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現代の常識学
少女の意志
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…………ラ…
(…?)
声が聞こえた気がした…
………シ…ラ…
(まただ…)
………シェラ…
(…ッ!この声は!)
『シェラ様!』
(ティアラの声だ!)
『シェラ様!立ち上がってください!』
(ティアラ…ありがとね)
私の身体に遠くに行きかけていた意識が戻って、視界が大地を映し出す。
私は身体中に駆け巡る激痛を無視しながら立ち上がる。
同時にスカーレットとカリヤが吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
ティアラの方は3番チームとの決着は着いていたが、シルバの相手もしていたのか、満身創痍でかなり消耗していた。
ディアは3番チームの残った2人と戦っていた。
ティアラは私との契約があるにもかかわらず、全身が血だらけになるほど消耗が激しいのを理解する。
だが、全身から血を流しながらも持ち堪えている。
2番のチームの2人は気絶しており、クレイの方は壁際で地に伏せた状態で力無く這いつくばりながらも少し先の剣を取ろうとしていた。
ティアラは起き上がった私の顔を見て、安心した様子で微笑む。
シルバがそれに気がついて私の方を振り返る。
(たかが試験と油断してあんな単純な攻撃を受けてしまうなんて大賢者らしからぬ痛恨のミスだわ…)
そうこうして体勢を整える前にシルバの追撃が迫る。
「オラァ!」
私はなんとか突き出された右手を右手で抑え込むが、少女の腕には耐えきれない衝撃が骨を砕く。
「ぐあッ!負けてたまるかぁ!」
私は気合いで痛みをねじ伏せ、根性で意識を保ち、なんとか隙を作ろうと左手に魔力を込める。
「氷河の凍てつきを込めて…発勁!」
私の左手の掌がシルバの腹に直撃すると同時に内部に向かって氷属性の魔力を放って内部を凍結させて動きを鈍らせる。
一瞬動きが止まった隙に少し後ろに飛んで距離をとる。
「うおっ!?今度はなかなか良い一撃をくれるじゃねぇか!」
シルバがそう言って自身の筋肉の熱量で凍結状態を回復する。
「隙が出来ましたね!」
私は魔力を少しだけ解放する。
「ファーストエイド!」
私の全身を癒しの魔力が行き渡り、潰れた内蔵と折れた骨をほぼ完治に近い状態まで回復させる。
「回復魔法だと!?しかも、俺も知らねぇ回復魔法じゃねぇか!」
驚きの表情でシルバが言う。
「言ったでしょう?私は強いって!」
私は会場の仲間たちの身体に魔力を送って回復魔法を使う。
「精霊の癒しを!グランドエイド!」
私の回復魔法で満身創痍の仲間全員の傷を癒す。
「なにぃ!?範囲回復まで使えるだと!」
私は魔力を練る。
「これで終わりですっ!反撃増幅!」
私は地を蹴り、左手に雷属性の魔力を乗せる。
そこに相手の攻撃から反撃をする時にのみ発動可能な極大強化魔法…
反撃増幅で更なる力を上乗せする。
「轟く稲妻の一撃をふるえ!轟雷八卦掌!」
「どごおおおおおおお!」と高圧の電撃が暴力的な雷鳴と共にシルバの身体を雷が貫く!
