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終章
第64話:「旅立ちの朝と、世界を懸けた約束」
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まだ陽が昇りきらない朝の薄明かりの中、フェンリースの村は静かだった。けれどその空気には、どこか緊張と祈りのような張りつめたものが漂っている。今日、リリアたちは無神域への旅に出る。誰も到達したことのない、世界の理さえ通用しない地へ――
「準備は整いました」
ユリウスが淡々と報告する。彼の目にも、ほんのわずかな迷いが浮かんでいた。
「ユリウス。あなたが隣にいてくれて……本当に、心強いです」
「……あのとき、君を“調停者”としてではなく、“リリア”として選んだからな。最後まで、共にいるよ」
言葉は短くても、それは確かな誓いだった。
「こっちも、ちゃんと準備できてるわよ」
カレンが手を腰に当てながら現れる。
「いい? 私はあんたの味方だけど、甘やかす気はないからね。何かあったら、すぐに怒鳴り込むんだから」
「……うん、ありがとう。カレンらしいな」
笑いながらリリアが答えると、セラが両手を組んで割り込んできた。
「何よー! あたしだって行くって言ってんじゃん! 最後まで一緒だよ!」
「心強いよ、セラ。すごくね」
そして、エルフィアが静かに歩み寄る。
風がふたりの髪を優しく揺らし、精霊たちがそっと集う。
「リリア。無神域では、きっと“想定を超えた何か”が待ってる。けれど、私たちなら……きっと、越えられる」
「うん。一緒に行こう、“この世界の本当の未来”を見つけに」
リリアは振り返り、フェンリースの村を、空を、木々を、そして集まった人々を――ゆっくりと見渡した。
「……行ってきます」
それは、別れの言葉ではなかった。
“帰る場所がある”と、信じている者だけが言える言葉だった。
彼女たちの背を、風がそっと押す。
神すらも届かぬ地へ。
世界の理の向こう側へ。
三巫女の物語は、ついに最終局面へと踏み出した。
「準備は整いました」
ユリウスが淡々と報告する。彼の目にも、ほんのわずかな迷いが浮かんでいた。
「ユリウス。あなたが隣にいてくれて……本当に、心強いです」
「……あのとき、君を“調停者”としてではなく、“リリア”として選んだからな。最後まで、共にいるよ」
言葉は短くても、それは確かな誓いだった。
「こっちも、ちゃんと準備できてるわよ」
カレンが手を腰に当てながら現れる。
「いい? 私はあんたの味方だけど、甘やかす気はないからね。何かあったら、すぐに怒鳴り込むんだから」
「……うん、ありがとう。カレンらしいな」
笑いながらリリアが答えると、セラが両手を組んで割り込んできた。
「何よー! あたしだって行くって言ってんじゃん! 最後まで一緒だよ!」
「心強いよ、セラ。すごくね」
そして、エルフィアが静かに歩み寄る。
風がふたりの髪を優しく揺らし、精霊たちがそっと集う。
「リリア。無神域では、きっと“想定を超えた何か”が待ってる。けれど、私たちなら……きっと、越えられる」
「うん。一緒に行こう、“この世界の本当の未来”を見つけに」
リリアは振り返り、フェンリースの村を、空を、木々を、そして集まった人々を――ゆっくりと見渡した。
「……行ってきます」
それは、別れの言葉ではなかった。
“帰る場所がある”と、信じている者だけが言える言葉だった。
彼女たちの背を、風がそっと押す。
神すらも届かぬ地へ。
世界の理の向こう側へ。
三巫女の物語は、ついに最終局面へと踏み出した。
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