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03.おかーたま
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「そうだな……。仕事を頑張れるように、父を応援してくれるか?」
アランはいつもと変わらない顔で言う。
(応援? そんなこと? 絶対に嘘だ)
応援などという不確かなものを本当に欲しがるとは思えない。
人はもっと強欲だ。財宝や権力、そういうものに惹かれる。
(わかったわ。私を試しているのね)
アランは簡単に情報を与えるつもりはないと言いたいのだろう。
まずは私をテストしようとしているわけだ。
私はアランをジッと見た。
(応援って何をすればいいんだろう?)
前世で誰かを応援したことなどあっただろうか。記憶にはない。忘れてしまったのかもしれない。
しかし、前世で兄のお気に入りだった妹が、よく兄を励ましていたのを覚えている。
(あれか)
私は頷く。
「おとーたま、がんばって」
私は真面目な顔で言ったあと、アランの頬に口づけた。
アランが目を見開く。
妹がよくやっていた技だ。「頑張ってね」と言ったあと頬に口づける。
それで兄は嬉しそうにしていた。私が知っている家族の応援としてはこれが最上級だと思う。
今世の母も、私の頬に何度も口づけている。だから、これが正解だろう。
(間違ってたかな?)
私はアランを見上げた。
どうしたことか、彼は何も言わないのだ。
「おとーたま?」
「今のは誰に教わった?」
私は目を瞬かせる。
(誰? 前世の妹と……)
「おかーたま」
「そうか」
アランは大きな手で私を撫でた。私のことなど簡単に潰してしまいそうなほど大きな手だ。
そして、彼はいつも以上に真面目な顔で言った。
「いいか? これは家族以外にしてはいけない」
これ。
頬に口づけたことだろうか。こんなことを他人にするはずがない。
そもそも他人を警戒していたら、唇が頬につくほど近づくことはないはずだ。
「ん」
私は素直に頷いた。
きっと、幼い私に身を守る基本を教えてくれているのだろうから。
「ひとりで寂しくはないか?」
「おにーたま、きた」
「ルノーはまた授業を抜け出したのか」
アランが小さくため息をついた。
後継者が不真面目だから心配しているのだろう。
(安心して。今はは心配かもしれないけど、あと十五年もしたら『光の剣士』と呼ばれるようになるわ)
ルノーの強さは大陸一だと言えよう。私は彼のせいで何度も計画をたて直すはめになった。
剣をふるうと、美しい金髪がなびくことから『光の剣士』と呼ばれるようになったと聞く。
(私も早く昔のように魔法が完璧に使えるようになればいいんだけど)
魔法が使えるようになれば、私の利用価値は高くなるはずだ。
利用価値の高い娘を嫌う親はいないから、三食昼寝付の生活が長くおくれると思う。
前世は一食を手に入れるのも大変だった。
あんな生活をしたくない。だから、早く私の利用価値を示さなければならない。
私がアランの腕の中で闘志を燃やしているとき、一人の男が現われた。──アランの補佐官であるクロッツだ。
「陛下、またこちらでしたか」
「どうした、クロッツ」
クロッツは安堵の表情を見せた。
このやりとりはもう三年続いている。
アランは私の価値を見いだせていないせいか、一日に一度は必ず私のもとへとやってくる。
前世の父──ガルバトール帝国の皇帝よりもまめな性分なのだろう。
前世で私が父に謁見できたのは、十五になってからだった。
「陛下、サシュエント王国から連絡が」
「そうか」
アランは小さくため息をつくと、私はベッドの上におろした。
「戻らなくてはいけないようだ。寂しくなったらすぐにメイドたちに言いなさい」
「ん」
私が短く返事をすると、アランは大きな手で私の頭を撫でた。
アランはクロッツと共に去っていく。
私は二人の背中を見送りながら、考え事にふけっていた。
(サシュエント王国か)
サシュエント王国はガルバトール帝国の真南に位置する縦長の小国だ。自然豊かな国ではあるが、三方を海に囲まれ、真北にはガルバトール帝国と、あまりいい立地とは言えない。
そして、サシュエント王国はガルバトール帝国が一番に攻め滅ぼした国である。それは、まだ私が帝国の一兵隊として参加していたときのことだった。