「ガッ!」
シルバの身体が吹っ飛び、地面に叩きつけられる。
「フッ…見事だ…」
シルバはそう言うとそのまま力なく身体を伸ばし動かなくなる。
「ふぅ…なんとかなったわね。」
試験会場の奥から出てきた先の尖った長い耳の白く長い髪のエメラルドの瞳の小さな少女が倒れたシルバの顔を覗き込むように顔を見下ろす。
「あーらら…こりゃ、完全に意識飛んじゃってるわな。」
私たち全員が少女の元に集まる。
「あんたら、すごいわな。あのシルバを気絶させるなんて初めてだわな。こやつは加減をしないから、毎年死傷者が多数出るんだわな。そのおかげでいつもは受験者が全員全滅してるのだわな。」
少女はそう言うとシルバに回復魔法を使う。
「お主、名前はなんと言うのだわな?」
少女が私の方を向いて指をさして言う。
「私はシェラだよ!」
「シェラか…良い名だわな…」
少女はそう言うと「クックックッ…」と楽しそうに笑う。
「儂はベリュティールだわな。気軽にベティと呼ぶが良いわな。見ての通り精霊族のエルフだわな。」
べリュティールはそう言うと私に1枚の金のカードを渡す。
「これは…?」
「それはこの学園の卒業に必要なカードだわな。もちろん、1枚では卒業出来ないのだわな。」
そして、その場で立っているティアラ以外の全員に銀のカード、ティアラには金のカードが2枚渡された。
「あの…べリュティール様、私のカードが2枚なのですが…それにまだ試験結果は出てませんよ。」
ティアラが困惑した様子で言う。
「クックックッ…お前たちみたいな優秀なやつを逃すほど学園は馬鹿じゃないわな。それに理事長の儂がお前たちを気に入ったと言えば、反対するものはいないわな。」
べリュティールはそう言うと楽しそうに笑う。
「理事長…と言う事はべリュティールさんって…あのAランク冒険者のトップに居たとされる剛拳魔神って事ですか!?」
スカーレットが驚いた様子で言う。
「ベティで良いと言ったのだが…全く…儂はそんな可愛くない肩書きなど知らんわな。だが、Aランク冒険者の頂点に居るのは間違いないわな。」
べリュティールは放置されて困惑しているティアラに向き直ると言う。
「忘れるところだったわな。お前に2枚のカードを渡したのは他でもない、お前の活躍あっての突破だからだわな。」
「そんな事は…」
否定しようとするティアラの口をべリュティールの人差し指が閉じさせる。
そして、耳元に顔を近づけて小さな声で言う。
「君は魔族なのだわな?それもあのシェラと言う強者と契約しておるわな。シェラが油断して倒れた時、君が魔力を送っていたのを儂はわかっているんだわな。ここまで言えば、君ならば解るはずだわな。」
べリュティールがティアラから離れる。
『あの眼は…間違いなく魔眼ですね。それも魔王クラスの契約によるものです。私がシェラ様とやり取りしているのが、内容は分からずとも筒抜けのようですね。』
ティアラが気を引き締めた様子だった。
「クックックッ…2日後が楽しみだわな。」
べリュティールはそう言って私たちを奥の部屋に案内する。
『シェラよ。あのべリュティールとか言うエルフ、私と同じ魔王を宿しておる。それも今の弱い力の世界では無い…世界に力があった旧代の魔王じゃ。もしあれが本気を出したなら、生前のお主の全盛期に近い実力を持っているかもしれぬぞ。もっとも、私が知るのは、私がお主と出会った後のお主の全盛期だがな。』
シャタルアのまさかの発言に私は驚く。
生前の私…つまり、大賢者シェテラエンデに近いと言う事はそれだけでも神の領域に居るのは間違いない。
それもこの力が弱い時代にそれだけの力を持っているともあれば、私と同じ時代に居たら、確実にシェテラエンデの名は世界に届く事は無かっただろう。
アレイア…もとい、シャタルアと出会った時は既に全盛期の3分の1ほどまで力が低下していたが、それでもXランクの平均くらいの力があった。
そう思うと恐ろしい者が誕生したなと私は感じる。
そして、べリュティールが案内した先で魔法陣の上に乗る。
「これで試験は終わりだわな。入口まで戻すから気をつけて帰るのだわな。」
べリュティールはそう言うと魔法陣に魔力を流して私以外の全員を入口に送る。
「あれ…私は?」
取り残された私が言うとべリュティールは真剣な眼差しで言う。
「お主、儂と手を組まないか?」
「…へ?」
「儂はお主のことを気に入った。だから、お主と手を組もうと思うんだ。儂はお主のような強者が好きだし、今のお主の力をもっと伸ばせるかもしれん。そうすれば、Sランクも夢では無い。」
べリュティールの言うことはわかる。
確かに生前の私はXランクでSランクなんか足元にも及ばない実力者ではあった。
だから、Sランクも夢ではないのだろう。
しかし、私は…
私はべリュティールの目を見てハッキリと言う。
「私は研究の方が性に合うので、その傍らで出来ることなら良いですよ。」
嘘は言っていない。
実際、私は自他ともに認める研究バカだからね。
何をやるのも研究が最優先だし、そのおかげで大賢者として恥じないさまざまな伝承が残るほどだからね。
…おいそこ。イカれポンチとか言うな。
「クックックッ…その言葉を聞いて、儂はますますお主を気に入ったわな!入学したら儂の元に来るといいわな。お主も絶対気に入るものを見せてやるわな。」
「あはは!それは楽しみです!」
私が笑って応えるとべリュティールが軽く手を振る。
「そんじゃ、またな…だわな!」
「えぇ、また!」
魔法陣が発動し、一瞬の浮遊感の後、受付に戻される。
そして、皆とともに家に帰るのだった。
(…?)
