やがて神Sランクとなる無能召喚士の黙示録~追放された僕は唯一無二の最強スキルを覚醒。つきましては、反撃ついでに世界も救えたらいいなと~

きょろ

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第47召喚 ダンジョンは未知なるもの

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「ハァ……ハァ……勝った……のか?」
「シェリル凄ぉい! 本当にアレを倒しちゃった!」

 終わりは唐突に。

 つい数秒前まで死に際にいたアーサー達であったが、その絶望は突如として去っていった。若くて強い、勇気あるハンター達の力によって。

「終わった……やった」
「凄いぞ兄ちゃん達! よくぞやってくれた!」
「君達は命の恩人だよ!」

 ハンター達が駆け寄ってアーサー達にお礼を言う。キマイラを倒せたことにより、皆喜びと安堵で胸を撫で下ろしている。

 ――ガクン。
「あれ……?」

 次の瞬間、足に力が入らなくなったアーサーは膝から崩れ落ちた。だがそれを横にいたシェリルとモルナが支える。

「大丈夫ですか、アーサー」
「血を流し過ぎだねこれは」
「ハハハ。モルナの言う通りだ。なんか急に体が重くなってきた……」

 緊張の糸が切れ、激戦の疲労が一気にアーサーを襲った様子。幸い大事に至らなかったとは言え流石のアーサーも出血が少なくなかった。2人に支えてもらわないと歩くのも精一杯だ。

「ふぅ。何はともあれ、これでやっと帰れるな」
「ゆっくり休みましょう」
「そうだね。2人共悪いけどちょっとサークルまで肩を貸してくッ……「おい。どうなってるんだ? 転送サークルがまだ動かないぞ!」

 皆で家に帰れる。
 そう思っていたのに。

「本当だ。全く反応しないな」
「何言ってんだよ。フロアのボスを倒したんだから終わりに決まってるだろ」

 大歓喜に包まれた空気から一転。フロア69には再び不穏な空気が流れた。

 そう。
 ここは“未知”なるダンジョン。行き先も未知なら存在もまた未知。可能性を秘めている事もあればその逆も然り。ダンジョンには人類では到底計り知れない程の“未知なる悲劇”もまた存在し得るのだ――。

『リバースフロア“1体目”のボス、キマイラの討伐成功。次の“アンデットキマイラ”がこのフロア最終ボスになります』
「「……!?」」

 絶句。

 この言葉以上に今の皆に合う言葉は見つからない。

「う、嘘だろッ……」

 その無機質な音声は、やっとの思いで死線を潜り抜けたアーサー――ハンター達の心を砕くには簡単過ぎるのだった。
 そして、そんな彼らを微塵も落ち着かせず、音声が奏でられた通り目の前にアンデットキマイラが出現した。

『ウバアアアアアアッ!!』

 空気が震える程の咆哮を上げながら現れたアンデットキマイラ。
 先程のキマイラと似た姿形をしていたが、明らかに先のキマイラとは異質。体長は優に二回り以上大きく、発せられる空気が比べものにならない程禍々しい。

 炎Cランクはハンターとしてそれなりの実力と実績がなければ上がれないランク。故に、このランクのハンターは自分の実力をしかと認識している者が多い。逆に自分の実力すら分からない者は、ここまで上がれずに命を落としているだろう。
 だが更にそれ故に、自分の力量が分かっているここにいるハンター達は皆瞬時に悟っていた。

 “コイツには勝てない”と――。

 もう逃げもしない。本当の絶望を目の当たりにした人間は動けなくなるのだ。全員が一丸となって倒したキマイラ。それも満身創痍でやっとの思いで倒せた。

 今倒したキマイラがBランクの中でも下だったら?
 今目の前に出現した新たな敵が更に強いとしたら?

 異次元の存在感を放つアンデットキマイラに、皆はもう潔く“死”を受け入れている。それは図らずもアーサー、シェリル、モルナも同じ思いであった。アーサーでさえモルナでさえ、そしてこの場にいる中で間違いなく1番強いシェリルでさえ、ただただ諦める事しか出来ない。

(まさかこんな展開になるとは……。人生の終わりって案外こんなものなのかな――)
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