『ごきげんよう、私が悪役令嬢でございます。でも中身はオカマですの』

黒川ねこ

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『ごきげんよう、王妃になりましたけど、中身オカマなのは変わりませんわ』 〜結婚生活と宮廷陰謀と恋愛バトル、ぜんぶ乗せの王宮ライフ編〜

第15話「王妃の前に、暗殺者現る!?」

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その日は、なぜか朝から空気が重かった。
 王宮の侍女たちはやたらと落ち着かず、近衛兵の姿も多い。

「マリアンヌ? これって……“何か”あるわよね?」

「……ええ。実は今朝未明、王宮内の通路で“不審者”が目撃されました」

「はい出たー! 王妃ルート恒例、暗殺イベントフラグ!!」

「今回はガチです。しかも――“王妃を狙った形跡”があるとのこと」

「やっぱりぃぃぃぃ!!」

 

 ルーク王子も、警護強化を命じている。
 でも私は、なんだか落ち着かない。

(いや待って、こんな時こそ“私を囮にして罠張る”イベント発生するやつじゃない?)

 

 そう思っていた矢先――

 夜の王妃サロン。
 私は1人で読書中、突然、気配を感じて立ち上がった。

「……誰かいる?」

 

 返答は、風のように素早い気配。
 そして背後から、冷たい気配が――

「……失礼。“貴女”を、試しに来ただけです」

 

 現れたのは黒装束の人物。
 だが、ただの刺客じゃない。所作が洗練されすぎている。
 暗殺者というより、“仕上がった殺し屋”。

「……ごきげんよう。王妃は今日も元気ですわよ?」

「中身がオカマだと聞いていたが……肝も据わっている」

「誰が言いふらしたの!? いやむしろ褒められてるの!? どっち!?」

 

 殺し屋は刀を抜かず、静かに言った。

「これは忠告。“王宮の中”に、貴女を“排除”しようとしている勢力がある。
 今夜のこれも、その“演出”の一環にすぎない」

「演出で殺されかけたらたまったもんじゃないわよ!!」

 

「……だが、見事だった。やはり、ただの“花嫁”ではなかったようだ」

「当たり前でしょ? 中身オカマの元No.1接客嬢よ?」

 

 そして殺し屋は、最後にこう言い残した。

「“その女”には気をつけろ。……あのレイナではない。“もっと奥”にいる」

 

 姿を消すと同時に、部屋の灯りがふっと戻った。
 だが私の心はざわめいたままだった。

(“もっと奥にいる女”……? まさか、王宮の“さらに裏”に誰かが……?)

 

 その夜、私は決意する。

「……いいわ。だったら、正面から殴り込みに行ってあげる」

 王妃として。
 そして、中身オカマの最強メンタルで。
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