(サシュエント王国とリオーク王国は交流があったのね)
リオーク王国はサシュエント王国の海を挟んで向かいに位置する。陸路では遠いが海路を使えば交流も簡単なのだろう。
(せっかくだから、魔法の練習をしよう)
メイドがいない今がチャンスだ。
彼女たちがいる中で魔法は使えない。中途半端な能力が周りに知られると、足元を掬われかねないからだ。
私は手元に集中した。
呪文を唱えると、目の前に大きな鏡が現れる。
鏡の中にはクロッツと話をしているアランが映っていた。
『サシュエント王国の使者はなんと言っている?』
『第一王子殿下を五年ほど預かってほしいとのことです』
『そうか。あちらも難しい時期なのだろう』
アランの表情は変わらない。しかし、声色からすると深刻な話なのがわかる。
『いかがなさいますか?』
『いいだろう。準備をしてやってくれ。あとは──……』
途中で会話は途切れ、鏡は消えた。
現状使えるマナを消費してしまったからだ。
(サシュエント王国の第一王子か)
私はベッドに転がった。
**
それからひと月、私は変化のない生活を続けていた。
しかし、家族の監視は日々強まるばかりだ。
「おはよう、レティシア」
朝は必ず母のシェリルが私の状況を確認に来る。
抱き上げ、私の頬に口づけた。
「おかーたま、おはよ」
私はシェリルの真似をして彼女の頬に口づけを返す。すると、彼女はラズベリー色の目を細め、嬉しそうに笑みを浮かべた。
柔らくて癖のあるピンクブロンドの髪がなびく。甘そうな色は彼女によく似合っていた。
私も彼女の血を受け継いだようで、同じ色の髪をしている。瞳の色は父や兄と同じ王族特有の色を受け継いだようだ。
この母にとって私は価値のある娘だろうか。
前世の母は私が生まれたことを毎日嘆いている人だった。私は皇帝との一晩のあやまちで生まれた子。母の身分は低く、乳母を一人つけてもらえたがそれだけ。
私と母は後宮の中でいつも虐げられていた。
(その点、シェリルは王妃だから毎日のご飯に悩むことがなくてよかった)
自立できるまではシェリルに頼る必要がある。
長く長く生きるために。
シェリルは私の手を引きながら私に言った。
「今日はとっても忙しいの。だから、朝食をいただいたらお着換えしましょうね」
「ん」
私は静かに頷いた。
珍しいこともあるようだ。
いつも朝食のあとはシェリルだけが忙しいのに。王妃だけあって、彼女は朝からいつも慌ただしい。しかし、私も一緒というのは初めてのことだった。
私は真剣に歩く。
まだこの足は不器用で思うように歩けない。
大人に比べたら歩幅も小さいため、急がなければならなかった。前世では歩くのが少し遅かっただけで、『のろま』と叱られたものだ。
一所懸命に歩く私を見て、シェリルが笑った。
「お腹が空いているのね」
私は肯定も否定もせず、まっすぐ歩く。忙しいシェリルのために今の私ができることは、この程度だからだ。
食堂ではすでにアランやルノーが待っていた。
四人での食事はいつもの光景だ。
これは、前世では経験したことがない。初めて食事の席についたとき、父と母、そして兄。家族が揃って食事をする王族がこの世には存在するのだと、感嘆したものだ。
前世の父──ガルバトール帝国の皇帝はけっして人と食事をしない人だった。
「レティシア、今日もよく眠れたか?」
「ん」
アランの問いに私は小さく頷く。
彼は同じ質問を毎日飽きずにする。その問いに何の意味があるのか、考えたけれど答えは出てこなかった。
私がよく眠れたことで、アランにどんな利益がもたらされるのか、私には想像もできないのだ。
母がちぎった小さなパンを私は頬張る。
この国の料理はどれも美味しい。
(転生先がここでよかった)
私はおいしさに目を細めた。
前世では子どものころは食事を手に入れるのに苦労したものだ。
母の地位が低かったため、食事を忘れられることはよくあることだった。
その点、ここでは毎日三食どころかお菓子も出てくる。
(幸せ~)
この幸せな生活を守るためにも、いち早く私の価値を示さなければ。
真剣にパンを味わっていると、向かいに座るルノーが笑顔を向けてきた。
「レティ、今日はお客さまが来るんだよ。楽しみだね」
「おきゃくさま?」
(シェリルが忙しいと言っていたけど、それのこと?)
