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第四幕 恋雪
恋雪―1
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「仲見世?」
受付の掃除をしていたあさぎは、初めて聞く言葉に首を傾げた。琥珀はその反応を予想していたようで、すぐに詳しく教えてくれた。
「前に少しだけ話したことがあっただろう。浅草は、東京府の管轄になって一区から六区に分けられたと」
「うん。ここは六区で、芝居小屋が多い場所だって」
「そうだ。和菓子屋や土産物屋が多くあるのが、浅草寺近くの二区の仲見世だ。前に作業中に菓子を差し入れしたら、それが定番になってな。菓子を常備してるんだが、なくなってきたから、買いに行こうと思ってな」
琥珀は一度言葉を切ると、説明の前に言ったことをもう一度口にした。
「一緒に仲見世に行かないか?」
「行きたい!」
あさぎは即答した。菓子屋がたくさん並ぶところ、とても楽しそうだ。これまで、草子を読んだり、仕事を覚えたりと忙しくしていたため、黄昏座とその周辺のごく狭い範囲しか歩いたことがない。
「ああ、そうだ。絵草子屋もあるから、そこも見るか。今あるのは読み終わったんだろう?」
「うん。借りたものは全部。お菓子も絵草子も両方楽しみ」
あさぎは、満面の笑みで頷いた。琥珀も、つられて嬉しそうな表情になった。そして、思い出したように、ああ、と言った。
「寧々さんに出掛けてくると言っておかないとな」
「さっき楽屋にいるの見たよ。私、言ってくるよ」
あさぎは、言い終わるよりも前に、裏へ走っていった。
先ほどまでと変わらず楽屋にいた寧々に、琥珀と出掛けてくることを伝えた。そのままくるりと背を向けて戻ろうとしたが、なぜか止められた。
「その恰好で行くん?」
「はい。そのつもりです、けど、駄目ですか」
あさぎは、いつものように浅葱色の着物に袴を身に着けている。花音からいくつか着物を譲ってもらっていたが、自分の着物であるこれは落ち着くので、よく着ている。
「駄目やないけど、女学生に間違われるかもしれんよ。今はまだお昼やから、女学生は仲見世にはおらん時間帯や。どこの学校の者やって言われたら困るやろ?」
「た、確かに……」
「着物だけで着なおせばええけど、せっかくやし、あたしの着物貸したるよ。おいで」
寧々は、楽屋に置いてある箪笥の中から、いくつか着物を取り出した。紅色に黄色い花が咲いたもの、朱色に扇が描かれているものなど、どれも鮮やかな小紋だ。
「あさぎちゃんには、赤色よりも、この桃色の方が似合いそうやね」
いくつか着物をあさぎの胸元に当ててから、桃色に白い小さな花が咲き乱れている着物に決まったようだった。
「寧々さんの着物は、赤が多いですね」
「あの人が似合うて言うてくれた色やからなあ」
「あの人?」
「ほら、あさぎちゃん、こっち向いて」
質問は流されてしまった。貸すだけでなく着付けもしてくれるとのことで、あさぎは寧々に任せて着せ替え人形のように腕をピンと伸ばして立った。
「はい、腕通してな」
「ありがとうございます。着物貸してもらって、着付けまで」
「ええんよ。せっかくのデイトやからなあ」
「デイト!?」
あさぎは、驚いて思わず体を引いてしまった。結んでいる途中だった帯が乱れてしまい、寧々に帯ごと元の位置に戻された。
「だって琥珀と二人で出掛けるんやろ? デイトやよ」
「え、でも、お菓子の買い出しに行くだけで……」
「ほら、出来た。楽しんでおいでな」
寧々に結び終わった帯をポンと叩かれた。笑顔で手を振られて見送られ、あさぎはぎこちなく、行ってきます、と返した。
表玄関に戻ると、琥珀が中折れハットを被って受付に背中を預けて立っていた。待ちぼうけを食らっているのが、傍から見てもよく分かる。
寧々にデイトなどと言われたから、妙に緊張してきた。お出掛け仕様でハットを被っている姿は新鮮だし、あさぎを待ってくれていると思うと、心臓がうるさくなってきた。深呼吸をして、落ち着かせてから琥珀に声を掛けた。
「琥珀。ごめん、お待たせ」
「寧々さんがなかなか捕まらなかったのか……と思ったけど、なるほど、着替えてきたのか」
「女学生に間違われるかもしれないからって。変かな?」
「いいや、よく似合ってる。可愛いな」
琥珀は、何でもないことのようにそんなことを言った。せっかく落ち着けた心臓が跳ねあがった。棒立ちになっていると、先に歩き出した琥珀がこちらを振り返った。
「行かないのか?」
「行く! 待って」
あさぎはハッと我に返って走って琥珀に追いついた。
