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新章開幕 『ごきげんよう、母は元ギャルです』
第8話 「清楚令嬢、大好きと叫ぶ。そして母が泣く」
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昼下がりの中庭。
木漏れ日の下、風がほんの少し、春めいていた。
クライア・フォン・シュトラールは、ベンチに座っていた。
その隣には、静かに、でもどこか決意に満ちた顔の――フレイア・アーデル。
「……昨日、手、繋ぎましたよね」
「うん。……だめだった?」
「いえ。だめではありません。むしろ……よかった、です」
わたくしは、制服の袖を指先できゅっと握りながら、言葉を探した。
「……ずっと……“清楚でいなきゃ”って、自分に言い聞かせてきました」
「うん」
「母様が“ギャルの伝説”と呼ばれていた分、わたくしは……何もかも、ちゃんとしていなきゃって。ふわふわしてたら、母様に失礼だって」
「でも?」
「でも……あなたと出会ってから、毎日が楽しくて。うるさくて、乱れてて、もう清楚どころじゃなくて」
わたくしは、顔を伏せた。
「それでも、わたくし、ずっと……あなたが好きでした」
「……!」
「大、大好きです……! クライア様っ!!」
(言ったぁあああああああああ!!!!!!)
顔が、爆発しそうに熱い。
でも、言わなきゃ、もうどうにもならないくらい――あふれてしまった。
⸻
クライアは、驚いたように目を丸くして――
すぐに、ぐしゃっとくしゃくしゃに笑った。
「……まじで? フレイアちゃんから“好き”言われる日が来るなんて思わなかった!」
「わ、笑わないでくださいっ……! 風紀が、風紀がぁっ……!」
「いやもう風紀とか関係ない。今日から俺の中では、
“フレイアちゃん=俺の一番大事な人”ってことで確定な!」
「っ~~~~っ!!////」
そして彼は、手を差し出した。
「もう一回、ちゃんと手、繋ご?」
「……はい」
小さく呟きながら、わたくしはその手を取った。
それはきっと、わたくしの人生でいちばん“清楚じゃない日”だった。
けれど――
(いちばん、好きな自分でもありました)
⸻
その夜。
「えっ、ママ知らなかった!? うそ!? フレイアちゃん“好き”言ったの!? しかも“大好き”で!? しかも“様”つきで!? うわ~~ん!! アンタもう本物の乙女だよぉお~~!!」
母様が食卓で泣き崩れていた。
「母様っ……いい加減、落ち着いてください……! おかず、飛びましたっ!」
父様は横で黙々と鶏肉をかじっていたが、
小さく「よくやった」と呟いてくれたのを、わたくしはちゃんと聞いた。
⸻
こうして、わたくしの初恋は――
ようやく、胸を張って“好き”と言えるものになりました。
木漏れ日の下、風がほんの少し、春めいていた。
クライア・フォン・シュトラールは、ベンチに座っていた。
その隣には、静かに、でもどこか決意に満ちた顔の――フレイア・アーデル。
「……昨日、手、繋ぎましたよね」
「うん。……だめだった?」
「いえ。だめではありません。むしろ……よかった、です」
わたくしは、制服の袖を指先できゅっと握りながら、言葉を探した。
「……ずっと……“清楚でいなきゃ”って、自分に言い聞かせてきました」
「うん」
「母様が“ギャルの伝説”と呼ばれていた分、わたくしは……何もかも、ちゃんとしていなきゃって。ふわふわしてたら、母様に失礼だって」
「でも?」
「でも……あなたと出会ってから、毎日が楽しくて。うるさくて、乱れてて、もう清楚どころじゃなくて」
わたくしは、顔を伏せた。
「それでも、わたくし、ずっと……あなたが好きでした」
「……!」
「大、大好きです……! クライア様っ!!」
(言ったぁあああああああああ!!!!!!)
顔が、爆発しそうに熱い。
でも、言わなきゃ、もうどうにもならないくらい――あふれてしまった。
⸻
クライアは、驚いたように目を丸くして――
すぐに、ぐしゃっとくしゃくしゃに笑った。
「……まじで? フレイアちゃんから“好き”言われる日が来るなんて思わなかった!」
「わ、笑わないでくださいっ……! 風紀が、風紀がぁっ……!」
「いやもう風紀とか関係ない。今日から俺の中では、
“フレイアちゃん=俺の一番大事な人”ってことで確定な!」
「っ~~~~っ!!////」
そして彼は、手を差し出した。
「もう一回、ちゃんと手、繋ご?」
「……はい」
小さく呟きながら、わたくしはその手を取った。
それはきっと、わたくしの人生でいちばん“清楚じゃない日”だった。
けれど――
(いちばん、好きな自分でもありました)
⸻
その夜。
「えっ、ママ知らなかった!? うそ!? フレイアちゃん“好き”言ったの!? しかも“大好き”で!? しかも“様”つきで!? うわ~~ん!! アンタもう本物の乙女だよぉお~~!!」
母様が食卓で泣き崩れていた。
「母様っ……いい加減、落ち着いてください……! おかず、飛びましたっ!」
父様は横で黙々と鶏肉をかじっていたが、
小さく「よくやった」と呟いてくれたのを、わたくしはちゃんと聞いた。
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こうして、わたくしの初恋は――
ようやく、胸を張って“好き”と言えるものになりました。
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