そうは言っても、ここは王城。
客なら毎日ひっきりなしに来ているではないか。
私は目を瞬かせた。
**
穏やかな朝食を終え、バタバタと着替えを済ませた。
そして、シェリルに連れられて来たのは謁見の間だ。飾り立てられた椅子にアランとシェリルが座る。私はなぜかシェリルの膝の上にいた。
ルノーはアランの隣に立っているというのに。
「あたちも」
ひとりだけ座っているわけにはいかない。シェリルの膝から下りようとしたが、止められた。
「レティシアはここで座っていてね」
座り直され、頭を撫でられる。そこまでされては何もできなかった。
私は小さく頷く。あとでルノーに怒られないだろうか。
ちらりと見たが、ルノーはにこにこと笑って私のことを見ている。
(も、もしかして、怒ってる……?)
怒りを笑みに隠す者は多い。
ルノーは王太子だ。王太子よりもいい場所にいるなど言語道断。あれは怒りを隠すための笑みかもしれない。
あとでどう言い訳をするか考えていると、『お客様』が現れた。
「こちらがサシュエント王国第一王子イズール様でございます」
彼のことは見たことがあった。
(私が最初に殺した人間……)
私は呆然と彼を見つめた。
アランはいつもと変わらない顔で言う。
(応援? そんなこと? 絶対に嘘だ)
応援などという不確かなものを本当に欲しがるとは思えない。
人はもっと強欲だ。財宝や権力、そういうものに惹かれる。
(わかったわ。私を試しているのね)
アランは簡単に情報を与えるつもりはないと言いたいのだろう。
まずは私をテストしようとしているわけだ。
私はアランをジッと見た。
(応援って何をすればいいんだろう?)
前世で誰かを応援したことなどあっただろうか。記憶にはない。忘れてしまったのかもしれない。
しかし、前世で兄のお気に入りだった妹が、よく兄を励ましていたのを覚えている。
(あれか)
私は頷く。
「おとーたま、がんばって」
私は真面目な顔で言ったあと、アランの頬に口づけた。
アランが目を見開く。
妹がよくやっていた技だ。「頑張ってね」と言ったあと頬に口づける。
それで兄は嬉しそうにしていた。私が知っている家族の応援としてはこれが最上級だと思う。
今世の母も、私の頬に何度も口づけている。だから、これが正解だろう。
(間違ってたかな?)