六区から二区までは、歩いて七分ほどらしい。今日が十月三十一日で月末だから人が多いのと、ゆっくり歩いたから十分ほどかかっただろうか。
仲見世は、一本の通りを挟んで両側に店が並んでいる場所を指す。目の前には、赤茶色の煉瓦で覆われた二階建ての建物が、ずっと奥まで続いている。瓦葺の建物が多い六区とは雰囲気が異なる。片側に十五以上の店が並んでいて、とても賑やかだ。あさぎは、その近代的な風景と、活気に息を呑んだ。
「わあ……」
「ここだけ異国のようだよな。二年前に東京府の管轄になって、前の店は解体されて、今の形になったらしい。東京のあちこちが煉瓦造りになってるらしいな。あさぎ、ほら」
琥珀は、当然のように右手を差し出してきた。手を繋いだりしたら、また緊張してしまいそうだ。
「いや、大丈夫」
「そうか。観光地でもあるから、人は多い。はぐれないようにな」
琥珀の後に続いて、赤煉瓦の通りを歩く。一階の庇部分から地面まで届く大きな暖簾があったり、呼び込みをする人がいたりと、どこを見ても新鮮で面白い。ふと、琥珀の足が止まった。
「ここのいり豆は美味しいんだ。食べたことはあるか?」
「ううん」
「じゃあ、少し食べるか。大きい袋のを一つと、今食べる分を一人分、頼む」
「はいよ」
店主は、いり豆の大袋を手渡した後、升形に折られた紙にざざっと豆を流し込んだ。それがあさぎの元へやって来た。香ばしい匂いがふわりと上がってくる。一つ、口の中へと放り込む。香ばしい豆の味とほんのり塩味がして、次々食べたくなる美味しさだった。
「美味しい!」
「そりゃあ、良かった。あんたの恋人は美味しそうに食べるのう」
「こ、こい……!?」
店主が琥珀に話しかけているのが聞こえてきて、あさぎは豆が喉に詰まりそうになった。琥珀も、きょとんとしていたが、あさぎの反応を見て、おかしそうに店主に笑い返した。
「そうだろう」
「ちょ、琥珀……!」
「じゃあ、また」
店主に挨拶すると、琥珀はさっさと店を離れる。慌ててあさぎも後を追った。もう一度追及しようとしたが、それより早く琥珀が口を開いた。
「もしかして、寧々さんに何か言われたか?」
「あ、う、なんにも……」
「なるほど」
琥珀は一人で勝手に納得して、楽しそうだった。あさぎは、訂正しようとしたが、それだとあさぎ自身が嫌がっているように思われてしまうような気がしてやめた。別に嫌なわけではないのだから。
受付の掃除をしていたあさぎは、初めて聞く言葉に首を傾げた。琥珀はその反応を予想していたようで、すぐに詳しく教えてくれた。
「前に少しだけ話したことがあっただろう。浅草は、東京府の管轄になって一区から六区に分けられたと」
「うん。ここは六区で、芝居小屋が多い場所だって」
「そうだ。和菓子屋や土産物屋が多くあるのが、浅草寺近くの二区の仲見世だ。前に作業中に菓子を差し入れしたら、それが定番になってな。菓子を常備してるんだが、なくなってきたから、買いに行こうと思ってな」
琥珀は一度言葉を切ると、説明の前に言ったことをもう一度口にした。
「一緒に仲見世に行かないか?」
「行きたい!」
あさぎは即答した。菓子屋がたくさん並ぶところ、とても楽しそうだ。これまで、草子を読んだり、仕事を覚えたりと忙しくしていたため、黄昏座とその周辺のごく狭い範囲しか歩いたことがない。
「ああ、そうだ。絵草子屋もあるから、そこも見るか。今あるのは読み終わったんだろう?」
「うん。借りたものは全部。お菓子も絵草子も両方楽しみ」
あさぎは、満面の笑みで頷いた。琥珀も、つられて嬉しそうな表情になった。そして、思い出したように、ああ、と言った。
「寧々さんに出掛けてくると言っておかないとな」
「さっき楽屋にいるの見たよ。私、言ってくるよ」
あさぎは、言い終わるよりも前に、裏へ走っていった。
先ほどまでと変わらず楽屋にいた寧々に、琥珀と出掛けてくることを伝えた。そのままくるりと背を向けて戻ろうとしたが、なぜか止められた。
「その恰好で行くん?」
「はい。そのつもりです、けど、駄目ですか」
あさぎは、いつものように浅葱色の着物に袴を身に着けている。花音からいくつか着物を譲ってもらっていたが、自分の着物であるこれは落ち着くので、よく着ている。
「駄目やないけど、女学生に間違われるかもしれんよ。今はまだお昼やから、女学生は仲見世にはおらん時間帯や。どこの学校の者やって言われたら困るやろ?」
「た、確かに……」
「着物だけで着なおせばええけど、せっかくやし、あたしの着物貸したるよ。おいで」
寧々は、楽屋に置いてある箪笥の中から、いくつか着物を取り出した。紅色に黄色い花が咲いたもの、朱色に扇が描かれているものなど、どれも鮮やかな小紋だ。
