたら自爆しそうな予感がひしひしとしていますが、そのままにしておくのも精神衛生上よろしくない気がします。
小さく頭を振ってとりあえず憶えて居ないことは後回しにします。
それよりお土産です。手渡されたその箱はとても丁寧に包装されたものでした。
特別感があるといいますか。気軽に渡すような、お土産と言えるようなものではありません。
一度部屋に戻ってコートを脱いで、代わりにちょっと厚手のショールを出して肩から羽織りました。
箱は机の上に置いてみましたが、気になります。
何が入っているんでしょう?
一人だし、いいかと気軽に、いえ、わくわくして開けました。
包装の厳重さから比べれば中身は普通に見える指輪とネックレスにするような鎖が一つ入っていました。
枠と石が一体になっている形でつるりとした表面は可愛いピンクゴールドでした。
薄い色の石は黄色みを帯びた茶色ですが、角度によってきらりと光るところがあって不思議な感じがします。日のあるところで見たら綺麗そうです。
……さて。
指輪というのは特別な感じがします。そのまま指につけるのも違うような気もするので、鎖に通してつけてみましょうか。ま、出来ればつけてもらいたいというところです。
身につければ小さく音がしました。ほんの一瞬。綺麗な旋律が。
「……魔動具ですか」
ちょっとだけがっかりした気がしました。ええ、何か普通のものをもらえる気もしなかったんですけどね。
効果についてはあとで確認しておきましょう。
つい先日、壊したものの代わりかなにかなのですかね。あれもピンクゴールドでした。
期待した自分にがっかりですよ。何を期待してるんですか。特別な何かというのは、望みすぎではないでしょうか。
気を取り直して、服の下に指輪をしまったのは習性に近いですね。仕事上、邪魔になるのでいつも服の下に入れてました。
さてと。思ったより時間がかかったので、さっさと降りて準備しないといけませんね。
ダイニングを覗けばユウリとゲイルさんが難しい顔でリバーシをしていました。
「あ、帰ってきた? ほら僕の言うとおりじゃないか」
「うーん。変なのに捕まらなかったんだな。で、何を作って欲しいんだ?」
「それは検討しておく。小さい時計とかさ欲しい気もするけど」
ユウリの自称が僕に戻ってますね。外面の練習中でしょうか。ゆるゆるでしたものね。
そして、人のコトで賭をしないでいただきたいものです。
やかんでお湯を沸かして、お茶の準備をする。これだけですけどね。出来ることがあるのは良いと思います。
お湯が沸くまで。
鎖を引き出して、指輪を眺めます。この石、どこかで知ってる色な気がしますね。記憶のどこかに引っかかる感じがします。でも、どの指に入れればいいんでしょう? サイズ知ってるわけありませんし。
自動でサイズ調整とかしたりするんでしょうか。
まあ、さっきはちょっとがっかりしましたけど、これはこれで嬉しいわけで。
にやにやしちゃいますよね。
ばたりと扉が閉まる音がしました。クルス様が入ってきたようです。
やはり開く音はしないんですよね。音を立てるにはコツがあるそうですけど。音を消して扉を閉めることも可能らしいですね。自力で解明する課題がゲイルさんから追加されたのが納得がいきません。
「お帰り。遅かったけど、どうしたの?」
「魔導協会で捕まった。どちらもどうにかすると言ってたが、ゲイルはいつ戻るって聞いてたぞ」
「え、俺が動かされるの? 嫌だな。でも、運動……」
ゲイルさんが迷いに迷ったことを言い出しました。よほどリリーさんに何か言われるのが嫌のようですね。
あたしもなにか言われるのは嫌ですけど。
「明日には戻る」
「彼女のことを聞かれるから覚悟はしとくんだな」
「異世界の料理道具のプレゼンしてくればいい?」
……なにをする気なんでしょうか。そりゃあ、聞かれるままに色々話しましたけど。そして、プレゼンという言葉を覚えてしまいましたか。異世界に言語が広まっていきます。責任は取れませんよ。
「あ、油ひかなくてもくっつかないフライパンを求めるっ!」
それはあたしも欲しいですね。ユウリがゲイルさんにこんなのと説明していますが、それで伝わるんでしょうか。
あとでもう一度話を聞かされそうです。
そういえば、ユウリの前世の話をしたのでしょうか。異世界の話をしれっとしてますけど。
あれも公然の秘密?