声が聞こえた気がした…
………シ…ラ…
(まただ…)
………シェラ…
(…ッ!この声は!)
『シェラ様!』
(ティアラの声だ!)
『シェラ様!立ち上がってください!』
(ティアラ…ありがとね)
私の身体に遠くに行きかけていた意識が戻って、視界が大地を映し出す。
私は身体中に駆け巡る激痛を無視しながら立ち上がる。
同時にスカーレットとカリヤが吹き飛ばされて壁に叩きつけられた。
ティアラの方は3番チームとの決着は着いていたが、シルバの相手もしていたのか、満身創痍でかなり消耗していた。
ディアは3番チームの残った2人と戦っていた。
ティアラは私との契約があるにもかかわらず、全身が血だらけになるほど消耗が激しいのを理解する。
だが、全身から血を流しながらも持ち堪えている。
2番のチームの2人は気絶しており、クレイの方は壁際で地に伏せた状態で力無く這いつくばりながらも少し先の剣を取ろうとしていた。
ティアラは起き上がった私の顔を見て、安心した様子で微笑む。
シルバがそれに気がついて私の方を振り返る。
(たかが試験と油断してあんな単純な攻撃を受けてしまうなんて大賢者らしからぬ痛恨のミスだわ…)
そうこうして体勢を整える前にシルバの追撃が迫る。
「オラァ!」
私はなんとか突き出された右手を右手で抑え込むが、少女の腕には耐えきれない衝撃が骨を砕く。
「ぐあッ!負けてたまるかぁ!」
私は気合いで痛みをねじ伏せ、根性で意識を保ち、なんとか隙を作ろうと左手に魔力を込める。
「氷河の凍てつきを込めて…発勁!」
私の左手の掌がシルバの腹に直撃すると同時に内部に向かって氷属性の魔力を放って内部を凍結させて動きを鈍らせる。
一瞬動きが止まった隙に少し後ろに飛んで距離をとる。
「うおっ!?今度はなかなか良い一撃をくれるじゃねぇか!」
シルバがそう言って自身の筋肉の熱量で凍結状態を回復する。
「隙が出来ましたね!」
私は魔力を少しだけ解放する。
「ファーストエイド!」
私の全身を癒しの魔力が行き渡り、潰れた内蔵と折れた骨をほぼ完治に近い状態まで回復させる。
「回復魔法だと!?しかも、俺も知らねぇ回復魔法じゃねぇか!」
驚きの表情でシルバが言う。
「言ったでしょう?私は強いって!」
私は会場の仲間たちの身体に魔力を送って回復魔法を使う。
「精霊の癒しを!グランドエイド!」
私の回復魔法で満身創痍の仲間全員の傷を癒す。
「なにぃ!?範囲回復まで使えるだと!」
私は魔力を練る。
「これで終わりですっ!反撃増幅!」
私は地を蹴り、左手に雷属性の魔力を乗せる。
そこに相手の攻撃から反撃をする時にのみ発動可能な極大強化魔法…
反撃増幅で更なる力を上乗せする。
「轟く稲妻の一撃をふるえ!轟雷八卦掌!」
「どごおおおおおおお!」と高圧の電撃が暴力的な雷鳴と共にシルバの身体を雷が貫く!
