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1章
第50話:三柱の兆しと、精霊の選定
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ルディア大環――世界の中心に位置する、大陸すべての精霊流が交差する場所。その静寂の中に、風がひとすじ、音もなく吹き抜けた。そこに立つのは二人の巫女。調停の紋を背負うリリアと、かつて封印を司ったエルフィア。いま、彼女たちは精霊界からの正式な招きを受け、会議の座に足を踏み入れようとしていた。
「この空気……どこか“重い”」
エルフィアが静かに言った。リリアも頷く。
「精霊たちは祝福よりも、“確認”を求めているのかもしれません。……私たちが本当に、共に歩む者かどうかを」
ルディア大環の中心に、五つの光の柱が出現した。風・火・水・土・雷、それぞれの精霊王が“現界”した姿だった。ふたりの巫女がその場に並び立った瞬間、光が震え、精霊たちの意志が言葉になる。
「問う。調停の巫女、リリア=フェンリース。お前は今、我ら五柱の均衡を超え、“新たな連結”を目指すというのか?」
「はい。私は、かつての分断や封印によらず、共に在る未来を目指したい」
「問う。封印の巫女、エルフィア=レイヴェルト。お前は“自己の意思”により、封印を放棄し、調和の道を選んだ。だが、それは“均衡の崩壊”ではないのか?」
「それでも、私は“自分で選びたい”。世界を閉じることではなく、見届けることを」
五柱は長い沈黙を保ったあと、最後の問いを投げかけた。
「――ならば、第三の存在は必要ないと、断言できるか?」
その言葉に、空気が一変した。リリアとエルフィアが同時に顔を上げる。
「第三……まさか……」
精霊たちは告げた。
「世界の深層より、第三の巫女の兆しを確認した。“調停”でも“封印”でもない、“変革”を帯びた存在。おそらく、それは“拒絶と再構築”の象徴――」
「……選ばれざる者の、巫女……?」
そのとき、遠くの空にひとすじの黒い稲妻が走った。世界の端から端へ、まるで“その存在の目覚め”を告げるかのように。
リリアは小さく息を呑んだ。
「感じます。……彼女の、強い想いを。私やエルフィアとは、まったく違う方向から……“世界に関わろうとする意志”を」
「つまり、次の会議には――三柱が並び立つ可能性がある」
ユリウスの言葉に、場の空気が引き締まる。誰もがまだその“第三の巫女”の正体を知らない。ただ、精霊たちは確かに言った。
「三柱の均衡が成ったとき、門の真なる姿が現れる。それは開かれるのか、壊れるのか……それすら、我らにも見通せぬ」
風が止まり、光が揺れる。物語は、次の章へ踏み出そうとしていた。
「この空気……どこか“重い”」
エルフィアが静かに言った。リリアも頷く。
「精霊たちは祝福よりも、“確認”を求めているのかもしれません。……私たちが本当に、共に歩む者かどうかを」
ルディア大環の中心に、五つの光の柱が出現した。風・火・水・土・雷、それぞれの精霊王が“現界”した姿だった。ふたりの巫女がその場に並び立った瞬間、光が震え、精霊たちの意志が言葉になる。
「問う。調停の巫女、リリア=フェンリース。お前は今、我ら五柱の均衡を超え、“新たな連結”を目指すというのか?」
「はい。私は、かつての分断や封印によらず、共に在る未来を目指したい」
「問う。封印の巫女、エルフィア=レイヴェルト。お前は“自己の意思”により、封印を放棄し、調和の道を選んだ。だが、それは“均衡の崩壊”ではないのか?」
「それでも、私は“自分で選びたい”。世界を閉じることではなく、見届けることを」
五柱は長い沈黙を保ったあと、最後の問いを投げかけた。
「――ならば、第三の存在は必要ないと、断言できるか?」
その言葉に、空気が一変した。リリアとエルフィアが同時に顔を上げる。
「第三……まさか……」
精霊たちは告げた。
「世界の深層より、第三の巫女の兆しを確認した。“調停”でも“封印”でもない、“変革”を帯びた存在。おそらく、それは“拒絶と再構築”の象徴――」
「……選ばれざる者の、巫女……?」
そのとき、遠くの空にひとすじの黒い稲妻が走った。世界の端から端へ、まるで“その存在の目覚め”を告げるかのように。
リリアは小さく息を呑んだ。
「感じます。……彼女の、強い想いを。私やエルフィアとは、まったく違う方向から……“世界に関わろうとする意志”を」
「つまり、次の会議には――三柱が並び立つ可能性がある」
ユリウスの言葉に、場の空気が引き締まる。誰もがまだその“第三の巫女”の正体を知らない。ただ、精霊たちは確かに言った。
「三柱の均衡が成ったとき、門の真なる姿が現れる。それは開かれるのか、壊れるのか……それすら、我らにも見通せぬ」
風が止まり、光が揺れる。物語は、次の章へ踏み出そうとしていた。
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