「沸いてる」
「はっ。すみませんっ」
クルス様に言われてようやく気がつきました。というかいつの間に……。そっと火を消されました。
あたしの胸元に視線を止めて、驚いたように目を見開いてましたけど。
ああ、指輪。
「ありがとうございます。綺麗ですね」
「あ、ああ」
ごもごもと言われて、小さく頭を振られたんですけど。どうしたんでしょうね?
「着替えてくる」
そう言えば出かけたままの格好でしたね。そもままふらっと部屋を出て行ったようでした。変、ですよね? つけてるのがおかしかったでしょうか。
気にしても答えてはくれないので気にしない事にしましょう。着替えて戻ってくる頃にはさすがにお茶も入れ終わってると思います。たぶん。
それからはぼんやりせずに四人分いれました。皆の好みが違うというのも面倒ですが、無心にはなれますね。
「どうぞ」
「ありがとう」
「むむっ」
ゲイルさんは余裕の表情でリバーシの盤を見ていますね。あたしに返答する気持ち的余裕があります。
ユウリはやりこまれているのか難しい表情のままで目線を送ってきただけでした。
あら、隅をとられてはなかなか難しそうですね。
「ここ、どうです?」
「そこ行くとここがあとでひっくり返されて、で、ここもやられる」
……なかなかに奥深いようです。少なくともあたしには向かないのはわかりました。先読みしませんね。直感でやりますから。読めないとゲイルさんを嘆かせるのはそのあたりでしょうか。
席取りが難しいなと思いながらユウリの隣りに座りました。少々距離は離してますけど。
「それ、どうしたの?」
「へ?」
かたりと音を立てたせいかユウリがこちらを見て不思議そうな顔をしています。なにか違うところがありましたっけ?
「ネックレスかな。いや、指輪?」
「指輪です。なにかの魔動具みたいですよ?」
しまい忘れていました。見られるのも恥ずかしいので服の下に隠そうとしたのですが。
「あ」
ゲイルさんが妙に大きな声を出したので、びくっとします。ユウリも驚いたのか二人で凝視してしまいました。
「い、いや、なんでもな、いや、でもな」
動揺が駄々漏れです。ユウリと顔を見あわせたのもおかしくはないと思います。このシンプルな指輪がそれほどおかしいとは思えないのですけど。
ゲイルさんはしばらく自問自答しているようなので、ユウリと次の手をああでもない、こうでもないと話をして。
「よし。ここ」
ユウリはようやく場所を決めたようでした。
「こっちじゃないか?」
ぱちんと別の場所に置き直されました。おや?
「おかしい」
ゲイルさんが我に返ったように言い出しました。
ええと、どれがおかしいんでしょうかね?
「いつの間にか二対一になってるのも、ディレイが次の手をおくのもおかしい」
……でしょうね。
気がつけば三対一とかずるいってもんじゃないですものね。クルス様もいつの間にか背後にいますし。ちゃっかりマグカップを持っているところを見るとけっこう長くそこにいた気がしますよ。
「あとそれの説明してないだろ」
「これから」
それと指さすのはどうかと思いますが、この指輪。ワケありらしいですね。うっかり指につけなくて良かったようです。
ユウリは首をかしげてますね。
魔導師にしかわからない何か、ということでしょうか。
「なにか、残っているものはあるか? 帰る方を優先して食べてこなかった」
「じゃあ、用意しますね。ユウリもなにか食べます?」
「ん。果物あったら嬉しいな」
「俺は?」
「我々は少しばかり節制が必要だと思います」
「お、おう」
クルス様にちょっと不思議そうに見られましたけど、言いたくはありません。
乙女の秘密なのです。まあ、乙女っていうには年くってますけど。あとゲイルさんも乙女じゃないですけど。
……ま、追っ払われたのは気がつかなかったふりをしてあげます。悪気はないのでしょうけど、秘密にされること多くないですかね?
ま、戻りませんでしたけど。
ラマのように頑固なんて言われてしましたが、この世界にラマはいるのでしょうか?
帰ってきたのが嬉しくて、うっかり抱きつきにいこうとして自制したんですが。耳に息吹き込むとか意味がわかりません。なんてことをするんですかっ!