「あさぎちゃんには、赤色よりも、この桃色の方が似合いそうやね」
いくつか着物をあさぎの胸元に当ててから、桃色に白い小さな花が咲き乱れている着物に決まったようだった。
「寧々さんの着物は、赤が多いですね」
「あの人が似合うて言うてくれた色やからなあ」
「あの人?」
「ほら、あさぎちゃん、こっち向いて」
質問は流されてしまった。貸すだけでなく着付けもしてくれるとのことで、あさぎは寧々に任せて着せ替え人形のように腕をピンと伸ばして立った。
「はい、腕通してな」
「ありがとうございます。着物貸してもらって、着付けまで」
「ええんよ。せっかくのデイトやからなあ」
「デイト!?」
あさぎは、驚いて思わず体を引いてしまった。結んでいる途中だった帯が乱れてしまい、寧々に帯ごと元の位置に戻された。
「だって琥珀と二人で出掛けるんやろ? デイトやよ」
「え、でも、お菓子の買い出しに行くだけで……」
「ほら、出来た。楽しんでおいでな」
寧々に結び終わった帯をポンと叩かれた。笑顔で手を振られて見送られ、あさぎはぎこちなく、行ってきます、と返した。
表玄関に戻ると、琥珀が中折れハットを被って受付に背中を預けて立っていた。待ちぼうけを食らっているのが、傍から見てもよく分かる。
寧々にデイトなどと言われたから、妙に緊張してきた。お出掛け仕様でハットを被っている姿は新鮮だし、あさぎを待ってくれていると思うと、心臓がうるさくなってきた。深呼吸をして、落ち着かせてから琥珀に声を掛けた。
「琥珀。ごめん、お待たせ」
「寧々さんがなかなか捕まらなかったのか……と思ったけど、なるほど、着替えてきたのか」
「女学生に間違われるかもしれないからって。変かな?」
「いいや、よく似合ってる。可愛いな」
琥珀は、何でもないことのようにそんなことを言った。せっかく落ち着けた心臓が跳ねあがった。棒立ちになっていると、先に歩き出した琥珀がこちらを振り返った。
「行かないのか?」
「行く! 待って」
あさぎはハッと我に返って走って琥珀に追いついた。
六区から二区までは、歩いて七分ほどらしい。今日が十月三十一日で月末だから人が多いのと、ゆっくり歩いたから十分ほどかかっただろうか。
仲見世は、一本の通りを挟んで両側に店が並んでいる場所を指す。目の前には、赤茶色の煉瓦で覆われた二階建ての建物が、ずっと奥まで続いている。瓦葺の建物が多い六区とは雰囲気が異なる。片側に十五以上の店が並んでいて、とても賑やかだ。あさぎは、その近代的な風景と、活気に息を呑んだ。
「わあ……」
「ここだけ異国のようだよな。二年前に東京府の管轄になって、前の店は解体されて、今の形になったらしい。東京のあちこちが煉瓦造りになってるらしいな。あさぎ、ほら」
琥珀は、当然のように右手を差し出してきた。手を繋いだりしたら、また緊張してしまいそうだ。
「いや、大丈夫」
「そうか。観光地でもあるから、人は多い。はぐれないようにな」
琥珀の後に続いて、赤煉瓦の通りを歩く。一階の庇部分から地面まで届く大きな暖簾があったり、呼び込みをする人がいたりと、どこを見ても新鮮で面白い。ふと、琥珀の足が止まった。
「ここのいり豆は美味しいんだ。食べたことはあるか?」
「ううん」
「じゃあ、少し食べるか。大きい袋のを一つと、今食べる分を一人分、頼む」
「はいよ」
店主は、いり豆の大袋を手渡した後、升形に折られた紙にざざっと豆を流し込んだ。それがあさぎの元へやって来た。香ばしい匂いがふわりと上がってくる。一つ、口の中へと放り込む。香ばしい豆の味とほんのり塩味がして、次々食べたくなる美味しさだった。
「美味しい!」
「そりゃあ、良かった。あんたの恋人は美味しそうに食べるのう」
「こ、こい……!?」
店主が琥珀に話しかけているのが聞こえてきて、あさぎは豆が喉に詰まりそうになった。琥珀も、きょとんとしていたが、あさぎの反応を見て、おかしそうに店主に笑い返した。
「そうだろう」
「ちょ、琥珀……!」
「じゃあ、また」
店主に挨拶すると、琥珀はさっさと店を離れる。慌ててあさぎも後を追った。もう一度追及しようとしたが、それより早く琥珀が口を開いた。
「もしかして、寧々さんに何か言われたか?」
「あ、う、なんにも……」
「なるほど」
琥珀は一人で勝手に納得して、楽しそうだった。あさぎは、訂正しようとしたが、それだとあさぎ自身が嫌がっているように思われてしまうような気がしてやめた。別に嫌なわけではないのだから。
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