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第36話
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「レベッカさんのおっしゃるとおりです。アレン様と私は金銭的な利益により結ばれました・・・それが何だというのです?」
「はあっ・・・!?」
「貴族の結婚が単なる色恋では済まないことをご存じではないわけではないでしょう? 会ったこともない相手と結婚するなど、貴族ならばいくらでもあり得る話です・・・だからこそ、どう出会ったのではなく、どう過ごしていくかが大事なのではないですか?」
「どういう意味よ?!」
「確かに出会いは望ましいものとは言い難かったですが・・・今では夫婦として心を通わせているという意味ですよ」
「う、嘘よ! エスクワイア夫人、この女のいうことを真に受けてはいけません! どうせ金に目がくらんだか、アレン・ヴェルファイアに脅されてるに決まってますわ!」
「! 言わせておけば・・・いくら何でも言っていいことと悪いことの区別くらい・・・」
パンパンパンッ!
「そこまでです!!」
私が思わず大声を出しそうになったその時、エスクワイア夫人が手をたたく音が鳴った。
「レベッカ・シエンタさん・・・それ以上は名誉棄損です。私の催す品評会でこれ以上の狼藉は許されませんよ」
エスクワイア夫人が真顔ですごんで見せた。
「先ほどエミリー・ヴェルファイアさんとお話をして、直接その目を見て、お金に釣られるような方ではないことも、ましてや脅されているわけでもないこともよく分かりましたわ。それよりも・・・人づてに聞きましたがあなた方は市場の宝石を買い占めたそうですね。この品評会は宝飾品の質を競うものです。資金力にものを言わせて他の方々の出品を妨げるような行為こそ問題ですよ?」
「ど、どうして、それを知ってるんです?! 間にいくつもの業者を挟んでるから私とは分からないはずなのに・・・」
エスクワイア夫人は答えるかわりに穏やかな笑みを返して見せた。
「やめようレベッカ。これ以上あがいても、僕らが不利になるだけだよ・・・」
見かねたラルフがレベッカ・シエンタの肩に手を置き、たしなめた。
「ふざけないで! あんたも何か言いなさいよラルフ! 借金してまで市場の宝石を買い占めたのに品評会のMVPを獲れなかったらどうやって返済するってのよ!」
ラルフの静止も聞かずにレベッカ・シエンタは地団太を踏む。
もう結果は決まったのだから、これ以上わがままを言っても自分が不利になるだけだろうに・・・。
ラルフはおろおろしながらレベッカ・シエンタをなだめようとするも彼女の憤りは収まりそうになかった。
(なんだか可哀そうね・・・)
私を切り捨てより良い条件の女性と結ばれるつもりだったろうに、人前で喚く妻をなだめる羽目になっているラルフが自業自得とはいえ哀れに思えた。
「彼が気になるかいエミリー?」
アレン様が私の耳に口を寄せて尋ねてきた。
「ええ、少し・・・仮にも一時は婚約者でしたから・・・」
「優しいね君は。それじゃ、エミリーの気がかりを解消がてら売り込みでもしてこようか」
「売り込み?」
アレン様は悪戯っぽい笑みを浮かべると、レベッカ・シエンタのもとに歩み寄っていった。
「はあっ・・・!?」
「貴族の結婚が単なる色恋では済まないことをご存じではないわけではないでしょう? 会ったこともない相手と結婚するなど、貴族ならばいくらでもあり得る話です・・・だからこそ、どう出会ったのではなく、どう過ごしていくかが大事なのではないですか?」
「どういう意味よ?!」
「確かに出会いは望ましいものとは言い難かったですが・・・今では夫婦として心を通わせているという意味ですよ」
「う、嘘よ! エスクワイア夫人、この女のいうことを真に受けてはいけません! どうせ金に目がくらんだか、アレン・ヴェルファイアに脅されてるに決まってますわ!」
「! 言わせておけば・・・いくら何でも言っていいことと悪いことの区別くらい・・・」
パンパンパンッ!
「そこまでです!!」
私が思わず大声を出しそうになったその時、エスクワイア夫人が手をたたく音が鳴った。
「レベッカ・シエンタさん・・・それ以上は名誉棄損です。私の催す品評会でこれ以上の狼藉は許されませんよ」
エスクワイア夫人が真顔ですごんで見せた。
「先ほどエミリー・ヴェルファイアさんとお話をして、直接その目を見て、お金に釣られるような方ではないことも、ましてや脅されているわけでもないこともよく分かりましたわ。それよりも・・・人づてに聞きましたがあなた方は市場の宝石を買い占めたそうですね。この品評会は宝飾品の質を競うものです。資金力にものを言わせて他の方々の出品を妨げるような行為こそ問題ですよ?」
「ど、どうして、それを知ってるんです?! 間にいくつもの業者を挟んでるから私とは分からないはずなのに・・・」
エスクワイア夫人は答えるかわりに穏やかな笑みを返して見せた。
「やめようレベッカ。これ以上あがいても、僕らが不利になるだけだよ・・・」
見かねたラルフがレベッカ・シエンタの肩に手を置き、たしなめた。
「ふざけないで! あんたも何か言いなさいよラルフ! 借金してまで市場の宝石を買い占めたのに品評会のMVPを獲れなかったらどうやって返済するってのよ!」
ラルフの静止も聞かずにレベッカ・シエンタは地団太を踏む。
もう結果は決まったのだから、これ以上わがままを言っても自分が不利になるだけだろうに・・・。
ラルフはおろおろしながらレベッカ・シエンタをなだめようとするも彼女の憤りは収まりそうになかった。
(なんだか可哀そうね・・・)
私を切り捨てより良い条件の女性と結ばれるつもりだったろうに、人前で喚く妻をなだめる羽目になっているラルフが自業自得とはいえ哀れに思えた。
「彼が気になるかいエミリー?」
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「ええ、少し・・・仮にも一時は婚約者でしたから・・・」
「優しいね君は。それじゃ、エミリーの気がかりを解消がてら売り込みでもしてこようか」
「売り込み?」
アレン様は悪戯っぽい笑みを浮かべると、レベッカ・シエンタのもとに歩み寄っていった。
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