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1章
第40話:目覚めた対の存在と、始まりの対話
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フェンリース村の朝。
穏やかな空気の中で、リリアは静かに風と会話していた。
かつては“精霊の気配”を聞くことしかできなかった彼女は、
今や風の流れに言葉をのせ、双方向のやり取りができるほどに変わっていた。
「東の山岳地帯で、不安定な“共鳴”が確認されました」
風の声が、まるで手紙を読み上げるように語る。
ユリウスとセラ、カレンも集まり、その報告に耳を傾けた。
「帝国じゃない……でも、精霊の乱れ方が尋常じゃない。
“誰かが無理に門を開こうとしてる”……ってこと?」
「いや、これは……違う。
開こうとしているのではなく――“答えている”んだ」
リリアがそう言ったとき、風が再びささやいた。
「――対の巫女、目覚めたり」
その言葉に、場の空気が凍りつく。
「対……?」
セラが眉を寄せる。
「どういうこと……リリアは一人しかいないんじゃ……?」
リリアは目を伏せ、小さく答えた。
「精霊の門は、もともと“双の守人”によって維持されていたと記録にあります。
ひとりは調停。もうひとりは封印。……私は“調停”の継承者。
ならば、もう一人の“封印の巫女”が、今目覚めたのかもしれません」
一方その頃、東の山岳地帯――アルザラン渓谷の奥。
霧深い遺跡の中、銀の髪を揺らす少女がひとり、封印の祭壇の前に立っていた。
彼女の名は、エルフィア。
リリアとは対の存在として、精霊の門の“奥”で育てられた巫女。
「……リリア。ようやく、あなたが門を開いたのね」
彼女の声には、怒りでも嫉妬でもない、ただ“静かな使命感”だけが宿っていた。
「私は、門を“閉じるために生まれた”。
あなたがそれを“開いた”なら――私の役割は、あなたを止めること」
その瞬間、彼女の背に浮かび上がったのは、リリアとほぼ同型の精霊紋。
けれど色は逆。**漆黒に輝く“封印の印”**だった。
「対の巫女が揃ったとき、世界はひとつの答えを出す。
それが再統合か、崩壊か……それは、私たち次第」
その言葉と共に、精霊の風が吹き荒れた。
フェンリースの空にも、それははっきりと伝わってきた。
リリアはそっと胸に手を当て、目を閉じる。
「……あなたが、もう一人の“私”なんだね。
なら、私は……あなたと、必ず向き合う」
穏やかな空気の中で、リリアは静かに風と会話していた。
かつては“精霊の気配”を聞くことしかできなかった彼女は、
今や風の流れに言葉をのせ、双方向のやり取りができるほどに変わっていた。
「東の山岳地帯で、不安定な“共鳴”が確認されました」
風の声が、まるで手紙を読み上げるように語る。
ユリウスとセラ、カレンも集まり、その報告に耳を傾けた。
「帝国じゃない……でも、精霊の乱れ方が尋常じゃない。
“誰かが無理に門を開こうとしてる”……ってこと?」
「いや、これは……違う。
開こうとしているのではなく――“答えている”んだ」
リリアがそう言ったとき、風が再びささやいた。
「――対の巫女、目覚めたり」
その言葉に、場の空気が凍りつく。
「対……?」
セラが眉を寄せる。
「どういうこと……リリアは一人しかいないんじゃ……?」
リリアは目を伏せ、小さく答えた。
「精霊の門は、もともと“双の守人”によって維持されていたと記録にあります。
ひとりは調停。もうひとりは封印。……私は“調停”の継承者。
ならば、もう一人の“封印の巫女”が、今目覚めたのかもしれません」
一方その頃、東の山岳地帯――アルザラン渓谷の奥。
霧深い遺跡の中、銀の髪を揺らす少女がひとり、封印の祭壇の前に立っていた。
彼女の名は、エルフィア。
リリアとは対の存在として、精霊の門の“奥”で育てられた巫女。
「……リリア。ようやく、あなたが門を開いたのね」
彼女の声には、怒りでも嫉妬でもない、ただ“静かな使命感”だけが宿っていた。
「私は、門を“閉じるために生まれた”。
あなたがそれを“開いた”なら――私の役割は、あなたを止めること」
その瞬間、彼女の背に浮かび上がったのは、リリアとほぼ同型の精霊紋。
けれど色は逆。**漆黒に輝く“封印の印”**だった。
「対の巫女が揃ったとき、世界はひとつの答えを出す。
それが再統合か、崩壊か……それは、私たち次第」
その言葉と共に、精霊の風が吹き荒れた。
フェンリースの空にも、それははっきりと伝わってきた。
リリアはそっと胸に手を当て、目を閉じる。
「……あなたが、もう一人の“私”なんだね。
なら、私は……あなたと、必ず向き合う」
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