許可制の話はお忘れで……いえ、聞かれる方が恥ずかしいです。
薄々察してはいましたが、追い詰めていくの楽しんでますね……。そんな慌てるの楽しいのでしょうか。
それとも別の意味があるんでしょうか。
逃げるのは許さないというのでもないので、そのままにしておいてますけど。
……狼狽えているところを追い打ちかけてみれば理解出来るでしょうか。でもやったら大変なことにしかならなさそうな気がします。
難しいですね。
新しい距離感が全くつかめません。
お土産と言って渡された箱についてもそうです。朝、寝ぼけてなにかやらかしたようです。ああ、いい夢だったわと処理された全貌が全く残ってません。
幸せとかなんとか思ったのは確かなのですが。
悪い事ではないですが、憶えていないのです。クルス様がすこしばかり気落ちしたようにみえたのですけど、何だったんでしょう。
聞いたら自爆しそうな予感がひしひしとしていますが、そのままにしておくのも精神衛生上よろしくない気がします。
小さく頭を振ってとりあえず憶えて居ないことは後回しにします。
それよりお土産です。手渡されたその箱はとても丁寧に包装されたものでした。
特別感があるといいますか。気軽に渡すような、お土産と言えるようなものではありません。
一度部屋に戻ってコートを脱いで、代わりにちょっと厚手のショールを出して肩から羽織りました。
箱は机の上に置いてみましたが、気になります。
何が入っているんでしょう?
一人だし、いいかと気軽に、いえ、わくわくして開けました。
包装の厳重さから比べれば中身は普通に見える指輪とネックレスにするような鎖が一つ入っていました。
枠と石が一体になっている形でつるりとした表面は可愛いピンクゴールドでした。
薄い色の石は黄色みを帯びた茶色ですが、角度によってきらりと光るところがあって不思議な感じがします。日のあるところで見たら綺麗そうです。
……さて。
指輪というのは特別な感じがします。そのまま指につけるのも違うような気もするので、鎖に通してつけてみましょうか。ま、出来ればつけてもらいたいというところです。
身につければ小さく音がしました。ほんの一瞬。綺麗な旋律が。
「……魔動具ですか」
ちょっとだけがっかりした気がしました。ええ、何か普通のものをもらえる気もしなかったんですけどね。
効果についてはあとで確認しておきましょう。
つい先日、壊したものの代わりかなにかなのですかね。あれもピンクゴールドでした。
期待した自分にがっかりですよ。何を期待してるんですか。特別な何かというのは、望みすぎではないでしょうか。
気を取り直して、服の下に指輪をしまったのは習性に近いですね。仕事上、邪魔になるのでいつも服の下に入れてました。
さてと。思ったより時間がかかったので、さっさと降りて準備しないといけませんね。
ダイニングを覗けばユウリとゲイルさんが難しい顔でリバーシをしていました。
「あ、帰ってきた? ほら僕の言うとおりじゃないか」
「うーん。変なのに捕まらなかったんだな。で、何を作って欲しいんだ?」
「それは検討しておく。小さい時計とかさ欲しい気もするけど」
ユウリの自称が僕に戻ってますね。外面の練習中でしょうか。ゆるゆるでしたものね。
そして、人のコトで賭をしないでいただきたいものです。
やかんでお湯を沸かして、お茶の準備をする。これだけですけどね。出来ることがあるのは良いと思います。
お湯が沸くまで。
鎖を引き出して、指輪を眺めます。この石、どこかで知ってる色な気がしますね。記憶のどこかに引っかかる感じがします。でも、どの指に入れればいいんでしょう? サイズ知ってるわけありませんし。
自動でサイズ調整とかしたりするんでしょうか。
まあ、さっきはちょっとがっかりしましたけど、これはこれで嬉しいわけで。
にやにやしちゃいますよね。
ばたりと扉が閉まる音がしました。クルス様が入ってきたようです。
やはり開く音はしないんですよね。音を立てるにはコツがあるそうですけど。音を消して扉を閉めることも可能らしいですね。自力で解明する課題がゲイルさんから追加されたのが納得がいきません。
「お帰り。遅かったけど、どうしたの?」
「魔導協会で捕まった。どちらもどうにかすると言ってたが、ゲイルはいつ戻るって聞いてたぞ」
「え、俺が動かされるの? 嫌だな。でも、運動……」
ゲイルさんが迷いに迷ったことを言い出しました。よほどリリーさんに何か言われるのが嫌のようですね。
あたしもなにか言われるのは嫌ですけど。
「明日には戻る」
「彼女のことを聞かれるから覚悟はしとくんだな」
「異世界の料理道具のプレゼンしてくればいい?」
……なにをする気なんでしょうか。そりゃあ、聞かれるままに色々話しましたけど。そして、プレゼンという言葉を覚えてしまいましたか。異世界に言語が広まっていきます。責任は取れませんよ。
「あ、油ひかなくてもくっつかないフライパンを求めるっ!」
それはあたしも欲しいですね。ユウリがゲイルさんにこんなのと説明していますが、それで伝わるんでしょうか。
あとでもう一度話を聞かされそうです。
そういえば、ユウリの前世の話をしたのでしょうか。異世界の話をしれっとしてますけど。
あれも公然の秘密?