私はアランを見上げた。
どうしたことか、彼は何も言わないのだ。
「おとーたま?」
「今のは誰に教わった?」
私は目を瞬かせる。
(誰? 前世の妹と……)
「おかーたま」
「そうか」
アランは大きな手で私を撫でた。私のことなど簡単に潰してしまいそうなほど大きな手だ。
そして、彼はいつも以上に真面目な顔で言った。
「いいか? これは家族以外にしてはいけない」
これ。
頬に口づけたことだろうか。こんなことを他人にするはずがない。
そもそも他人を警戒していたら、唇が頬につくほど近づくことはないはずだ。
「ん」
私は素直に頷いた。
きっと、幼い私に身を守る基本を教えてくれているのだろうから。
「ひとりで寂しくはないか?」
「おにーたま、きた」
「ルノーはまた授業を抜け出したのか」
アランが小さくため息をついた。
後継者が不真面目だから心配しているのだろう。
(安心して。今はは心配かもしれないけど、あと十五年もしたら『光の剣士』と呼ばれるようになるわ)
ルノーの強さは大陸一だと言えよう。私は彼のせいで何度も計画をたて直すはめになった。
剣をふるうと、美しい金髪がなびくことから『光の剣士』と呼ばれるようになったと聞く。
(私も早く昔のように魔法が完璧に使えるようになればいいんだけど)
魔法が使えるようになれば、私の利用価値は高くなるはずだ。
利用価値の高い娘を嫌う親はいないから、三食昼寝付の生活が長くおくれると思う。
前世は一食を手に入れるのも大変だった。
あんな生活をしたくない。だから、早く私の利用価値を示さなければならない。
私がアランの腕の中で闘志を燃やしているとき、一人の男が現われた。──アランの補佐官であるクロッツだ。
「陛下、またこちらでしたか」
「どうした、クロッツ」
クロッツは安堵の表情を見せた。
このやりとりはもう三年続いている。
アランは私の価値を見いだせていないせいか、一日に一度は必ず私のもとへとやってくる。
前世の父──ガルバトール帝国の皇帝よりもまめな性分なのだろう。
前世で私が父に謁見できたのは、十五になってからだった。
「陛下、サシュエント王国から連絡が」
「そうか」
アランは小さくため息をつくと、私はベッドの上におろした。
「戻らなくてはいけないようだ。寂しくなったらすぐにメイドたちに言いなさい」
「ん」
私が短く返事をすると、アランは大きな手で私の頭を撫でた。
アランはクロッツと共に去っていく。
私は二人の背中を見送りながら、考え事にふけっていた。
(サシュエント王国か)
サシュエント王国はガルバトール帝国の真南に位置する縦長の小国だ。自然豊かな国ではあるが、三方を海に囲まれ、真北にはガルバトール帝国と、あまりいい立地とは言えない。
そして、サシュエント王国はガルバトール帝国が一番に攻め滅ぼした国である。それは、まだ私が帝国の一兵隊として参加していたときのことだった。
(サシュエント王国とリオーク王国は交流があったのね)
リオーク王国はサシュエント王国の海を挟んで向かいに位置する。陸路では遠いが海路を使えば交流も簡単なのだろう。
(せっかくだから、魔法の練習をしよう)
メイドがいない今がチャンスだ。
彼女たちがいる中で魔法は使えない。中途半端な能力が周りに知られると、足元を掬われかねないからだ。
私は手元に集中した。
呪文を唱えると、目の前に大きな鏡が現れる。
鏡の中にはクロッツと話をしているアランが映っていた。
『サシュエント王国の使者はなんと言っている?』
『第一王子殿下を五年ほど預かってほしいとのことです』
『そうか。あちらも難しい時期なのだろう』
アランの表情は変わらない。しかし、声色からすると深刻な話なのがわかる。
『いかがなさいますか?』
『いいだろう。準備をしてやってくれ。あとは──……』
途中で会話は途切れ、鏡は消えた。
現状使えるマナを消費してしまったからだ。
(サシュエント王国の第一王子か)
私はベッドに転がった。
**
それからひと月、私は変化のない生活を続けていた。
しかし、家族の監視は日々強まるばかりだ。
「おはよう、レティシア」
朝は必ず母のシェリルが私の状況を確認に来る。
抱き上げ、私の頬に口づけた。
「おかーたま、おはよ」
私はシェリルの真似をして彼女の頬に口づけを返す。すると、彼女はラズベリー色の目を細め、嬉しそうに笑みを浮かべた。
