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1章
第54話:精霊たちとの再契約、未来への布告
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世界の流れが一時的に止まりつつある中、リリアとエルフィアはルディア大環の最奥――“精霊契約の間”へと足を踏み入れていた。そこはかつて、初代巫女たちが五柱と盟約を交わした場所。今、その契約が揺らぎ、精霊たちは“口を閉ざした存在”となりかけていた。
「精霊との再契約は、ただの儀式ではありません。“信頼の再構築”です」
リリアが静かに言う。
「かつて選ばれた存在としてではなく、今の自分の言葉と覚悟で、“一体ずつ”向き合うしかないわね」
エルフィアが頷き、ふたりは契約陣の中央へと進む。
風、火、水、土、雷――五つの精霊の座はすでに揃っている。だが、そのうち二つ、火と雷の座には霧がかかり、“意思の放棄”を表していた。
「まずは……風から」
リリアが両手を胸に当て、精霊への祈りを込めて語りかける。
「風の精霊王サリア。私はかつて、あなたの力を借りました。でも今、お願いをするのではなく、問いかけに来ました。……私たちは、もう一度信じてもらえるでしょうか」
風がそよぎ、しばらくの沈黙ののち、一本の風の帯がリリアの前に舞い降りた。
「信頼は、過去の記憶ではなく、“今の選択”に宿るもの。ならば――我が風を預けよう」
続いて、エルフィアが水の契約陣に膝をつく。
「水の精霊王ネルトゥ。私はずっと、封印のために力を借りてきた。だけど今は、“世界と共に生きるため”に、その力を借りたい」
波紋のように広がった水面が静かに光を放つ。
「見極めよう。お前たちが本当に変わったのかを。……その上で、我もまた“再びの契約”を結ぼう」
ふたりは、互いにうなずき合った。まだ火と雷は応じない。だが、それでも“精霊との対話の道”は閉ざされていない。
そのとき、空気が一変した。
契約の間の奥に、黒い風が混じり込んでくる。精霊ではない、しかし強い魔力の波動。――アルティナの気配だった。
「リリア、エルフィア。あなたたちがどんなに対話を重ねても、それはただの“感情の繰り返し”。私は違う。私は――“巫女の力そのもの”を書き換える」
遠くに響いた声に、リリアは身を強くした。
「巫女の力を……上書きする……?」
エルフィアも表情を強張らせる。
「それって、契約そのものを乗っ取るってこと……?」
アルティナの術式は静かに、しかし確実に世界の構造に干渉し始めていた。
「精霊との再契約は、ただの儀式ではありません。“信頼の再構築”です」
リリアが静かに言う。
「かつて選ばれた存在としてではなく、今の自分の言葉と覚悟で、“一体ずつ”向き合うしかないわね」
エルフィアが頷き、ふたりは契約陣の中央へと進む。
風、火、水、土、雷――五つの精霊の座はすでに揃っている。だが、そのうち二つ、火と雷の座には霧がかかり、“意思の放棄”を表していた。
「まずは……風から」
リリアが両手を胸に当て、精霊への祈りを込めて語りかける。
「風の精霊王サリア。私はかつて、あなたの力を借りました。でも今、お願いをするのではなく、問いかけに来ました。……私たちは、もう一度信じてもらえるでしょうか」
風がそよぎ、しばらくの沈黙ののち、一本の風の帯がリリアの前に舞い降りた。
「信頼は、過去の記憶ではなく、“今の選択”に宿るもの。ならば――我が風を預けよう」
続いて、エルフィアが水の契約陣に膝をつく。
「水の精霊王ネルトゥ。私はずっと、封印のために力を借りてきた。だけど今は、“世界と共に生きるため”に、その力を借りたい」
波紋のように広がった水面が静かに光を放つ。
「見極めよう。お前たちが本当に変わったのかを。……その上で、我もまた“再びの契約”を結ぼう」
ふたりは、互いにうなずき合った。まだ火と雷は応じない。だが、それでも“精霊との対話の道”は閉ざされていない。
そのとき、空気が一変した。
契約の間の奥に、黒い風が混じり込んでくる。精霊ではない、しかし強い魔力の波動。――アルティナの気配だった。
「リリア、エルフィア。あなたたちがどんなに対話を重ねても、それはただの“感情の繰り返し”。私は違う。私は――“巫女の力そのもの”を書き換える」
遠くに響いた声に、リリアは身を強くした。
「巫女の力を……上書きする……?」
エルフィアも表情を強張らせる。
「それって、契約そのものを乗っ取るってこと……?」
アルティナの術式は静かに、しかし確実に世界の構造に干渉し始めていた。
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