「ガッ!」
シルバの身体が吹っ飛び、地面に叩きつけられる。
「フッ…見事だ…」
シルバはそう言うとそのまま力なく身体を伸ばし動かなくなる。
「ふぅ…なんとかなったわね。」
試験会場の奥から出てきた先の尖った長い耳の白く長い髪のエメラルドの瞳の小さな少女が倒れたシルバの顔を覗き込むように顔を見下ろす。
「あーらら…こりゃ、完全に意識飛んじゃってるわな。」
私たち全員が少女の元に集まる。
「あんたら、すごいわな。あのシルバを気絶させるなんて初めてだわな。こやつは加減をしないから、毎年死傷者が多数出るんだわな。そのおかげでいつもは受験者が全員全滅してるのだわな。」
少女はそう言うとシルバに回復魔法を使う。
「お主、名前はなんと言うのだわな?」
少女が私の方を向いて指をさして言う。
「私はシェラだよ!」
「シェラか…良い名だわな…」
少女はそう言うと「クックックッ…」と楽しそうに笑う。
「儂はベリュティールだわな。気軽にベティと呼ぶが良いわな。見ての通り精霊族のエルフだわな。」
べリュティールはそう言うと私に1枚の金のカードを渡す。
「これは…?」
「それはこの学園の卒業に必要なカードだわな。もちろん、1枚では卒業出来ないのだわな。」
そして、その場で立っているティアラ以外の全員に銀のカード、ティアラには金のカードが2枚渡された。
「あの…べリュティール様、私のカードが2枚なのですが…それにまだ試験結果は出てませんよ。」
ティアラが困惑した様子で言う。
「クックックッ…お前たちみたいな優秀なやつを逃すほど学園は馬鹿じゃないわな。それに理事長の儂がお前たちを気に入ったと言えば、反対するものはいないわな。」
べリュティールはそう言うと楽しそうに笑う。
「理事長…と言う事はべリュティールさんって…あのAランク冒険者のトップに居たとされる剛拳魔神って事ですか!?」
スカーレットが驚いた様子で言う。
「ベティで良いと言ったのだが…全く…儂はそんな可愛くない肩書きなど知らんわな。だが、Aランク冒険者の頂点に居るのは間違いないわな。」
べリュティールは放置されて困惑しているティアラに向き直ると言う。
「忘れるところだったわな。お前に2枚のカードを渡したのは他でもない、お前の活躍あっての突破だからだわな。」
「そんな事は…」
否定しようとするティアラの口をべリュティールの人差し指が閉じさせる。
そして、耳元に顔を近づけて小さな声で言う。
「君は魔族なのだわな?それもあのシェラと言う強者と契約しておるわな。シェラが油断して倒れた時、君が魔力を送っていたのを儂はわかっているんだわな。ここまで言えば、君ならば解るはずだわな。」
べリュティールがティアラから離れる。
『あの眼は…間違いなく魔眼ですね。それも魔王クラスの契約によるものです。私がシェラ様とやり取りしているのが、内容は分からずとも筒抜けのようですね。』
ティアラが気を引き締めた様子だった。
「クックックッ…2日後が楽しみだわな。」
べリュティールはそう言って私たちを奥の部屋に案内する。
『シェラよ。あのべリュティールとか言うエルフ、私と同じ魔王を宿しておる。それも今の弱い力の世界では無い…世界に力があった旧代の魔王じゃ。もしあれが本気を出したなら、生前のお主の全盛期に近い実力を持っているかもしれぬぞ。もっとも、私が知るのは、私がお主と出会った後のお主の全盛期だがな。』
シャタルアのまさかの発言に私は驚く。
生前の私…つまり、大賢者シェテラエンデに近いと言う事はそれだけでも神の領域に居るのは間違いない。
それもこの力が弱い時代にそれだけの力を持っているともあれば、私と同じ時代に居たら、確実にシェテラエンデの名は世界に届く事は無かっただろう。
アレイア…もとい、シャタルアと出会った時は既に全盛期の3分の1ほどまで力が低下していたが、それでもXランクの平均くらいの力があった。
そう思うと恐ろしい者が誕生したなと私は感じる。
そして、べリュティールが案内した先で魔法陣の上に乗る。
「これで試験は終わりだわな。入口まで戻すから気をつけて帰るのだわな。」
べリュティールはそう言うと魔法陣に魔力を流して私以外の全員を入口に送る。
「あれ…私は?」
取り残された私が言うとべリュティールは真剣な眼差しで言う。
「お主、儂と手を組まないか?」
「…へ?」
「儂はお主のことを気に入った。だから、お主と手を組もうと思うんだ。儂はお主のような強者が好きだし、今のお主の力をもっと伸ばせるかもしれん。そうすれば、Sランクも夢では無い。」
べリュティールの言うことはわかる。
確かに生前の私はXランクでSランクなんか足元にも及ばない実力者ではあった。
だから、Sランクも夢ではないのだろう。
しかし、私は…
私はべリュティールの目を見てハッキリと言う。
「私は研究の方が性に合うので、その傍らで出来ることなら良いですよ。」
嘘は言っていない。
実際、私は自他ともに認める研究バカだからね。
何をやるのも研究が最優先だし、そのおかげで大賢者として恥じないさまざまな伝承が残るほどだからね。
…おいそこ。イカれポンチとか言うな。
「クックックッ…その言葉を聞いて、儂はますますお主を気に入ったわな!入学したら儂の元に来るといいわな。お主も絶対気に入るものを見せてやるわな。」
「あはは!それは楽しみです!」
私が笑って応えるとべリュティールが軽く手を振る。
「そんじゃ、またな…だわな!」
「えぇ、また!」
魔法陣が発動し、一瞬の浮遊感の後、受付に戻される。
そして、皆とともに家に帰るのだった。
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