柔らくて癖のあるピンクブロンドの髪がなびく。甘そうな色は彼女によく似合っていた。
私も彼女の血を受け継いだようで、同じ色の髪をしている。瞳の色は父や兄と同じ王族特有の色を受け継いだようだ。
この母にとって私は価値のある娘だろうか。
前世の母は私が生まれたことを毎日嘆いている人だった。私は皇帝との一晩のあやまちで生まれた子。母の身分は低く、乳母を一人つけてもらえたがそれだけ。
私と母は後宮の中でいつも虐げられていた。
(その点、シェリルは王妃だから毎日のご飯に悩むことがなくてよかった)
自立できるまではシェリルに頼る必要がある。
長く長く生きるために。
シェリルは私の手を引きながら私に言った。
「今日はとっても忙しいの。だから、朝食をいただいたらお着換えしましょうね」
「ん」
私は静かに頷いた。
珍しいこともあるようだ。
いつも朝食のあとはシェリルだけが忙しいのに。王妃だけあって、彼女は朝からいつも慌ただしい。しかし、私も一緒というのは初めてのことだった。
私は真剣に歩く。
まだこの足は不器用で思うように歩けない。
大人に比べたら歩幅も小さいため、急がなければならなかった。前世では歩くのが少し遅かっただけで、『のろま』と叱られたものだ。
一所懸命に歩く私を見て、シェリルが笑った。
「お腹が空いているのね」
私は肯定も否定もせず、まっすぐ歩く。忙しいシェリルのために今の私ができることは、この程度だからだ。
食堂ではすでにアランやルノーが待っていた。
四人での食事はいつもの光景だ。
これは、前世では経験したことがない。初めて食事の席についたとき、父と母、そして兄。家族が揃って食事をする王族がこの世には存在するのだと、感嘆したものだ。
前世の父──ガルバトール帝国の皇帝はけっして人と食事をしない人だった。
「レティシア、今日もよく眠れたか?」
「ん」
アランの問いに私は小さく頷く。
彼は同じ質問を毎日飽きずにする。その問いに何の意味があるのか、考えたけれど答えは出てこなかった。
私がよく眠れたことで、アランにどんな利益がもたらされるのか、私には想像もできないのだ。
母がちぎった小さなパンを私は頬張る。
この国の料理はどれも美味しい。
(転生先がここでよかった)
私はおいしさに目を細めた。
前世では子どものころは食事を手に入れるのに苦労したものだ。
母の地位が低かったため、食事を忘れられることはよくあることだった。
その点、ここでは毎日三食どころかお菓子も出てくる。
(幸せ~)
この幸せな生活を守るためにも、いち早く私の価値を示さなければ。
真剣にパンを味わっていると、向かいに座るルノーが笑顔を向けてきた。
「レティ、今日はお客さまが来るんだよ。楽しみだね」
「おきゃくさま?」
(シェリルが忙しいと言っていたけど、それのこと?)
そうは言っても、ここは王城。
客なら毎日ひっきりなしに来ているではないか。
私は目を瞬かせた。
**
穏やかな朝食を終え、バタバタと着替えを済ませた。
そして、シェリルに連れられて来たのは謁見の間だ。飾り立てられた椅子にアランとシェリルが座る。私はなぜかシェリルの膝の上にいた。
ルノーはアランの隣に立っているというのに。
「あたちも」
ひとりだけ座っているわけにはいかない。シェリルの膝から下りようとしたが、止められた。
「レティシアはここで座っていてね」
座り直され、頭を撫でられる。そこまでされては何もできなかった。
私は小さく頷く。あとでルノーに怒られないだろうか。
ちらりと見たが、ルノーはにこにこと笑って私のことを見ている。
(も、もしかして、怒ってる……?)
怒りを笑みに隠す者は多い。
ルノーは王太子だ。王太子よりもいい場所にいるなど言語道断。あれは怒りを隠すための笑みかもしれない。
あとでどう言い訳をするか考えていると、『お客様』が現れた。
「こちらがサシュエント王国第一王子イズール様でございます」
彼のことは見たことがあった。
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私は呆然と彼を見つめた。
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