「沸いてる」
「はっ。すみませんっ」
クルス様に言われてようやく気がつきました。というかいつの間に……。そっと火を消されました。
あたしの胸元に視線を止めて、驚いたように目を見開いてましたけど。
ああ、指輪。
「ありがとうございます。綺麗ですね」
「あ、ああ」
ごもごもと言われて、小さく頭を振られたんですけど。どうしたんでしょうね?
「着替えてくる」
そう言えば出かけたままの格好でしたね。そもままふらっと部屋を出て行ったようでした。変、ですよね? つけてるのがおかしかったでしょうか。
気にしても答えてはくれないので気にしない事にしましょう。着替えて戻ってくる頃にはさすがにお茶も入れ終わってると思います。たぶん。
それからはぼんやりせずに四人分いれました。皆の好みが違うというのも面倒ですが、無心にはなれますね。
「どうぞ」
「ありがとう」
「むむっ」
ゲイルさんは余裕の表情でリバーシの盤を見ていますね。あたしに返答する気持ち的余裕があります。
ユウリはやりこまれているのか難しい表情のままで目線を送ってきただけでした。
あら、隅をとられてはなかなか難しそうですね。
「ここ、どうです?」
「そこ行くとここがあとでひっくり返されて、で、ここもやられる」
……なかなかに奥深いようです。少なくともあたしには向かないのはわかりました。先読みしませんね。直感でやりますから。読めないとゲイルさんを嘆かせるのはそのあたりでしょうか。
席取りが難しいなと思いながらユウリの隣りに座りました。少々距離は離してますけど。
「それ、どうしたの?」
「へ?」
かたりと音を立てたせいかユウリがこちらを見て不思議そうな顔をしています。なにか違うところがありましたっけ?
「ネックレスかな。いや、指輪?」
「指輪です。なにかの魔動具みたいですよ?」
しまい忘れていました。見られるのも恥ずかしいので服の下に隠そうとしたのですが。
「あ」
ゲイルさんが妙に大きな声を出したので、びくっとします。ユウリも驚いたのか二人で凝視してしまいました。
「い、いや、なんでもな、いや、でもな」
動揺が駄々漏れです。ユウリと顔を見あわせたのもおかしくはないと思います。このシンプルな指輪がそれほどおかしいとは思えないのですけど。
ゲイルさんはしばらく自問自答しているようなので、ユウリと次の手をああでもない、こうでもないと話をして。
「よし。ここ」
ユウリはようやく場所を決めたようでした。
「こっちじゃないか?」
ぱちんと別の場所に置き直されました。おや?
「おかしい」
ゲイルさんが我に返ったように言い出しました。
ええと、どれがおかしいんでしょうかね?
「いつの間にか二対一になってるのも、ディレイが次の手をおくのもおかしい」
……でしょうね。
気がつけば三対一とかずるいってもんじゃないですものね。クルス様もいつの間にか背後にいますし。ちゃっかりマグカップを持っているところを見るとけっこう長くそこにいた気がしますよ。
「あとそれの説明してないだろ」
「これから」
それと指さすのはどうかと思いますが、この指輪。ワケありらしいですね。うっかり指につけなくて良かったようです。
ユウリは首をかしげてますね。
魔導師にしかわからない何か、ということでしょうか。
「なにか、残っているものはあるか? 帰る方を優先して食べてこなかった」
「じゃあ、用意しますね。ユウリもなにか食べます?」
「ん。果物あったら嬉しいな」
「俺は?」
「我々は少しばかり節制が必要だと思います」
「お、おう」
クルス様にちょっと不思議そうに見られましたけど、言いたくはありません。
乙女の秘密なのです。まあ、乙女っていうには年くってますけど。あとゲイルさんも乙女じゃないですけど。
……ま、追っ払われたのは気がつかなかったふりをしてあげます。悪気はないのでしょうけど、秘密にされること多くないですかね?
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