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第十話「ギャル、恋を知る」
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舞踏会が終わった翌朝、学園中はまだザワついていた。
“ギャルvs伝統派”の舞踏バトル、“王太子の土下座ラブ告白”、そして“婚約保留”という衝撃の結末。
「……え、保留ってなに?アリなの?あれ」
「“告白→保留→ギャル文化講座”って、もはや新ジャンルすぎる……」
「てか、王子様がギャル講座通うの?まじで?逆に見てみたいんだけど……」
そんな声を背に、ミレイアはひとり、学園の中庭で日向ぼっこしていた。
ラメ入り日傘を肩にかけ、足元にはカフェラテ。
「……まじで、何だったんだろ、昨日の告白」
そう呟く彼女の顔は、どこかぼんやりしていた。
「……好きとか、愛してるとか……言葉って、簡単に言えるんだよね。だけどさ~、そっからどうすんのって話」
彼女にとって、恋愛は“ゲームのルート”でも“ドレスの着替え”でもない。
好き、の先にある不安や面倒を、彼女は誰よりも知っていた。
(だって、傷つくのってダルくない?)
過去の誰かがそうだったのか、あるいは前世の記憶か――
自分を好きだと言ってくれる人たちを、どこか他人事のように見ていた。
でも。
「……あの子は、違うかも」
ふと思い出したのは、ラウルのまっすぐな視線。
ギャル改造講座でいつも真面目すぎて、でも決して笑わないその目。
(あの時、推しでいいって言ったけど……)
(本当は……ちょっとドキドキしたんだよね、アタシ)
「……はあ、なにそれ。マジで恋ってやつ?アタシが?」
ネイルを見つめながら、ため息をつく。
その時。
「……ミレイア様」
振り向けば、そこにいたのはラウル。
制服の襟元はちゃんと整い、髪もワックスで自然に流れている。
「どしたの? 今日の眉毛、いい感じだけど?」
「ありがとうございます。それより……昨日の舞踏会、最高でした」
「まーね?自分で言うのもアレだけど、アタシ、ガチで映えてたし?」
「……はい。でも、舞踏よりも、ミレイア様が“ミレイア様のまま”いたことが、何より格好よかったです」
「……」
心の奥が、不意にぎゅっとなる。
「ラウルさ~……“推し”って言ったけど……」
「……はい」
「今も、それでいてくれる?」
「もちろん。でも……いつか、“推し”じゃなくて、“恋人”になれるように頑張ります」
その答えが、妙に自然で、嬉しくて。
ミレイアは思わず笑った。
「まじ……素直すぎでしょ、アンタ。ウケる~……でも、嫌いじゃない」
風が、ふたりの間をやわらかく抜けていく。
その瞬間、ミレイア・エレノア・ド・ルシアは、ほんの少しだけ――“恋する乙女”の顔になった。
…アタシ、ほんとに……恋しちゃったかもね…
“ギャルvs伝統派”の舞踏バトル、“王太子の土下座ラブ告白”、そして“婚約保留”という衝撃の結末。
「……え、保留ってなに?アリなの?あれ」
「“告白→保留→ギャル文化講座”って、もはや新ジャンルすぎる……」
「てか、王子様がギャル講座通うの?まじで?逆に見てみたいんだけど……」
そんな声を背に、ミレイアはひとり、学園の中庭で日向ぼっこしていた。
ラメ入り日傘を肩にかけ、足元にはカフェラテ。
「……まじで、何だったんだろ、昨日の告白」
そう呟く彼女の顔は、どこかぼんやりしていた。
「……好きとか、愛してるとか……言葉って、簡単に言えるんだよね。だけどさ~、そっからどうすんのって話」
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好き、の先にある不安や面倒を、彼女は誰よりも知っていた。
(だって、傷つくのってダルくない?)
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自分を好きだと言ってくれる人たちを、どこか他人事のように見ていた。
でも。
「……あの子は、違うかも」
ふと思い出したのは、ラウルのまっすぐな視線。
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(本当は……ちょっとドキドキしたんだよね、アタシ)
「……はあ、なにそれ。マジで恋ってやつ?アタシが?」
ネイルを見つめながら、ため息をつく。
その時。
「……ミレイア様」
振り向けば、そこにいたのはラウル。
制服の襟元はちゃんと整い、髪もワックスで自然に流れている。
「どしたの? 今日の眉毛、いい感じだけど?」
「ありがとうございます。それより……昨日の舞踏会、最高でした」
「まーね?自分で言うのもアレだけど、アタシ、ガチで映えてたし?」
「……はい。でも、舞踏よりも、ミレイア様が“ミレイア様のまま”いたことが、何より格好よかったです」
「……」
心の奥が、不意にぎゅっとなる。
「ラウルさ~……“推し”って言ったけど……」
「……はい」
「今も、それでいてくれる?」
「もちろん。でも……いつか、“推し”じゃなくて、“恋人”になれるように頑張ります」
その答えが、妙に自然で、嬉しくて。
ミレイアは思わず笑った。
「まじ……素直すぎでしょ、アンタ。ウケる~……でも、嫌いじゃない」
風が、ふたりの間をやわらかく抜けていく。
その瞬間、ミレイア・エレノア・ド・ルシアは、ほんの少しだけ――“恋する乙女”の顔になった。
…アタシ、ほんとに……恋しちゃったかもね…
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